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見える化でわかる原価計算

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-06451-7
コード C3034
発行月 2010年03月
ジャンル 生産管理

内容

企業が利益を上げるための最も有効な方法は原価を下げることといわれている。原価を下げる第一歩は、原価計算による原価の見える化から始めるのが定石。本書は原価の基礎知識から紐解き、各部門別に必要な原価計算と原価管理についてわかりやすく解説した原価計算の恰好な入門書。

小川正樹  著者プロフィール

(おがわ まさき)

1955年 神奈川県横須賀市に生まれる

(株)日本能率協会コンサルティングを経て、現在、(株)MEマネジメントサービス常務取締役。マネジメントコンサルタント、技術士(経営工学)、明治大学専門職大学院会計専門職研究科 特任教授。

原価計算、原価管理、原価見積、原価企画などに関するシステムの立案、構築、実施やVE・IEや品質工学などを通じて総合的コストダウンを展開し、企業の業績を改革するコンサルティング業務が活動の中心である。

著書:『技術者のための見積原価計算』(共著)

『CIMハンドブック』(共訳)

『技術者のための原価企画』(共著)

『理想原価への挑戦』(共著)

『資材購買技術・事例集―1』(共著)

『絵でみる原価計算のしくみ』

『図解でわかる 高品質・低コスト生産のすべて』

以上、日本能率協会マネジメントセンター刊

『実践原価企画』(編著者)税務経理協会刊

『絵でわかる超入門原価計算』すばる舎刊

『よくわかるレイアウト改善の本』

『よくわかる品質改善の本』

以上、日刊工業新聞社刊

連絡先

〒143―0024

東京都大田区中央6―29―2

TEL(03)3755―5437 FAX(03)3755―8366

E―mail:ogawa@mejapan.com

http://www.mejapan.Com

目次

目次



はじめに



第1章 原価の基礎知識と原価計算のやり方

1―1 原価意識はどうしたら身につくか

1―2 どこまでの範囲が原価に入るのか

1―3 原価を見ためごとに分類した材料費、労務費、製造経費

1―4 費用と原価の違いは何か

1―5 製造原価、売上原価、総原価の違いは何か

1―6 経理と管理に使う原価は分け方が違う

1―7 製品別の原価を計算するときは直接費・間接費

1―8 意思決定に原価を使うときは変動費・固定費

1―9 原価を管理するときは管理可能費・管理不能費

1―10 モノづくりにおける原価計算の役割は何か

1―11 事前に見る原価と事後に見る原価がある

1―12 原価は何かに比例する

1―13 事後原価計算の流れを整理する

コラム(1) 変動費と固定費の中間にある原価



第2章 事後より事前に原価が見えることが大切

2―1 図面を描いてからの原価計算では遅すぎる

2―2 製品1個の原価を事前に計算する

2―3 目的に応じて事前原価計算を使い分ける

2―4 事前原価計算では原価を材料費と加工費に分ける

2―5 事前原価計算で求める見積原価と標準原価とは

2―6 営業部門・購買部門が使う見積原価とは

2―7 技術部門・製造部門が使う標準原価とは

2―8 コストダウンに必要な事前原価計算のやり方

2―9 事前原価計算に必要な技術情報は何か

2―10 事前原価計算に必要なデータベース

コラム(2) 坂本龍馬の教え



第3章 材料費の見える化に必要なデータベースと計算方法

3―1 材料費計算の流れを整理する

3―2 材料費は単価と消費量で計算する

3―3 材料費の計算に必要な材料単価表を整備する

3―4 材料単価をどう決めるか

3―5 材料単価表は定期的に見直す

3―6 材料費は投入材料で決まる

3―7 製品の面積・体積・重量の計算から

3―8 材料費は歩留の見方で大きく変わる

3―9 材料投入量を計算する

3―10 図面を見ながら材料費を計算する

コラム(3) より球に近い正多面体は



第4章 加工費の見える化に必要なデータベースと計算方法

4―1 加工費計算の流れを整理する

4―2 加工費はレートと時間で計算する

4―3 加工費レートにはどこまでの原価を含めるか

4―4 加工費の計算に必要な部門別の加工費レートを設定する(1)

4―5 加工費の計算に必要な部門別の加工費レートを設定する(2)

4―6 加工費レートを変動費と固定費に分けてみる

4―7 機械設備の減価償却費を設備費レートにする

4―8 減価償却費は定額と定率のどちらを使うか

4―9 金型費・治工具費・開発設計費を計算する

4―10 モノづくりの工程を設計し工数を見積もる

4―11 大ロットと小ロットの違いは何か

4―12 加工や組立に必要な標準時間を計算する

4―13 原価の最も安い最適設備を選定する

4―14 図面を見ながら加工費を計算する

コラム(4) 埋没したお金



第5章 単価査定・概算コストを見るためのコストテーブルの作り方

5―1 単価査定・概算コストの見える化に使う道具がコストテーブル

5―2 積上方式と一括方式のコストテーブルを使い分ける

5―3 コストテーブルの作り方

5―4 コストテーブルの目次を作成する

5―5 コストを変動させる要因とコストの関係を整理する

5―6 変動要因と原価データを収集する

5―7 収集したデータはここをチェックする

5―8 コストテーブルを表計算ソフトで作成する

5―9 コストテーブルの精度を向上させる

5―10 手間をかけずにコストテーブルをメンテナンスする

5―11 フロントローディングに対応するCAD見積事例

コラム(5) コンピュータ内で試作品を作る



第6章 間接費・サービス費の多い会社の原価計算

6―1 増大する間接費とサービス費をどのように管理するか

6―2 ABC(活動基準原価計算)とは何か

6―3 今までの原価計算とABCは何が違うのか

6―4 仕事の活動単位にコストを集計する

6―5 原価を作用するコストドライバーを発見する

6―6 活動単位にレートを計算する

6―7 ABCによる製品別原価計算の流れ

6―8 ABCでわかること

6―9 顧客別に原価を集計する

6―10 製品別・顧客別の原価計算結果の見方と使い方

6―11 ABM(活動基準原価管理)とは何か

コラム(6) 数字に強くなろう



第7章 多目的な原価を一元化して見える化する

7―1 誰が、何を、いつ、どのような原価で見たいのか

7―2 営業部門が売値決定などに使う原価とは

7―3 購買部門が買値決定に使う原価とは

7―4 技術部門がコストダウンに使う原価とは

7―5 製造・管理部門がコストダウンに使う原価とは

7―6 補助(間接)部門・サービス部門が管理に使う原価とは

7―7 コストデータベースは標準原価で一元化する

7―8 コストデータベースの体系を整理する(1)

7―9 コストデータベースの体系を整理する(2)

7―10 標準原価から見積原価、実際原価を計算する仕組み

コラム(7) いろいろな利益を見える化する



第8章 原価計算から原価管理へ

8―1 改善と管理によるコストダウンの進め方

8―2 2つの原価管理で管理サイクルを回す

8―3 製品別と部門別の原価計算の違い

8―4 コストダウンには誰の役割が大きいかを見える化する

8―5 コストダウンの定石を見える化する

8―6 コストダウンのテーマにはどのようなものがあるか

8―7 意識してデザインアプローチを試みる

8―8 原価のあるべき姿を見つける

8―9 今後出版される見える化シリーズに向けて

はじめに

はじめに



1日の歩く歩数が多くなれば生活習慣病にかかりにくくなるらしいが、あなたは毎日何歩歩いていますか?

厚生労働省による「平成20年度国民健康・栄養調査」によれば、20歳以上の日本人の1日平均歩数は、男性が7,011歩、女性が5,945歩で、ここ数年間低下傾向にある。「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」は、1日の歩数の目標値を男性9,200歩、女性8,300歩としているので、毎日2,000以上歩くことが健康増進につながりそうである。

このように、目標を立てそれを実行し、うまくいっているかを確認するには、測ることが必要になる。歩数を管理するには、まず万歩計などで歩数を測り、数字で見えるようにすることが第一歩である。歩数が見えることで、1日の目標に達していなければ、目的地の1駅前で降りて歩く気にもなってくる。



漠然とした部分を数値などで表し客観的に判断する取り組みを見える化という。会社は存続することが大切であり、そのためには利益を上げなければならない。「売価−原価」で利益は求まるが、この利益を増やすには、「売価を上げる」「原価を下げる」ことが必要になる。売価の決定は会社の営業など特定部門の仕事であるが、原価に関係しない部門はない。原価を下げるための第一歩は、原価計算による原価の見える化である。



本書では、原価の基礎知識から部門別に必要な原価計算と原価管理について、わかりやすく図表を交えながら全8章で解説している。さらに各項目は、文章と図表からなる1項目完結の構成になっている。

「第1章 原価の基礎知識と原価計算のやり方」では、会社での仕事と原価の関係から始まり、原価の分類や原価計算の方法を理解するうえでのキーワードを解説している。

「第2章 事後より事前に原価が見えることが大切」では、これから発生するお金を予測し、製品別の原価を事前に求める事前原価計算のポイントについて述べている。

「第3章 材料費の見える化に必要なデータベースと計算方法」では、材料費の事前原価計算に必要なデータの作り方と計算方法を実例で説明している。

「第4章 加工費の見える化に必要なデータベースと計算方法」では、加工費の事前原価計算に必要なデータの作り方と計算方法を実例で説明している。

「第5章 単価査定・概算コストを見るためのコストテーブルの作り方」では、売り買いの部門で必要な単価査定・概算コストを見るためのコストテーブルの作り方を実例で解説している。

「第6章 間接費・サービス費の多い会社の原価計算」では、新しい原価計算であるABC(活動基準原価計算)について述べ、ABM(活動基準原価管理))にも触れている。

「第7章 多目的なコストを一元化して見える化する」では、人や部門により使う目的が異なる原価計算をどのように一元化して見えるようにするかについて解説している。

「第8章 原価計算から原価管理へ」では、原価計算結果を生かした原価管理をどのように進めるかについて述べている。



この本で原価計算を見える化し、原価管理につなげて会社の業績が向上すれば幸いである。そのためにこの本を使い込んで欲しい。

最後になるが、思い起こせば今から半年前に よくわかる「品質改善の本」を執筆したが、それに引き続き「見える化でわかる原価計算」が執筆できるのは、日刊工業新聞社の野崎伸一氏のおかげである。心から感謝する次第である。



2010年2月 小川 正樹

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