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絵とき「濾過技術」基礎のきそ

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-06614-6
コード C3043
発行月 2011年02月
ジャンル 化学

内容

濾過技術は、化学工業におけるキーテクノロジーの1つ。最近では、水資源の枯渇が叫ばれる中、廃水を濾過によって再生するなど、濾過技術の活躍の場はますます拡がりを見せている。本書は、濾過の原理や考え方から、使い方、応用までをわかりやすく解き明かす。

入谷英司  著者プロフィール

(いりたに えいじ)
1953年9月 愛知県生まれ
1976年3月 名古屋大学工学部化学工学科卒業
1981年3月 名古屋大学大学院工学研究科化学工学専攻博士課程修了、工学博士
1981年4月 名古屋大学工学部化学工学科助手
1991年4月 名古屋大学工学部分子化学工学科助教授
1999年4月 名古屋大学大学院工学研究科分子化学工学専攻教授
現在  名古屋大学大学院工学研究科化学・生物工学専攻教授
●主な著書
「Filtration─Principles and Practices」(共著、Marcel Dekker、1987年)
「粉体工学便覧、第2版」(共著、日刊工業新聞社、1998年)
「化学工学便覧、第5版」(共著、丸善、1999年)
「リサイクルの百科事典」(共著、丸善、2002年)
「化学便覧、応用化学編、第6版」(共著、丸善、2003年)
「化学工学ハンドブック」(共著、朝倉書店、2004年)
「粒子・流体系フロンティア分離技術」(共著、槇書店、2005年)
「機械工学便覧、応用システム編」(共著、丸善、2005年)
「食品工学ハンドブック」(共著、朝倉書店、2006年)
「水環境ハンドブック」(共著、朝倉書店、2006年)
「Powder Technology Handbook, Third Edition」(共著、CRC Press、2006年)
「はじめての化学工学─プロセスから学ぶ基礎」(共著、丸善、2007年)
「Nanoparticle Technology Handbook」(共著、Elsevier、2007年)
「自然に学ぶ材料プロセッシング」(共著、三共出版、2007年)
「化学工学(改訂第3版)─解説と演習─」(共著、朝倉書店、2008年)
「分離プロセス工学の基礎」(共著、朝倉書店、2009年)
「濾過工学ハンドブック」(共著、丸善、2009年)
「初歩から学ぶ粉体技術」(共著、工業調査会、2010年)
「分離技術ハンドブック」(共著、分離技術会、2010年)
「液相中の粒子分散・凝集と分離操作」(共著、日刊工業新聞社、2010年)

目次

第1章 濾過とは
1-1 濾過のしくみ
1-2 濾過技術の確立
1-3 わが国の濾過技術の近代化
1-4 濾過機の自動化と圧搾機能の付与
1-5 磁場や電場の利用
1-6 ケークレス濾過機の開発

第2章 よくわかる濾過の基礎理論
2-1 ケーク濾過
2-2 定圧濾過の解析法
2-3 平均ケーク比抵抗と平均空隙率
2-4 定速濾過の解析法
2-5 変圧変速濾過の解析法
2-6 濾過ケークの内部構造と圧縮透過試験法
2-7 沈降を伴う濾過
2-8 円筒濾材を用いた濾過
2-9 非ニュートン流体・粒子系スラリーの濾過
2-10 濾過ケークの洗浄
2-11 圧搾脱水の解析法

第3章 濾過試験法の実際
3-1 真空濾過試験法
3-2 加圧濾過試験法
3-3 定圧濾過試験データの整理法
3-4 定速濾過試験法
3-5 濾過面積急縮小濾過試験法
3-6 階段状圧力増加定圧濾過試験法
3-7 毛管吸引時間(CST)測定法
3-8 圧縮透過試験法
3-9 圧搾脱水試験法

第4章 濾過性能に影響を及ぼす因子
4-1 コゼニー・カーマン式
4-2 濾過ケークの圧縮性
4-3 粒子・液界面での荷電状態

第5章 濾過機の種類と選び方
5-1 濾材の種類
5-2 濾材の目詰まりの解析法
5-3 濾過助剤とその使用法
5-4 ケーク濾過機
5-5 ケークレス濾過機
5-6 濾過脱水機

第6章 濾過技術の応用
6-1 水を磨く濾過技術
6-2 排水を処理する濾過技術
6-3 食品・バイオ・医療と濾過技術

索引

はじめに

 濾過は、私たちにとって大変身近な存在ですが、濾過のしくみや濾過機の種類、それらの操作法など、濾過技術の実際については、意外なほど知られていません。濾過は人類の歴史とともに歩んだ最も古い技術の1つですが、近年では、濾材として膜も利用されるようになり、従来に比べ、より精密な濾過が可能となっています。また、21世紀は「水の時代」と言われるように、資源としての水の重要性が叫ばれる中、水の循環再生利用が急速に進みつつあり、濾過は、その中核となる技術として、存在感がますます大きくなっています。
 私は、これまで30年に及び、一筋に濾過に関する研究に携わってきました。その過程で、濾過に関する多くの解説を著しました。しかし、いずれも濾過のエッセンスのみを取り上げたものばかりで、じっくりと読んで濾過技術を身に付けるには、必ずしも適していませんし、重要なノウハウはほとんど記されていません。
 一冊で、濾過に関する基礎から応用までしっかりと学習できるような書物をものにしたいと思っていた矢先、新日本編集企画の飯嶋光雄氏からお誘いを受け、本書を世に送り出す運びとなりました。
 本書は、6章から構成されています。第1章では、私たちに身近な濾過技術を紹介し、濾過技術のこれまでの発展の歴史を眺めつつ、濾過のしくみが理解できるよう工夫しました。第2章では、濾過の理論をその本質からしっかりと理解できるよう、丁寧に解説しました。第3章では、濾過試験をどのように行い、どのようなデータを取って、どのように整理すれば良いかが書かれています。あまり成書には記されていないところまで掘り下げて記述しましたので、実用面で役に立ちます。第4章では、濾過性能に影響を及ぼすいくつかの因子について解説しました。粒子の大きさだけでなく、粒子やスラリーのいろいろな特性が、濾過性能に多大な影響を及ぼします。第5章では、濾過機の種類を一通り紹介し、その選定法について述べました。濾材の目詰まりについては、特に重点的に説明を加えました。第6章では、濾過技術の重要な応用例として、飲み水や超純水の製造、排水の処理、食品・バイオ・医療分野での濾過技術を紹介しました。
 濾過技術を初めて学ぶ方にも、濾過技術に現在従事している方にも、ともに役立つ内容になるよう心がけました。本書が皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。
 なお、本書の執筆にあたり、図の作成や内容チェックにおいて、片桐誠之氏(名古屋大学)の多大な助力を得ました。ここに記して感謝申し上げます。

 平成23年2月
 入谷 英司

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