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病院長が教える
賢く病院と付き合う方法

定価(税込)  1,728円

著者
サイズ 四六判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-06393-0
コード C3034
発行月 2010年01月
ジャンル ビジネス

内容

病気にかかれば、誰でも「いい病院にかかりたい」「腕の立つ先生に見てもらいたい」と願う。しかし、医師不足、相次ぐ地方病院の閉鎖など、医療危機が叫ばれる昨今、この願いを叶えるのは至難の業になってきている。本書では、どうしたら「良い治療」を受けられるのかを具体例を引きながらわかりやすく解説する。

毛利 博  著者プロフィール

(もうり ひろし)

現在、藤枝市立総合病院院長、北里大学医学部客員教授。1975年、横浜市立大学医学部卒業。医学博士。1975年聖路加国際病院内科医。1987年米国カリフォルニア州・サンディエゴ市スクリップス研究所研究員、横浜市立大学医学部内科学第一講座講師、2002年慶応義塾大学医学部伊勢慶応病院内科助教授。2002年北里大学医学部内科学非常勤講師。2003年東海大学医学部保健管理学助教授。2004年藤枝市立総合病院副院長。2005年北里大学医学部客員教授。2008年藤枝市立総合病院病院長日本血液学会代議員、日本血栓止血学会評議員、日本臨床病理学会評議員、日本検査血液学会評議員他。主な著書に「輸血副作用、実験臨床輸血学」〔共著〕(メディカルサイエンス)、「看護大辞典」〔共著〕(医学書院)、「みんなに役立つ悪性リンパ腫の基礎と臨床」〔共著〕(医薬ジャーナル)「トコトンやさしい血液の本」〔単著〕(日刊工業新聞社)など。

目次

もくじ



はじめに



第 一 章 「良い医療」とはいったいどういう意味なのか?

1.医療に「絶対」はないーだから信頼関係の構築が重要ー

信頼関係を構築できる関係か?/でも、今は「医療不信」の時代だ/医師と患者さんの認識の違い

2.インフォームド・コンセントの功罪

患者さんは自分自身のためにも積極的に行動すべし!/病名告知がなかった頃の患者さんへの対応/インフォームド・コンセントは何が問題か/病名の告知とその後の人生/病名告知の難しさ

3.「良い医療」とは病気の治療だけではない

必要となる心の医療/困難がともなうがんの治療/こころの治療も必要です


4.医師が思う「患者さんの願い」とは何なんだろう?

行政に望むこと/医師に望むこと/不治の病と患者さんが知ったとき/患者さん自身の問題点



第 二 章 では、具体的に「良い医療」を受けるにはどうするか?

1.ダメな病院のみきわめかた

病院の質のランキング/病院の清潔さ/総合受付に医療の知識のある人材を配置しているか/顔のみえない電話交換手も病院の顔です/病院の基本理念や基本方針の掲示/病院スタッフの名前等の掲示/病院のホームページの効用/患者さんのプライバシー保護/こころのケアーは?

2.かかりたくない医師・看護師

質の悪い医師の見分け方/同じ目線で話をしてもらえるか/かかりたくない看護師/言葉の使い方を知らない技師/委託業者にも目を向けると面白い

3.病院との上手な付き合い方

一定のルールが必要か?/医療機関の選び方の基準/患者さん自身の病院受診時の留意点/患者さんが自分の病気を知るということの重要さ/医療者の留意点/絶対がない以上、納得できるように積極的に動くことが大事



第 三 章 良き治療を受けるためになってはならない患者とは?

1.モンスターペイシェントは医療を委縮させる

知るべきことをきちんと知る/医療は契約です

2.モンスター・ペイシェントの分類

気づかぬうちにモンスターペイシェント?/(1)八つ当たり型/(2)自己中心型(我田引水型)/(3)モラルのないタイプ/(4)権利主張型/(5)暴言・暴力型

3.モンスター・ペイシェントに対する具体的対応策の必要性



第 四 章 地方病院や勤務医が今、本当に厳しいことも知って下さい

1.地域医療の崩壊と自治体病院の危機

地域医療はこのままでいいのか/自治体病院の役割/地域が求める医師像/専門医が偉いわけではない

2.すべての人の生命を支える救急医療の危うさ

救急医療の在り方/救急医療の現状

3.絶対的に不足する勤務医の数をどうするか

新たな制度は機能しているのか?/医療の組織の一本化/「絶滅危惧種」といわれる診療科の増加

4.病院の勤務医の厳しい実態

勤務医の労働条件はこんなに酷い/勤務医の給料/日本の勤務医の給与のホントのところ/勤務医の医療に対する意識の変化/上手く機能していない新制度/病院内での勤務医と看護師の労働の厳しさ/勤務医、看護師の仕事のホントのところ

5.これからの医療のありかた

限りある資源をどう有効に使うのか?/病診連携の在り方/病々連携のこれから/二次医療圏の病院群をひとつの病院として機能させる/一患者一カルテの可能性/地域住民がなすべきこと/兵庫県立柏原病院の取り組み



おわりに

はじめに

はじめに



人間を含め生あるものは必ず病気になり、最後は死をむかえます。これは誰にも避けられない自然の摂理です。しかし、一方で、治療を受け病気を克服し、これまでと同じ生活をしたいと思うのも人間として当然のことです。しかし、病気には、風邪のように安静にしているだけで自然に治る病気もありますが、病院で治療を受けなければ治らない病気もあります。そしてそのような病気に直面すると、多くの患者さんやその家族は、病気のことがよく理解できないため、どこの病院を受診したらいいのかわからず、右往左往することが多いのではないでしょうか。とくに、命に関わる病気と診断されたときには、本人だけでなく家族もパニックになってしまいます。そしてその時に、「腕の立つ優秀な医師に診てもらいたい」、「いい病院にかかりたい」と思うのも理解できます。

病院の規模や設備などに関しては、ホームページなどをみれば簡単に情報が収集できます。しかし、自分の病気を専門にしている病院、あるいはどの医師に診てもらうかを決めるとなると、判断基準がなくて困ってしまうのではないでしょうか。客観的な判断材料が乏しいため、知人の紹介や「あそこの病院にはいい先生がいる」といった、口コミに頼らざるを得ないのが現状です。まさに、「医者選びも、寿命のうち」という言葉が心をよぎります。

この現状をなくすため、病院は優れた医師の確保に努めています。しかし、現実は、過重労働による医師や看護師の離職、大学による医師の引き剥がしなどにより自治体病院を中心に、総合病院と名が付く病院はその役割を果たせなくなり、今、地方を中心に医療は崩壊の危機に瀕しています。

本稿を読んでいただき、より良い病院選びのコツ、医師選びのコツを知って頂くと同時に、今、医療が抱える問題点を理解して頂き、医療崩壊を防ぐために行政、大学、病院など医療を提供する側だけでなく、医療を受ける地域住民の皆さんにも一緒に考えていただけないかと思っています。皆さんが万が一病気になったときの一助になれば、そしてそれと同時に過酷な労働条件の中で頑張っている医師、看護師、病院職員の実態を知っていただき、地域住民の方々のご協力により、より良い医療を育てていく機運が盛り上がってくれば幸いです。

平成二二年一月 藤枝市立総合病院病院長 毛利 博

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