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プロをめざす人のための
接着技術教本

定価(税込)  3,780円

編者
サイズ B5判
ページ数 280頁
ISBNコード 978-4-526-06294-0
コード C3043
発行月 2009年06月
ジャンル 化学

内容

接着技術は、日本のモノづくり(製品品質)を支える基盤技術の1つ。本書は、ステップアップを目指す若手技術者、研究者を対象に、接着設計に関する実務上必要不可欠な知識(接着の基礎、作業、評価方法、各種接着剤、用途・応用実例、環境問題)を網羅し、わかりやすく解説している。

目次

まえがき
編集委員会・執筆者(執筆分担)一覧

第1章 接着の基礎
1.1 はじめに
1.2 表面と界面
1.3 分子間相互作用
1.3.1 van der Waals相互作用
1.3.2 水素結合
1.3.3 静電相互作用
1.3.4 疎水相互作用
1.3.5 酸塩基理論
1.4 表面張力と表面自由エネルギー
1.5 接触角
1.5.1 Youngの式
1.5.2 臨界表面張力
1.6 接着仕事
1.7 固体表面のぬれ
1.8 界面自由エネルギー
1.8.1 Berthelotの幾何平均に基づく界面自由エネルギー
1.8.2 Good-Girifalcoの式
1.8.3 Fowkesの式
1.8.4 拡張Fowkesの式
1.9 溶解度パラメーター
1.10 ぬれと表面粗さ・不均一性
1.11 接着関連の高分子材料の構造
1.11.1 分子スケールからマクロスケールの構造
1.11.2 相分離の基礎
1.12 接着関連の高分子材料の熱的性質
1.12.1 融 点
1.12.2 ガラス転移温度
1.13 接着関連の高分子材料の力学的性質
1.13.1 応力-ひずみ曲線
1.13.2 粘弾性
1.13.3 動的粘弾性
1.13.4 時間-温度換算則
1.14 接着とはく離

第2章 接着作業
2.1 はじめに
2.2 接着剤の選び方
2.2.1 何を接着するのか
2.2.2 接着接合部の設計
2.2.3 使用環境
2.3 被着材の表面処理技術
2.3.1 洗 浄
2.3.2 研 磨
2.3.3 薬品処理
2.3.4 活性ガス処理
2.3.5 プライマー処理
2.3.6 表面処理の管理
2.4 接着作業
2.4.1 被着材
2.4.2 接着剤
2.4.3 接着作業
2.4.4 製品検査

第3章 接着評価方法
3.1 はじめに
3.2 接着試験方法
3.2.1 引張り試験
3.2.2 せん断試験
3.2.3 接着継手の破壊じん性試験
3.3 物性評価方法
3.3.1 力学的性質
3.3.2 破壊じん性
3.3.3 動的粘弾性
3.3.4 熱膨張係数

第4章 接着剤各論
4.1 溶剤形
4.1.1 ゴム系接着剤
4.1.2 樹脂系接着剤
4.2 水性形接着剤
4.2.1 水溶性接着剤
4.2.2 エマルション系接着剤
4.2.3 ラテックス系接着剤
4.3 ホットメルト
4.3.1 ホットメルトの性質と特徴
4.3.2 粘着付与樹脂、可塑剤の特徴
4.3.3 ホットメルトの分類
4.3.4 使用用途と実施例
4.3.5 ホットメルトの選定
4.3.6 ホットメルト評価方法
4.3.7 ホットメルト塗布装置
4.3.8 その他のホットメルト
4.4 弾性接着剤
4.4.1 シリコーン系
4.4.2 変成シリコーン樹脂系接着剤
4.4.3 シリル化ウレタン
4.5 熱硬化・反応形
4.5.1 エポキシ(熱硬化)
4.5.2 エポキシ(光硬化)
4.5.3 ウレタン
4.5.4 ユリア、メラミン、フェノール
4.5.5 アクリル(嫌気)
4.5.6 アクリル(SGA)
4.5.7 アクリル(光硬化)
4.5.8 シアノアクリレート
4.6 感圧性
4.6.1 粘着概論
4.6.2 アクリル系、ゴム系、シリコーン系粘着剤
4.7 シーリング材
4.7.1 シーリング材とは
4.7.2 シーリング材の役割と要求性能
4.7.3 シーリング材の分類
4.7.4 シーリング材の特徴
4.7.5 プライマー
4.7.6 シーリング材の施工
4.8 天然物系接着剤
4.8.1 天然物接着剤の種類
4.8.2 天然物系の新たな展開

第5章 接着剤の用途・応用実例
5.1 自動車
5.1.1 車体工程材料
5.1.2 塗装工程材料
5.1.3 艤装工程材料
5.2 鉄道車両
5.2.1 国内の現用車両における接着の応用例
5.2.2 国内の試作車両における接着
5.2.3 外国の車両における構造接着の応用例
5.3 航空機
5.3.1 接着の分類
5.3.2 構造接着の特徴
5.3.3 接着工程
5.3.4 仮合せ
5.3.5 接着前処理
5.3.6 プライマー塗布
5.3.7 接着剤
5.3.8 接 着
5.3.9 硬 化
5.3.10 品質保証
5.4 電気・電子・情報機器
5.4.1 電気機器
5.4.2 電子部品
5.4.3 情報機器
5.5 建築・土木
5.5.1 建築用接着剤
5.5.2 土木用接着剤
5.6 建材・家具・楽器
5.6.1 家具・建材
5.6.2 楽 器
5.7 紙・包装
5.7.1 段ボール
5.7.2 紙 器
5.7.3 製 袋
5.7.4 ラミネート
5.7.5 製 本
5.8 シューズ・スポーツ用具
5.8.1 シューズ
5.8.2 スポーツ用具
5.9 医療用
5.9.1 生体組織の接合に求められる条件
5.9.2 軟組織間接合
5.9.3 硬組織間接合
5.9.4 軟組織-硬組織間接合
5.9.5 軟組織-材料間接合
5.10 その他
5.10.1 粘着テープとガムテープ
5.10.2 日曜大工と接着剤
5.10.3 伝導性接着剤
5.10.4 切手と接着剤
5.10.5 短時間硬化接着剤
5.10.6 親展用ハガキ
5.10.7 接着とリサイクル

第6章 接着剤と環境問題
6.1 REACH規則
6.1.1 REACH規則の概要
6.1.2 REACH規則の対象
6.1.3 サプライチェーン上の情報伝達について
6.1.4 REACH規則の位置付けおよび責務と期限
6.1.5 REACH規則にかかわる手続き等
6.2 RoHS規則(Regulation)とWEEE指令(Directive)
6.2.1 管理濃度の測定
6.2.2 各国のRoHS規則の特徴
6.3 VOC
6.3.1 大気汚染防止法
6.3.2 VOC排出量抑制の成果について
6.4 シックハウス
6.4.1 行政の取り組み
6.4.2 シックハウスに関連する表示制度
6.5 リサイクル
6.5.1 実用レベルの解体性接着剤
6.5.2 課題および今後の動向

第7章 付 録
7.1 SI単位(国際単位系)(The International System of Units)
7.2 接着に関係する参考データ
7.3 標準物質、化学物質、材料に関するデータベースの例

索 引

はじめに

ま え が き

 本書は、接着剤や粘着剤自体の研究開発や、それらを用いた製品開発をめざす人たちのために、日本接着学会が編集したテキストです。

 接着剤の歴史は古く、エジプトのミイラの棺はニカワという接着剤から組み立てられ、産業革命以降の工業製品は、天然ゴムや松ヤニ、フェノール樹脂等天然素材を利用した接着剤が用いられていました。合成高分子の発明と発展に従い、多種類の接着剤が開発され、電機・電子、航空、車両、新エネルギーの分野で、また再生医療の分野等幅広い用途に利用されるようになり、機能性接着剤がモノづくりを通じて社会に貢献しています。

 さらに近年では、3R(リデュース、リユース、リサイクル)に対応した解体性接着剤や、製造や施工過程でVOCを排出しない接着剤、バイオ原料由来の接着剤等、環境に優しい接着技術の開発が求められており、社会への一層の貢献が接着技術者に期待されています。

 新規接着技術の開発には優れた人材の育成が必要なため、日本接着学会に対して、これから接着技術に携わる方々にしっかりとした基礎技術の研修を行うための接着入門講座を開設してほしい旨の強い要望がありました。そこで、日本接着学会は1998年から「初心者のための接着技術セミナー」として、接着入門講座を開催し、そのテキストとして2004年度に「初心者のための接着技術読本」を発刊しました。しかし、ユビキタスの急速な発展に伴う社会ニーズの高度化、環境との共生という社会意識の高まりといった変革に対応して、これまでのテキストを見直して欲しいという要望が高まり、こうした流れを背景に本書を編集することになりました。

 したがって、本書の編集方針は、接着分野でプロの技術者をめざす人たちを対象として、共通基盤となる接着理論や多分野の接着製品について、接着技術体系の概要を理解していただくことに加え、ハイテク化、環境問題の解決等の社会的ニーズのトレンドについて啓発するテキストをめざすことにしました。

 読者の方々には、本書を活用して接着の基本技術を身につけ、さらに個々人の応用力や発想力を磨き上げながら、社会に役立つより良い技術創出を実現されることを期待します。

平成21年5月
編集委員長 中壽賀 章

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