買い物かごへ

知らなきゃヤバイ!
温室効果ガス削減と排出量取引

定価(税込)  1,728円

編著
編著
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06364-0
コード C3034
発行月 2009年11月
ジャンル ビジネス 環境

内容

温室効果ガスの削減は、これからの企業活動にとって必須の命題だ。しかし、日本企業にとって、これまでの方法の延長では、目標達成は難しい。そこで、他の目標達成方法として排出量取引を中心にわかりやすく解説、同時に、ビジネスとしての今後の可能性、方向性を探る本。

みずほコーポレート銀行  著者プロフィール

"みずほコーポレート銀行

 グローバルストラクチャードファイナンス営業部

 グリーンエネルギー・気候変動担当

   齊藤聡(本書とりまとめ)

   沈連姫

   佐々木誠夫
"

みずほ情報総研  著者プロフィール

"みずほ情報総研

 環境・資源エネルギー部

  中村卓也

  環境・資源エネルギー部情報提供チーム(GHGソリューションズ)"

目次

CONTENTS



Chapter 1 温室効果ガスが引き起こす地球温暖化という恐ろしい現象

01 地球の気温は年々上昇中。温暖化が進行していることに疑いの余地はない

02 地球温暖化に伴う海面上昇により、被害が深刻化している地域がある

03 地球温暖化は、それに対応できない生物を絶滅させ、生態系を激変させる

04 温室効果ガスによる気温の上昇は予想よりはるかに酷いことになる

05 削減対象の温室効果ガスは6種類あり、それぞれに発生源が違う

06 日本では温室効果ガスの大部分を化石燃料燃焼によるCO2排出が占める

07 温室効果ガスの最大の排出国は、ついに米国を抜いて中国になった

08 鳩山イニシアチブ「温室効果ガス25%削減」の意味とは



Chapter 2 温室効果ガス削減に取り組む世界的な動き

09 地球温暖化はもはや一国だけの問題ではない。だからこそ国際的な合意が必要

10 1997年12月に採択された「京都議定書」が大きな枠組みを決めた

11 京都メカニズムとは先進国が温室効果ガス削減目標を達成するための補足措置

12 達成が容易ではない削減目標に向かって日本国内での努力が続く

13 欧州は早くから排出量取引制度を導入し、イニシアチブをとる!?

14 世界各地で、排出量取引に関する独自の動きが起こり始めている

15 温暖化による破滅を回避するためにも中長期の取り組みが重要

16 セクター別アプローチはポスト京都の枠組みとして日本が提案

17 京都メカニズムの一つであるCDMでの途上国の協力



Chapter 3 排出量取引は、温室効果ガス削減の切り札

18 企業には、自らの温室効果ガス排出を抑制するための規制がある

19 自社・自国以外での温室効果ガス抑制でも、地球環境への貢献は同じ

20 排出量取引は、効率的な仕組みではあるが、課題もまだまだ多い

21 排出量取引の市場は、EU-ETSを中心に急速に大きくなっている

22 企業が上手に温暖化対策を進めるための3ステップ

23 温暖化対策を行うことは損か得か? 各プレイヤーの思惑?

24 温暖化対策を行うことは損か得か? 各プレイヤーの思惑?

25 温室効果ガス削減のために市民ができる行動・選択肢



Chapter 4 排出権を生み出すプロジェクト

26 省エネルギーをさらに徹底することで間接的にCO2削減を達成する

27 再生可能エネルギーを使うことで、化石燃料使用量を減らしてCO2削減

28 バイオマスは一連の流れで見れば、燃やしてもCO2を排出しない

29 各種の燃料をCO2排出係数の低いものに転換し、排出量を抑制する

30 大量のCO2を排出するセメントの製造工程。原料代替も検討

31 メタンの発生抑制のためにも、廃棄物の有効利用、適正処理が必要

32 植林は非常に環境イメージが良いが、温暖化対策への評価は難しい

33 製品の性能改善で実現する温暖化プロジェクト「製品CDM」

34 CCSとは、CO2を地中や海洋、または化学的に貯留する方法



COLUMN

温暖化の真偽に関するさまざまな議論/米国の独自なスタンス

排出権バッシング/排出量のお墨付き

はじめに

はじめに



地球温暖化の抑制は、人類の未来のために是非とも実現しなければならない課題

です。そして、そのために、2005年2月に発効した京都議定書では、いわゆる先進国

に対し、温室効果ガスの排出削減を求めました。日本に求められた削減目標は「199

0年比マイナス6%」というものです。しかし、現実には、目標達成どころではなく、さま

ざまな原因が重なり、2007年における日本の温室効果ガス排出量は、1990年比プラ

ス9%となってしまっています。目標を達成しなければならない期間は2008〜12年、

すでにかなりの時間が過ぎてしまっています。どうすれば国際公約を守ることができる

のでしょうか......そのひとつの方法が「排出量取引」です。

「排出量取引」は、自分の排出量を減らす努力を怠らないことを前提に、自分以外

の場所で排出量を減らすことを基本的な考え方としています。

例えば、省エネをトップレベルまで進めてしまっている企業が、もっと排出量を削減

しなければならない場合、どうすればよいでしょうか。自社の工場を閉鎖することは非

現実的です。同じ地球温暖化対策の技術や資金を使うなら、無理してたくさんのお金

を使ってごくわずかの量を削減するよりも、「削減できるところ」で削減する方がはるか

に効率的です。ここから、排出権という考えが生まれました。これは温室効果ガスが、

発生場所の近くで影響が大きい大気汚染物質などと異なり、地球のどこで対策を行っ

ても、温暖化を緩和する効果は同じ?という特性があるから成り立ちます。

このように、「排出量取引」は、「お金で自社の既得権を守る」類の抜け穴のような方

法ではなく、効率的な温室効果ガスの削減努力がなされることが前提となっています。

決して「マネーゲーム」のための手段ではありません。

さて、2009年9月、鳩山政権が誕生しました。マニフェストの目玉のひとつが、202

0年に温室効果ガスを「1990年比マイナス25%」に削減するという中期目標です。こ

れを実現するには、産業界のみならず、家庭、オフィスや小売店、自動車などからの

温室効果ガスについては、現在よりももっと抑えていかなければなりません。太陽光発

電や風力発電などの再生可能エネルギーを伸ばすことも欠かせません。しかし、その

ような最大限の努力を行ったとしても、この目標を達成するためには、国外において排

出削減を行い、排出権を取得することは必要不可欠だと考えられています。むしろ、そ

のような「地球にやさしい社会」を構築するのは、日本の国土の上だけでなく、海外の

途上国においてこそ重要であり、そのための日本の技術活用が期待されるのです。

さらには、2020年を通過点として、2050年を目処とした長期計画と役割分担が次

第に議論されていくことでしょう。まさに、私たちは近現代史上の転換点にいるのだと言

っても過言ではありません。

みずほフィナンシャルグループでは、地球温暖化に関する調査研究やコンサルティ

ング、排出権の創出など、ビジネスを通じてさまざまな知見を蓄積してきました。その一

部を、本書を通じて、共有していただければ幸いです。



2009年11月

みずほコーポレート銀行

グローバルストラクチャードファイナンス営業部長

吹田恒久

買い物かごへ