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図解 形状設計ノウハウハンドブック
―デザイン科学が読み解く熟練設計者の知恵と工夫

定価(税込)  2,100円

著者
サイズ A5判
ページ数 144頁
ISBNコード 978-4-526-06495-1
コード C3053
発行月 2010年07月
ジャンル 機械

内容

熟練設計者が有する形状設計のノウハウ(知恵、工夫)50項目をわかりやすく紹介し、それらのノウハウを設計実務に容易に活用できる設計者必携の実用書。ノウハウを適用する前(Before)と適用した後(After)を示し、ノウハウの効果を端的に説明するとともに、身近な使用例、使用条件なども明示した。

松岡由幸  著者プロフィール

(まつおか よしゆき)
所 属:慶應義塾大学 教授・工学博士
専 門:デザイン科学、デザイン理論・方法論、設計工学、プロダクトデザイン、製品開発論、人間工学、感性科学
学 会:日本デザイン学会理事、日本機械学会フェロー、日本設計工学会評議員、日本インダストリアルデザイナー協会、デザイン塾主宰、American Society of Mechanical Engineers、Design Research Society、Design Society、American Computing Machinery、The Institute of Electrical and Electronics Engineerなど
著 書:『デザインサイエンス 未来創造の"六つ"の視点』(丸善、2008年)、『もうひとつのデザイン ・その方法論を生命に学ぶ』(共立出版、2008年)、『最適デザインの概念』(共立出版、2008年)、『DESIGN SCIENCE』(Maruzen、2010年)、『製品開発のための統計解析学』(共立出版、2006年)など
受 賞:日本デザイン学会学会賞、日本機械学会業績賞、日本設計工学会論文賞、ICEDS Best Paper Award、Liberty Mutual Best Paper Award、ICKEER Excellent Paper Awardなど

目次

VISIBLE LIST ・棒状ノウハウ
VISIBLE LIST ・板状ノウハウ
序:本書の狙いと特長

1 デザイン科学が読み解く形状設計ノウハウ
1.1 形状設計とは ・逆問題としての難しさと魅力
1.2 形状設計における思考 ・分析、発想、評価
1.3 形状設計ノウハウとは ・知識とノウハウ
1.4 形状設計ノウハウ ・発想に生かせ
1.5 形状設計ノウハウ ・熟練設計者に学べ
1.6 形状設計ノウハウ ・「状態」に注目せよ

2 形状設計ノウハウ
形状設計ノウハウの見方
01 パイプの使用
02 楕円パイプの使用
03 テーパパイプの使用
04 電縫管におけるシームの配置
05 拘束端へのインナパイプ・アウタパイプの追加
06 角パイプの使用
07 パイプ同士の十字溶接周り形状の工夫
08 パイプ同士の鋭角溶接周り形状の工夫
09 パイプのR部周り溶接形状の工夫
10 パイプに固着したブラケット形状の工夫
11 軸の段付き部周りにおけるキー溝位置の工夫
12 平板上の軸穴に対する段付き部の設置
13 ボックス構造の締結用穴部の配置
14 ボックス構造におけるブラケットの工夫
15 開断面から閉断面の断面形状の徐変
16 L形断面フレームの使用
17 Z形断面フレームの使用
18 C形断面フレームの縦壁形状の工夫
19 C形断面フレームへの斜めフランジの設置
20  I形断面フレームへのスチフナの追加
21 上縁部と下縁部を有する梁へのトラスの追加
22 フレームへの肉抜き穴の設置
23 コーナーパッチの形状の工夫
24 ラーメン構造の角部形状の工夫
25 トラスの使用
26 X型トラスの使用
27 波形板の使用
28 平板への縦通材の追加
29 外向き開断面の縦通材取り付け方向の工夫
30 平板へのビードの設置
31 ブラケットへのビードの設置
32 平板への十字ビードの設置
33 コーナーへのビードの設置
34 リブの端末形状の工夫
35 ブラケットへのフランジの設置
36 コーナー周りの部材端面形状の工夫
37 直線部と曲線部を結ぶR部の設置
38 平板へのリブの設置
39 ボスへのリブの設置
40 肉抜き穴周りへのフランジの設置
41 平板上の軸穴へのフランジ付きパッチの追加
42 平板へのフランジの設置
43 フランジ間を結ぶリブの設置
44 接合部の配置の工夫
45 接合部の千鳥配置
46 ボルト締結へのピンの追加
47 ボルト側とナット側の同一径ワッシャの設置
48 荷重方向に対するスポット溶接位置の工夫
49 アーク溶接ビードの位置の工夫
50 高剛性部位への接合部の配置

3 デザイン科学講座
3.1 デザイン科学
3.2 デザイン推論モデル
3.3 多空間デザインモデル
3.4 多空間デザインモデルと形状設計過程

Column1 ある新人設計者の話(その1) ブルドーザー状態の日々
Column2 ある新人設計者の話(その2) コピー用紙の箱
Column3 ある新人設計者の話(その3) 恩送り

参考文献
本書執筆の動機と謝辞
和英索引
英和索引
著者紹介

はじめに

序: 本書の狙いと特長

本書は、熟練設計者が有する形状設計のノウハウ(知恵、工夫)をわかりやすく解説し、それらのノウハウを設計実務に容易に活用可能とする、設計者、エンジニア、デザイナー必携の実用書です。

読者の皆さんは、製品開発や機械設計の現場でどのように設計すれば良いのかわからず、いろいろ考え抜いた結果、結局、上司や先輩の設計者にアドバイスを受ける以外に方法がなかった経験はありませんか? 私が企業で設計に従事していた頃には、そのようなことがよくありました。特に新人設計者の頃には、日常的な出来事であったと記憶しています。
例えば、ある金具の設計において、材料費や重量を極力抑え、強度や剛性を向上させる必要がある場合を考えてみます。この場合、金具の肉厚を増加させれば、勿論、強度や剛性が向上します。しかし、それでは材料費が上がり、重量が増加してしまいます。このような場合、設計経験の少ない新人設計者は、どのような設計をすれば良いのか案外わからないものです。設計現場においてよく行われる「ビードを設置する」、「フランジ部を追加する」などは基本的なノウハウですが、学生時代に教わることは少ないでしょう。学生時代には、「このような形状」ならば「どの程度の強度を有する」という評価法を、力学を学ぶなかで修得します。しかし、それとは逆に、「この程度の強度を有する」ためには「どのような形状」が良いかというノウハウについては学んでいないのです。しかも、困ったことに、そのようなノウハウは、事典や参考文献にほとんど掲載されていません。そのため、これまでの設計者の多くは、過去の事例を調べたり先輩の設計者から教わったりすることで、少しずつ経験を積みながら、ノウハウを獲得しているのが実状ではないでしょうか。できれば、新人や若手の設計者が自らノウハウを獲得できる手段がほしいものです。
現在では多くの企業において、新人や若手の設計者の教育に十分な時間をかける余裕が以前よりも少なくなってきているようです。また、熟練設計者の大量退職という現実もあります。そのため、新人や若手の設計者が自ら設計ノウハウを獲得することは、今後ますます重要になるものと考えられます。

このような背景から、本書では、形状とその強度や剛性といった力の関係に注目し、熟練設計者の方々から集めた50項目の形状設計ノウハウを紹介します。その際、つぎの三つの特長を有するよう、心がけました。
<本書の特長>
● ノウハウがひと目でわかる
・ノウハウの適用前(Before)と適用後(After)の組み合わせを、Visible List(一覧表)にまとめるとともに、各ノウハウの頁の冒頭に掲載した。
・設計現場で用いる専門用語を、関連するノウハウの頁で解説した。
● ノウハウの効果が理解できる
・ノウハウの効果を端的に図解した。
・効果の計算結果を図で示し、効果がある理由をわかりやすく解説した。
● ノウハウが適切に使える
・身近な使用例を紹介した。
・ノウハウで使用される材料、加工などの条件とその注意事項を示した。

上記のような特長を踏まえ、本書の活用例としては以下のようなものが考えられます。
<本書の活用例>
・新人設計者や若手設計者の形状設計マニュアル
・企業での設計教育、マネジメントの資料
・大学、高等専門学校での設計教育教材
・機械工学を学ぶ学生の参考書

また、本書の「1.デザイン科学が読み解く形状設計ノウハウ」では、「デザイン(設計)科学」の視点から、形状設計や熟練設計者のノウハウについて解説しました。「デザイン科学」とは、設計やデザインという人間の創造的行為を理論的に説明する新しい学問で、本書の「3.デザイン科学講座」では、その最新の内容も紹介しました。この「デザイン科学」は、「デザイン塾」(主宰:松岡由幸、http//www.designjuku.mech.keio.ac.jp)において、多くの設計者、デザイナー、工学研究者などによる議論を通じて構築されたものであり、実務者の方々にも十分に共感していただけるものと考えております。
読者の方々には、本書を活用されることで、設計行為の本質的な意味や、形状設計ノウハウを活用する意義を理解していただければ幸いです。

2010年6月                                       
松岡 由幸 

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