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図解 はじめて学ぶ流体の力学

定価(税込)  3,456円

著者
サイズ A5判
ページ数 352頁
ISBNコード 978-4-526-06449-4
コード C3053
発行月 2010年03月
ジャンル 機械

内容

本書は、実験的な経験則により生み出された水力学から始まり、数理的であるナビエ・ストークス方程式に軸足を置いた流体力学に至るまで着実に学習できるように心がけて懇切丁寧に解説する。できる限り図を豊富に用い(250超)、高校・高専・大学での数学・物理に不得手意識を持っていた方にも第一歩から本格的に流体力学を理解していただける内容である。さらに機械工業に携わる若手設計技術者の方々が独学で学習したり、さまざまな試験に挑戦したりするときにも有用であるよう配慮した。

西海孝夫  著者プロフィール

(にしうみ たかお)

1953年10月 東京生まれ

青山学院高等部を経て、青山学院大学 理工学部 機械工学科卒業。

成蹊大学大学院 工学研究科 博士前期課程 機械工学専攻修了。

成蹊大学 助手、防衛大学校 助手、同 講師、同 助教授を経て、現在、防衛大学校 システム工学群 機械システム工学科 教授、博士(工学)。

油圧をはじめとする流体システムに関する教育研究に従事、日本フルードパワーシステム学会の理事、日本機械学会、計測自動制御学会などの会員。

その他の著書

小波倭文朗、西海孝夫:油圧制御システム、東京電機大学出版局(1999)

目次

目次



第1章 流体の性質

1.1 流体と流れ

1.2 単位

1.3 密度

1.4 粘性

1.5 圧縮性

1.6 表面張力と毛細現象



第2章 流体の静力学

2.1 静止流体中での圧力

2.2 圧力の測定

2.3 相対的静止での圧力



第3章 壁面に作用する圧力

3.1 平板に作用する圧力

3.2 曲面に作用する圧力

3.3 容器内に作用する圧力

3.4 浮力

3.5 浮体の静安定性



第4章 流体の運動と一次元流れ

4.1 流れの状態

4.2 質量保存則と連続の式

4.3 ベルヌーイの定理

4.4 キャビテーション



第5章 ベルヌーイの定理の応用

5.1 トリチェリの定理

5.2 オリフィス

5.3 ベンチュリ管

5.4 ピトー管

5.5 せき

5.6 先細ノズル



第6章 運動量の法則とその応用

6.1 運動量の法則

6.2 管路に流体が及ぼす力

6.3 静止板に流体が及ぼす力

6.4 移動羽根に流体が及ぼす力

6.5 様々な物体に流体が及ぼす力

6.6 角運動量の法則



第7章 粘性流体の内部流れ

7.1 平行平板間の流れ

7.2 円管路内の流れ

7.3 傾斜すきまの流れ

7.4 放射状すきまの流れ



第8章 水平な直管路内の流れ

8.1 層流と乱流

8.2 円管の管摩擦損失

8.3 円形断面形状でない管路の損失

8.4 タンクから水平直管路への流れ



第9章 管内の乱流

9.1 二次元流れの乱流

9.2 円管内の速度分布



第10章 管路要素とバルブの損失

10.1 管路要素などによる損失

10.2 管路の広がりによる損失

10.3 管路の狭まりによる損失

10.4 曲がり管路の損失

10.5 バルブの損失

10.6 管路システムの損失



第11章 流れの相似則と次元解析

11.1 相似則と模型実験

11.2 次元とレイリーの方法

11.3 バッキンガムのΠ定理



第12章 流体の運動と基礎方程式

12.1 流体運動の記述

12.2 流体要素の運動と変形

12.3 渦と循環

12.4 連続の方程式

12.5 オイラーの運動方程式



第13章 二次元ポテンシャル流れ

13.1 速度ポテンシャルと流れ関数

13.2 複素ポテンシャル

13.3 基本的なポテンシャル流れ

13.4 ポテンシャル流れの重ね合わせ

13.5 圧力方程式



第14章 物体まわりの流れ

14.1 物体に働く力

14.2 円柱や球などに働く抗力

14.3 揚力

14.4 平板での境界層



第15章 粘性流体の運動方程式

15.1 流体に働く応力

15.2 応力と変形速度

15.3 ナビエ・ストークス方程式

15.4 ナビエ・ストークス方程式の適用

15.5 境界層方程式



付録

A.関数

B.べき関数

C.指数関数と対数関数

D.三角関数

E.微分積分

F.微分と積分の公式

G.偏微分と全微分

H.テイラー展開

I.微分方程式

J.座標

K.複素数と複素平面

L.複素関数

M.力と力のモーメント

N.ニュートンの運動方程式

O.運動量の保存則

P.ポテンシャルエネルギー

Q.仕事と動力

R.角速度とトルク

S.重心と図心

T.平行軸の定理

U.理想気体の状態変化

V.質量保存則

W.波動方程式

X.ベクトル演算子

Y.離散化と差分法

Z.風洞と水槽での試験



参考図書



本文索引

はじめに

はじめに



『流体の力学』は、入門者にとって、取っ付き難い学問であると言われている。この教科は、機械工学の中で4力学(材料力学、熱力学、機械力学、流体力学)の一つで重要な学問にもかかわらず、筆者も大学時代には不得手で苦労した。この力学が敬遠される理由として、対象とする空気や水などの流体が固体と違い存在感が薄く、質点や剛体の力学のように容易にイメージできない点が挙げられる。この企画の狙いは、できる限り図表を豊富に用い、高校・高専・大学での数学・物理やほかの力学について理解不足の方にも、第一歩から本格的な『流体の力学』を着実に学んで頂くことにある。本書は、実験的な経験則により生み出された「水力学」から始まり、数理的記述であるナビエ・ストークス方程式に軸足を置いた「流体力学」に至るまで、確実に学習できるよう心掛けて懇切丁寧に執筆した。ここで学ぶ基本的な数学・物理・一般力学は、読者が自ら書籍を図書館などで調べることが望ましいが、ときとして用語や記号の不統一から初学者には混乱を招くことがある。そこで、巻末には本文に対応する26項目の付録を用意して、速やかに不明瞭な事柄を参照できるよう工夫がなされている。

本書の構想を練り上げたのは、筆者が流体力学の講義を担当した10年ほど前に遡り、その雛形は技術雑誌(日本工業出版(株):油空圧技術)に若手技術者用の基礎講座として平成18年より月刊連載されている。本書は、これを改訂および加筆し、大学2〜3年生、高等専門学校4〜5年生を対象として、通年で20〜30コマでの授業に利用できるよう15章に再編成されたものである。さらに、機械工業分野に携わる設計技術者の方々が独学で学習したり、理工系を卒業された方が大学院入試や国家試験を含めた就職試験に挑戦したりするときにも利用価値があるよう配慮されている。執筆に際し、「流体の力学」に関係する諸先生・諸先輩方の貴重な書籍や資料を参考にさせて頂いたが、著者の浅学のために、多くの思い違いがあることを危惧している。ここに、不充分な点について謹んで読者諸兄のご叱正をお願いしたい。

おわりに、本書の作成にあたり、多大なご協力を頂いた防衛大学校 助教 一柳隆義氏と防衛省 技官 加藤博司氏、出版に際して大変お世話になった日刊工業新聞社 天野慶悟氏に厚く御礼を申し上げる。



平成22年3月吉日 西海 孝夫

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