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王道 省エネ推進

定価(税込)  1,760円

著者
サイズ A5判
ページ数 128頁
ISBNコード 978-4-526-06542-2
コード C3034
発行月 2010年10月
ジャンル ビジネス 環境

内容

「(温室効果ガスの削減のため)省エネ法や条例が改正され取り組みが強化されたが、どのように省エネを進めていったらよいのか」という事業者の要望に応え、「省エネ推進マネージメントの王道」を解説するもの。「具体的にどうすればよいのか」を教える信頼できる内容である。

小林 彰  著者プロフィール

(こばやし あきら)
株式会社ビルブレイン
代表取締役社長
エネルギー管理士(熱)、技術士(衛生工学部門)、建築設備士

【受 賞】
平成15年 エネルギー管理功績者・関東経済産業局長表彰受賞

【著 書】
「技術士第二次試験突破マニュアル」「技術士第二次試験合格ライン突破ガイド」
「技術士第一次試験合格ライン突破ガイド」いずれも共著(日刊工業新聞社)他

略歴
1954年 6月26日生まれる。
1977年 東北大学工学部機械工学科卒業
1977年~ 清水建設株式会社にて設計・施工管理・コンサルタント業務を担当
2001年 (首都圏事業本部設備グループ長など歴任)
2001年~ 株式会社ビルブレインを創設し、民間企業への省エネコンサルタントサービスを主な業務とするほか、ASEAN10カ国やイラン、中国等での省エネ技術指導や地方自治体の環境行政への協力、(財)省エネルギーセンターが主催する省エネルギー技術講座の講師、月刊誌「省エネルギー」編集委員などを担当。東京都「地球温暖化対策計画書制度に係る評価専門委員会」「削減義務実施に向けた専門的事項検討会」「地球温暖化対策報告書制度技術専門委員会」などの委員を歴任。
2010年 4月7日、逝去(享年55歳)

目次

はしがき

第1章  省エネ対策が命運を決める?
「総量削減」にみる東京都の意気込み 
早くからやってきた企業はトクをする 
CO2排出総量削減が義務化 
達成できなかった場合の措置 
見方を変えると見えてくる 

第2章  改正「省エネ法」のココロ
省エネは経営者から遠かった 
企業を取り巻く環境が変わりつつある 
CO2排出量が企業の成績に!? 
工場・事業場単位から会社単位へ 
特定事業者に求められること 
新たに求められる経営戦略の視点 
省エネ法の最重要ポイント「判断基準」 
●「守らねばならないこと」「できたらがんばること」
●「判断基準」基準部分が求めるもの 
二つのチェックシステム  
「省エネ法」のココロ 
罰則の体系 
ビルと工場が分かれる 
共同省エネルギー事業 
経営者に向けてつくられた省エネ法 

第3章  省エネルギーマネジメントの極意
各ポジションにマネジメントあり 
キーマンと技術 
成功のための必須条件 
●姿勢 ―― 意気込みを見せる 
●体制 ―― 外部の力も利用して 
●泉北環境整備施設組合の例 
●目標――トップダウン型でも、ボトムアップ型でも
省エネを進めるための四つの手順 
「見える化」しないと管理できない 
データがなくても「推計」がある 
課題、発見! 
絶対につくるべし! エネルギー配分表 
省エネルギーマネジメントは「攻め」  
「どこでどれくらい」が出発点 
日々のデータを自己評価する 
ベンチマーク活用法 
省エネ法のベンチマーク 
状況についてどこまで思いつけるか 
判断基準は状況評価に使える 
これは使える! 「省エネ7」 
考えているうちに方策が生まれる 
毎日の仕事は評価の連続 
改善の方法は二つ 
外部に頼んでよいこと、いけないこと 
投資ゼロで毎年エネルギー消費削減! 
設備導入の前に人間の知恵 
空調技術の本質は何か 
技術者の原点 
やる気のある人をやる気にさせる 

終章  省エネのカギは「人」
さて、うちはどうするか 
省エネを成功させるキーポイント 

COLUMU
省エネ法・温対法は対になっている 
原油換算のルール 
エネルギー管理士と管理員 
省エネ法は第5条が目玉! 
新設時にも判断基準 
管理標準のつくり方 
負荷を意識する 
判断基準+αで 
「複数」なら省エネの可能性あり 
要するに省エネって? 
空調は省エネ対策の攻めどころ 
空調省エネ3原則 

索引

はじめに

「人間は地球環境を守り、
温暖化を防止しなければならない。」

「限りある資源を、
大事に効率的に使わなければならない。」

「経済活動に携わる企業は、
そのことに責任を負わなければならない。」

「改正された省エネ法のもと、
さまざまな義務を果たさなければならない。」

 「~ねばならない」ばかりが並びました。これらは正論ですが、やや窮屈にも感じるのか、企業の人々の間からは、「省エネや環境問題への対応が本業の負担になっている」「できるだけ楽にスルーしたい」と、どこか腰が引けた姿勢が見え隠れすることもあります。
 けれどもそんなためらいをよそに、省エネを取り巻く状況は大きく、劇的に動いています。2008(平成20)年に省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)・温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)が改正されたことは多くの方がご存じのとおりです。2009年には当時の麻生首相が、2020年の温室効果ガス削減中期目標として「2005年比15%(1990年比8%)削減」を明言し、G8イタリア・ラクイラサミットは「先進国全体で1990年またはより最近の複数年と比して2050年までに80%またはそれ以上削減する目標を支持」し、さらに衆議院選挙で大勝した民主党のマニフェストには、2020年までの目標として「1990年比25%(2005年比30%)削減。キャップ&トレード方式の排出量取引市場の創設、地球温暖化対策税の導入検討、再生可能エネルギー固定買い取り制度導入」と明記されました。とても楽にスルーすることなどできそうにありません。
 それならば、思い切り腹をくくり腰を据えて、省エネに取り組んだ者が勝ちです。実際、片足だけ踏み入れて策を小出しにするよりも、気持ちを入れて取り組んだ方がうまくいくことが多いのです。いやそもそも、渋々取り組んでいることなど、うまくいきっこありません。
 改正された省エネ法の趣旨をあらためて考えてみましょう。本文でくわしく説明しますが、省エネを各現場の問題ではなく、マネジメントの中でとらえてもらおうとする姿勢が色濃く表れています。もう、一部の人々が対策を練って理解のない他部署の協力をあおぐような時代ではなく、会社全体としてその成長のために省エネを経営ビジョンに取り込んでいってほしいという意図がはっきり感じられます。そういう観点から見ると、改正省エネ法は、新たな省エネの着眼点を示していることがわかります。すごくよいのです。
 この趣旨を踏まえてやるか形式的にやるかで、将来は大きく違ってきます。雲泥の差があると言ってもよいでしょう。形式的にやれば格好はつくけれども、省エネは進まない。一方、趣旨を踏まえてていねいに取り組めば、確実に進みます。腰が引けたまま考えると「小さな親切、大きなお世話」かもしれませんが、国はそこまで手取り足取りやってくれている、という感じで考えるといろいろな方策が見えてきます。
 さらに、10年近く民間企業に対する省エネコンサルタントサービスを提供してきて、私は、省エネを積極的に進めることで、経営をよい方向に導くことができることを確信しています。省エネを、財務や販売や商品開発に並ぶ主要な経営の柱の一つと考え、新たな成長を始めている企業が、規模の大小にかかわらず現れてきています。それにはまず、企業をリードする人々に本腰を入れてほしい。そして、会社の各階層で、それぞれの担当者が自分のポジションで考え、創意工夫し、話し合い、省エネルギーマネジメントに取り組んでほしい。本書の副題を「リーダーのための省エネルギーマネジメント」としたのはそのためです。そして、本書には取組みを成功させるための考え方や手順や省エネ法への対応の仕方など、これまで私がやってきたセミナーや技術指導で手応えを感じてきたことを盛り込みました。
 省エネは基本的にはチャレンジです。技術にうとくても人材が不足していても(どちらも大事なファクターではありますが)、やる気さえあれば、道はあります。そして、その取組みの一つひとつが、100年後の地球につながっていきます。
 
 本書の出版にあたっては、多くの方のご協力をいただきました。東京都環境局の方々には資料の提供も含め、さまざまにお世話になりました。財団法人省エネルギーセンターでは、教育部、国際部など各部署でお世話になりました。同センターでやらせていただいたセミナーや海外での技術指導が、私の中で大きな糧となり本書をつくるきっかけにもなっています。クール・ネット東京(東京都地球温暖化防止活動推進センター)では、前センター長の木村真弘氏はじめ皆様とともに考え、意見を出し合った時間が忘れられません。ファンテンヘッドの猪股彩子氏には、執筆において多大なご協力をいただきました。何より、日刊工業新聞社出版局書籍編集部の鈴木徹氏には、出版業界の厳しい状況のもとで本書の意義を認め、刊行に尽力していただいたことを深く感謝しております。そして、妻葉子へ。実務的な協力もさることながら、いつも心の支えになってくれたことに心から感謝しています。

 100年後の地球へ向けて努力する人々にとって、この小さな本が何かの役に立てば幸いです。

小林 彰

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