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電気二重層キャパシタ<EDLC>の特性と上手な使い方

定価(税込)  2,860円

監修
著者
サイズ A5判
ページ数 300頁
ISBNコード 978-4-526-06420-3
コード C3054
発行月 2010年03月
ジャンル 電気・電子

内容

電気二重層キャパシタは、電池ではなくキャパシタ(コンデンサ)であるにも拘わらず、大容量化が可能で、二次電池としての使い方ができる、ハイブリッド自動車用途等で注目の部品。本書ではその具体的な電気特性や使用留意点などを丁寧に解説している。

岡村廸夫  著者プロフィール

(おかむら みちお)

1935年 群馬県に生まれる

1959年 早稲田大学第一理工学部電気工学科卒業

同年 日本原子力事業(株)入社

1964年 米国アルゴンヌ原子力研究所に留学

1966年 日本原子力事業(株)エレクトロニクス開発室に勤務

1976年 同社エレクトロニクス開発部長

1987年 同社を退職。岡村研究所を設立

(株)岡村研究所代表取締役就任

2004年 (株)パワーシステム代表取締役会長

2009年 同社取締役相談役

著書 「電子回路―どうすれば理論どおりに働くか」(日刊工業新聞社)

「電源回路」(日刊工業新聞社)

「放射線測定回路とシステム」(日刊工業新聞社)

「OPアンプ回路の設計」(CQ出版社)

「ためしながら学ぶCプログラミング」(CQ出版社)

「解析ノイズメカニズム」(CQ出版社)

「電磁ノイズのはなし」(日刊工業新聞社)

「電気二重層キャパシタと蓄電システム」(日刊工業新聞社)

木下繁則  著者プロフィール

(きのした しげのり)

1941年 神奈川県に生まれる

1960年 県立神奈川工業高等学校 電気科卒業

同 年 富士電機製造株式会社(現富士電機ホールディング(株))入社

主としてパワーエレクトロニクトロニクスの研究開発に従事

1999年 同社定年退職。同社関連会社勤務。

2003年 (社)日本鉄道車車輌工業会に勤務

2004年 (株)パワーシステムに勤務

主として電気二重層キャパシタ応用技術およびシステム開発に従事

2009年 同社退社

(社)電気学会会員、パワーエレクトロニクス学会会員、

(社)自動車技術会会員 第二種電気主任技術者

目次

目次



まえがき



第1章 電気二重層キャパシタの基礎

1.1 電気エネルギーの基礎

1.1.1 電気エネルギー供給の基礎

1.1.2 電気エネルギーと他エネルギーの供給比較

1.1.3 電気エネルギー供給の課題

1.1.4 電気エネルギーを蓄える望ましい蓄電デバイス

1.2 蓄電デバイスとして求められる特性・性能

1.3 電気を蓄える原理と各種電池

1.3.1 蓄電原理からの分類

1.3.2 蓄電現象からの分類

1.4 EDLCの基礎

1.4.1 化学電池と物理電池との比較

1.4.2 EDLCの蓄電原理

1.4.3 EDLCの構成と形状

第2章 性能カテゴリーと用語

2.1 性能カテゴリーΩF値

2.2 用語

2.2.1 構造、形状に関する用語

2.2.2 カテゴリーに関する用語

2.2.3 電気特性に関する用語

2.2.4 性能に関する用語

2.2.5 性能試験,測定法に関する用語

第3章 等価回路と基本特性

3.1 EDLCの内部構造

3.2 EDLCの充放電動作

3.3 等価回路

3.3.1 等価回路

3.3.2 等価実効内部抵抗

3.3.3 EDLCの集中回路

3.4 特性のパラメータ依存性

3.4.1 静電容量

3.4.2 内部抵抗

3.5 通電電流性能

3.5.1 連続繰り返し充放電動作の通電性能

3.5.2 単パルス放電動作の通電性能

3.5.3 リプル電流通電性能

3.6 熱発生

3.6.1 アルミ電解キャパシタの熱発生

3.6.2 EDLCの熱発生性

3.7 放熱特性

3.7.1 熱抵抗

3.7.2 熱容量

3.8 電圧性能

3.8.1 過電圧性能

3.8.2 逆電圧性能

第4章 劣化・寿命・耐久性・残存余命の推定

4.1 EDLCの劣化

4.1.1 EDLCの劣化メカニズム

4.1.2 EDLCの経時特性

4.1.3 静電容量の劣化特性

4.1.4 内部抵抗の劣化特性

4.1.5 静電容量の劣化sqrt phantom 900 0 600 t 特性…66

4.1.6 内部抵抗の劣化特性の直線化…

4.2 EDLCの寿命

4.2.1 EDLC寿命の定義

4.2.2 EDLCの寿命

4.2.3 残存余命の推定

4.2.4 EDLCの寿命時間の延伸

4.3 EDLCの状態検知

4.3.1 化学電池の状態検知

4.3.2 EDLCの状態検知

4.4 保守

4.4.1 EDLCの保守の必要性と目的

4.4.2 モジュールの劣化状態の検知

4.4.3 モジュール内のセル分担電圧検知

4.4.4 内部抵抗の計測

4.4.5 検査タイミング

第5章 安全性・保護協調

5.1 安全性

5.1.1 EDLCに求められる安全性

5.1.2 EDLCの安全性確認試験

5.1.3 EDLCを安全に使用するために

5.2 保護協調

5.2.1 想定される故障

5.2.2 EDLCの保護協調および保守点検の基本

5.2.3 ヒューズによるEDLC短絡保護

5.2.4 漏電保護

5.3 具体的方法

5.3.1 半導体電力変換器の直流回路に接続されたEDLCの保護

5.3.2 バッテリとの併用システムのEDLCの保護

第6章 測定

6.1 EDLC測定の基本

6.1.l EDLCの等価回路(分布定数回路)

6.1.2 EDLCの等価回路(集中定数回路)

6.2 充放電時の電圧波形

6.3 測定条件

6.3.1 特性のパラメータ依存性

6.4 静電容量の測定

6.4.1 測定法

6.4.2 電圧微分法による測定

6.4.3 電荷法による測定

6.4.4 エネルギー換算法による測定

6.4.5 定抵抗充電法による測定

6.4.6 4方式の静電容量測定方法および測定値比較

6.5 直流内部抵抗の測定

6.5.1 EDLCの直流内部抵抗の測定

6.5.2 充電終了点直流内部抵抗測定法

6.5.3 放電開始点直流内部抵抗測定法

6.6 静電容量および内部抵抗の具体的な測定

6.6.1 定電流充放電による測定法

6.6.2 定抵抗充電法

6.7 交流抵抗の測定

6.7.1 交流内部抵抗

6.7.2 測定回路と測定

6.8 効率の測定

6.8.1 EDLCの充放電効率

6.8.2 EDLCの効率特性

6.8.3 測定回路

6.8.4 効率の測定方法

6.9 漏れ抵抗(電圧保持率)の測定

6.10 特性劣化の測定

第7章 使用にあたっての基本技術

7.1 基本的な事項

7.2 直列接続されたEDLCの電圧均等化

7.2.1 均等化の目的

7.2.2 電圧分担をばらつかせる要因

7.2.3 分担電圧のばらつきが与える影響

7.2.4 セル電圧均等化技術

7.3 セル温度の確認

7.3.1 連続繰り返し充放電動作

7.3.2 単パルス充電または放電動作のセル温度の確認

7.3.3 繰り返し充放電を間欠運転した時のセル温度の確認

7.3.4 温度リプルΔTの確認

7.4 EDLCのリプル電流の確認

7.4.1 リプル電流の発生

7.4.2 リプル電流の低減

第8章 EDLC応用のためのパワーエレクトロニクス

8.1 EDLCとパワーエレクトロニクスの関係

8.1.1 蓄電量と電圧の関係

8.1.2 初期充電機能

8.1.3 放電機能

8.1.4 電圧安定化機能

8.1.5 EDLCの接続されるパワーエレクトロニクス機器の基本

8.2 パワーエレクトロニクスの基本

8.2.1 パワーエレクトロニクスの分類と用語

8.2.2 パワーデバイス

8.2.3 整流器

8.2.4 チョッパ

8.2.5 チョッパの多相化、多重化

8.2.6 DC―DCコンバータ

8.2.7 インバータ

8.3 EDLC応用のための具体的なパワーエレクトロニクス

8.3.1 機器容量と電圧

8.3.2 EDLCの初期充電と放電

8.3.3 EDLCのインバータへの応用

第9章 他の蓄電デバイスとの併用使用技術

9.1 化学電池との並列接続

9.1.1 並列接続の目的と効果

9.1.2 化学電池の放電深度と使用サイクル数

9.1.3 EDLCと化学電池の電流分担方法

9.1.4 電池性能末期の出力性能改善

9.2 アルミ電解キャパシタとの並列接続

9.2.1 並列接続の目的と効果

9.2.2 アルミ電解キャパシタとの並列接続の基本

9.2.3 EDLCのリプル電流

9.2.4 インバータ直流回路のリプル電圧によるリプル電流の低減

9.3 EDLCの並列接続

9.3.1 並列接続の目的と効果

9.3.2 並列接続の基本

第10章 EDLCの上手な使い方

10.1 充放電時間と望ましいΩF値

10.2 EDLCモジュール例

10.3 EDLC使用モジュール数最少化

10.3.1 機器電力と電源電圧の関係

10.3.2 直流電圧からの利用可能蓄電容量の最適化

10.3.3 EDLC電流からの直流電圧の最適化

10.4 過電圧使用による所要容量低減

10.5 寿命・耐用年数の増大

10.6 動作時過電圧,待機時低電圧化

10.7 短時間過温度化

10.8 チョッパレス化

10.9 直並列切換え(バンク切換え)

10.9.1 バンク切換えの基本

10.9.2 2段切換え

10.9.3 バンク切換えの留意点

10.9.4 具体的なスイッチ切換え回路例

10.9.5 3段切換え回路

10.10 初期充電および終了放電

10.10.1 半導体変換器による初期充電

10.10.2 抵抗器による初期充電

10.10.3 半導体変換器を介しての終了放電

10.10.4 抵抗器への終了放電

10.11 汎用インバータを活用したチョッパ

10.11.1 システム電圧と望ましい蓄電エネルギーの関係

10.11.2 汎用インバータスイッチアームを活用したチョッパ

10.11.3 汎用インバータ内蔵チョッパの活用

第11章 保管および廃棄

11.1 保管

11.1.1 事前準備

11.1.2 保管にあたっての順守事項

11.1.3 再使用にあたっての事前準備

11.2 廃棄

11.2.1 メーカからの指示がある場合

11.2.2 メーカからの指示がない場合

第12章 蓄電性能の変遷,今後の技術動向と課題

12.1 EDLCの性能向上の変遷

12.2 EDLCの理論限界

12.2.1 活性炭粒子と蓄電性能の関係

12.2.2 EDLCの蓄電限界

12.3 EDLC性能向上の期待

12.3.1 活性炭EDLCの性能向上への挑戦の現状

12.3.2 新しいEDLCの出現

12.4 今後の課題

12.4.1 性能向上

12.4.2 価格低減

12.4.3 電池との共存・共栄

第13章 蓄電装置設計

13.1 低電圧補償装置、UPS

13.1.1 装置設計の概要

13.1.2 設計手順

13.1.3 設計の詳細

13.1.4 設計例

13.2 サーボモータ駆動装置

13.2.1 装置設計の概要

13.2.2 設計手順

13.2.3 設計の詳細

13.2.4 設計例

13.3 電力ピークカット装置

13.3.1 装置設計の概要

13.3.2 設計手順

13.3.3 設計の詳細

13.3.4 設計例

第14章 応用事例

14.1 EDLCの特徴と期待させる適用分野



付録解説(1) コンデンサとキャパシタ

付録解説(2) 蓄電デバイスの歴史

索引

はじめに

まえがき



化石燃料は19世紀に大きた産業革命をもたらし、20世紀で人類の生活を大きく向上させた。しかし、急激な化石燃料の消費拡大によって地球温暖化現象を発生させ、人類の生活を脅かし始めている。また、化石資源埋蔵には、限界があり、石油資源の枯渇が憂慮されている。

21世紀のエネルギーの中心はクリーンなエネルギーであること、およびエネルギーの多様化から電気エネルギーになるとみられる。電気エネルギーは電線によって供給されるため、発電量と消費電力量とが常に一致していなければならないという点でエネルギー供給で大きな課題がある。

電気エネルギーの供給に当たっては、“蓄電”が必須な技術である。蓄電としての鉛電池は100年以上の歴史があり、20世紀の化石エネルギー時代でも、補完的に電気エネルギーの蓄電としての役割を果たしてきた。21世紀の電気エネルギー時代に相応しい蓄電システムが望まれる。

人間社会を向上させる工業技術は、人間の世代交代に似たサイクルで変革してきている。一例を挙げれば、白熱電球による照明は蛍光灯照明に変革し、更にLED照明に技術革新しようとしている。蓄電システムも、数10年以上の歴史のある鉛電池を始めとする化学電池による蓄電システムから新たなる蓄電システム出現が望まれている。

従来の化学電池に代わる蓄電システムとして、物理電池による蓄電システムが期待されている。

電気二重層キャパシタ〔EDLC(Electric Double Layer Capacitor)以下本書では電気二重層キャパシタをEDLCと表す〕は、この物理電池の新しい蓄電デバイスであり、21世紀の電気エネルギーの蓄電要素として期待されているもので、その実用化が着々と進んでいる。

このEDLCは正電極側、負電極側とも電気二重層の蓄電原理を利用したもので、対称形(別名ピュアー形と呼ばれる)EDLCから開発、実用化が進められてきた。EDLCの技術、性能は日進月歩している。この日進月歩技術の一つとして、電極の一方を電気二重層電極構造とは別の蓄電原理の電構造にしたハイブリッド形(別名非対称形と呼ばれる)EDLCも出現してきている。

蓄電回路素子のカタカナ表示用語としては従来から“コンデンサ”が使われてきたが、本書では“キャパシタ”として統一した。その理由については本書の解説(1)で説明しているので参照されたい。

アルミ電解キャパシタの主な使用目的は、直流回路の電圧を平準化するため直流回路のリプル電流を吸収することにある。このため、アルミ電解キャパシタの使い方についてもこれらの用途を対象にして、キャパシタメーカーから出されている。

EDLCは実用化されてまだ歴史の浅いことから、EDLCの開発、製造する側からみたEDLCに関する書物は多く出版されているが、EDLCを上手に使うための使う側からみた書物は出版されていない。

このような背景から、本書では、対称形EDLCを使うユーザーがEDLCを上手に使いこなすために役立つEDLCの使い方に力点をおいた内容となっている。

一方、EDLCに関する規格・標準化も進んでおり、現在は下記規格書が発行されている。本書と合わせて参照されたい。

IEC 62391―1 Fixed electric double―layer capacitors for use in electric equipment―Part 1:Generic specification(2006―04)

IEC 62391―2 Fixed electric double―layer capacitors for use in electric equipment―Part 2:Sectional specification―Electric double―layer capacitors for power application(2006―04)

IEC 62391―2―1 Fixed electric double―layer capacitors for use in electric equipment―Part 2―1:Blank detail specification―Electric double―layer capacitors for power application―Assessment level EZ(2006―04)

JIS C5160―1:2009 電子機器用固定電気二重層コンデンサー 第1部:品目別通則

JIS C5160―2:2009 電子機器用固定電気二重層コンデンサー 第2部:品目別通則―パワー用電気二重層コンデンサ

JIS C5160―2―1:2009 電子機器用固定電気二重層コンデンサー 第2―1部:ブランク個別規格―パワー用電気二重層コンデンサ―評価水準EZ

JIS D1401:2009 ハイブリッド電気自動車用電気二重層キャパシタの電気的性能の試験方法

EIAJ RC―2377 電気二重層コンデンサの試験方法(2000年制定)

EIAJ RC―2379 パワー用電気二重層コンデンサ個別規格(指針)(2001年制定)

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