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楽しくダイナミックに!
―ベンチャー精神貫き、上場実現

定価(税込)  1,980円

著者
サイズ 四六判
ページ数 208頁
ISBNコード 978-4-526-06483-8
コード C3034
発行月 2010年06月
ジャンル 経営

内容

日本コンピュータ・ダイナミクスは、現会長の下條武男氏が1967年に設立、2000年にジャスダック上場を果たした、日本のベンチャーの先駆けといった存在。本書は、同社の軌跡と下條会長の経営姿勢・理念、ベンチャーに対する考え方などをまとめたベンチャー・ビジネスのバイブル。

下條武男  著者プロフィール

(しもじょうたけお)
1931年(昭和6年)8月大阪市生まれ。
1958年大阪大学理学部数学科卒業。
同年日本レミントン・ユニバック株式会社(現・日本ユニシス株式会社)入社。社団法人日本能率協会を経て、1967年3月日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社(NCD)設立し社長、2006年6月から会長。1972年~1975年日本ベンチャー・ビジネス協会代表幹事。2001年にパイオニア・ベンチャーグループを設立し理事長を務めるなど、一貫してベンチャー企業を増やし盛んにする運動を先導。自らの企業経営でも NCDを2000年9月にジャスダックに上場させている。現在、財団法人ベンチャーエンタープライズセンター理事、キャンパスベンチャーグランプリ東京審査委員。

目次

推薦の言葉

はじめに

第1部 NCDの創業から現在、そして明日へ
創業前
――数学科を出て、黎明期のコンピュータの世界へ
創業の決意とNCDの設立
――優秀な創業メンバーに加え、顧客も確保してスタート
創業期から発展期へ
――日本能率協会時代の蓄積が生き、幸運が舞い込む
経営は海図なき航海
――従業員の離反にも落ち着いて対処
三次にわたる経営三カ年計画で十億円・百人体制を実現
――社員の一体感高め、規模の拡大も顧客の信頼も
売上高二十二億円達成・従業員も二百人に迫るが、バブル経済崩壊
――上場しバトンタッチも思い描いたが……
二年連続の大幅減収を人件費削減と本社移転、従業員の結束力で克服
――地味な仕事を積み重ねてこそ、未来が拓ける
上場を実現
――社員の精神力・意志とIT需要の拡大を原動力に
環境と健康の時代に適した駐輪場管理システム「エコステーション21」
――日本一の導入実績
「生き生きとして、あたたかな企業文化の確立」を目指して
――まだまだ発展途上のNCD
 
第2部 日本にベンチャー企業が増え、発展するために
日本ベンチャー・ビジネス協会が果たした先駆的役割
審査委員長に本田宗一郎氏、官と民で違うベンチャー企業支援の役割
私が支援したベンチャー企業の失敗と成功例
共同創業者、参謀は必要か
――女性のナンバー2・小黒節子の大きな役割
ベンチャー企業に対する社会一般の誤解
私が考える起業家の条件
ベンチャー企業と大企業との対等なパートナーシップが明るい未来を開く


あと書きに代えて――世界平和と日本の明るい明日を願って

はじめに

ベンチャー・ビジネス、ベンチャー企業という言葉が知れ渡るようになり、新聞などでも特に注釈なしで、ベンチャー・ビジネス、ベンチャー企業という言葉が使われています。ベンチャー企業というのは一般的に、新しい事業にチャレンジしようという企業をいいますが、そうした企業を起こす場合も、二〇〇六年(平成十八年)五月の会社法施行に伴い、最低資本金規制が撤廃されて資本金一円で株式会社を設立することが可能になったうえ、国や自治体によるベンチャー企業の創業や成長を支援する施策も強化されています。

 しかも、ベンチャー企業が成長して株式を公開する証券市場も、十年ほど前まではジャスダック(旧・店頭市場)だけでしたが、一九九九年(平成十一年)、二〇〇〇年(平成十二年)にかけて、東証マザーズ、大証ヘラクレス(当初はナスダック・ジャパン)をはじめ、札幌、名古屋、福岡の各証券取引所にも開設されるなど、上場する環境も整備されています。加えて昨年(二〇〇九年)は、プロの投資家を対象にしたベンチャー企業向け市場「TOKYOAIM(トウキョウエイム)取引所」も新設されました。

 ここ二年ほどは景気の影響もあり、こうした市場に新規上場する企業の数は少なくなっていますが、二〇〇七年までは毎年、百社を超えるほど盛況でした。
 
 どうして、このようにベンチャー企業を増やし、成長・上場させる環境が拡充されたのかと言いえば、それは、日本経済の活性化にベンチャー企業が果たす役割が、社会的に認識されてきたからにほかなりません。

 日本のベンチャー企業の代表例として、まず挙げられるのはソニーやホンダですが、この両社が日本経済に果たしている役割は、誰もが認めるところです。さらに米国を見ますと、ビル・ゲイツ氏が創業したマイクロソフトをはじめ、インテル、アップル、オラクルといった企業が、コンピュータの技術革新に対応して、世界的な企業にまで成長しています。最近でもヤフー、グーグルなどの新しい企業が国際的に事業を発展させているのは、多くの方々が認めるところだと思います。

 私も、このコンピュータの世界で、今から四十三年前の一九六七年(昭和四十二年)に創業しました。社名も日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社(略称・NCD)で、文字通り、「コンピュータを活用して、新しいソフトウェアをダイナミックにつくっていこう」、「ソフトウェアを開発することによって、コンピュータの発展にダイナミックに貢献しよう」という思いを秘めてのことでした。

 詳しくは本書の中で述べますが、当時は、ソフトウェアはハードウェア(機械装置としてのコンピュータ)に付随したもので、決して、それだけで事業として成り立つとは考えられていませんでした。私は、このソフトウェアが、これから大きな存在価値を発揮するようになると確信して、創業を決意しました。その頃はまだ、ベンチャー・ビジネスという言葉はなく、会社を辞めて独立するのを「脱サラ」などと呼んでいましたが、私はそのときの思いのまま、ベンチャー・ビジネスというのは「次の時代の新しい産業の創造にチャレンジする企業」であると考えています。
 新しい産業にチャレンジするのは、リスクが伴います。ですが、そうしたチャレンジ精神を持った起業家がいないことには、社会のダイナミックな発展も活性化も望むことはできません。

 日本コンピュータ・ダイナミクスは取引先・ユーザーにも社員にも恵まれ、二〇〇〇年(平成十二年)九月にジャスダックに上場を果たすことができましたが、私は上場しなくても、世界的に成長しなくても構わない。「次の時代の新しい産業の創造にチャレンジしよう」という独立独歩の気概を持つ若手経営者が増えることこそ、日本社会の発展に欠かせないと思っています。

 本書は、私の事業の軌跡を中心に私の経営姿勢・理念やベンチャー企業に対する考え方、私が取り組んできたベンチャー支援活動などをまとめました。会社を起こそうと志している人、すでに起こして奮闘している人の参考になれば、これ以上の喜びはありません。

二〇一〇年
六月吉日

日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社
代表取締役会長
下條武男

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