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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい ゴムの本

定価(税込)  1,512円

監修
編著
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06661-0
コード C3034
発行月 2011年03月
ジャンル ビジネス 化学

内容

ゴムは、弾力性、伸縮性、水・空気・電気を通さないなどいろいろな特徴から、私たちの生活になくてはならないモノである。現在、その用途目的に合わせて何千種類ものゴムが作られているが、本書は、「ゴムとはなにか?」から、その応用範囲までをわかりやすく図解で解説していく。

奈良功夫  著者プロフィール

(なら いさお)
1949年東京生まれ、日大理工学部卒。工学博士。大手ゴムメーカーの研究所勤務を経て、現在、「楽しいゴムの研究会」を主宰。「生活の中でのゴムと遊び知る」ことをテーマに、幼稚園から老人会まで全国で幅広く講演活動を展開している。著書に「ゴムと遊ぼう」「ゴムの驚き面白話」(いずれも自費出版)などがある。

目次

はじめに

第1章 ゴムっていったいなんだろう
1 ゴムをいち早く活用したのは中南米!? 「ヨーロッパ人は16世紀までゴムを知らなかった」
2 天然ゴムはゴムの木の樹液を凝固、加工したもの 「天然ゴムと合成ゴム」
3 グッドイヤーの発見がゴムに革命をもたらした 「弾性の飛躍的向上」
4 天然ゴムは戦略物資となった 「市場から姿を消した野生のゴムの木」
5 用意周到だったイギリスのゴム政策 「オランダは試みたが失敗した」
6 毎日少しずつ採取するタッピング法 「ヘンリー・ニコラス・リドレー」
7 ゴムの木は13年前後で最も多く樹液を出す 「スモークドシードとペールクレープ」
8 タイの平均的ゴム農園は2・4ヘクタール 「ゴム農園は40ヘクタール以下の所が多い」
9 ゴムはインディオたちの多大な犠牲の上にあった 「20世紀初めには3万人もの死者」
10 19世紀にゴムは徐々に生活の中へ浸透してきた 「たくさんの人がゴムの魅力にとりつかれた」

第2章 ゴムにはいろいろな秘密がある
11 ゴムには未だ解明されていない秘密が多い 「ゴムの木の樹液の存在理由とは」
12 天然ゴムは細長い紐状の集合体の絡み合い 「イソプレンが100個以上つながる」
13 伸び縮みするときのゴムは〝液体〟!? 「天然ゴムの驚異の引っ張り強度」
14 天然ゴムは今もって重要な工業原料 「人工の合成ゴムは1900年に開発された」
15 ゴムは〝熱に弱い〟? 「天然ゴムの耐熱温度は約60℃」
16 ゴムはバイオエタノール燃料に弱い 「自動車にどう使っていくか」
17 ゴムは酸化作用にすごく弱い 「オゾン」は大敵」
18 ゴムを重ねたり、曲げたり、吊るしたりしない 「ゴムの劣化防止」
19 ゴムは、実は水道水にも弱いのだ 「塩素は大敵」
20 ゴムの中ではちょっと異質な「アラビアゴム」 「水溶性ゴムは全く違う使い道がある」
21 アラビアゴムはほとんど無害 「スーダンが大きなシェアをもつ」

第3章 人工的に使用目的にあったゴムをつくる
22 多種多様な製品として使われる合成ゴム 「天然ゴムには少し劣るが…」
23 ゴムの中では最も軽いエチレンプロピレンゴム 「合成ゴムにはいろいろな種類がある」
24 用途を広げているアクリルゴム 「多種多様の合成ゴム」
25 大別すると「汎用ゴム」と「特殊ゴム」 「合成ゴムを別の側面からみる」
26 天然ゴムにない特性を持つ特殊ゴム 「各種の特性を高め特定用途に使用される」
27 2009年で合成ゴムは誕生100年 「ゴムの需要を大きく広げた」
28 今や合成ゴムの日本の生産量は世界3位 「今後も成長を続ける」
29 合成ゴムは石油製品のナフサから生まれる 「合成ゴムの作り方」
30 合成ゴムラテックスは弾性があり耐水性が高い 「使用には注意も必要」
31 合成ゴムは用途・主鎖・化学構造で分類 「各種の分類法」
32 合成ゴムは88%が国内で賄われている 「国内での生産と消費の関係」
33 合成ゴムの発明者はランクセスに勤めていた 「世界の化学メーカー」
34 ランクセスがペトロフレックスを完全子会社に 「韓国には二大タイヤメーカー」

第4章 広がるゴムのいろいろな使い道
35 世界で最初の輪ゴムは「伸縮自在ひも」 「輪ゴムは年間340億本使われる」
36 輪ゴムは8倍まで伸びる 「取り扱いに注意」
37 ゴム風船も天然ゴムからつくられる 「製造法はそれぞれ秘密」
38 雨具、雨靴には高純度天然ゴムを使用している 「ゴムの防水能力」
39 テニスボールは「コア」部分がゴム 「いろいろな用途に使われるゴム」
40 防振ゴムは「防振」「緩衝」「防音」の三つの目的 「自動車には30種類以上のゴムを使用」
41 免震ゴムは水平方向の地震動に有効 「ゴムの特徴を利用」
42 サッカーボールは内側にゴムが使われている 「各種のゴム応用」  
43 マイナス70℃でも弾力性のあるシリコーンゴム 「医療用にも使われる」
44 広範な分野で活躍するスポンジゴム 「靴の底部にも使用」
45 ゴムが黒鉛を剥がして包み込んで消す消しゴム 「天然、プラスチック両方ある」
46 消しゴムは18世紀にイギリスで作られた 「最初は外来品に依存」
47 紙1枚で欠点を防ぐプラスチック消しゴム 「キャラクターものまで広く使われる」

第5章 ゴム用途の〝代表”タイヤには多種多様のものがある
48 ゴムタイヤはまず自転車でフィーバーした 「自動車のタイヤは難しかった」
49 タイヤが黒いのはカーボンブラックのせい 「昔のタイヤはアメ色だった」
50 第5工程もある自動車タイヤの製造 「ゴムの特性を発揮してエネルギーを駆動に変える」
51 ラジアルタイヤで寿命は倍増 「バアイスタイヤとラジアルタイヤ」
52 事故を少なくしたチューブレスタイヤ 「急激な空気漏れがない」
53 航空機のタイヤは長い間バイアスタイヤだった 「過酷な環境に耐えるタイヤ」
54 ゴムタイヤの溝は安全性と大きく関わる 「溝には溝の機能がある」
55 使用済みタイヤは年間で約100トン 「古タイヤの活用法」
56 日本のタイヤ・ゴムの売り上げ規模は約4兆5000億円 「頑張る日本企業」
57 それぞれの強みを持つタイヤ・ゴムメーカー 「産業用に使われるゴム」
58 ゴムに執着したブリジストンとフォード 「地下足袋と自動車」
59 随所で見られる廃タイヤ・リサイクルの動き 「古タイヤと製鉄所」
60 タイヤの不法投棄を防ぐマニフェスト制度 「タイヤは大きくかさばる」
61 更生タイヤは輸出が多い 「更生タイヤの作り方」

第6章 変わりゆくゴム市場とゴム業界
62 ゴムの消費でも中国が世界最大 「消費国のベスト3は、中国、アメリカ、日本」
63 天然ゴムは為替相場にも注意が必要 「日本は100%輸入に頼る」
64 東京ゴム市場はプライス・リーダー 「世界のゴム市場はアジアが中心」
65 歴史あるタイ、古くからの中継地点シンガポール 「アジアにはゴムの取引市場が集中している」
66 世界の関心を集める中国市場 「取引所はいろいろ」
67 ゴム業界でもグローバル化進展 「戦略的提携が進む」

【コラム】
●防水コートは一大ファッションに
●ラテックスの回収は素早く行なう
●〝未知の素材〟ゴムに目をつけた
●消しゴムアラカルト
●グッドイヤータイヤとは無縁なグッドイヤー
●アメ色ゴムバンドは日本が最初
●チューインガムも「ゴム」が発端?
●プラスチック消しゴムは日本で作られた

参考文献
索引

はじめに

 小さい頃、輪ゴムの飛ばし合いをしたことは、きっと誰にでも経験があるでしょう。相手のお尻を目がけてゴムのピストルを発射したりなどもし、そのためのゴムを何本も手首に巻き付けていたら、手首にくっきりとゴムの痕がついてしまいました。飛ばしたゴムはもちろん拾い集めますが、そのままほったらかしにしておいたゴムも少なくありません。それほど、ゴムは、私たちの身近にあり、生活の中に溶け込んでいました。そして、それは、昔ほどゴムでの遊びをしなくなった今日この頃においても変わりません。
 私たちが生活の中で使っているゴムは、輪ゴムだけではありません。子供の頃、遊園地に行くときまってゴム風船を買ってもらいました。外に遊びに行くときゴムズックを突っかけて飛び出して行きました。学校では消しゴムです。ヒーローをかたどった消しゴムに夢中になったものです。
 学校に行くときに乗った自転車のタイヤ、部活で使ったテニスボールもゴム製品ですし、日曜日には、お父さんが家の庭にゴムホースで散水し、車を洗ったりもしています。
 水道の水漏れが止まらず、蛇口などを外して中を見ると、ゴムの小さな輪が出てきました。これがダメになったからだ、と教えられ、この小さな輪が水漏れをなくしているのか、と感心し、大人の知識を得たような気分になったりもしました。友達の家に遊びに行くと、部屋の中にゴムの木があり、この木からゴムができるのかと不思議に思った人もいるでしょう。
 また、なぜ「ゴム」と呼ばれるモノが、伸びたり縮んだりするのかと、ふと考えてしまったりしなかったでしょうか。この伸縮する不思議こそが、それこそあらゆる分野で円滑にコトを運ぶ大きな役割を担っているのです。
 では、なぜ、ゴムだけがあんなに伸びたり縮んだりするのか? といえば、そこにゴムの化学的な不思議な構造があります。また、ゴムの木が本当にあのようなゴムになるのか、そして、私たちがまったく気がつかないところでのゴムの活躍、それなくしては、それこそ生活が、いや産業全体が成り立たないという、不思議の固まりのようなゴムの話を、本書では生活に密着した形でできるだけわかりやすく解説しました。ゴムの不思議を科学的により具体的に知ると、きっと今まで以上にゴムというものへの関心が深まるものと思いますし、そこから大きな興味がまた沸いてくることでしょう。
 監修は、このようなゴムの不思議を全国の学校や施設を中心に遊びを交えながら解説している工学博士の奈良功夫氏です。また、この企画を与えてくれた日刊工業新聞社の藤井浩氏には、心から感謝する次第です。
2011年3月
ゴムと生活研究会

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