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ナットク現場改善シリーズ
よくわかる「ジャスト・イン・タイム」の本

定価(税込)  2,052円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06322-0
コード C3034
発行月 2009年09月
ジャンル 生産管理

内容

ジャスト・イン・タイムはトヨタ生産方式を形成する二本柱の一つ。自働化とともにさまざまな活動に大きく寄与している。それだけにトヨタ生産方式を理解するためにはジャスト・イン・タイムの把握は欠かせなくなっている。本書はそのための入門書で、実例を満載している。

藤井春雄  著者プロフィール

(株)経営技術研究所 代表取締役(中小企業診断士)

神奈川大学工学部卒業、1971年 大同製鋼(株)[現;大同特殊鋼(株)]入社

コンサルタント独立(1996年) (株)経営技術研究所 設立

[経営・改善指導]経営改善、トヨタ生産方式、企業再生支援、TPM・5S・改善実践

[ISO指導]ISO9000・14000・22000・HACCP・OHSAS18000・ISMS・Pマーク認証取得指導

[講演]海外(韓国・パキスタン)含め年間多数実施。

[海外指導]トヨタ生産方式を主に、韓国・中国・インド、他東南アジアを毎年指導



〈主な著書〉(2004年以降分のみ)

「トコトンやさしいトヨタ生産方式の本」、「トヨタ式人財づくり」、「非製造業もトヨタ生産方式」、「トヨタ生産方式で品質管理を徹底するためのキーワード集」、「トヨタ生産方式で原価低減を推進するためのキーワード集」以上、日刊工業新聞(各共著)

「作業改善」日本規格協会(共著)、他多数。



連絡先

(株)経営技術研究所

〒464―0075 名古屋市千種区内山3―28―2 KS千種303

TEL(052)744―0697 FAX(052)744―0698

E―mail:keieigijyutu@mva.biglobe.ne.jp

URL:http://www.keieigijyutu.Com

目次

目 次

はじめに

第1章 ジャスト・イン・タイムとは何か

1―1 ジャズト・イン・タイムの言われ

1―2 ジャスト・イン・タイムとはちょうど間に合うこと

1―3 トヨタシステムの基本は限量経営

1―4 後工程引取りで、現場に主権を持たせる

1―5 ジャスト・イン・タイム実現のための生産基盤の整備



第2章 なぜジャスト・イン・タイムは多品種少量生産に適しているのか

2―1 社会の要求する企業環境の変化

2―2 “ムダ”を徹底的に省くことが在庫を持たない短納期生産につながる

2―3 “必要なものを、必要なときに、必要なだけ”の要求がますます厳しくなる



第3章 工程の流れ化

3―1 工程の流れ化とは何?

3―2 工程の流れ化でムダがよく分かる

3―3 工程を流れ化するための手段

3―4 平準化生産

3―5 1個流し

3―6 同期化

3―7 多工程持ち(一人数台持ち)

3―8 多能工化

3―9 工程順の設備配置

3―10 ものの流れの整流化設備

3―11 小ロット化(段取り改善)



第4章 必要数でタクト決め

4―1 必要数でタクト決めの方法

4―2 標準作業

4―3 標準作業の3票

4―4 少人化



第5章 後工程引取り

5―1 生産方式の種類

5―2 かんばん方式の発展

5―3 かんばんの役割と特徴

5―4 かんばんの種類

5―5 かんばん運用ルールとルール違反

5―6 e―かんばんへの進化

5―7 運搬方法



第6章 事例で見るジャスト・イン・タイム

事例1:必要なものやサービスを迅速かつ確実にお届けする/事例2:必要な食材を、必要な分だけ手に入るしくみ/事例3:契約農家から直接仕入れる大手スーパーの取り組み/事例4:地産地消はジャスト・イン・タイム/事例5:葉っぱで田舎おこし/事例6:人を大切にする経営が、会社発展の原動力となる/事例7:“間締め”を繰り返しスペース削減と作業性向上/事例8:トヨタ生産方式(TPS)を基本に、福田生産方式(FPS)を構築/事例9:“競争社会に打ち勝つ品質・コスト実現”をめざし実践/事例10:徹底した品質管理体制で、お客様の信頼につなげる/事例11:在庫探しを流れ化することで、効率的なピッキングを構築/事例12:キャベツの1個流し/事例13:造り過ぎでの廃棄ロス・値下げロスをなくす/事例14:社員食堂の効率化/事例15:調理作業/事例16:トラック出荷待ち時間の削減/事例17:倉庫での入出庫工数の削減/事例18:荷揃の容易化/事例19:ピッキング作業の安全性、効率性の向上/事例20:病院での待ち時間短縮 その1/事例21:病院での待ち時間短縮 その2/事例22:市役所での待ち時間短縮でサービス向上/事例23:会議の効率化 /事例24:金融機関でジャスト・イン・タイム/事例25:机の2S/事例26:ファイルの2S



第7章 トヨタ生産方式の重要用語

トヨタの基本理念(どのような会社でありたいか)/トヨタウェイ2001/トヨタの行動指針/MAST(マスト)/お客様第一主義/企業風土/強い現場力/人間性尊重/管理・監督者のリーダーシップ/監督者の役割/監督者の心掛け/自主研/小集団活動/コスト1/2に挑戦/改善の進め方には2方向/原価/問題発見と改善/造り過ぎのムダ/手待ちのムダ/運搬のムダ/加工そのもののムダ/在庫のムダ/動作のムダ/不良を造るムダ/動くと働く/自動化と自働化/目で見る管理/稼働率と可動率/真の能率と見かけの能率/5つのなぜ/作業改善から設備改善/ゼロを1つ取れ/効率と能率/TPSの失敗事例/星取表/IE・VE/ポカヨケ/暗黙知と形式知/かんばんの必要枚数/eかんばん



付録

工程別能力表/標準作業票/標準作業組合せ票/時間観測用紙

はじめに

はじめに

2008年9月のリーマンショックを機に、100年に一度と言われる不況が世界を震撼させた。回復には数年を要すると言われ、それまでの間に体力の弱い企業は、さらに数多く淘汰されていくであろう。

しかしながら、わが国には世界の中でも抜きん出た競争力を持つ企業が数多くあり、いち早く回復することが期待される。企業の基本的な管理技術の中で、Q(品質)、C(コスト)、D(納期)とも、各企業の積み重ねた改善力で、世界をリードするものを持っている。

この管理技術の中で特筆されるものが“トヨタ生産方式”であろう。

“トヨタ生産方式”の考え方であり技術的なものの基本は、今から100年前に世に出ている米国で開発されたIE(Industrial Engineering)理論である。それを自動車産業の生産工程に合わせ、またわが国の国民性に合わせたものとして、独自の方式に成長させた。

いわゆる米国のモノマネでない独自方式として発展させたのであるが、その特異性とは“ムダの徹底排除による造り方の合理性の追求”と言える。その造り方の合理性の基本となる理念とも言うべきものが、豊田佐吉翁(*1)の自働化の考え方であり、豊田喜一郎氏(*2)のジャスト・イン・タイムである。

この2本柱(ジャスト・イン・タイムと自働化)は手段でなく、基本的な考え方であり、これを目指してムダ取りを行い、利益創出での企業発展を目的とするものである。

企業が製品を造るときの「あるべき姿;理想状態」は、事業の三要素である“人・設備・もの”がムダなく付加価値を高める働きだけがされることである。

ところが実際には、この理想状態にほど遠く、ほとんどの企業で付加価値の比率は、人で1割、設備で3割、もので5割程度であると大まかに推測できる。

そこで、これらをいかに理想状態に近づけることができるかが、企業発展の最重要課題として位置づけされる。理想状態を徹底的に追求し、さまざまな考え方、手法を生み出した結果、目指すところであり、基本的な考え方となるのが“ジャスト・イン・タイム”である。

“ジャスト・イン・タイム”は、必要なものを必要なときに必要なだけ、各工程に供給できることである。

そのためには、人・設備・ものを3ム(ムダ・ムラ・ムリ)なく、効果的に活用する仕組みづくりが必要である。

そこで、この本の執筆にあたって、トヨタ生産方式の基本である2本柱の中で、最も大きな影響があり重要な「ジャスト・イン・タイム」の考え方を今回は取り上げ、各事例を交えながら分かりやすく解説することとした。

この本により、より多くの方が生産性向上、モノづくりに興味を持たれ、各自の人材(財)育成、企業体質の強化への一助となれば、筆者の望外の喜びである。



2009年6月 藤井 春雄

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