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絵とき「構造力学」基礎のきそ

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-06640-5
コード C3053
発行月 2011年02月
ジャンル 機械

内容

機械工学系の学生を中心に、機械設計に不可欠な領域である構造力学をできるだけ理解できるように、図表を多用して基礎的な事項を解説する。各章ごとに実例を解説しながら例題と解答を掲載して、実学として現場で役立つ内容。

安藤智啓  著者プロフィール

(あんどう ともひろ)

2001年 室蘭工業大学大学院建設工学専攻 博士後期課程修了
現在  防衛省技術研究本部 事業監理部計画官付 計画調整官

目次

第1章 構造体と力学の関係
1―1 静力学と動力学  
  (1)静力学  
  (2)動力学  
1―2 力の表し方  
  (1)スカラーとベクトル  
  (2)力の三要素  
  (3)力の単位  
1―3 力の合成と分解  
  (1)一点に交わる力の合成  
  (2)一点に交わらない力の合成  
  (3)力の分解  
  (4)力のモーメント  
  (5)平行な力の合成  
  (6)一点に交わらない多くの力の合成(解析的方法)  
1―4 力のつり合い  
  (1)一点に交わる力のつり合い  
  (2)一点に交わらない力のつり合い  

第2章 応力とひずみ
2―1 垂直応力とせん断応力  
  (1)垂直応力  
  (2)せん断応力  
2―2 垂直ひずみとせん断ひずみ  
  (1)垂直ひずみ  
  (2)せん断ひずみ  
  (3)ポアソン比  
2―3 応力とひずみの関係  
  (1)縦弾性係数と横弾性係数  
  (2)引張試験  
  (3)応力―ひずみ線図  
  (4)真応力と真ひずみ  
  (5)許容応力と限界状態  

第3章 はり構造に働く断面力
3―1 はり構造の種類と外力の種類  
  (1)はり構造の種類と支点の種類  
  (2)荷重の種類  
  (3)反力の求め方  
3―2 はりの断面力  
  (1)軸力  
  (2)せん断力  
  (3)曲げモーメント  
3―3 静定ばりの断面力の計算  
  (1)片持ちばり  
  (2)張出しばり  
  (3)ゲルバーばり  
3―4 静定ばりの影響線  
  (1)反力の影響線  
  (2)せん断力の影響線  
  (3)曲げモーメントの影響線  
  (4)最大せん断力と最大曲げモーメント  
  (5)絶対最大せん断力と絶対最大曲げモーメント  

第4章 はり構造の応力と設計
4―1 はり構造の応力  
  (1)はりの曲げ応力  
  (2)曲げ応力と曲げモーメントの関係  
  (3)はりのせん断応力  
4―2 断面の性質  
  (1)断面1次モーメント  
  (2)重心  
  (3)断面2次モーメント  
  (4)断面2次半径  
  (5)断面係数  
4―3 はり構造の設計  
4―4 主応力  
  (1)概説  
  (2)モールの応力円  

第5章 はり構造のたわみと柱の座屈
5―1 たわみ曲線  
  (1)たわみ曲線の微分方程式  
  (2)荷重とせん断力と曲げモーメントの関係  
5―2 静定ばりのたわみ  
  (1)微分方程式によるたわみの計算  
  (2)モールの定理によるたわみの計算  
  (3)代表的なはりのたわみとたわみ角  
  (4)せん断によるたわみ  
  (5)温度変化によるたわみ  
5―3 不静定ばりのたわみ  
  (1)静定基本系による計算  
  (2)微分方程式による計算  
5―4 柱の座屈  
  (1)短柱と長柱  
  (2)長柱のたわみ曲線  
  (3)座屈荷重  
  (4)細長比  

第6章 トラス構造の特性と解法
6―1 トラス構造の特性と種類  
  (1)トラスの定義  
  (2)トラスの各部の名称と種類  
  (3)トラスの安定・不安定  
  (4)トラスの静定・不静定  
6―2 静定トラスの解法  
  (1)節点法  
  (2)図式解法  
  (3)断面法  
6―3 トラスの影響線  
  (1)反力の影響線  
  (2)上弦材の影響線  
  (3)下弦材の影響線  
  (4)斜材の影響線  

第7章 構造体の弾性変形
7―1 ひずみエネルギー  
  (1)仕事とひずみエネルギー  
  (2)曲げモーメントによるひずみエネルギー  
  (3)せん断力によるひずみエネルギー  
  (4)ねじりモーメントによるひずみエネルギー  
7―2 仮想仕事の原理  
  (1)概説  
  (2)仮想変位の原理  
  (3)ひずみエネルギーの重ね合わせ  
  (4)仮想力の原理  
7―3 単位荷重法による解法  
  (1)単位荷重法  
  (2)温度変化を受けるはりのたわみ  
  (3)等分布荷重が作用するはりのたわみ角  
  (4)トラスのたわみ  
7―4 カスティリアーノの定理による解法  
  (1)カスティリアーノの第1定理  
  (2)カスティリアーノの第2定理  
  (3)集中荷重を受ける固定ばりのたわみ  
  (4)温度変化を受ける不静定ばりのたわみ角  
  (5)不静定トラスの部材力  
7―5 相反定理  
  (1)ベッティ、マクスウェルの定理  
  (2)不静定構造体の影響線の求め方  


参考文献  
索引

はじめに

 『構造力学』という言葉を辞書で調べてみると、「機械や建造物などを構成する各部材に生ずる応力や変形を計算し、適切な材質や形状、寸法の決定法を研究する学問」(大辞泉)、「建築物・橋・船舶など構造物の変形および応力状態を研究し、その安全度を算定する学問」(大辞林)などの意味が書かれている。すなわち、構造力学は、機械、鉄道、船舶、航空機、土木・建築構造物などを対象とする工学において、構造体の設計、製造に不可欠な基礎学問といえる。
 ニュートンやフックが17世紀に力学の基本となる法則を発見してから、構造力学は急速に発展し、その結果、人類は数学を用いた解析的な方法により構造体を設計し、造ることができるようになった。もちろん、人類は古代よりピラミッドをはじめとする構造体を造る技術を有していた。日本でも、飛鳥時代に世界最古の木造建築である法隆寺が建立されている。まだ、構造力学の理論も確立されていない時代に、これだけ大掛かりな構造体を造る技術があったとは、本当に驚きである。
 現在では、超高層ビル、送電鉄塔、観覧車、長大な橋りょう、大型船舶、航空機、人工衛星など、材料や形状、寸法も様々な構造体が、地球上のどこかで毎日のように製造されている。しかも、構造体の信頼性や経済性に対する要望は日々増しており、構造体の設計、製造はその要求性能を満足させつつも、できる限りコストの縮減を図って、合理的に行うことが求められている。このため、最近では、コンピュータを使用した構造体の詳細な応力解析や変形解析が、ものづくりの過程で行われるようになってきた。しかしながら、これらの解析に使用される各種数式は、先人たちが築き上げた構造力学の基本式に基づくものであり、構造力学の基本原理は変わっていない。
 本書では、構造力学をはじめて学ぶ工学系の学生、あるいは復習をかねて再度学習することを考えている技術者に、構造力学の基本原理を理解してもらえるように、図表を多用してできるだけ分かりやすく各基礎項目を解説した。項目としては、構造体と力学の関係、構造部材の断面に働く力、応力とひずみ、設計、弾性変形、トラス構造の特性などについて取り上げた。また、本書では、特に、読者が自ら構造体の設計を行うための基礎力を身につけてもらうことを意識して、本文を取りまとめた。そのため、各章ごとに可能な限り実例を上げて、詳細な解説、解答を掲載した。構造力学は、機械力学と材料力学にも深く関連しており、本書をとおしてこれらの学問についても、より理解が深まれば幸甚である。

 2010年11月
 安藤智啓

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