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ついてきなぁ!設計トラブル潰しに「匠の道具」を使え!

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 232頁
ISBNコード 978-4-526-06580-4
コード C3053
発行月 2010年12月
ジャンル 機械

内容

「ついてきなぁ!」シリーズ第5弾。今回のテーマは「設計トラブル対策」の実践。設計の不具合や故障、製品トラブルに対処するため、従来とは違う、FMEA、FTA、デザインレビュー(設計審査)などの「賢い使い方や対処法」=「匠の道具」を解説する。

國井良昌  著者プロフィール

(くにい よしまさ)

技術士(機械部門:機械設計/設計工学)
日本技術士会 機械部会 幹事
日本設計工学会 会員
横浜国立大学 大学院工学研究院 非常勤講師
首都大学東京 大学院理工学研究科 非常勤講師

1978年、横浜国立大学 工学部 機械工学科卒業。日立および、富士ゼロックスの高速レーザプリンタの設計に従事。富士ゼロックスでは、設計プロセス改革や設計審査長も務めた。1999年より、國井技術士設計事務所として、設計コンサルタント、セミナー講師、大学非常勤講師として活躍中。
以下の著書が日刊工業新聞社から発行されている。
・ ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で『即戦力』
  平成20年度 日本設計工学会 武藤栄次賞 Valuable Publishing賞受賞
・ ついてきなぁ!『設計書ワザ』で勝負する技術者となれ!
  平成21年度 日本設計工学会 武藤栄次賞 Valuable Publishing賞受賞
・ ついてきなぁ!加工部品設計で3次元CADのプロになる!
・ ついてきなぁ!失われた『匠のワザ』で設計トラブルを撲滅する!

URL:國井技術士設計事務所   http://adf.web.infoseek.co.jp/

目次

はじめに:失われた「匠の道具」がここに復活する!

第1章 匠の教訓:社告・リコールはいつもあの企業
1-1.モチベーションの低下がトラブルを繰り返す
 1-1-1.安かろう悪かろうに逆流している日本企業
1-2.マスコミに報道されない日本企業の実力と現状
 1-2-1.誰もスカウトしない日本の設計者
 1-2-2.70年以上前の開発手法とは  
 1-2-3.中間層がいない
 1-2-4.技術者もどきの管理職
 1-2-5.ディスカッションの不足
1-3.技術を捨てない技術者の行く末
1-4.技術者の姥(うば)捨て山
1-5.謝罪しない技術者と技術系・管理職の苦悩
1-6.駆け込み寺となった医務室と産業医
1-7.トラブルを出すのはいつもあの企業
1-8.計算尺時代のFMEAでトラブルは防止できない
1-9.大規模デザインレビューでトラブルは防止できない
 〈匠の教訓・チェックポイント〉

第2章 匠のワザ:「匠の道具」を使いこなすために
2-1.匠のワザとは
2-2.匠のワザ(1):トラブルの98%が潜在するトラブル三兄弟
 2-2-1.トラブル三兄弟とは
 2-2-2.あの韓国企業も使っているトラブル三兄弟の絵辞書
2-3.匠のワザ(2):インタラクションギャップを見逃すな!
 2-3-1.インタラクションギャップとは
 2-3-2.4Mで分析するインタラクションギャップ
2-4.匠のワザ(3):これで収束!トラブル完全対策法
 2-4-1.トラブル完全対策法とは
 2-4-2.あの韓国企業も使っているトラブル完全対策法の絵辞書
2-5.匠のワザ(4):再発を認識したレベルダウン法
 〈匠のワザ・チェックポイント〉

第3章 匠の道具(1):やるならこうやる3D-FMEA
3-1.設計者の、設計者による、設計者のためのFMEA
3-2.トラブル未然防止のFMEAとは
 3-2-1.トラブルの94%は設計責任
 3-2-2.若手技術者を苦しめる計算尺時代のFMEA
 3-2-3.若手技術者のための3D-FMEAへ
3-3.3D-FMEAに不可欠なワーキングトゥゲザー
 3-3-1.ワーキングトゥゲザーとは
3-4.3D-FMEAの準備
 3-4-1.商品企画書
 3-4-2.仕様書
 3-4-3.設計書
 3-4-4.図面と過去トラブルリスト
 3-4-5.レベル表
 3-4-6.3D-FMEAフォーマット
3-5.3D-FMEAの作成手順
 3-5-1.3D-FMEAの作成ルールはたったの三つ
3-6.想定外トラブルはライフサイクル法で抽出
 3-6-1.ライフサイクル法とは
 3-6-2.3D-FMEAはここだけやればよい!
 3-6-3.ライフサイクル法とインタラクションギャップ
 3-6-4.ステージ内の詳細なライフサイクル法
3-7.顧客の目線はシナリオライティング法で抽出
 3-7-1.シナリオライティング法とは
 3-7-2.事例-1(機能選択モジュールの新携帯電話を開発する)
 3-7-3.事例-2(FF式石油温風機事故は防止できた)
 〈匠の道具・チェックポイント〉

第4章  匠の道具(2):やるならこうやる!FTA
4-1.トラブル原因を徹底追究するFTAとは
 4-1-1.事例:病院停電のFTA
 4-1-2.作成者しか理解できない計算尺時代のFTA
4-2.3D-FTAとは
4-3.3D-FTAの準備
4-4.3D-FTAの作成手順とノウハウ
4-5.3D-FTAはここだけやればよい!
4-6.事例:EV車バッテリの3D-FTAを作成する
 4-6-1.トラブル三兄弟からの選択
 4-6-2.ライフサイクル法を適用する
 4-6-3.ステージ内ライフサイクル法を適用する
 4-6-4.インタラクションギャップを適用する
 4-6-5.シナリオライティング法にチャレンジ
 4-6-6.シナリオライティングから3D-FTAを作成する
4-7.事例:零細企業でノウハウ254件
 〈匠の道具・チェックポイント〉

第5章  匠の道具(3):やるならこうやるデザインレビュー
5-1.設計者の、設計者による、設計者のためのデザインレビュー
5-2.デザインレビュー(DR)とは
5-3.若手技術者を苦しめる大規模デザインレビュー
5-4.身の丈デザインレビュー(MDR)で負担軽減
 5-4-1.何を審査するのか?
 5-4-2.トラブルの94%は設計責任
 5-4-3.DQD(簡易設計書)とは
 5-4-4.DQDによる零式戦闘機の例
5-5.苦労の後の絶大なる効果
5-6.商社マンに笑われた日本企業の検図
 〈匠の道具・チェックポイント〉
5-7.5年の歳月をかけて完成!MDR用マニュアル

おわりに:真の品質向上は、企業と技術者のDNAにある

はじめに

失われた「匠の道具」がここに復活する!

 「対策(方針)は、品質管理の強化であり、手段(道具)は、FMEA/FTA、デザインレビューの徹底です。」......これは、社告・リコールを発した企業の定番のせりふです。
 しかし、その手段に効果がないことは、社告・リコールを繰り返す大企業が反面教師として実証しました。

   役立たずのFMEA/FTA、デザインレビュー

 ではなぜ、それらの手段が役に立たないのでしょうか?当事務所では、以下に示す二つの原因を把握しました。

・企業における「技術者のモチベーション」が著しく低下している。
・前記の手段が管理指向化し、複雑化して若手技術者への大きな負担。

 一度、「真の原因」を徹底的に探ってみませんか?
 そこで本書は、従来の技術書からは少々逸脱した「第1章」を設けました。それは、「技術者のモチベーションの低下」です。根源は以下にありました。
 たとえば、3次元CADが使えないどころか、図面も描けず読めずのまま大学院を卒業した新入社員B君を24歳とすると、そこで高卒の技術者A君は6年間の実務を終えていることになります。
 社内教育カリキュラムやOJTが存在し、自己研鑽の意欲あるA君だとしたら、この6年に渡る実務経験は、技術者として大きな実力を有することになります。
 さらに、両者が35歳の時点を考えてみましょう。
 高卒の実務経験17年のA君を、院卒のB君が11年をかけて追いついたとします。しかし、院卒のB君はここで管理職の課長となります。技術者として最も重要な35歳から40歳の実務経験期間を、管理職としての出世街道へと軸足を移動してしまうのです。
 この年齢のあたりで、実務における実力派の高卒と管理職へと重きを置く院卒の職場におけるギクシャク感、つまり、モチベーションの低下が始まります。

 新入社員をいつまでも放任しておくのは、ギクシャク感のはじまりであり、モチベーションの低下の第一要因です。
 そこで、下図に示す「実務教育」が必要となります。
 本書において、トラブルが繰り返される真の原因を第1章の「モチベーションの低下」から「匠の教訓」として把握してください。
 さらに、実務教育=「匠のワザ」+「匠の道具」と定義しています。
 第2章の「匠のワザ」では、第3章以降に解説する「匠の道具」をいかに賢く使いこなすかの「ワザ」を説明します。
 ただし、モチベーションの低い企業や技術者の場合、「匠のワザ」も「匠の道具」も、すべては役立たずとなります。

 一流の職人は、一流の道具を所有しています。
 しかし、一流の道具を所有しているだけのことは「宝の持ち腐れ」と称して軽蔑されます。一流の道具を使いこなすには、「匠のワザ」の習得が必要です。

 大工や料理人など一流の職人は、一流の「道具」を使いこなして初めて、その腕前を評価されるものです。
 そこで本書は、以下に示すコンセプトと手段でこれらの策に一石を投じます。
 モノづくりの原点に戻り、webにもなく、学校でも教わらない、技術の職人が代々伝授してきた「匠の道具」をここに復活させます。

2010年10月
筆者:國井良昌

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