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メーカーのための
「新人技術者」心得ノート

定価(税込)  2,052円

著者
サイズ A5判
ページ数 150頁
ISBNコード 978-4-526-06396-1
コード C3050
発行月 2010年01月
ジャンル その他

内容

本書は、これから中小メーカーで技術者になる方、もしくは技術者になったばかりの方を対象に、中小メーカの製品とはどんなものか(大手メーカのものとは違う)、一つの部品がつくられるためにはどんな技術が必要でどんな知識を身につけるべきなのか、また経営的視点や、お金の面から技術や製品づくりを見ることの大事さなどをわかりやすく解説した入門書。

西畑三樹男  著者プロフィール

日本ベルパーツ(株) 代表取締役会長
 東京工業大学 工学博士
 東海大学SAS会理事長
 旧(財)日本発明振興協会評議員
 旧 東京商工会議所専門スタッフ
 旧 日本材料試験技術協会会長
 ものづくりコンテスト審査員
 日本材料学会永久会員
 日本金属学会永久会員
 (財)産業教育振興中央会理事
 (社)全国工業高等学校校長協会理事
主な受賞
 1993年2月 発明大賞受賞(紙送りローラの開発)日本発明振興協会・日刊工業新聞社
 1994年4月 科学技術庁長官賞受賞(情報機器用運動伝達部品の開発育成)
 1996年2月 池本発明功労賞(自動車用コネクタ材料)
 2001年11月 勲五等雙光旭日賞受賞
 2008年1月 発明振興功労賞
主な著書
 「テストロニクスとその応用(共著)」日刊工業新聞社 
 「運動伝達用部品の特性とその応用」日刊工業新聞社 
 「技術者の心得120」日刊工業新聞社 
 「製品開発の心得120」日刊工業新聞社 
 「これから技術者になる君へ 心得120」日刊工業新聞社 

目次

第1章▲技術者志望なら中小メーカーが面白い
1.1「大きい会社」ではなく「強い会社」が生き残る 
1.2力があれば、大手メーカーと対等以上になることができる 
1.3中小メーカーは、どんな製品をつくっているか 
1.4中小メーカーは世界を相手に商売する 
1.5開発、製造、販売、経理、全部やってみろ 

第2章▲技術者とはどんなものか
2.1技術で身を立てるとはどんなことか 
2.2技術は学校と先輩に教えてもらうもの 
2.3考えながら物をつくる 
2.4技術者には強い精神力が求められる 
2.5技術者には世の中を豊かにする力がある 
2.6入社二、三年後、再び大学に挑戦 
2.7匠の技を自分のものにしろ 
2.8ものづくりの担い手 工業高校の力 
2.9いちばん大事なところはコンピュータでは作れない 

第3章▲技術者になるにはどうすればよいか
3.1高校までの学科を完全にマスターする 
3.2職場を3回変わった人は技術者には不向き 
3.3礼儀正しく、規則正しい生活を心がける 
3.4「自由な考え」と「責任ある言動と行動」を調和させる 
3.5人間味のある心豊かな技術者になろう 
3.6よきライバルを選び、我が身の技術力を知る 
3.7一期一会、よき指導者にめぐりあうチャンスを逃すな 
3.830歳までの努力が生涯を左右する。 
3.9弱い人間にならないために自分の欠点を知る 
3.10人生の節目ごとに強くなろう 

第4章▲技術のことだけ知っていればよいのではない
4.1技術者は、営業、経理、法律などすべてを知るべきである 
4.2技術者に英語は必須。今からでも遅くない 
4.3自分がどれほど稼いでいるか、会社がどれほど儲かっているかを知れ
4.4技術者として成功するために忘れてはならないもの 
4.5読み書きそろばんに強くなる 

第5章▲中小メーカーは研究開発が命である
5.1中小メーカーにこそ価値ある技術がある 
5.2開発期間が短ければ儲かるのか 
5.3開発は押してもだめなら引いてみろ 
5.4他人の物まねでは売れる商品はできない 
5.5開発には数多くのデータが必要 
5.6開発は燃えている時が最高のチャンス 
5.7できあがった製品の性質を評価する 
5.8売れる製品は、使いやすさ・品質・寿命・価格のバランスが良い 
5.9新しい製品のヒントは案外、古い製品の中にある 
5.10一人では何もできない、三人寄れば文殊の知恵 

第6章▲製造技術と品質管理技術
6.1ノウハウは使ってこそ価値がある 
6.2機械の健康状態は、音、熱、臭い、振動でわかる 
6.3上司が勉強しなければ、現場はよくならない 
6.4不良品を出せば、損をし、ただ働きになる 
6.5自分の技術が儲かるか儲からないかを知る 
6.6技術の境界領域を評価する「テストロニクス」 
6.71日、1項目のチェックがトラブルをゼロにする 
6.8現場のおしゃべりを注意できない上司は失格 
6.9モノづくりはゴミづくりではない 

第7章▲会社とはどんなところか
7.1会社では能力により給料が支払われる 
7.2就職する会社を見きわめる 
7.3社長は、絶対権限があり、給料が高いのは当然 
7.4どんな人がどんな職に向いているか 
7.5上司、先輩は口うるさいのが当たり前 
7.6積極的な発言が会社を強固にする 
7.7食事、睡眠、仕事、遊びを規則正しく 
7.8世話になった人へのお礼 
7.9愛社精神が会社と社員を強くする 

第8章▲これから技術者は何をなすべきか
8.1毎日の積み重ねが人間を成長させる 
8.2中小メーカーこそ世界に出て行かなければならない 
8.3中国人と韓国人のメンタリティー 
8.4中小メーカーほど、研究開発・外部発表が必要な時代 

はじめに

 我が国は現在、苦境に立たされている。一刻も早く、経済を回復させ、国民の生活を安定させなければならない。そのためには、ものづくりという武器を持って世界を相手に戦っていく覚悟と見通しを、政府も国民自身も明確にしていかなければならない。
 ところで、我が国のものづくりを支えているのは、雇用の面でも、実質的にも中小メーカーである。これはとりもなおさず、工業の各分野に属する中小メーカーのそれぞれが、自社の技術力の向上、世界的視野に立った経営方針、社員意識の改善などの難問を早急に解決しなければならないことを示している。
 バブル全盛期には、大手メーカーも酒場に札束をポンポンと投じていた大手メーカーも今は不況の中で震えて、どう方向転換するのかと途方にくれている。しかし、中小メーカーは“技術力”という大手メーカーにはない名刀を持っている。これからは、大きい会社の陰で小さくなっているのではなく、この名刀を構えて自由に世界に飛び立っていくべきではないだろうか。今は昔とはちがう。能力さえあれば学歴や縁故などなくとも社長の地位を勝ち取ることができる。ただし、これには生やさしい努力で達成することができない。
 本書は、これから技術者になる、あるいはすでに技術者への道を歩み始めた若い人が、少々の苦境にもへこたれない真の技術者ひいては経営者になるためには何を大切にし、どのように振舞っていけばよいかを紹介したものである。強い技術者とはどんなものか、技術者になるための基礎知識の習得法などについて純粋に筆者の経験に基づいて記した。少しでも参考になれば幸甚である。

 2010年1月 西畑三樹男

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