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赤字製品をやめたら、もっと赤字が増えた!
―儲かる製品を実現するコストマネジメント―

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 168頁
ISBNコード 978-4-526-06320-6
コード C3034
発行月 2009年09月
ジャンル 経営

内容

本書は、巷に多く出ている原価計算の手法や用語解説ではなく、最適なコストプラン、最適なコストの作りこみ、そして理にかなったコストダウンが実現できるよう、コストの見える化と、その使い方をわかりやすく解説している。またコスト改革のプロジェクトを推進する際の注意すべきポイントも合わせて解説している。

北山一真  著者プロフィール

経営コンサルタント



製造業に特化した経営改革・事業改革・システム改革のコンサルティングに従事。

自動車、自動車部品、電機、電子、産業機械、重工、鉄鋼・素材など、幅広い経験を有している。

採算管理・ライフサイクルコスティング・原価企画などを得意とし、企業経営のあり方や企業構造の改革を手がけており、さまざまなコンサルティングの経験から、独自の新理論Time―line Costing (TLC)を生み出している。

また、「儲かる製品づくりのコストマネジメント」をテーマに、執筆・講演・企業研修など多数行っている。

<問合せ先>kazuma―kitayama@prebecte.Com

目次

目 次



はじめに



序章 ワクワクするようなコストマネジメントを始めよう

▼コストマネジメントは何のためにあるのか?

モチベーションを高めるコストマネジメント



第1章 誤解だらけのコストマネジメント ―製造業をダメにする3つの「非」常識

▼誤解(1)

「コスト=単価×数量」だと思っている

▼誤解(2)

「利益=売上−コスト」だと思っている

▼誤解(3)

精緻な事後分析が重要だと思っている

▼第1章まとめ

コストを考えるときの大原則



第2章 真のコストの見える化 7つの手法 ―時間軸を考慮すると正しいコストが見えてくる




▼可視化の前提

固定費回収ビジネスのコストを可視化する

▼可視化(1)

製造原価以外も可視化の対象にする

▼可視化(2)

ロスを可視化する

▼可視化(3)

固定費の変動ポイントを可視化する

▼可視化(4)

時間軸を入れて可視化する

▼可視化(5)

固定費回収ポイントを可視化する

▼可視化(6)

未来コストを可視化する

▼可視化(7)

コストダウンの余地を可視化する

▼可視化ツール

Time―line Costing可視化ツール

▼第2章まとめ

真のコスト可視には時間を加味したTime―line Costingが重要



第3章 収益構造を改革するコスト活用法 ―コストデザイン手法

▼可視化してはみたものの

可視化されたコストデータの活用法

▼やみくもなコストダウンに明日はない

コストダウンに必要な「あきらめ」と「トレードオフ」

▼コストダウン促進

儲かる製品づくりのための4つの基本プロセス

▼コスト活用(1) コストプラン

製品企画時に目標利益を設定する

▼コスト活用(1) コストプラン

採算計画(予算計画)を立案する

▼コスト活用(1) コストプラン

モチベーションを高める目標値割付(予算配分)

▼コスト活用(2) コストシミュレーション

コスト見積りの適正タイミング

▼コスト活用(2) コストシミュレーション

目標値を意識したコストの作り込み

▼コスト活用(2) コストシミュレーション

新規部品を見積る難しさ

▼コスト活用(2) コストシミュレーション

設計上流での見積りとコストテーブル

▼コスト活用(3) コストダウン

コストダウンアイデア創出技法

▼コスト活用(3) コストダウン

コストダウンアイデアの管理と計画

▼コスト活用(4) コストレビュー

コストの達成度管理手法

▼コスト活用(4) コストレビュー

採算単位を決める採算BOM

▼コスト活用(4) コストレビュー

損益を左右する販売数量マネジメント

▼コスト活用(4) コストレビュー

コストレビューを推進する組織体制

▼第3章まとめ

モチベーションこそがコストマネジメントの成否を握る



第4章 コスト改革プロジェクトはなぜ失敗するのか? ―成功に導く3つのポイント

▼失敗原因(1)

コスト改革の範囲が曖昧である!

▼失敗原因(2)

精度を求めすぎている!

▼失敗原因(3)

コスト改革の成果を定義できない

▼第4章まとめ

コスト改革の成功の鍵は、合意形成にある



参考文献

はじめに

はじめに



「赤字製品をやめたら、もっと赤字が増えた!」

「製品を多く受注したら、赤字が増えた!」

「どんぶり勘定をやめたら、赤字が増えた!」

こう聞くと、多くの方はそんなはずはない、本当の理由は何か別にあるはずだと思われるかもしれない。しかし、上はすべて真実であり、ここにコストの“罠”が潜んでいる。

例えば、「儲け」を考えてみよう。一つの製品が、儲かっているか否かは、単純に、

[儲け(利益)]=[売上]−[コスト]

で計算できるものではない。先行投資をし、それを時間をかけて回収するという製造業においては、投資にどれほど意味があったかを長い目で判断しなければならない。つまり、一時的に売上げが高かったからといって、その製品が儲かったとは言えず、反対にその製品で利益が上がらなくとも後継製品で大きく儲けることもある。従って、コストを考えるとき、製品のライフサイクルを通じた“時間”の概念が必要となる。

いかに時間の概念を加味するか、この問いに答えるために、本書では、Time―line Costing (TLC)という概念を紹介している。これにより時間軸を取り入れたコストの可視化(見える化)が可能となり、いつ・どこで・どんなコストが・どれだけ発生するかが可視化される。そうすることではじめて、コストダウンや採算判断に本当に有効なコスト情報が得られるのである。



本書では、大きく3つのコンセプトに基づいて話を進めている。

1つ目は、人の気持ち、モチベーションを大切にしたことである。

筆者が、多くの企業の変革を手がけ感じていることは、「いくら素晴らしいシステム」「効率的な業務プロセス」を構築したとしても、決して企業は良くならない。人を信じ、人を褒め、人を大切にする意識・文化が根底には必要だということである。

しかし現在、コスト情報の活用といえば、何か悪いことを見るときや、怒られるときに使われることが多い。これでは人はコストに対して後ろ向きになってしまう。人の気持ちを汲み取り、モチベーション高く業務遂行してもらうための、コストマネジメントである必要があると考えている。

2つ目は、今までのコストマネジメントの手法にとらわれないようにしたことである。

既存の「原価管理」「原価企画」「ライフサイクルコスティング」「DTC」などさまざまな概念に加えて、多くの企業を利益体質へ変革させた筆者オリジナルの事例をもとに、ゼロベースで理論を構築し直した。

そのなかで、会計やコストに“時間”の概念を取り入れるための理論として、前述したTime―line Costing (TLC)という概念を打ち出した。

3つ目は、コストの可視化で終わらせず、活用の視点を重要視したことである。

ERPをはじめとした、会計パッケージの導入により、多くの企業でコストの“一応の”可視化が進んだ。しかし、一方で「コストの可視化はできたが、そのデータをどう活用したら良いか分からない」という声を多く聞く。

情報は、コストダウンに活用されて初めて価値が生まれる。蓄積しただけでは宝の持ち腐れである。コストをどのように活用するのか? その活用のためには、どのような情報を可視化しないといけないのか? このような発想を持って改革を進める必要がある。



以上のようなことを踏まえ、本書は、以下のような4章の構成になっている。

第1章では、コストに関する誤解を解きながら、コストに対する正しい考え方、原理原則を紹介している。

第2章では、「本当の可視化とは何か?」「どのような情報を可視化すればよいのか?」という問いに、時間の概念を取り入れたTime―line Costing (TLC)という考え方で応えている。

第3章では、「可視化した情報をどのように活用すれば良いか」、「コストダウン活動を促進させ、コスト構造を改革するための活用とは何か」を紹介している。

第4章では、「コスト改革プロジェクトは、なぜ失敗するのか?」「どのようにすれば最後までやり遂げ成功に導くことができるのか」というコスト改革プロジェクトの推進ポイントを紹介している。



最後に、本書の出版にあたり、多くのサポートを頂いた日刊工業新聞社の天野慶悟氏には大変お世話になった。また、タイトルや本全体に関して多くのアドバイスをいただいた西雄大氏、そして「Time―line Costing」の命名に協力頂いた河野芳輝氏には、この場を借りて御礼申し上げる。

今の日本は、社会・文化・政治・経済、どれをとっても暗いニュースが多い。頑張ろうとしている人までも暗い気持ちにしてしまう。製造業もまたしかりである。

筆者には、楽観的になる必要はないが、多くの方が悲観的になり過ぎているように思える。

本書は、ピンチに立たされている日本の製造業に対して、筆者自身が、何か役に立ちたいという思いから執筆した。本書に目を通すことで、少しでもがんばろうという活力が生まれ、前向きになれる原動力が見つかれば幸いである。



2009年9月 北山一真

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