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ナットク現場改善シリーズ
よくわかる「IE七つ道具」の本

定価(税込)  2,268円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-06692-4
コード C3034
発行月 2011年05月
ジャンル 生産管理

内容

IEとは、企業が有する経営資源(ヒト・モノ・情報など)をより効果的・効率的に運用できるように作業手順や工程、配置などを分析して総合的に改善活動を取り組めるようにしたもの。本書はそのカギとなる七つ道具をわかりやすく解説したIE七つ道具の入門書。

藤井春雄  著者プロフィール

(ふじい はるお)
(株)経営技術研究所 代表取締役(中小企業診断士)

神奈川大学工学部卒業、1971年 大同製鋼(株)[現;大同特殊鋼(株)]入社
コンサルタント独立(1996年) (株)経営技術研究所 設立
[経営指導] 経営改善、トヨタ生産方式、企業再生支援、TPM・5S・改善実践
[ISO指導] ISO9000・14000・22000・HACCP・OHSAS18000・ISMS・Pマーク認証取得
[講演] 海外(韓国・パキスタン・中国)含め年間多数実施。
[海外指導]トヨタ生産方式を主に、韓国・中国・インド、他東南アジアを毎年指導
[主な役職] 農業経営支援センター会長、椙山女学園大学講師、日本生産管理学会常任理事、標準化研究会理事、J―PAO理事

〈主な著書〉
よくわかる「ジャスト・イン・タイム」の本(藤井春雄著、日刊工業新聞社)
よくわかる「ポカヨケ」の本(藤井春雄編著、日刊工業新聞社)

(以下共著、日刊工業新聞社(2004年以降分のみ))
マンガで教えてカイゼン君!トヨタ生産方式、「トコトンやさしいトヨタ生産方式の本」、「トヨタ式人財づくり」、「非製造業もトヨタ生産方式」、「トヨタ生産方式で品質管理を徹底するためのキーワード集」、「トヨタ生産方式で原価低減を推進するためのキーワード集」
「作業改善」日本規格協会(共著)、他 多数。


連絡先
(株)経営技術研究所
〒464―0075 名古屋市千種区内山3―28―2 KS千種303
TEL(052)744―0697 FAX(052)744―0698
E―mail: keieigijyutu@mva.biglobe.ne.jp
URL:http://www.keieigijyutu.com


目次

まえがき 

第1章 IEの概要
 1―1 改善とIE
 1―2 IEとは何か
 1―3 IEの歴史的発展
 1―4 IEの体系
 1―5 作業改善のIEアプローチ
 1―6 問題点把握方法
 1―7 IE手法の使われ方
 1―8 IE七つ道具
    ◆コーヒーブレイク(1)・・・F・W・テーラー

第2章 工程分析
 2―1 改善とIE
 2―2 工程分析記号とその意味
 2―3 製品工程分析;事例1.
 2―4 製品工程分析;事例2.
 2―5 調査の容易化と工程別改善の考え方
 2―6 作業者工程分析
 2―7 工程分析における付帯分析
    ◆コーヒーブレイク(2)・・・F・B・ギルブレス

第3章 稼働分析
 3―1 稼働分析
 3―2 ワークサンプリング理論
 3―3 ワークサンプリングの手順
 3―4 観測時刻の決定
 3―5 ワークサンプリングの観測用紙
 3―6 ワークサンプリング活用での改善事例
    ◆コーヒーブレイク(3)・・・TQC(M)

第4章 動作研究(分析)
 4―1 動作研究の意義と目的
 4―2 サーブリッグ分析
 4―3 映写による分析
 4―4 動作経済の原則
    ◆コーヒーブレイク(4)・・・TPM

第5章 時間研究
 5―1 時間研究の概要と狙い
 5―2 観測対象と作業区分
 5―3 時間研究の目的と用具
 5―4 時間観測の手順
 5―5 観測の要領と心がまえ
 5―6 観測の練習
 5―7 時間観測用紙記入手順
 5―8 観測結果での改善項目洗い出しとまとめ
 5―9 標準時間
 5―10 トヨタ生産方式(TPS)での時間分析の特徴
    ◆コーヒーブレイク(5)・・・TPS

第6章 マテリアル・ハンドリング
 6―1 マテリアル・ハンドリング(マテ・ハン)
 6―2 物流フロー図
 6―3 物流工程分析での改善
 6―4 運搬活性分析
 6―5 流れ化での改善…トヨタ生産方式
 6―6 マテ・ハンのシステム設計の進め方
    ◆コーヒーブレイク(6)・・・BRICS

第7章 プラント・レイアウト
 7―1 レイアウトの重要性
 7―2 プラント・レイアウトの基本ステップ
 7―3 プラント・レイアウトの詳細ステップ
 7―4 レイアウトの決定
    ◆コーヒーブレイク(7)・・・NEXT11

第8章 事務(工程)改善
 8―1 事務改善の必要性
 8―2 事務部門の課題・問題点
 8―3 事務工程分析の活用と、その特徴および目的
 8―4 事務フローの改善
    ◆コーヒーブレイク(8)・・・日本の労働生産性

第9章 おもしろいほど効果が出るIE実践のポイント
 9―1 IE実践で大切なこと
 9―2 「あるべき姿」の作成
 9―3 気づく人づくり
 9―4 アイディア発想法
 9―5 トヨタ生産方式の基本はIEと人づくりを徹底すること

はじめに

 IEが本格的に世に出て100年になる。日本では明治時代の終わり頃、アメリカでは経済発展が著しく、製造業とくに鉄鋼業界の生産性が飛躍的に伸びた時代である。
 この時代に“F・W・テーラー”[*1]と“F・B・ギルブレス”[*2]によって生み出された“時間研究”“動作研究”を中心とした「科学的管理法」と呼ばれるものが、その後の世界の生産性向上の牽引役として、多大なる貢献を担った。
 わが国は戦後の混乱から、いち早くアメリカ式IEを学び、急速な生産性向上と品質改善により、1970年代から80年代の高度成長経済へと発展させることができた。
 とくに1960年代後半からは、団塊の世代と呼ばれる大量の労働力供給もあり、日本の工業生産性は著しく向上し、わが国特有の工夫(改善活動)と頑張りにより、アメリカに次ぐ世界No2のGDPを有する国へと発展した。
 1970年代から80年代には、QC活動の発展によりTQC[*3](後にTQM)、TPM[*4]またはTPS[*5](トヨタ生産方式)等々、わが国の勤勉さがアメリカ・ヨーロッパの先進国を追い越し、“Japan as No1”と言われるまでになった。
 得意とする改善提案は各社で行われ、1980年代の優良企業では1人当たりの月間提案件数が70件を超えるところも出てきていた。
 しかし、1990年代初めのバブル崩壊を機に、大幅な縮小経済とともに、海外への工場移転急増により国内の空洞化が進んだ。重要なことは生産性向上の牽引役であった“改善提案”までもが落ち込み、提案件数も急速に低調になったことである。
 “失われた10年”また“失われた20年”と言われて久しい。世界的には、BRICS[*6]の台頭とともに近年はNEXT11[*7]また、VISTAと言われる新興国の急速なGDP向上の中で、わが国の経済力と鉱工業生産性は、頭打ちの状態が続いている。
 円高など、環境は非常に厳しいが、鉱工業生産のさらなるコストダウン、品質向上の推進とともに、日本の70~80%を占める製造業以外のサービス業を中心とした業種の低生産性にも目を向けて、日本の得意とする生産性向上の活性化が今こそ必要である。
 その手段として、我々が製造業で培ったIE手法を、さまざまな分野に応用し、日本全体の生産性向上を見直す時が来ている。
 IEは正しく活用することにより、生産性・品質・コスト面で確実に向上させることができるし、その典型的な例が、世界の製造メーカーの羨望の的である、トヨタ生産方式(TPS)である。
 トヨタ生産方式は、アメリカ式IEの基本(作業研究の分野)を未だに確実に守りながら、日本的特徴“ムダ取り”を加え、現在では製造部門のみでなく、広く事務・設計部門・サービス業(スーパー、医療など)にも活用されている。
 IEの考え方・手法は何も難しいことではない。この本では、改善の進め方を具体的に示す(考え方・分析手法)ことにより、より分かりやすく理解・活用できることを主眼とした。じっくり読む時間のない方は、第1章と第9章から先に目を通されることをお奨めする。
 そして製造業はもとより、IE分析に今まであまり馴染みのなかった人達にも容易に活用されることにより、日本の労働生産性(米国の66.7%)[*8]向上の一役を担えることを望みたい。

*印
項 目
コーヒーブレイク参照
*1
F・W・テーラー
コーヒーブレイク(1)(第1章 30ページ)
*2
F・B・ギルブレス
コーヒーブレイク(2)(第2章 50ページ)
*3
TQC(M)
コーヒーブレイク(3)(第3章 72ページ)
*4
TPM
コーヒーブレイク(4)(第4章 90ページ)
*5
TPS
コーヒーブレイク(5)(第5章 124ページ)
*6
BRICS
コーヒーブレイク(6)(第6章 136ページ)
*7
NEXT11
コーヒーブレイク(7)(第7章 150ページ)
*8
日本の労働生産性
コーヒーブレイク(8)(第8章 160ページ)

2011年3月 藤井春雄

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