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ついてきなぁ!材料選択の『目利き力』で設計力アップ

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 232頁
ISBNコード 978-4-526-06644-3
コード C3053
発行月 2011年03月
ジャンル 機械

内容

「ついてきなぁ!」シリーズ第6弾。今回のテーマは設計に役立つ「機械材料」の「目利きヂカラ」の育成。「切削」「板金」「樹脂」材料の特性を理解し、必要不可欠な材料工学の知識を身に付ける。本書を読めば、即戦力として役立つ、最適な「材料選択」ができるようになる。

國井良昌  著者プロフィール

(くにい よしまさ)
技術士(機械部門:機械設計/設計工学)
日本技術士会 機械部会 幹事
日本設計工学会 会員
横浜国立大学 大学院工学研究院 非常勤講師
首都大学東京 大学院理工学研究科 非常勤講師

1978年、横浜国立大学 工学部 機械工学科卒業。日立および、富士ゼロックスの高速レーザプリンタの設計に従事。富士ゼロックスでは、設計プロセス改革や設計審査長も務めた。1999年より、國井技術士設計事務所として、設計コンサルタント、セミナー講師、大学非常勤講師として活躍中。
以下の著書が日刊工業新聞社から発行されている。
・ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で『即戦力』
 平成20年度 日本設計工学会 武藤栄次賞 Valuable Publishing賞受賞
・ついてきなぁ!『設計書ワザ』で勝負する技術者となれ!
 平成21年度 日本設計工学会 武藤栄次賞 Valuable Publishing賞受賞
・ついてきなぁ!加工部品設計で3次元CADのプロになる!
・ついてきなぁ!失われた『匠のワザ』で設計トラブルを撲滅する!
・ついてきなぁ!設計トラブル潰しに『匠の道具』を使え!

URL:國井技術士設計事務所 http://adf.web.infoseek.co.jp/

目次

はじめに:技術は料理に、技術者は料理人に例えるのがコツ

第1章 設計力アップ!切削用材料はたったこれだけ
  1-1.切削用材料のランキング
   1-1-1.切削用材料の部品点数ランキング
   1-1-2.切削用材料のランキング別材料特性
   1-1-3.切削用材料と加工機
  1-2.隣国企業における超低コスト化設計は材料の標準化
   1-2-1.トータルコストデザインにはツールが必要
   1-2-2.5つの開発ツールが存在する
   1-2-3.2つの新しい開発ツールが存在する
   1-2-4.EV車の超低コスト化設計
   1-2-5.驚愕する材料規格の種類の多さ
   1-2-6.目で見る材料標準化の低コスト効果
  1-3.切削用合金鋼のランキング
   1-3-1.切削用合金鋼の部品点数ランキング
   1-3-2.切削用合金鋼のランキング別材料特性
   1-3-3.Q&A:ステンレスの錆び(電食)で火災事故?
  1-4.切削用鋼材のランキング
   1-4-1.切削用鋼材の部品点数ランキング
   1-4-2.切削用鋼材のランキング別材料特性
   1-4-3.Q&A:S45CとSC450の相違はなんですか?
  1-5.切削用アルミ合金のランキング
   1-5-1.切削用アルミ合金の部品点数ランキング
   1-5-2.切削用アルミ合金のランキング別材料特性
   1-5-3.簡単な材料力学:断面2次モーメントと断面係数
   1-5-4.Q&A:鋼材からアルミ材に変更するときの留意点は?
  1-6.切削用銅合金のランキング
   1-6-1.切削用銅合金の部品点数ランキング
   1-6-2.切削用銅合金のランキング別材料特性
   1-6-3.Q&A:銅合金はどんなところに使用されていますか?
  1-7.鋳造用アルミ合金のランキング
   1-7-1.鋳造用アルミ合金の部品点数ランキング
   1-7-2.鋳造用アルミ合金のランキング別材料特性
   1-7-3.Q&A:鋳造用アルミ合金の生産量ランキングは?
  1-8.鋳鉄のランキング
   1-8-1.鋳鉄の部品点数ランキング
   1-8-2.鋳鉄のランキング別材料特性
   1-8-3.トラックタイヤ脱輪事故にみる材料選定の考察
  1-9.クロムモリブデン鋼のランキング
   1-9-1.クロムモリブデン鋼の部品点数ランキング
   1-9-2.クロムモリブデン鋼のランキング別材料特性
   1-9-3.Q&A:エンジンのどこに使われているのですか?
       〈目利き力・チェックポイント〉

第2章 設計力アップ!板金材料はたったこれだけ
  2-1.板金材料のランキング
   2-1-1.板金材料の部品点数ランキング
   2-1-2.板金材料のランキング別材料特性
   2-1-3.板金加工機
  2-2.ステンレス板金のランキング
   2-2-1.ステンレス板金の部品点数ランキング
   2-2-2.ステンレス板金のランキング別材料特性
   2-2-3.Q&A:ボルタの電池は悪魔の電池(電食の恐怖)
  2-3.鋼板のランキング
   2-3-1.鋼板の部品点数ランキング
   2-3-2.鋼板のランキング別材料特性
   2-3-3.Q&A:SPCCの熱伝導率が存在しない?
   2-3-4.Q&A:エレベータの材質事件について教えてください
  2-4.厚板鋼板のランキング
   2-4-1.厚板鋼板の部品点数ランキング
   2-4-2.厚板鋼板のランキング別材料特性
   2-4-3.Q&A:SPCCとSS400の違いはなんですか?
  2-5.アルミ板金のランキング
   2-5-1.アルミ板金の部品点数ランキング
   2-5-2.アルミ板金のランキング別材料特性
   2-5-3.Q&A:鋼材とアルミ材の締め付けトルクって違うの?
  2-6.銅板金のランキング
   2-6-1.銅板金の部品点数ランキング
   2-6-2.銅板金のランキング別材料特性
   2-6-3.Q&A:金属貨幣の材料について
  2-7.ばね用板金のランキング
   2-7-1.ばね用板金の部品点数ランキング
   2-7-2.ばね用板金のランキング別材料特性
   2-7-3.Q&A:板ばねって折れやすいですか?
       〈目利き力・チェックポイント〉

第3章 設計力アップ!樹脂材料はたったこれだけ
  3-1.樹脂材料のランキング
   3-1-1.樹脂材料の部品点数ランキング
   3-1-2.樹脂材料のランキング別材料特性
   3-1-3.樹脂加工は射出成形だけ理解すればよい
  3-2.ガソリン自動車とEV車の部品点数分析
  3-3.樹脂設計は最難関レベル
   3-3-1.変身度最大の樹脂加工
   3-3-2.樹脂トラブルのランキング
   3-3-3.樹脂トラブルのランキング別の解説
  3-4.樹脂材料の最適な選択法
     〈目利き力・チェックポイント〉

第4章 設計力アップ!「目利き力」の知識たち
  4-1.「目利き力」とは
   4-1-1.料理人の「目利き力」
   4-1-2.材料特性の温度依存性に関する注意
  4-2.基本として必要な比重の知識
  4-3.目利きに必要な縦弾性係数
  4-4.目利きに必要な横弾性係数
  4-5.目利きに必要な線膨張係数
  4-6.CAEには欠かせない悩み多きポアソン比
  4-7.目利きに必要な熱伝導率
  4-8.比電気抵抗とIACS(一部の板金のみ)
  4-9.規格外はルール違反!材料の標準サイズを知る
  4-10.目利きに必要な引張り強さ
   4-10-1.軟鋼の引張り強さ
   4-10-2.軟鋼以外の引張り強さ
  4-11.降伏点/疲れ強さ/0.2%耐力/ばね限界値
   4-11-1.降伏点
   4-11-2.疲れ強さ
   4-11-3.0.2%耐力
   4-11-4.ばね限界値
   4-11-5.安全率の落とし穴
  4-12.模範となる特徴/用途の例
  4-13.材料費を算出できなければ職人にはなれない
  4-14.入手性を知らない無責任技術者
      〈目利き力・チェックポイント〉

おわりに:「設計とは、限られた材料で最高の設計を提供すること」
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はじめに

技術は料理に、技術者は料理人に例えるのがコツ

 再び、厳さんの爆弾投下から始まりました。困ったものです。
 さて、皆さんは材料の選択に悩んだことはありませんか?料理人は毎日、悩んでいるといいます。皆さんも料理人同様の職人ならば、「悩んだことはありませんか?」ではなく、毎日、悩んでいるはずです。

 もし、悩んでいないとしたら、その理由は、「あきらめ」です。

 ところで、料理本の食材情報はとても豊富で、万人が理解できるように丁寧に書かれています。「グルタミン酸」や「イノシン酸」の含有率についてウンチクを唱える「食材オタク」ではなく、その化学用語でさえ、あえて「うまみ成分」とやさしく置き換えて食材に関する実務情報に徹しています。
 この理由は、食品化学者ではなく、料理人という実務経験者の立場で書かれているからです。
 したがって、料理人に「あきらめ」はなく、常に味の研究、常に材料選択に悩むことができるのです。同じ職人として、うらやましい限りです。

 一方、機械材料に関して、悩みを解決してくれる書籍やセミナーが存在していましたか?若き日の筆者は、材料関係の書籍を読み漁り、各所のセミナーに参画し、おかげさまで材料知識は豊富になりました。しかし、設計者としての実務では、ますます難題を抱えるばかりで、最適な材料選択ができない状態が続きました。

 現在の若手技術者は、職場の先輩に質問したいのですが、2007年問題をきっかけに配属換えやリストラでその先輩方が職場から消えました。
 そこで彼らは、Web上で無料の「技術Q&A(質疑応答)」サイトを利用しま
す。まともな「Q&A」が数多く存在しますが、最大の欠点が回答者側にあります。

 それは、上から目線で「Q&A」が展開されていることです。

 質問者が回答者の知識を上回る追加質問をすると、「まぁ」という単語を使って逃げます。さらに追求すると「無視」という対応で返します。また、あるサイトでは、「最近、この種の低レベルな質問ばかりで閉口する」などとして、いきなりサイトを閉じる場合も少なくありません。すべては、回答者の機嫌次第で展開されているのです。

 そこで、若手技術者は無料ではない書籍を買い求め、またはセミナーに参画しますが、ここで準備された技術資料は、「JIS規格」、「金属組織の顕微鏡写真」、「金属組成の含有率表」など、いわゆる工業高校や大学で使った教科書の内容そのものです。
 これは、機械材料という学問においては極めて重要な知識ですが、設計者の立場からは少々疑問が残ります。
 なぜこのような書籍やセミナーが存在するかといえば、その理由は簡単です。機械材料の知識を「材料屋」から発信しているからです。これは、先ほどの料理に戻れば、「食材知識を食品化学者が発信する」に相当します。

 次の図を見てください。
 機械材料にも、食材同様に材料屋ではなく、設計者という実務経験者の立場からの情報発信が必要です。
 よって、技術者から「あきらめ」をなくし、常に技術の研究、常に「材料選択に悩むことができる」ことを本書はめざしました。

 そこで本書は、以下に示すコンセプトと手段で悩みを解決します。

【コンセプト】
 設計とは、限定された材料で最高の設計を提供すること。
【手段】
 難しく、かつ、マニアックに教えるかつての機械材料の書籍ではなく、使用頻度の高い実用的な材料データだけを提供し、若手技術者へは実務優先の基礎知識を、中堅技術者へは材料の標準化による低コスト化設計を促す。
【目標】
 行列のできる寿司屋やラーメン屋同様、まずは、材料選択から勝負できる技術者を先導し、機械材料の親切な「お料理本」を目指す。

 そして、前述したコンセプトと手段から設計の原点に戻り、QCDの向上を根本からご案内し、「職人」へと導きます。

 2011年3月
筆者:國井良昌

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