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精密鍛造

定価(税込)  3,850円

編著
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サイズ A5判
ページ数 320頁
ISBNコード 978-4-526-06554-5
コード C3053
発行月 2010年10月
ジャンル 金属 機械

内容

日本塑性加工学会の鍛造分科会が総力を上げてまとめた、精密鍛造の集大成。精密鍛造の概要から理論、技術要素、事例までを最近の技術動向を踏まえ、具体例を多く取り入れながら実務に役立つようにまとめている。

目次

まえがき

編集担当者・編集協力者・著者一覧

編集担当者
小坂田宏造 大阪大学 全般
石川 孝司 名古屋大学 第2章、全般
小野 宗憲 大同大学 第1章
森下 弘一 トヨタ自動車(株) 第3章
安藤 弘行 コマツ産機(株) 第4章

編集協力者
松 本  良 大阪大学 全般
濱家 信一 (株)ニチダイ 第1章
龍野 信隆 (株)シマノ 第1章
北村 憲彦 名古屋工業大学 第2章
岡嶋 一晃 (株)メタルアート 第3章、第4章

著者
第1章
小野 宗憲 大同大学
龍野 信隆 (株)シマノ
濱家 信一 (株)ニチダイ

第2章
石川 孝司 名古屋大学
小坂田宏造 大阪大学
河原 淳二 ダイジェット工業(株)
北村 憲彦 名古屋工業大学
金  秀 英 (株)ヤマナカゴーキン
久保田 智 (株)ヤマナカゴーキン
篠崎吉太郎 産業技術総合研究所
湯川 伸樹 名古屋大学
吉田 佳典 岐阜大学

第3章
安藤 弘行 コマツ産機(株)
伊藤美佐緒 松菱金属工業(株)
河原 淳二 ダイジェット工業(株)
坂本 輝雄 三井造船(株)
清水 秋雄 日本パーカライジング(株)
田 村  庸 日立金属(株)
戸田 正弘 新日本製鐵(株)
中野 隆志 アイダエンジニアリング(株)
森下 弘一 トヨタ自動車(株)

第4章
安藤 弘行 コマツ産機(株)
岡嶋 一晃 (株)メタルアート
角南不二夫 (株)ヤマナカゴーキン
西 郡  榮 (株)ゴーシュー
濱家 信一 (株)ニチダイ
松井 正廣 (株)阪村エンジニアリング
森  孝 信 森鉄工(株)

第1章 精密鍛造の概要
1.1 精密鍛造とは
1.1.1 精密鍛造の定義
1.1.2 鍛造の種類と特徴
1.1.3 精密鍛造プロセス
1.1.4 精密鍛造の発展経過   
1.1.5 鍛造と競合する他の加工法
1.2 精密鍛造の特色
1.2.1 精密鍛造化のニーズと経済性
1.2.2 精密鍛造の制約条件
1.2.3 製品精度と影響因子
1.2.4 エネルギー環境問題への対応
1.2.5 高精度鍛造とCAE解析の概要

第2章 鍛造の理論
2.1 変形抵抗
2.1.1 変形抵抗と相当塑性ひずみ
2.1.2 変形抵抗の測定方法
2.1.3 各種材料の変形抵抗曲線
2.2 加工発熱
2.2.1 加工発熱の計算
2.2.2 加工発熱の影響
2.3 摩擦特性
2.3.1 精密鍛造における工具と材料間の摩擦
2.3.2 摩擦法則
2.3.3 磨耗予測式
2.4 材料の延性破壊と座屈   
2.4.1 延性破壊の概要
2.4.2 延性破壊条件モデル
2.4.3 延性破壊の予測手法
2.4.4 座屈  
2.5 加工力の算定
2.5.1 スラブ法   
2.5.2 上界法
2.5.3 拘束係数を用いた圧力計算
2.5.4 グラフを用いた簡易法
2.6 工具応力の算定
2.6.1 力の伝達
2.6.2 型内の応力
2.7 型寿命の予測
2.7.1 疲労寿命
2.7.2 疲労寿命予測方法
2.7.3 疲労寿命延長方法
2.8 鍛造シミュレーション
2.8.1 シミュレーション技術の進歩
2.8.2 シミュレーションの準備
2.8.3 実務的なシミュレーションの実施および結果の活用

第3章 精密鍛造の技術要素
3.1 鍛造用材料と熱処理
3.1.1 鍛造用材料の種類と特徴
3.1.2 冷間鍛造用材料に要求される品質特性
3.1.3 冷間鍛造に使用される鋼材規格
3.1.4 冷間鍛造性に影響を与える鋼材因子
3.1.5 鍛造性評価試験法
3.1.6 熱処理の種類と特徴
3.1.7 熱間鍛造用鋼
3.1.8 非鉄金属材料
3.1.9 最近開発された鍛造用鋼
3.2 素材作製
3.2.1 切断・せん断
3.2.2 焼なまし
3.2.3 伸線(抽伸)
3.2.4 酸洗
3.2.5 潤滑処理
3.2.6 予備据込み(予備成形)
3.3 潤滑処理
3.3.1 りん酸塩処理
3.3.2 電解りん酸塩処理
3.3.3 塗布型潤滑処理
3.3.4 新しい潤滑剤
3.4 加熱処理
3.4.1 加熱方法と特徴
3.4.2 雰囲気炉
3.4.3 誘導加熱
3.4.4 新技術
3.5 加工機械
3.5.1 鍛造機械の特徴
3.5.2 鍛造成形システム
3.5.3 機械プレス
3.5.4 スクリュープレス
3.5.5 液圧プレス
3.5.6 サーボプレス
3.5.7 鍛造プレスの選定と生産条件の設定法
3.6 金型材料と表面処理
3.6.1 損傷現象と型材への要求特性
3.6.2 鍛造金型用工具鋼
3.6.3 鍛造型用超硬合金とセラミックス

第4章 精密鍛造の事例
4.1 冷間鍛造
4.1.1 工程の選択
4.1.2 鍛造工程の設計   
4.1.3 寸法、幾何公差の設定
4.1.4 型設計
4.1.5 冷間鍛造用プレス機械の特性
4.1.6 各種鍛造品の事例
4.2 温・熱間鍛造
4.2.1 温・熱間鍛造の工程設計と製品事例
4.2.2 温・熱間鍛造とその解析
4.2.3 鍛造プレス、治工具および金型潤滑
4.2.4 後処理
4.3 フォーマー鍛造
4.3.1 フォーマーの工程事例
4.3.2 フォーマーの工程設計・型設計
4.3.3 工程設計事例‐1 複合成形品
4.3.4 工程設計事例‐2 容器押出し品
4.3.5 工程設計事例‐3 軸押出し製品
4.3.6 フォーマーの機構
4.3.7 フォーマー機の種類と圧造事例
4.4 複動鍛造
4.4.1 閉塞鍛造
4.4.2 分流鍛造
4.4.3 背圧付加鍛造
4.5 逐次成形
4.5.1 揺動鍛造プレス
4.5.2 フローフォーミング

索引

あとがき

はじめに

 精密鍛造は切削や研削による後加工を一部または全面的に省くことのできるような高精度製品を製造する冷間鍛造、温熱間鍛造の総称である。冷間鍛造は大量均一生産のために1960年前後に欧米から導入され、先達たちの努力により1970年代には先進諸国に並ぶ技術力、生産量になった。

 1970年代のオイルショック後に多くなった小型FF車用の等速ジョイント部品の生産のため、1980年代頃から我が国で開発された温間鍛造技術が多く使用されるようになった。また、冷間鍛造と同じように押出し形式の加工を主とするホットフォーマーによる熱間鍛造も増加した。

 冷間鍛造は、通常、非常に多くの行程を要するが、温熱間鍛造では大きな変形を与えられ、工程数が少なくなる利点がある。1990年代になると冷間でも加工圧力が低く少ない行程数で加工ができる閉塞鍛造などの精密鍛造方法が日本で開発され、ギアなどの精密部品に応用されるようになり、日本の鍛造技術は世界の最先端に立ったと言える。

 最近では経済のグローバル化に伴い、高品質の部品を低コストで生産することが日本の目標になった。それには更なる高度化、低コスト化が必要である。高精度化には、工具弾性変形の制御、抑制が、また低コスト化のためには、設計・生産の迅速化・自動化、行程削減、省資源省エネルギーなど高いハードルの多くの課題がある。

 精密鍛造品の大部分は自動車部品として用いられているが、今後は航空機部品、電気や電池部品などへ応用範囲を広げることも重要である。それにはTi合金やNi基合金といった難加工材の精密鍛造や小ロット生産も視野に入れる必要があり、今までの鍛造技術の延長上にない課題も多い。

 以上のような各種の課題解決には、合理的な設計・生産や先端の研究、開発といった技術者の高度な力が求められる。本書は、精密鍛造の実務に携わっている技術者や精密鍛造の研究開発者に役立つことを意図したもので、日本塑性加工学会・鍛造分科会の精密鍛造のエキスパートの皆さんに得意分野の執筆をお願いした。

 鍛造分科会では1995年に鍛造技術者向けの「塑性加工技術シリーズ4・鍛造(コロナ社)」を出版しているが、すでに15年経過したために、その後に進展した新しい精密鍛造技術に関する専門書の要望が高くなり、本書を企画したものである。

 厳しい世界的な競争の時代に勝ち残るには、絶え間のない開発と、迅速な設計・生産が不可欠であり、本書が日本の鍛造技術が世界の先端を走り続けるための一助になることを願っている。
 本書の出版は日刊工業新聞社、辻總一郎氏の提案から始まり、その後も始終アドバイスを頂きました。日刊工業新聞社の皆様にはいろいろとお世話になり、謝意を表します。

2010年10月
著者代表 小坂田 宏造

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