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大学発独創ベンチャーに挑む!
成功の秘訣はこれだ。

定価(税込)  2,200円

編者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06606-1
コード C3050
発行月 2011年01月
ジャンル その他

内容

大学の研究成果を実際のビジネスに結びつける試みはなかなか上手くいっていない。この本では、千葉大での研究開発活動を、ベンチャービジネスに結びつけつつある3人の研究者を取り上げ、その研究内容、アイディアの源泉、研究方法、環境の作り方など、背景から深く紹介することで、成功するための大学発ベンチャーの秘訣をさぐる。

目次

はじめに 

I 光に魅せられて
レーザーで次世代の夢の世界を照らす
尾松孝茂教授 千葉大学大学院融合科学研究科 聞き手▶片桐大輔
1 必要は発明の母
─独創はこうして生まれた
COLUMN(1)高出力パルスレーザーの研究
2 独特の発想や真摯な研究姿勢の源泉はどこに
COLUMN(2)光渦の研究
3 研究のための教育ではなく、教育のための研究 見るまえに跳べ!

II もっと世界を驚かせたい
楽しく、まじめに、のびのびと、そこに発見がある
星野勝義教授 千葉大学大学院融合科学研究科 聞き手▶梅野太輔
1 自由な研究環境が大発見を生む
COLUMN(3)やわらかく、透明で電気を通す新しい材料
COLUMN(4)空中から燃料を! ―空中窒素固定
COLUMN(5)静電気の研究
2 おごり高ぶらず、卑屈にもならず
COLUMN(6)ナノワイヤー・ナノチューブの作製
3 楽しく、のびのびと、だけど真面目に

III 患者とその家族の笑顔のために!
運・鈍・根が未来を拓く
田村 裕准教授 千葉大学大学院医学研究院 聞き手▶加藤 顕
1 基礎医学の発展に寄与する “理論”や“概念”の捻出を目指して!
COLUMN(7)論理的創薬システム
COLUMN(8)生物製剤
COLUMN(9)ペプチド分子標的薬
2 研究者への道程
COLUMN(10)センチネルリンパ節診断薬
COLUMN(11)研究が社会に与えるインパクト
3 大学発ベンチャーへの道程

付録

はじめに

 研究テーマの選択や研究の進め方には、その研究者のそれまでの人生が映し出されます。私は、千葉大学で毎年、年末に行われている『なのはなコンペ』の審査会に参加し、そのことを実感しています。15分程度の短い研究発表なのに、そのアイデア、実験方法、そして結果の凄さに感動してしまうのです。ここ数年、私は毎年続けてその感動を体験してきました。
 「この研究は、世のため、人のためになる」「世界一、世界初の結果が出ている」とワクワクするのです。自分の研究とは比べものにならないほど奥行きのある研究であり、発表を聴いているだけで、気持ちが高揚してくるのです。その発表をした研究者がこの本でご紹介する尾松孝茂、星野勝義、田村 裕の3名の先生でした。
 この感動を、是非、若い研究者や学生の皆さんに伝え、日々の教育と研究に生かしてほしいと思い、本の出版を企画しました。3名の先生の研究内容の紹介はもちろんのこと、その研究を始めたきっかけ、その研究への夢を語っていただきました。それだけではなく、3名の先生のこれまでの人生を披露してもらうように、インタビュアーに頼みました。もの凄い研究にはそれを生みだした研究者の魂が込められているに違いないからです。インタビューは千葉大学の若い3名の先生(片桐大輔、梅野太輔、加藤 顕)にお願いしました。
 『なのはなコンペ』受賞者には、双葉電子記念財団から研究助成が行われます。また,それに加えて千葉銀行が“ちばぎんひまわり賞”を設け、支援しています。双葉電子記念財団は、研究助成、奨学生支援などに1987年から2009年度までに約18億円を拠出しておられます。その一部として2004年度から『なのはなコンペ』を支援していただいています。その趣意と実績から双葉電子記念財団は“千葉版ノーベル財団”といえます。千葉大学の多くの教員がこの助成を受け、教育と研究に役立ててきました。ここで紹介する3名の先生方は3年連続してこれらの賞を受賞しており、将来、この中からノーベル賞受賞者が出ると私は本気で思っています。
 大学の研究成果は、企業の成果に比べると、結果が出るまでに時間がかかりますが、確実に世の中に普及し、多くの人に希望と夢を与えていきます。そういう意味では、まさに有望な種がこの本には埋まっているのです。いや、すでに芽が出て若木に育ちつつあるのです。栄養分や水を絶やさないように支えてくださっている双葉電子記念財団、そして千葉銀行に心から感謝申し上げます。また、『なのはなコンペ』の審査にあたってくださった審査員の皆様が陽の光を与えてくださいました。ありがとうございます。
 サイテック・コミュニケーションズの片寄正史さん、福田恭子さんがインタビュー原稿の整理と構成をしてくださいました。千葉大学工学部の谷口竜王先生が6名の先生の写真を撮ってくださいました。日刊工業新聞社の藤井浩さんからは貴重なコメントをいただきました。おかげで読みやすい本になりました。
 最後に、『なのはなコンペ』の運営の裏方を、熱意をもって、当初からこれまで8年間にわたり務めてくださった駒井裕子さんに『なのはなコンペ』関係者を代表して御礼を申し上げます。ありがとうございました。

2010年初冬
千葉大学ベンチャービジネスラボラトリー施設長 
斎藤 恭一

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