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めっき加工のツボとコツ Q&A

定価(税込)  3,024円

著者
サイズ A5判
ページ数 264頁
ISBNコード 978-4-526-06342-8
コード C3057
発行月 2009年10月
ジャンル 金属

内容

めっきは加工の最終工程で行われ、被加工品の商品価値に大きな影響を与えている。それだけにめっき加工の出来不出来はいつも問題になっている。本書は作業者の技量に大きく左右されるめっき加工の勘どころをわかりやすく解説した現場作業者必読の書。

星野芳明  著者プロフィール

1944年 東京都に生まれる

1971年 横浜国立大学工学部応用化学科卒業

1978年 株式会社キザイ(旧社名日本化学機材株式会社)退社

(1966年入社以来めっき技術,排水処理技術の研究開発及び現場導入指導を担当)

1979年 環境計量士(1977年登録)作業環境測定士(1979年登録)により、環境計量、環境改善の技術指導に取り組む

1987年 技術士登録により,星野技術士事務所開設し、現在に至る

1991年 労働安全コンサルタント登録により、生産設備機械安全対策に取り組む

現在 株式会社ハイテクノ技術スタッフ・上級表面処理講座講師

東京都鍍金工業組合高等職業訓練学校 電気めっき科講師

日本技術士会,埼玉技術士会所属

労働安全衛生コンサルタント会所属

社団法人表面技術協会会員

著書には「めっき加工のトラブル対策」「現場で役立つめっき加工の勘どころ」日刊工業新聞社、「バレルめっき」槇書店 などがある

目次

目次



はじめに



第1章 めっきとは

Q1―1 “めっき”とは何ですか? なぜ“めっき”と呼ばれるようになったのですか?

Q1―2 “めっき”にはどんな種類があるのですか?(大気中で行なう処理)

Q1―3 “めっき”にはどんな種類があるのですか?(真空中で行なう処理)

Q1―4 “めっき加工法”以外の表面処理法には、どんな種類がありますか?

Q1―5 めっき加工の役割は何ですか? 役割の一つとしてカラフルな装飾めっきはできますか?

Q1―6 めっき加工の役割は何ですか? 役割の一つとして耐食性の向上はどの程度可能ですか?

Q1―7 めっき加工の役割は何ですか? 役割の一つとして機能性の向上はどの程度可能ですか?

Q1―8 湿式めっき加工法の得意な部分、不得意な部分は何ですか?

Q1―9 湿式めっき加工法では、電解めっきの場合も無電解めっきの場合も、析出量はファラデーの法則に従うのですか?(その1)

Q1―10 湿式めっき加工法では、電解めっきの場合も無電解めっきの場合も、析出量はファラデーの法則に従うのですか(その2)



第2章 めっきに必要な薬材

Q2―1 めっきに対する品質保証・顧客満足度実現のためにめっき薬材のどんな基礎知識が必要ですか?

Q2―2 めっき液の組成によく使われる結晶水を持つ金属塩は、なぜ必要でどのような役割があるのですか?

Q2―3 めっきでよく使われる無機酸や有機酸など酸類の種類と性質をどのように把握すればよいのですか?

Q2―4 電気伝導塩、pH調整剤、pH緩衝剤などには、どのような薬剤が使われていますか?

Q2―5 電解めっき浴に添加される高分子界面活性剤は、どのような役割をしているのですか?

Q2―6 脱脂剤にはいろいろな種類があり、その主役は高分子界面活性剤といわれています。界面活性剤にはどんな種類があり、どんな役割をするのですか?

Q2―7 脱脂剤に使われるアルカリ薬剤にはどんな種類があり、どんな役割があるのですか?

Q2―8 アルカリ浸せき脱脂剤の性能を維持管理するためには、どんな管理をどうすればよいのですか?

Q2―9 電解めっき用陽極材料の種類と使い分けをどのようにすればよいのですか?

Q2―10 防錆剤にはどのような種類があり、何を管理し使用するのが適切ですか?



第3章 めっきの方法

Q3―1 電解めっき法のための設備設計と特に維持管理しなければならない重要なポイントはどこですか?

Q3―2 無電解めっき法のための設備設計と特に維持管理しなければならない重要なポイントはどこですか?

Q3―3 置換めっき法のための設備設計と特に維持管理しなければならない重要なポイントはどこですか?

Q3―4 電解めっき法の基本的な浴組成は、どのような役割を持った成分から構成されているのですか?(ストライクめっき、厚付けめっき)

Q3―5 無電解めっき法の基本的な浴組成は、どのような役割を持った成分から構成されているのですか?

Q3―6 置換めっき法の基本的な浴組成は、どのような役割を持った成分から構成されているのですか?

Q3―7 電解めっき法において、ストライクめっきの役割は何ですか? ストライクめっきしない時はどのような注意が必要ですか?

Q3―8 傾斜バレル方式にはどんな種類があり、どのような特徴がありますか? また、どんな工夫と改善が必要なのですか?

Q3―9 水平回転バレル方式の場合、開孔率とバレルの板厚をどのように管理すればよいのですか?

Q3―10 水平回転バレル方式の場合、適切なバレル回転数はどのように求めればよいのですか?



第4章 めっき素材と前処理工程

Q4―1 めっき加工用金属素材にはどのようなものがありますか?(鉄鋼素材と熱処理の影響および難めっき素材との関係)

Q4―2 なぜ、耐食性のよいステンレス素材にめっきが必要なのですか? その前処理の重要なポイントはどのようなところですか?

Q4―3 めっき加工用金属素材にはどのようなものがありますか?(銅・銅合金素材と熱処理の影響および難めっき素材との関係)

Q4―4 ベリ銅(Cu―Be合金)素材を用いて成形された電子機器部品にニッケル・金めっきを施したものが耐食性評価試験で“腐食”しやすいというトラブルが発生します。その原因となるものは何ですか?

Q4―5 めっき加工用金属素材にはどのようなものがありますか?(アルミ合金素材と熱処理の影響および難めっき素材との関係)

Q4―6 アルミ合金素材の前処理において、なぜ2度亜鉛置換処理(ダブルジンケート処理)が必要なのですか?

Q4―7 めっき加工用金属素材にはどのようなものがありますか?(純チタン・チタン合金素材と熱処理の影響との関係)

Q4―8 なぜ耐食性のあるチタン素材にめっきが必要なのですか? その前処理にはどのような方法がよいのですか?

Q4―9 鋳鉄素材の被めっき物に酸性塩化亜鉛めっきまたはアルカリ性非シアン化亜鉛めっき(ジンケート浴)を行なう場合、鋳鉄の種類や熱処理状態によって同一条件の前処理でも亜鉛めっきの“ふくれ”発生トラブルが起こりやすい。その原因は何ですか?

Q4―10 快削鋼素材の非めっき物にニッケル(ワット浴による電解めっき法または無電解ニッケルめっき)を行なう場合、快削鋼の種類や硫黄、マンガン、鉛などの添加量状態、切削条件と状態によって同一条件の前処理でも“孔食”発生によるニッケル層のピンホールと“さび発生”トラブルが起こりやすい。その原因は何ですか?



第5章 電解めっき工程

Q5―1 下地めっきとして重要なシアン化銅めっきにおいて、同一電解条件でめっき加工しているのに、急に膜厚が低下したり析出外観むらが生じやすい。その要因は何ですか?

Q5―2 バレルめっき方式によるワット浴を用いたニッケルめっきにおいて、めっき被膜が曲げ加工で割れやすくなる場合があります。その要因は何ですか?

Q5―3 バレル方式による弱酸性金めっきにおいて、めっき槽に金粉が蓄積することがあります。その要因は何ですか?

Q5―4 シアン化亜鉛めっき浴におけるM比の意味と役割を理解したうえで、さらによりよく管理するにはどのようにすればよいのですか?

Q5―5 シアン化物を含まないアルカリ亜鉛めっき浴におけるR比の意味と役割を理解したうえで、よりよく液管理するにはどのようにすればよいのですか?

Q5―6 なぜ、ひっかけ治具の枝骨はステンレス線を使っているのですか?

Q5―7 引っかけ治具を設計するにあたってどのようなことを認識しておかなければなりませんか?

Q5―8 引っかけ治具には適切な使用条件があり、その適切な範囲内で使わないと、なぜ品質トラブルを起こすのですか?

Q5―9 引っかけ治具内に生じる電流分布により、膜厚ばらつきが変化します。ばらつきを少なくする方法にはどのようなものがありますか?

Q5―10 引っかけ治具方式でキャップや筒状の内面など複雑な形状の被めっき物に付きまわりよく、かつ異物付着のない状態でめっき加工をするにはどうすればよいのですか?



第6章 無電解めっき工程(置換めっきを含む)

Q6―1 無電解めっき法には、現在どのような種類があり、それぞれどのような特徴を持っていますか?

Q6―2 無電解Ni―P合金めっき工程では、何が重要な管理ポイントですか?

Q6―3 弱酸性タイプの無電解Ni―P合金めっきを厚付けすると、なぜピットがでやすいのですか? どのような対策がありますか?

Q6―4 弱酸性タイプの無電解Ni―P合金めっきにおいて、なぜ“ざら”や“Niボール”が発生しやすいのですか? どのような対策がありますか?

Q6―5 無電解Ni―B合金めっき工程では、何が重要な管理ポイントですか?

Q6―6 無電解金(Au)めっき工程では、何が重要な管理ポイントですか?

Q6―7 無電解銀(Ag)めっき工程では、何が重要な管理ポイントですか?

Q6―8 置換めっき法の基本的な浴組成は、どのような役割を持った成分から構成されていますか? 具体的な事例を取り上げてくださいませんか?

Q6―9 亜鉛置換めっき法は基本的にダブルジンケート法といわれるように、2回繰り返し置換めっきを行ないます。では、2回以上繰り返し行なうとどのようになりますか?

Q6―10 置換型無電解すずめっき工程では、何が重要な管理ポイントですか?



第7章 後処理と乾燥工程

Q7―1 防錆処理には、どのようなものがありますか?

Q7―2 3価クロム化成処理は、クロメート処理と比較してどのようなところを注意したらよいのですか?

Q7―3 節水型の最終水洗は、どのようなことを考慮して行なうのがよいのですか?

Q7―4 最終水洗に純水やRO膜精製水を使用する場合がありますが、どのようなことを注意し管理すればよいのですか?

Q7―5 すずおよびすず合金めっきの後処理で第三りん酸処理はどのような必要性がありますか?

Q7―6 無電解ニッケル・りん合金めっき加工後の密着性向上用熱処理では、どのような管理をしなければなりませんか?

Q7―7 亜鉛めっき処理後のベーキング処理はどのような効果があり、どのような管理をしなければなりませんか?

Q7―8 乾燥工程は、めっき表面の“しみ”“むら”発生原因になりやすい。それはなぜですか? どのようなことに注意し、工程管理すればよいのですか?

Q7―9 遠心脱水乾燥方法では、どのようなことに注意し管理すればよいのですか?

Q7―10 熱風乾燥機による乾燥方法では、どんなことを注意し管理すればよいのですか?



第8章 品質検査工程

Q8―1 品質検査の役割は何でしょうか?

Q8―2 品質検査工程には、定量評価できる検査項目と定性評価する検査項目とがあるといわれていますが、どのような項目があり、どのような検査員教育をしたらよいのでしょうか?

Q8―3 品質検査工程では、MAICを推進するために適切な技能をスキルアップさせなければならないといわれています。定量的に品質評価する場合のMA技術では、どのようなスキルアップが必要ですか?

Q8―4 品質検査工程では、計測された定量的データをどのような統計学的な考え方で解析すればよいのでしょうか?

Q8―5 品質検査工程では、計測された定量的データをどのような統計学的な計算手法で解析すればよいのでしょうか? 例題を示していただけませんか?

Q8―6 品質検査工程で、定性的に品質評価する場合のMA技術では、どのようなスキルアップが必要ですか?

Q8―7 めっきの品質トラブルとして、なぜ“ふくれ”“はがれ”という密着不良が発生するのでしょうか?

Q8―8 めっきの品質トラブルとして、なぜ“光沢むら”“しみ”という析出異常が発生するのですか?

Q8―9 めっきの品質トラブルとして、なぜ“ざら”“異物付着”という異常解析が発生するのでしょうか?

Q8―10 めっきの品質トラブルとして、なぜ“ピット”“ピンホール”という解析欠陥が発生するのでしょうか?



第9章 排水処理工程

Q9―1 シアン化合物の酸化分解はどのような条件で行なうとよいのでしょうか?

Q9―2 6価クロム化合物の還元処理および3価クロム化合物の沈降処理で注意しなければならないところはどこですか?

Q9―3 重金属を沈殿、固液分離させるには、どのような方法がありますか?

Q9―4 凝集剤にはどのような種類と役割がありますか?

Q9―5 重金属類を含む沈殿物を精密に固液分離するには、どのような方法がありますか?

Q9―6 無機および有機錯化剤の影響を回避するためにどんな処置が必要ですか?

Q9―7 有機化合物はCOD・BODに対し、どの程度影響を与えますか?

Q9―8 ほう素を含む排水の処理は、どのようにすればよいのでしょうか?

Q9―9 ふっ素を含む排水の処理は、どのようにすればよいのでしょうか?

Q9―10 亜硝酸性、硝酸性窒素を含む排水の処理は、どのようにすればよいのでしょうか?



第10章 液分析と計算および電着試験と計算

Q10―1 めっき液の分析で必要な溶液の濃度表示には、どのようなものがありどのような役割を持っているのでしょうか?

Q10―2 めっき加工において、処理液を濃度表示に従って調整しなければならない場合、どのような計算が必要ですか?

Q10―3 めっき液のボーメ測定または比重測定は、どんな役割がありますか?

Q10―4 めっき液のpH測定は、どんな役割がありますか?

Q10―5 めっき液の粘度あるいは表面張力測定は、どんな役割がありますか?

Q10―6 めっき液の管理範囲と分析管理において、どのような管理の見直しをするのがよいのでしょうか?

Q10―7 ハルセルによる電着試験は、どんなところを注意して活用すればよいのでしょうか?

Q10―8 ハーリングセルによる均一電着性試験は、どんなところを注意して活用すればよいのでしょうか?

Q10―9 屈曲パネル(ベントカソード)を用いた電着試験は、どのようなところで活用すればよいのでしょうか?

Q10―10 電着試験の評価など、電気化学反応を取り扱う場合、ファラデーの法則を理解しておくことは重要です。ファラデーの法則に基づく析出量の計算式およびある表面積における析出量と膜厚の実用的な関係式を求めるには、どのようにすればよいのでしょうか?

はじめに

はじめに

これからめっき加工を始めようとする方々やめっき加工の実務を改めて見直そうとされる方々にとって、役立つ教材は何かを多方面から考え、本書『めっき加工のツボとコツ』をQ&Aのスタイルでまとめてみました。

ツボ(壺)とは、広辞苑によると、矢を射る時のねらい所、または急所、要点という意味があります。ここでは原理原則、重要ポイントというとらえ方で用いることにします。コツ(骨)とは、同じく広辞苑によると、骨組みのようなしくみ、要領、呼吸という意味があります。ここでは、操作ポイント、作業管理ポイント、またはめっき工程の骨組みのようなとらえ方で用いることにします。つまり、めっきの重要ポイント、原理原則を理解し、現物、現場、現象をよく観察してめっき加工プロセスを適切に組み立て、常に安定した品質のめっき加工ができるようにするために役立つようQ&Aにまとめてみたのです。

めっき加工技術は、次の2つの制御技術がそれぞれレベルアップするとともに複合技術として確立することにより高度化していくものであることを忘れてはなりません。

(1)めっき液と被めっき物界面での電気化学反応の制御技術

(2)物理的要素(設備、治具など)の工夫と制御技術

そのためにも現場、現物、現象について、“なぜそうなるの?”“なぜこうするの?”という疑問を持ち、常に考え理由付けする癖を身に付けることが重要です。この本がそのための一助になればと考えています。さらに望むこととして、この本が読者諸氏のめっき加工における初歩から中級さらに中級から上級を目指すときのテキストとして、またはめっき実務において必要な時の参考書として活用していただければ幸いです。





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