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知らなきゃヤバイ!
レアメタルが日本の生命線を握る

定価(税込)  1,728円

監修
編著
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06330-5
コード C3034
発行月 2009年09月
ジャンル ビジネス 環境

内容

レアメタルは、電子・自動車など日本の産業にとって必要不可欠なものだ。しかし、希少な上、生産地が偏在し、限られているため、政策の道具とされやすく、その供給に頭を痛めることになる。本書では、レアメタルがなぜそこまで必要なのか?から、現状、今後までをわかりやすく具体的に解き明かす。

山口英一  著者プロフィール

1929年生まれ。慶應大学卒、法務省を経て日立テクノロジーに入社、キドカラー並びに希土類セラミックの研究開発に従事。また、自動車用ラジエーターフィン材の研究開発、自動車用粉末冶金の研究開発、原子炉の制御棒の研究開発などに従事。その後、日鉱金属商事を経て、現在、アイキョー・インターナショナル・コンサルティング代表。国際生産工学アカデミーと国際地方開発アカデミーのロシア正会員。

目次

CONTENTS





Chapter 1 日本の産業を支える"希少金属"が、今、危ない!



01 レアメタルは、150兆円産業の根底を支える希少資源なのだ

02 高値を続けるレアメタル、供給国の思惑一つで価格がかわる

03 不足気味のレアメタルを外交カードに使い始めた資源供給国

04 レアメタルの採掘は、外的・内的要因による非常に微妙なバランスの上にある

05 レアメタル資源は特定の国に偏在しているため、今、この備蓄に力を入れている

06 レアメタルは、今や、我々の生活に必要不可欠な縁の下の力持ちである

07 電子機器、自動車、環境技術、医療など幅広く使われているレアメタル

08 世界で渦巻く資源企業のM&A-侮れない国家をバックにした中国企業



Chapter 2 探鉱開発、備蓄、代替、リサイクル。求められるレアメタル戦略



09 埋蔵量枯渇の危機にあるレアメタルもあり、備蓄や代替などの戦略が必要

10 レアメタルの発見から生産までは、短くても10年程度はかかってしまう

11 性質が似通う希土類元素は「分離の歴史」であり、これからが期待される元素

12 レアメタルはこれからも必要不可欠な資源。だから海、宇宙、南極にも求める

13 今後、リサイクル技術を開発していかなければならないレアメタル

14 レアメタルのリサイクル率を上げていくことは、日本として喫緊の問題

15 今後は、省レアメタル、脱レアメタルが必要となり、その研究が進んでいる

16 埋もれている宝の山! 都市鉱山、レアメタル回収に動きあり

17 リサイクル、代替技術の開発は、資源をたくさん使う日本の使命



Chapter 3 現代産業の根底を支え、需要が伸びるレアメタルのいろいろ



18 光触媒効果があるニオブ、原子炉にも使われる硬く、高融点のホウ素

19 サビにくく、熱膨張率が非常に小さく、国家備蓄元素とされるニッケル

20 半分以上が航空機分野に使用されるチタンだが、活用は多岐にわたる

21 放射線のイメージだが、着色剤でも活躍するコバルト

22 フィラメント、砲弾、高級工具に使われるタングステンの行方は中国が握る

23 現代の電子機器を支えるリチウムイオン電池、それを支えるリチウム

24 今をときめく"花形"のインジウム、注目される日本鉱山の復活

25 日本にあるベリリウム、まったくないのがニオブ

26 「魔法」と呼ばれるレアメタル、マンガンは大半が南アフリカにある

27 半導体の代表格ゲルマニウムは、今やその半分以上が光ファイバーに使用される

28 希土類元素は「色」を表現するレアメタル

29 限りない魅力を秘めた希土類元素

30 セラミックスに混ざることで、さまざまな変化を起こさせ、機能をもたせるレアメタル

31 人間は日常の健康を保つためにもレアメタルを必要とする

32 マンガン、三価クロムとも、人体には必要不可欠なレアメタル



COLUMN

コピー機はセレン、磁石はネオジム/「色」と「めっき」はクロム/うつ病に使われるリチウム/より高度なファインセラミックス/進まない蛍光灯のリサイクル/体に馴染むタンタル、チタン、コバルト/名前の由来は人名、地名、天体、神話、色などから。最初の頃、人名は却下/植物の必須元素 ホウ素/ベリリウムは"健康有害レアメタル"の代表格/タリウムは"髑髏マーク"のレアメタル/バリウムも人体に要注意のレアメタル/

真実はたったの100分の10だった/人体必須元素だが関わりが不明なものも多い

はじめに

はじめに



最近、新聞やテレビなどで「レアメタル」という言葉を多く目にするようになりました。というのは、日本は世界の中でもレアメタルを最も使っている国だからであり、そして、このレアメタルに“異変”が起り始めたからです。

「レアメタル」とは、「希少な金属」という意味です。しかし、レアメタルの中には量的にけして希少ではない、つまり、埋蔵量が多いものも結構あります。それを「希少」というからには、それなりの訳があるのです。というのは、レアメタルには「取り出すために経済的、技術的に難しい金属」という意味もあるからで、それが「希少な金属」とされている一方の大きな理由なのです。

そして、このレアメタルは、「他の元素と合金をつくり、これまでにない性能や機能を持つようになる」という優れた特性を持っていることで、別名「産業のビタミン」とか、「産業の生命線」などと呼ばれ、日本はそのレアメタルを駆使してこれまで産業を発展させてきたと言えます。

レアメタルは、いろいろな鉱物に少しずつ含まれており、それを一つ一つ分離し精錬するのには大きなコストと技術が必要とされます。また、その産出国が限られていることから、供給が不安定になりやすく、これがレアメタルをしてさらに希少なものとしています。

つまり、「レアメタル」は、非常に役に立つものですが、これらの要因によって手に入りにくいものであり、それがここにきて、とくに発展途上国を中心にレアメタルの需要が急激に高まり、世界各地でレアメタルの“争奪戦”が起こり始めているのです。そしてそのほとんどを輸入に頼っている日本にとっては、ますます手に入りにくいものになってきつつあります。

レアメタルとは、一般的に経済産業省で使用している47元素をいいます。この中には「希土類元素」(レアアース=17元素)というのもあり、これがまた“優れもの”です。

レアメタルに対して、「ベースメタル」というのがあります。鉄、銅、鉛、アルミニウム、亜鉛などのことをいい、「メジャーメタル」とも呼ばれますが、これらのベースメタルにレアメタルを添加すると、その金属の弱い性質の部分が補われて、より強力に、よりしなやかに、より粘り強く、サビにくくなります。これが、レアメタルが「産業のビタミン」と言われるゆえんであり、超高層ビルから巨大船舶、自動車、テレビ、パソコン、携帯電話、CD等々、巨大産業からIT産業、日常のさまざまなものに至るまで、必要不可欠なものとして産業に幅広く使われています。ですからレアメタルは日本の産業の“生命線”とも言えるわけです。

しかし、このようなレアメタルに異変が生じつつあるという現状を目にするとき、私たちはもっとレアメタルというもの知り、さらにその貴重性を感じ、レアメタルという資源を改めて見つめ直すのは、けして無駄なことではないでしょう。

本書は、そういう意味で、レアメタルの現状を中心に、できるだけわかりやすく解説してみました。監修は、かつて一世を風靡(ふうび)した「キドカラー」の開発に従事し、日本におけるレアメタル、とくに希土類元素の先駆者ともいえる山口英一氏です。また、本企画の実現に尽力してくれた日刊工業新聞社出版局の藤井浩氏には深く感謝する次第です。

なお、ここで用いている数量等については、統計によって異なる部分も多々あることを付け加えておきます。



2009年9月

日本のレアメタルを考える会

正会員

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