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目で見てわかる
稼げる機械保全

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ B5判
ページ数 200頁
ISBNコード 978-4-526-06693-1
コード C3050
発行月 2011年05月
ジャンル 機械

内容

製造現場では、機械設備を稼動させたい時にトラブルなく運転できるか(稼げるか)どうかが重要で、そのために日々の「メンテナンス=機械保全」が不可欠となる。著者が実際に経験した保全事例をベースに、原因や対処方法をわかりやすく解説する。

竹野俊夫  著者プロフィール

(たけの としお)
1965年 大阪府生まれ
1990年 労働省管轄 職業訓練大学校卒業
1991年 雇用促進事業団(神奈川技能開発センター勤務)
1999年 国際協力事業団へ出向(インドネシア、ウガンダへ派遣)
2003年 雇用・能力開発機構(千葉センター勤務)
2008年 (独)雇用・能力開発機構・高度職業能力開発促進センター勤務
     現在、素材・生産システム系講師、素形材関係団体の講師
     防衛省陸上自衛隊(技能・整備)予備自衛官 階級2等陸曹


企業の工場設備の保守メンテナンス方法や機械保全方法を現場で指導。改善提案や設備の延命につながる職業訓練を展開。国際協力事業団(JICA専門家)でアフリカ(ウガンダ)、インドネシアにおいて小型船舶エンジン・自動車整備を指導。また、現地飲料水工場、砂糖工場、ビール工場等で生産設備の保守・保全方法を現地スタッフに指導。防衛省陸上自衛隊では、日本国内が大規模災害や有事の際、装備品や車両などの整備を行う。

目次

はじめに

第1章「機械保全」ってなに?
1-1  機械保全とは
1-2  機械保全の必要性
1-3  機械保全に必要な技能・技術
1-4  機械保全に強くなるには
1-5  現場における機械保全とは
1-6  機械保全に必要な機械工具
1-7  機械保全に必要な組立・調整方法
1-8  機械保全に必要な記録

第2章「締結部品」と保全作業
2-1  締結部品とは
2-2  締結部品の用途・種類・材質
2-3  締結部品の仕組み
2-4  適正な締付けとは
2-5  締結部品の損傷事例
2-6  締結部品はなぜ緩むのか?
2-7  締結部品の緩みを止める方法
2-8  締結部品の日常点検方法
2-9  損傷した締結部品の取り外し方
2-10  キーとは
2-11  キーの種類と用途
2-12  キーの点検・調整方法
2-13  キーの損傷事例

第3章「伝動装置」と保全作業
3-1  伝動装置とは
3-2  伝動装置の用途・種類・機能
3-3  歯車による伝動
3-4  歯車用オイルの種類・供給方法・適正方法
3-5  歯車の損傷事例
3-6  チェーンによる伝動
3-7  Vベルトによる伝動
3-8  タイミングベルトによる伝動

第4章「軸受」と保全作業
4-1  軸受とは
4-2  すべり軸受
4-3  すべり軸受材料の種類と特徴
4-4  すべり軸受の潤滑
4-5  すべり軸受の調整方法
4-6  すべり軸受の損傷事例
4-7  転がり軸受
4-8  転がり軸受の種類と形状
4-9  転がり軸受のはめ合い
4-10  転がり軸受の修繕・整備
4-11  転がり軸受の潤滑

第5章「軸・軸継手」と保全作業
5-1  軸とは
5-2  軸の種類と特徴
5-3  軸の修繕・整備とは
5-4  軸の損傷事例
5-5  軸継手とは
5-6  軸継手の種類と特徴
5-7  軸継手の修繕・整備
5-8  軸継手の損傷事例

第6章「密封装置」と保全作業
6-1  密封装置とは
6-2  ガスケットの種類と特徴
6-3  ガスケットの交換方法
6-4  ガスケットの損傷事例
6-5  Oリングの種類と特徴
6-6  Oリングの交換方法
6-7  Oリングの損傷事例
6-8  オイルシールの種類と特徴
6-9  オイルシールの交換方法
6-10  オイルシールの損傷事例
6-11  パッキンの種類と特徴
6-12  パッキンの交換方法
6-13  パッキンの損傷事例

第7章「潤滑剤」と保全作業
7-1  潤滑とは
7-2  潤滑と摩擦とは
7-3  潤滑と摩耗のメカニズム
7-4  潤滑剤の目的
7-5  潤滑剤の種類と用途
7-6  潤滑剤の管理
7-7  潤滑剤の汚染管理

索引

はじめに

 機械の構造に興味をもちはじめたのは、小学校2年生のころ、5段変速機のついた自転車を買ってもらったときでした。自転車を買ってもらえたのがうれしくて、毎日ピカピカに磨いていました。そのうち内部の構造がどのようになっているか興味をもちはじめて、車輪を分解したり、中に入っているベアリングを交換したりしていました。
 内部の構造がわかってくると、グリスやオイルを新しく交換するだけでペダルを踏む力が変わったのを今でも鮮明に覚えています。
 また、祖母が畑に水をやるのに井戸水を使っていたため、祖母は井戸水をくみ上げるポンプ修理を行っていましたが、その手伝いもしました。明治生まれの祖母からは、戦前・戦後の話をよく聞かされ、とくに終戦直後の10年間は物資がほとんどなく、すべて工夫しながら自分自身で行わなければならなかった生活ぶりを話してもらいました。ですから幼いときから、機械修理などしながら機械と一緒に遊んでいることが多かったのです。
 その私が、今は企業の現場で機械の保全について教えています。企業の現場の方からよく次のような話を聞きます。「設備が突然故障し、生産活動ができずに生産途中の品物が不良品になってしまった…」。また「機械設備の保守メンテナンスが不十分で故障したときには多くの部品代や修理代がかかってしまう。もう少し早く不具合個所がわかり、初期の段階で保守メンテナンスができていたらこのような事態にならなかった…」と。機械や設備を「壊れてから修理する」のと、「壊れないようにメンテナンスする」では180度その状況や結果が違ってきます。機械保全とは後者の「壊れないようにメンテナンスする」ことなのです。
 機械設備の保守メンテナンスを適切に行うことは、結果として故障などが少なくなり「機械設備を長い期間使う」ことにつながります。本書のタイトルになっている『稼げる』という言葉は、金銭的に稼げると捉えがちですが、『稼げる機械保全』とは適切に機械保全を行うことで、故障を少なくし、結果として不良品を激減させ、部品代、修理費を少なくし、出費を抑えられることを意味しています。
 本書は、私が現場で機械保全教育・指導を行ってきたケーススタディを収録しています。1つひとつの事例が、日夜、現場で機械保全にがんばっておられる保全マンの参考になれば幸いです。
 本書の発行に際し、適切なアドバイスをいただきました日刊工業新聞社出版局の奥村功書籍編集部長、そして企画の段階からアシストいただいたエム編集事務所の飯嶋光雄氏はじめ、スタッフの皆様に感謝いたします。

2011年5月               
竹野俊夫

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