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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいねじの本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06476-0
コード C3034
発行月 2010年06月
ジャンル ビジネス 機械

内容

世の中にはさまざまな大きさや形の「ねじ」が存在しており、地味だが重要な役割を担っている。本書は、ねじの歴史、種類、規格、はたらき、ねじを支える技術などを、イラストを多用してわかりやすい文体で紹介する。

門田和雄  著者プロフィール

(かどた かずお)

東京学芸大学教育学部技術科卒業
東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程(技術教育専攻)修了
東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程(メカノマイクロ工学専攻)修了
博士(工学)


主な著書
『絵とき「ねじ」基礎のきそ』
『絵とき「機械要素」基礎のきそ』
『絵とき「ロボット工学」基礎のきそ』
(以上,日刊工業新聞社)

『暮らしを支える「ねじ」のひみつ』
『基礎から学ぶ機械工学』
(以上,ソフトバンククリエイティブサイエンスアイ新書)

『ねじ図鑑~種類や上手な使い方がよくわかる』
(監修,誠文堂新光社)
など多数

目次

第1章 ねじのいろいろ
1 もしもねじがなかったら 「私たちの生活はねじに支えられている」
2 ねじは誰が発明したのか 「発明家ダ・ヴィンチの眼力とモーズレーの功績」
3 日本に伝来したねじの技術史 「火縄銃からスチームハンマーまで」
4 ねじの規格が制定されるまで 「ねじの国際標準化への長い道のり」
5 日本におけるねじの規格の変遷 「JISとISOは一致する方向に進んでいる」
6 なくならないねじの附属書とは 「ISO規格に準拠しないJIS規格ねじの輸出で告訴?」
7 ねじはどのくらい生産されているのか 「ねじ業界は不況に強いのか?」
8 ねじの流通は生産者、問屋、消費者 「種類が豊富なねじを商うために必要なねじ問屋」
9 ねじ業界を取り巻くねじ関連団体 「ねじ関連の業界専門紙や学協会のいろいろ」
10 規格ねじと特殊ねじについて 「オリジナリティを出せない規格品製造の宿命」

第2章 ねじの種類
11 ねじの各部名称のいろいろ 「ねじを学ぶ第一歩は各部の名前を覚えることから」
12 小ねじの頭部形状のいろいろ 「小ねじの分類は頭部形状の違いから」
13 小ねじの頭部くぼみ形状のいろいろ 「ねじ頭部のくぼみはプラスかマイナスか?」
14 ボルトの頭部形状のいろいろ 「六角形はボルトの形状の基本です」
15 ナットの形状のいろいろ 「ナットには必ずめねじがあります」
16 座金はゆるみ防止のために 「平らなものや歯形のものなどいろいろ」
17 ねじ山の形状のいろいろ 「ねじ山の基本は角度が60度の三角形」
18 メートルねじはねじ山の基本形 「ねじ選定の基本はMで表記されるメートルねじ」
19 ユニファイねじを知ってねじに詳しく 「インチとメートルの換算はややこしい」
20 管用ねじを知ればさらにねじに詳しく 「管用ねじには平行形とテーパ形がある」
21 タッピンねじは意外と身近なねじ 「ややピッチ間隔の大きなねじが多い」
22 止めねじはとても地味なねじ 「止めねじはイモネジとも呼ばれます」
23 リベットも意外なところで使われている 「中空リベットはノートPCなどにも用いられています」24 木ねじと釘は木材の締結に用いられる 「ねじと釘の歴史は別々に発展してきました」
25 いろいろな形をしたねじの頭 「ねじ頭部のくぼみは星形や三角形などいろいろ」
26 建築・土木分野で用いられる高力ボルト 「同じねじでも分野によって違いがあります」

第3章 ねじの締付工具と測定工具
27 ドライバの定番は十字穴付き 「小ねじの締付けは十字ねじ回しから」
28 スパナやレンチの種類はいろいろ 「工具の形状は常に進化している」
29 モンキーレンチは意外と使い方が難しい 「モンキーの由来は猿か人名か」
30 六角棒スパナでより確実な締結を 「六角形は確実に均一に力を伝えることができる」
31 ソケットレンチとラチェットレンチの違いは 「ソケットレンチには六角と十二角があります」
32 トルクレンチでトルクを数値化 「締付け力の考え方と実際の測定方法」
33 長さ測定の基本はノギスとマイクロメータ 「ねじの測定にはねじ専用測定工具も」
34 ねじの検査に用いられるねじゲージ 「ねじの寸法には許容差があります」

第4章 ねじの締結と強度
35 ねじは斜面の応用である 「ねじにはたらく力は斜面で考える」
36 ねじのはたらきはくさびに似ている 「摩擦のある物体にくさびを打ち込むと」
37 ねじにはたらく力は弾性範囲内で 「ねじが伸び縮みするイメージが大事」
38 引張荷重を受けるねじの強度計算 「ねじにはたらく応力とひずみ」
39 ボルトの強度区分は10段階で 「ステンレスだけは別規格です」
40 ナットの強度はボルトとの相性で 「ナットの強度区分は7段階」
41 ねじ締結体のはたらき 「ねじ締結でボルトは伸ばされナットは縮む」
42 ねじのゆるみの分類 「回転ゆるみと非回転ゆるみがある」
43 ねじのゆるみ止めのいろいろ 「ねじの選定から回転止め部品の活用まで」
44 ねじの締付け法のいろいろ 「ねじ締結体では伸びと縮みが一体で」

第5章 ねじの製造
45 ねじの製造は切削加工か塑性加工 「基本は切削加工と塑性加工」
46 まずはダイスでおねじ加工 「簡単な工具でできるおねじ加工」
47 次はタップでめねじ加工 「簡単な工具でできるめねじ加工」
48 旋盤は切削加工をする工作機械 「旋盤は機械をつくる機械の代表」
49 ねじの大量生産はNC旋盤で 「数値制御で自動につくられるねじ」
50 ねじ切り専用の工作機械とは 「チェーザはねじ切りのための刃物」
51 金属の変形を利用した塑性加工 「切りくずが出ないのが塑性加工の特徴」
52 冷間圧造で小ねじの頭部を成形 「線材をたたいてねじ頭部を成形」
53 平ダイスによる転造でねじ山を成形 「工作物を平面状に転がしてねじ山を成形」
54 熱間圧造で六角ボルトの頭部を成形 「棒材を過熱してからねじ頭部を成形」
55 丸ダイスによる転造でねじ山を成形 「工作物を丸ダイスの間で転がしてねじ山を成形」
56 ナットの圧造加工も冷間や熱間で 「まずは線材にナットブランクをつくる」
57 ボルトの表面欠陥のいろいろ 「ねじの不良品のチェックポイントは」
58 製図によるねじの表し方 「ねじを製図で表すための決まり事」

第6章 ねじの材料と表面処理
59 ねじ材料の基本はやはり鉄鋼材料 「ねじの材料に求められるのは圧造しやすさ」
60 銅材料のねじの用途は 「黄銅は金以外で唯一の金色を出せる合金」
61 アルミニウムとチタンのねじの将来性は 「強度か、軽さか、さびにくさか」
62 金属材料は熱処理で性質向上を 「材料に硬くて粘り強い性質を持たせるには」
63 金属の表面硬化法のいろいろ 「表面だけを硬く、粘り強く、摩擦に強く」
64 プラスチックねじは種類が豊富 「プラスチックねじの種類と特徴は」
65 小ねじに多く用いられる亜鉛めっき 「ねじの表面は銀色か虹色か」
66 無電解めっきや陽極酸化処理など 「アルマイトは赤や青のカラーめっきも可能」
67 めっきに関する規制のいろいろ 「めっきの廃液処理などの環境対策は」
68 水素ぜい性による遅れ破壊 「ねじの製造工程において水素の侵入を防ぐには」

【コラム】
●ねじがニックネームの野球チーム
●アンカーボルト
●小ねじにあるポッチの謎
●自動車と航空機のねじ
●カレイナットとインサートナット
●溶かしてつくるねじ

参考文献
索引

はじめに

 本書は私たちの生活にたくさん入り込んでいるにもかかわらず、意外と注目されることが少ないねじに関する事項を幅広く理解できるように作成しました。

 はじめにねじの役割やその歴史、ねじの規格やねじ業界など、ねじに関する話題を幅広くまとめているので、まず最初にねじに関する基本的な事項について幅広く興味をもっていただければと思います。

 ねじの種類は実にさまざまです。その分類方法として、ねじの頭部形状やねじ山の形状の違いなどがあります。本書を読むことで、身の回りにある多くの規格品のねじを分類することができるようになるはずです。どうしてここにこのような種類のねじが使われるのかを理解することは、自分がねじを使う立場になったときにきっと役立つでしょう。

 適切なねじを選定できるようになったら、次にそのねじを締めつける工具であるさまざまなドライバやスパナに関する知識を身につけましょう。そして、実際に自分の腕で適切にねじを締めつけることができるようになれば、それはあなたの技術になるはずです。また、ねじの太さや長さ、ねじ山の形状を測定するための測定工具に関する技術も、特にねじをつくろうとするときには欠かせない事項になります。

 ねじの強度や締結に関する理論はなかなか難しい部分が多くあります。ただし、その基礎的な事項を理解しておけば、ねじのはたらきを科学的に理解することができるようになります。 
斜面やくさびのはたらきを応用したねじの締結に関するサイエンスの視点を少しでも身につけてもらえればと思います。

 ねじの製造法には、タップとダイスと呼ばれる簡単な工具から旋盤やねじ切り盤と呼ばれる本格的な工作機械を用いるものまで、幅広く切削加工に分類される加工法があります。また、材料から切りくずを出さずに、材料をたたいたり転がしたりして製造する塑性加工による加工法もあります。ねじが実際にどのような方法でつくられているのか。これを知ることで、ねじに関する理解をますます深めることができるでしょう。

 ねじの材料は鉄鋼材料だけでなく、その他の金属材料やプラスチック材料が用いられることも多くあります。また、材料を加工した後に、材料の表面にめっきなどの処理を施すことも一般的なことです。一本の線材がねじになるまでの流れを全体的に理解できるようになれば、あなたもねじに詳しい人への仲間入りです。

 ものづくりにおけるねじの大切さについて理解していただき、少しでも身近で私たちの生活を支えているねじについて愛着を深めてもらえればと思います。

2010年6月 門田和雄

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