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絵とき「切りくず処理」基礎のきそ

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06340-4
コード C3053
発行月 2009年10月
ジャンル 機械

内容

機械加工では切りくずが必ず発生する。この切りくずを軽視しておくと、加工精度や効率に大きな影響を与える。本書は、切りくずのでき方・特性から効率的な処理方法、トラブル対策事例までを図表を多く使い、やさしく解説する。

新井 実  著者プロフィール

1967年 山梨大学工学部卒業。1968年 山梨大学工学部、1975年 横浜国立大学工学部、1989年「切りくず処理に関する研究」で横浜国立大学より工学博士。現在、横浜国立大学教育人間科学部教授。主な著書には『切りくず処理の基礎と応用』(日刊工業新聞社)1990年、『切りくず処理ノート』(桜企画出版)2004年、『切削加工の基礎』(桜企画出版)2005年等がある。他に「機械工学便覧(機械学会)2006年」など分担執筆11編。

目次

絵とき 「切りくず処理」 基礎のきそ



目 次



はじめに



第1章 切りくずの基礎を学ぶ

1.きりくずは「切りくず」

2.切りくずをつくるエネルギー

3.切りくず処理問題とは

4.切りくず生成形態

5.切りくず表面の凹凸

6.構成刃先と切りくず

7.切りくずの寸法

8.切りくずによる切削状態の評価

9.切りくずから切削抵抗の予測

10.切りくずから切削加工の良し悪し判断



第2章 切りくずの特性と形の決まり方

1.切りくずは硬い!

2.被削材が硬い方が切りくずが軟らかい?

3.鋼の切りくずの温度は400度

4.平均切りくず温度の測定

5.切りくず内部の温度分布

6.切りくずが色づくのは何故?

7.酸化膜の厚さを決めるものは?

8.金属切りくずが燃える!

9.マグネシウム合金の切削は安全か?

10.切りくずの形は変わりやすい!

11.切りくずの形の決まり方

12.三要因の組み合わせと連続切りくず

13.上向きカールの理由

14.チップブレーカがなくてもカールする!

15.最適チップブレーカのために

16.横向きカールとは

17.横向きカール半径の測定

18.流出角を大きくするには



第3章 切りくず折断と飛散

1.切りくず折断条件

2.折れやすさを測る

3.鋼の破断ひずみ

4.切りくずのもろさを支配する因子

5.切りくずの折断パターン

6.切りくず飛散の要因

7.旋削の場合の飛散

8.正面フライス加工の場合の飛散

9.切りくずの折れやすさと切削条件のまとめ



第4章 切りくず折断対策の基本

1.切削条件と切りくずの折れやすさ

2.チップブレーカの基本

3.切りくず折断分布図

4.分布図の不思議

5.チップブレーカの種類と選択

6.仕上げ、中ぐり専用ブレーカ

7.特殊材料用ブレーカ

8.旋削の断続化

9.切削油剤の効果

10.現場の工夫

11.旋削のトラブルシューティング

12.快削添加物とは

13.快削鋼の種類と特徴

14.鉛フリー快削鋼

15.非鉄快削材料

16.フライス加工での切りくず形状



第5章 ドリル加工の切りくず処理

1.ドリルの切りくずの基本

2.ドリル形状と切りくず形状の特徴

3.切りくず折断

4.切りくず詰まり

5.ドリル形状の改善

6.新形ドリルの活用

7.オイルホールドリルの活用

8.ドリル加工のトラブル対策



第6章 切りくずの排除と搬送、環境保全

1.穴からの切りくず排出

2.機械からの切りくず排除

3.切りくずの搬送方法

4.地球環境保全と切りくず処理

5.ドライ化と切りくず処理



参考文献



索 引

はじめに

はじめに



切削加工とは、「工具や工作物に工作機械で運動を与えて、力づくで余分な部分を剥ぎ取り、必要な形状・寸法を創成すること」であるとするならば、りんごの皮を剥いたり、鉛筆を削ったりするのと同じことでしょうか?いずれも不要な部分を剥ぎ取っていることに変わりなく、力の大きさが違うということだけでしょうか?

答えは否です。剥いた皮をりんごに乗せれば、もとの形におさまります。鉛筆の削りくずも、多少反ってはいるものの、削った部分に乗せれば、その長さはほぼ同じです。ところが、金属の切りくずは、長さや厚さが削る前と、もとの状態とはまるで異なっています。切りくずは削った長さより短く、削った厚さよりも厚くなります。これが切削の秘密であり、何故そうなるかが切削メカニズム解明の基礎です。

金属切りくず生成には不思議な現象があります。これらは、必ずしも生産技術の向上には直結しないかも知れませんが、切削現象の解明や工具設計のヒントにはなりそうです。

高精度な製品を高効率で生産することは加工技術者の永遠のテーマです。そのために、高度に自動化、省力化された生産システムがとられてきています。しかし、そのための高速・高能率な切削加工の最大のネックになるのが切りくずにまつわるトラブルです。切りくず処理問題の解決こそが、切削加工の自動化のキーになる、と言ってもよいでしょう。

個々の場面での対応策は雑誌などに広範に紹介されています。また切りくずに関係する研究もないわけではないのですが、原理・原則を踏まえ体系だてて紹介されたものは、拙著「切りくず処理の基礎と応用」(1990年、日刊工業新聞社)だけです。しかし、その拙著も現在では絶版になっています。何とか生産技術者に応えるべく再版をと考えましたが、すでに20年が経過しており、現場の状況も読者層も変わってきています。そこで、これをベースに新しい事実や発見、データを加え、読みやすくすることを心がけた新版としてまとめ直したのが本書です。

なお、第5章「ドリル加工の切りくず処理」で、小川誠氏から図表の提供を受けました。紙面を通じ御礼申し上げます。

本書の内容が機械加工を勉強している若い人達や経験の浅い方たちのお役に立てれば幸いだと思います。

2009年10月 新井 実

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