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製品開発に役立つ
プラスチック改質技術入門

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 172頁
ISBNコード 978-4-526-06700-6
コード C3043
発行月 2011年05月
ジャンル 化学

内容

プラスチック材料を最終製品に加工するには、製品用途に適した特性や加工性を向上させるために添加剤の配合や複数のポリマーのブレンドによる改質が欠かせない。製品の高品質化のカギを握る改質技術を化学の専門家ではない技術者にもわかるように解説する。

矢崎文彦  著者プロフィール

(やざき ふみひこ)
1960年、早稲田大学第一理工学部応用化学科卒業。
日本石油化学(株)にてLDPE、HDPE、その他の特殊プラスチックの改質改良の研究、特に電線被覆材料の開発、接着性プラスチックの開発に従事。新材料研究所所長。
1994年、工学博士(千葉工業大学)。
1996年、退職後、千葉工業大学非常勤講師。
現在、ハイテク振興センター(株)技術顧問、NPO法人科学技術者フォーラム理事長。

目次

はじめに  

第1部 改質に必要なプラスチックの基礎基礎
 1.1 プラスチックになぜ改質が必要か  
 1.2 プラスチックの分類  
 1.3 プラスチックの価格と特性  
 1.4 高分子の温度-粘弾性特性  
 1.5 結晶性プラスチックの組織  
 1.6 プラスチックの流動特性とその改良法  
 1.7 各種プラスチックの特徴と欠点  
 1.8 プラスチックの改良に関係する重要事項  
  1.8.1 極性と無極性  
  1.8.2 溶解パラメータ  
  1.8.3 表面張力  

第2部 プラスチックの改良方法
 2.1 添加剤による改良  
 2.1.1 プラスチックの本来の特性と市場のニーズ  
  2.1.2 添加剤の種類  
  2.1.3 添加剤のブリードアウト  
 2.2 ポリマーブレンドによる改良  
  2.2.1 ポリマーブレンドの分類  
  2.2.2 ポリマーブレンドの歴史  
  2.2.3 ブレンド理論  
  2.2.4 非相溶系ブレンドの相容化  
  2.2.5 ポリマーブレンドからの材料開発  
 2.3 リアクティブプロセッシングによる改良  
  2.3.1 押出反応の種類  
  2.3.2 RPによる高分子改良への利用法  
  2.3.3 有機化酸化物の選定  
  2.3.4 モノマーの反応性  
 2.4 繊維・フィラーによる改良  
  2.4.1 複合化の目的  
  2.4.2 繊維・フィラーの種類  
  2.4.3 複合則による性能の予測  
  2.4.4 界面との濡れおよび接着  

第3部 プラスチックの性能・機能性の改良
成形性の改良  
  1.成形法と成形パラメータ  
  2.溶融粘度の改良  
  3.溶融弾性および溶融張力の改良  
耐候性の改良  
  1.プラスチックの劣化要因  
  2.プラスチックの劣化の症状  
  3.プラスチックの製造から使用までの劣化ステップ  
  4.プラスチックの劣化メカニズム  
  5.プラスチックが劣化しやすい分子構造  
  6.劣化防止剤の種類  
   6.1 酸化防止剤  
   6.2 紫外線吸収剤  
   6.3 光安定剤  
   6.4 金属不活性剤  
   6.5 光遮蔽材  
  7.添加剤の相乗作用と拮抗作用  
耐熱劣化性の改良  
  1.プラスチックの熱劣化性  
  2.溶融時での熱劣化  
  3.固体状態での高温時の熱劣化  
  4.成形加工溶融時での熱劣化  
   4.1 成形の上限温度の改良  
   4.2 成形加工時の劣化防止  
  5.酸化防止剤の添加レベル  
耐衝撃性の改良  
  1.プラスチックの耐衝撃性  
  2.ブレンドによる耐衝撃性改良  
   2.1 ブレンドの種類  
   2.2 プラスチックの耐衝撃性改良方法  
   2.3 相溶系ブレンドの耐衝撃性改良  
   2.4 非相溶系ブレンド系の耐衝撃性改良  
    2.4.1 耐衝撃性改良のメカニズム  
    2.4.2 分散粒子径を小さくする方法  
    2.4.3 相容化剤による方法  
    2.4.4 リアクティブプロセッシングによる方法  
  3.対衝撃性の評価方法  
  4.耐衝撃性改良のブレンド例  
耐熱性の改良  
  1.プラスチックの耐熱性  
   1.1 耐熱性の分類  
   1.2 使用時の耐熱限界  
    1.2.1 耐熱性を決める物性  
    1.2.2 耐熱性の評価方法  
  2.プラスチックの耐熱性改良方法  
  3.複合化による耐熱性改良  
   3.1 ガラス繊維による耐熱性改良  
    3.1.1 ガラス繊維による改良効果  
    3.1.2 複合則  
    3.1.3 ガラス繊維の種類と特性  
    3.1.4 ガラス繊維の表面処理  
    3.1.5 プラスチックの接着性改良  
    3.1.6 ガラス繊維の添加方法と成形法  
   3.2 フィラーの添加による耐熱性改良  
   3.3 耐熱性プラスチックのブレンドによる耐熱性改良  
    3.3.1 相溶系ブレンドでの耐熱性改良  
    3.3.2 非相溶系ブレンドでの耐熱性改良  
難燃性の改良  
  1.プラスチックの難燃性  
   1.1 プラスチックの難燃化  
   1.2 難燃性の規格  
   1.3 難燃剤のEU規制  
   1.4 日本の難燃剤の法規制  
  2.難燃性改良のメカニズム  
  3.難燃剤の種類  
  4.代表的なプラスチックの難燃化例  

帯電防止性の改良  
  1.帯電防止性を改良する理由  
  2.プラスチックの帯電防止方法  
  3.添加剤による帯電防止性改良  
   3.1 帯電防止剤の種類  
   3.2 帯電防止剤を使用する際の留意点  
   3.3 永久帯電防止剤  
  4.帯電防止性の評価方法  
導電性の改良  
  1.プラスチックの導電性改良の必要性  
  2.導電材の種類  
表面特性の改良  
  1.表面特性改良の必要性  
   1.1 加工時の溶融物の表面特性改良  
   1.2 使用時の成形品の固体表面特性改良  
  2.滑剤  
   2.1 プラスチックに必要とされる滑性と滑剤の種類  
   2.2 各種プラスチックの適応滑剤  
  3.アンチブロッキング剤  
  4.防曇剤  
接着性の改良  
  1.ポリオレフィンの接着性改良方法  
  2.反応押出による改良  
  3.反応押出による接着性ポリオレフィンの製造  
   3.1 反応押出による接着性ポリオレフィンの種類  
   3.2 反応押出による接着性ポリオレフィンの製造プロセス  
   3.3 反応押出による接着性ポリオレフィンの製造条件  
軽量化  
  1.プラスチック軽量化の方法  
  2.発泡用プラスチック  
  3.発泡体の製造方法  
  4.発泡剤  
   4.1 発泡剤の種類  
   4.2 発泡助剤および複合発泡剤  
  5.架橋剤  
抗菌・防カビ性の改良  
  1.プラスチックの抗菌・防カビ  
  2.抗菌剤の種類  

索引

はじめに

 プラスチックが発展成長してきた過程は、プラスチックの改良の歴史であったように感じられる。ほとんどのプラスチックは添加剤やブレンドによる改良によりフィルム用、工業部品用などとして市場の用途に使われている。添加剤やブレンドによる改良なしではプラスチックの発展はなかった。逆に、これらの改良によりプラスチックの発展が望める。
 プラスチックメーカーに勤務していた著者も、顧客の無理難題に答えるべく添加剤による改良、他のプラスチックやゴムとブレンドすることによる改良、複合材による改良など、プラスチックの販売を拡大するために改良に次ぐ改良を行った。その結果がプラスチックの発展に大きく寄与したものと考える。
 プラスチックの改良がプラスチック産業の成長の原点であることはこれからも変わらないと考える。しかし最近の状況は、プラスチックの汎用化や共通化による合理化が製造メーカーを中心に進んでいるように感じる。これはプラスチックの発展にはとっては悲しむべきことで、市場の無理難題のニーズをもっと受け入れるための改良研究の必要性を感じる。そのために製造メーカーのプラスチックの専門家だけでなくプラスチック加工技術者にも改良に興味をもっていただくことを念じて本書を書いた。そのため、化学を専門としない方でも読めるようにした。
 プラスチックの実用書としてプラスチックの改良に関する本がないことに気が付き、日刊工業新聞社出版局の森山郁也氏よりのご指名をいただき、懇切丁寧なご協力のお陰で完成することができた。心より御礼申し上げます。

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