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HFOV(高頻度振動換気法)のすべて

定価(税込)  2,808円

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ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-06494-4
コード C3050
発行月 2010年07月
ジャンル その他

内容

医療関係者から今最も注目を集めている「HFOV」は、現在使用されている人工呼吸器より、呼吸に伴う肺損傷・呼吸不全等の症状の発生をかなり抑制できるため、評判を得て小児から成人、高齢者にまで普及してきている。本書は、このHFOVのすべてを解説。

中川 聡  著者プロフィール

(なかがわ さとし)
1959年生。福島県出身。1984年東北大学医学部卒業。独立行政法人国立成育医療研究センター病院手術集中治療部集中治療科医長。1993~1994年カナダ国トロント市Hospital for Sick Children小児集中治療部臨床フェロー。1995~1996年米国ボストン市Massachusetts General Hospital および New England Medical Center小児集中治療臨床フェロー。帰国後、国立小児病院麻酔集中治療科医員、国立成育医療センター集中治療科医員を経て、2004年から国立成育医療センター集中治療科医長。小児集中治療医学、人工呼吸、HFO、膜型人工肺を用いた体外循環補助(ECMO)を専門とする。

目次

◆ HFOと肺損傷予防
国立成育医療センター 集中治療科 中川 聡

◆ 新生児領域における
ピストン式HFOの有用性とその適切な使用法
埼玉医科大学総合医療センター 小児科 田村正徳

◆ サーファクタント活性とHFO
国立成育医療センター 新生児科 伊藤 裕司

◆ 小児医療におけるHFO
国立成育医療センター 集中治療科 中川 聡

◆ 成人領域におけるHFOの応用
公立陶生病院救急部 長谷川 隆一

◆ 肺胞出血、外傷に対するHFOVについて
信州大学医学部附属病院 高度救命救急センター 関口 幸男

◆ HFO機制作の技術的問題点
株式会社 メトラン トラン・ゴック・フック

はじめに

High-frequency oscillation(HFO)は、我が国の新生児医療では、すでに一般的な人工呼吸モードとして認識されています。世界のHFOの開発の歴史の中では、日本の研究者や技術者が大きな役割を果たしています。カナダのトロントのCharles Bryan先生が提唱したHFOを、宮坂勝之先生(前長野県立こども病院院長)や本書の執筆に参加しているトラン・ゴック・フック氏が、新生児医療の重要な治療戦略として導入しました。その後、田村正徳先生をはじめとする日本の新生児科医が、臨床の現場でその利点と欠点を明らかにし、今や日本は、新生児でのHFOにおいては世界の中心的な存在となっています。
一方、新生児以外の小児医療と成人の医療でのHFOの応用においては、日本は北米に先を越されてしまいました。米国とカナダでは、1990年代前半から、まず小児医療で応用され、続いて1990年代後半から2000年代前半にかけて、成人の重症ARDSに対してHFOが応用されています。実は、日本でも1990年代に成人用のHFO人工呼吸器が開発され、臨床応用をしてきましたが、残念ながら広く普及するには至りませんでした。
この間、HFOは、欧米各国で、新生児から成人医療において、重症の呼吸不全の人工呼吸戦略の一手段として位置づけられるようになっています。現在、成人の重症ARDSに対してのHFOの役割を明確にするために、カナダと英国を中心に2つの多施設共同研究が展開されています。その中の英国を中心に行われている臨床研究で使用されているHFO人工呼吸器は、日本製の物(メトラン社R100)です。
一般に、HFOは通常の人工呼吸法と異なるように受け止められていますが、HFOをよくよく見つめてみると、通常の人工呼吸と根本的には何もかわりがないことがわかります。このHFOと通常の人工呼吸の共通点が見えてくると、HFOはもっと広く受け入れられてくると思います。
本書は、2009年1月17日と18日に長野県下諏訪町で開催したHFO Round-Table Discussionの会議録から、主要な発表者の発表を文字化したものです。その会議では、本書に執筆された方々だけでなく、多くのご参加の方々に熱い議論をしていただきました。本書を通読していただくと、その熱気を感じていただけると思います。
本書をご一読いただき、HFOの利点をご理解いただき、一人でも多くの方にHFOを使用していただく機会が増えることを期待します。
本書を作成するにあたり、イワキ株式会社の瀬戸口智様と日刊工業新聞社の藤井浩様に多大なお力をいただいたことを感謝申し上げます。

2010年7月

中川 聡

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