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ノイズ対策のための
電磁気学再入門

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 180頁
ISBNコード 978-4-526-06477-7
コード C3054
発行月 2010年06月
ジャンル 電気・電子

内容

電磁気学と、そのノイズ対策への使われ方(ノイズ対策技術に応用される電磁気学の法則)を解説する本。「なぜそうなるのか」が、きちんと理解できるようにノイズ対策を紹介。ノイズ対策に必要な技術と、その論理的な裏付けを、電磁気学の基本法則に則って理解できる。

鈴木茂夫  著者プロフィール

(すずき しげお)
1976年 東京理科大学工学部電気工学科卒業
フジノン(株)を経て(有)イーエスティー代表取締役、技術士(電気電子/総合技術監理部門)、関東職業能力開発大学校客員教授

【業務】
・電子映像技術(CCD応用)、高周波技術、EMC技術等の支援、技術者教育(高度ポリテクセンター外部講師)
Eメール rd5s-szk@asahi-net.or.jp
【著書】
「EMCと基礎技術」(工学図書)、「主要EC指令とCEマーキング」(工学図書)、「Q&A EMCと基礎技術」(工学図書)、「CCDと応用技術」(工学図書)、「技術士合格解答例(電気電子・情報)」(共著、テクノ)、「環境影響評価と環境マネージメントシステムの構築─ISO 14001─」(工学図書)、「実践ISO 14000審査登録取得のすすめ方」(共著、同友館)、「技術者のためのISO 14001─環境適合性設計のためのシステム構築」(工学図書)、「実践Q&A環境マネジメントシステム困った時の120例」(共著、アーバンプロデュース)、「ISO統合マネジメントシステム構築の進め方─ISO 9001/ISO 14001/OHSAS 18001」(日刊工業新聞社)、「電子技術者のための高周波設計の基礎と勘どころ」(日刊工業新聞社)、「電子技術者のためのノイズ対策の基礎と勘どころ」(日刊工業新聞社、台湾全華科技図書翻訳出版)、「わかりやすいリスクの見方・分析の実際」(日刊工業新聞社)、「わかりやすい高周波技術入門」(日刊工業新聞社、台湾建興文化事業有限公司翻訳出版)、「わかりやすいCCD/CMOSカメラ信号処理技術入門」(日刊工業新聞社)、「わかりやすい高周波技術実務入門」(日刊工業新聞社)、「わかりやすいアナログ・デジタル混在回路のノイズ対策実務入門」(日刊工業新聞社)、「わかりやすい生産現場のノイズ対策技術入門」「読むだけで力がつくノイズ対策再入門」(日刊工業新聞社)

目次

はじめに
第1章 ノイズ対策の考え方と電磁気学との関係
1. 1 電子機器の回路モデル
1. 2 電子回路から空間に放射される電界・磁界と回路から伝導するノイズ
1. 3 回路素子(抵抗、インダクタ、コンデンサ)の見方
1. 4 電子回路及びシステムを設計するときに機能と電磁環境性能を同時に考える
1. 5 ノイズの問題とは
1. 6 ノイズ対策と電磁気学の関係
1. 7 エネルギー保存の法則と電磁波を少なくするための基本的な考え方

第2章 電子回路から空間に発生する電界とその電界の最小化
2. 1 起電力(信号や電源)とは
2. 2 電子回路の配線の中には自由電子がたくさんある(電荷の動き)
2. 3 電荷に働くクーロン力
2. 4 ガウスの法則(分布する電荷と電界Eの関係)
2. 5 電荷Qから発生する電界E、電束密度D
2. 6 空間に発生する電界Eを小さくする方法
2. 7 電界と電位の関係
2. 8 空間に蓄えられる電界のエネルギー
2. 9 電荷保存の法則(電荷が減少すると電流になる)
2. 10 オームの法則と電界Eの関係(微分形)

第3章 電子回路から空間に発生する磁界とその磁界の最小化
3. 1 電荷が移動すると電流が流れる
3. 2 電流の周辺に発生する磁界(アンペールの法則とビオ・サバールの法則)
3. 3 空間を流れる電流(変位電流、電束電流)
3. 4 プリント基板と筐体との間にはクーロンの法則と変位電流
3. 5 電子回路の空間に発生する磁界とその磁界の最小化(ノーマルモード電流による磁界)
3. 6 インダクタンスL
3. 7 ファラデーの電磁誘導の法則と起電力
3. 8 逆起電力を最小化する対策(L、i、)
3. 9 空間に蓄積される磁界のエネルギー(電線間と電線間以外の空間)

第4章 電磁波(電界、磁界)の発生とノイズ対策
4. 1 電磁波の発生メカニズム
4. 2 入力電力と電磁波のエネルギーの関係
4. 3 電磁波は光速で進む
4. 4 エネルギー保存の法則
4. 5 内部を伝わる伝導電流
4. 6 ケーブルとケーブルからの放射
4. 7 磁性体の磁化曲線
4. 8 磁気回路
4. 9 フェライトコア

第5章 イミュニティ
5. 1 ノイズに対して回路を強くするイミュニティ
5. 2 コモンモードノイズ電流の伝搬
5. 3 ノイズ電流Jnによる回路への影響
5. 4 外部電界Enの照射によってプリント基板に発生するノイズ電圧
5. 5 ファラデーの法則によって回路内に発生する起電力
5. 6 空間を伝搬する放射ノイズによる影響
5. 7 伝送路の平衡化
5. 8 静電気による影響
5. 9 シールド開口部による影響

第6章 信号と伝送路
6. 1 信号の重要性(信号とフーリエ級数)
6. 2 伝送路を伝搬する波はどのように表すことができるか
6. 3 無損失伝送路
6. 4 伝送路の定在波(定在波があるとノイズが放射される)
6. 5 信号の反射(電圧と電流の反射係数)
6. 6 定在波による電磁波の放射:反射があると電磁波が多くなる理由
6. 7 RLC回路と共振電流

第7章 電磁気学の流れ
7. 1 電荷と磁界に関するガウスの法則
7. 2 電荷間に働くクーロン力(電荷を動かす力)
7. 3 電流から磁界の発生:ビオ・サバールの法則とアンペールの法則
7. 4 電界と磁界の関係(つながり)
7. 5 磁界の変化によって電流が発生(ファラデーの法則)
7. 6 ローレンツ力(運動している荷電粒子に働く力)
7. 7 マクスウェルの方程式(電磁気学の基本法則)
7. 8 波動方程式
7. 9 電磁波の速度vと特性インピーダンスZ0
7. 10 電磁波のエネルギーの伝搬

第8章 数学と補足資料
8. 1 オイラーの公式と双曲線関数
8. 2 ベクトル
8. 3 ストークスの定理
8. 4 ガウスの定理
8. 5 電磁波の伝搬に関する∫div(E×H)dV
8. 6 フーリエ級数
8. 7 複素フーリエ級数
8. 8 2次微分方程式と波動方程式
8. 9 補足資料(インダクタンスの計算)
8. 9. 1 自己インダクタンスの計算例
8. 9. 2 2本の電線間のインダクタンス

参考文献

索引

はじめに

 近年、電子機器、産業機器などの高度化、高機能化、高集積化、処理速度はますます向上して、電磁波に対する対策が難しくなってきています。この電磁環境問題は電磁波の放出を最小にする技術的な対策と電磁波の影響を受けたときに機器が本来の意図した性能を維持するための防御と2つの面があります。電磁波の発生から放射までの経路には大きく分けてノイズ発生源があり、ノイズ伝搬経路があり、電磁波を放射しやすい長さのアンテナが存在することになります。外部からのノイズ源の影響についてノイズ源の強度、伝搬、ノイズの影響を受けやすい回路といった経路となります。

 本書の特徴は、ノイズ対策の技術的な面と電磁気学を結び付けてできるだけノイズ対策技術を裏付けるよう意図しております。従って、一般の電磁気学の理論を難しい式だけで記述するのではなく、ノイズ対策技術と結びつけられるよう配慮しています。そのために概要は次のようになっています。
 ・ノイズ対策技術と電磁気学との関係を結び付けて明らかにしています。
 ・電荷に関するガウスの法則やクーロンの法則、オームの法則と電界の関係などによって電子回路から空間に発生する電界を最小にするための方法。
 ・アンペールの法則、ビオ・サバールの法則、変位電流などによって電子回路から空間に発生 する磁界を最小にするための方法を、またファラデーの電磁誘導法則によって発生する逆起電力による影響を低減するためには何をすべきかについての解説。
 ・電界と磁界が結びつき電磁波となって発生するメカニズム、ケーブルからの放射のメカニズム、フェライトコアなどの磁性体についてノイズを低減できるメカニズムについて。
 ・外部から侵入するノイズに対して電磁気学的な観点から解説し、その影響を最小にする方法。
 ・信号及び信号伝送路についてノイズとの関連及びノイズ対策技術のために電磁気学の流れの概略。
 ・第7章は数式が多くなっていますが、途中を省かないでできるだけ記述することにしました。また本文各章で数式が長くなるものは第8章に「数学と補足資料」として記載しました。

 電子機器関連の設計業務に従事されている方でノイズ対策技術について電磁気学的な観点から再度見直されようとする方や、これからノイズ対策に取り組まれようとする方に向いています。読者の皆様方に本書が少しでもお役に立てれば幸いであると願っております。
 最後に本書をまとめるにあたり、お世話になった出版局書籍編集部の鈴木徹氏に心から感謝いたします。

平成22年5月 著者

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