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プレス加工のトラブル対策
―第3版―

定価(税込)  3,024円

著者
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サイズ A5判
ページ数 240頁
ISBNコード 978-4-526-06293-3
コード C3053
発行月 2009年06月
ジャンル 金属 機械

内容

プレス加工現場で発生するさまざまなトラブルの原因と対策をまとめた実務手引き書の第3版。改版するにあたって、成形作業のトラブル対策をはじめ、絞り作業のトラブル対策、圧縮作業のトラブル対策などを追加したほか、時代の趨勢に応えられるよう各章を見直している。

目次

目次



序 文

第3版の刊行にあたって



第1章 トラブル対策の基本

1.1 トラブル対策の考え方と実施

1.1.1 部品図を読む

1.1.2 考え方と読み

1.1.3 工程能力と要求機能

1.1.4 工程設計と生産方式

1.2 金型製作

1.2.1 金型製作とプレス加工

1.2.2 試作

1.2.3 トライ(試し加工)

1.2.4 金型一般と段取り

第2章 抜き加工品の不良対策

2.1 バリ(かえり)

2.1.1 バリの発生原因と対策

2.1.2 現象と対策

2.2 寸法不良および形状不良

2.2.1 測定方法と測定精度

2.2.2 金型の精度と製品の精度

2.2.3 現象と対策

2.3 せん断切り口面の形状

2.3.1 抜き加工とせん断切り口面の形状

2.3.2 現象と対策

2.4 反り,ねじれ,その他

2.4.1 発生原因と基本対策

2.4.2 現象と対策

2.5 きず,打痕

2.5.1 発生原因と基本対策

2.5.2 現象と対策

2.6 その他

第3章 抜き作業のトラブル対策

3.1 パンチおよびダイの寿命

3.1.1 自然寿命と事故寿命

3.1.2 品質と摩耗曲線

3.2 破損および摩耗

3.2.1 破損および摩耗の一般的対策

3.2.2 パンチの破損と摩耗

3.2.3 ダイの破損と摩耗

3.3 かす浮き(かす上がり)

3.3.1 かす浮きのメカニズム

3.3.2 具体的対策

3.4 かす詰り

3.4.1 かす詰りのメカニズム

3.4.2 具体的対策

3.5 抜き加工の後処理

3.5.1 後処理の活用

3.5.2 バリ取りとせん断切り口面の改良

3.5.3 反り,ねじれの修正

3.5.4 熱処理による硬さの変更,その他

第4章 曲げ加工品の不良対策

4.1 角度不良の原因と対策

4.1.1 スプリングバックの発生原因

4.1.2 スプリングバック対策

4.1.3 V曲げ過程

4.2 割れ不良の原因と対策

4.2.1 圧延方向(繊維方向)と割れ

4.2.2 曲げ半径の限界

4.2.3 バリ方向と割れ

4.3 曲げ部に近接する部分の変形

4.3.1 材料の圧縮による幅方向の変化(曲げ部のふくれ)

4.3.2 曲げ限界による変形

4.3.3 引っ張りによる変形(狭い幅の曲げ)

4.4 V曲げ加工

4.4.1 角度不良

4.4.2 寸法不良

4.4.3 反り,ねじれ

4.4.4 きず

4.5 U曲げ加工

4.5.1 U曲げ過程

4.5.2 角度不良の原因と対策

4.5.3 寸法不良

4.5.4 反り,ねじれ,わん曲など

4.5.5 きずの原因と対策

4.5.6 変形,ゆがみ,側壁の反りなど

4.6 その他の曲げ加工

4.6.1 L曲げ加工

4.6.2 Z曲げ加工

4.6.3 切曲げ加工ほか

4.7 多工程曲げ

4.7.1 多工程曲げの不良発生と対策の基本

4.7.2 形状および寸法不良と対策

第5章 曲げ作業のトラブル対策

5.1 V曲げ作業

5.1.1 金型の心合せとずれ

5.1.2 摩耗と破損

5.1.3 ブランクの挿入ミス

5.2 U曲げ作業

5.2.1 パンチへの製品の付着

5.2.2 金型の摩耗ときず

5.2.3 表面処理鋼板の細かいくずの発生

第6章 成形加工品の不良対策

6.1 フランジ成形の不具合と対策

6.2 ビード・エンボス成形での不具合と対策

6.2.1 ビード・エンボスの割れ

6.2.2 ビード・エンボス成形での面のひずみ

6.3 リブ成形の不具合と対策

6.4 バーリング加工での不具合と対策

6.5 カーリングでの不具合と対策

第7章 成形作業のトラブル対策

7.1 製品に滑りキズができる

7.2 かじりきずができる

7.3 型当たりができる

第8章 絞り加工品の不良対策

8.1 工程設定

8.1.1 工程設定時の注意事項

8.1.2 トライ(試し加工)とその対策

8.2 しわと割れの発生原因と一般的な対策

8.3 円筒絞り

8.3.1 しわ

8.3.2 割れ

8.3.3 形状不良

8.3.4 板厚の不均一

8.3.5 寸法不良

8.3.6 きずおよび外観不良

8.4 角筒絞り

8.4.1 しわおよび割れ

8.4.2 しわと割れの現象と対策

8.4.3 キャンニング(ペコつき)

8.4.4 ゆがみ,変形ほか

8.5 異形絞り

8.5.1 異形絞りのトラブル対策

8.5.2 しわおよび割れ

8.5.3 寸法不良,きず不良ほか

第9章 絞り作業のトラブル対策

9.1 製品の取出し

9.1.1 ダイに製品が食い付く

9.1.2 ノックアウトに製品が付着する

9.1.3 パンチに製品が付着する

9.2 金型の摩耗と破損

9.2.1 ダイの焼付きと摩耗

9.2.2 細い絞りパンチの破損

9.3 順送り型でのトラブル

9.3.1 可動ストリッパによる絞り不良

9.3.2 ダイの中に製品がうまく入らない

第10章 圧縮加工品の不良対策

10.1 圧縮加工の特徴と固有の問題

10.1.1 発生する応力

10.1.2 素材と製品の形状

10.1.3 素材が原因のトラブル対策

10.1.4 金型のトラブル対策

10.1.5 潤滑対策

10.1.6 加工速度

10.2 加工内容別のトラブル

10.2.1 部分的な平面のつぶし加工

10.2.2 表面の模様出し(表面の微細な凹凸加工)

10.2.3 面取り(面押し)

10.2.4 平面度対策のための面押し

10.2.5 エンボス加工

10.2.6 平面(板の幅)方向への圧縮

10.2.7 しごき加工(アイヨニング)

第11章 圧縮作業のトラブル対策

11.1 金型の焼付きと摩耗

11.1.1 金型構造と金型部品

11.1.2 金型の材質とみがき

11.1.3 潤滑方法と冷却

11.2 金型の破損

11.2.1 金型の強度と剛性不足

11.2.2 金型の取り付け不良

11.2.3 製品の板厚のばらつき

11.2.4 プレス機械の動的精度

11.3 ブランクの位置決め

11.3.1 位置決めが不安定

11.3.2 順送り型の場合の位置決め

11.4 製品の取り出し

第12章 自動加工でのトラブル対策

12.1 製品の取出し

12.1.1 エアで吹き飛ばしてもうまく飛ばない

12.1.2 製品がシュート上をうまく滑らない

12.2 順送り加工でのトラブル対策

12.2.1 順送り加工初期での不良

12.2.2 順送り加工中でのトラブル

12.2.3 加工中の異常検出

12.3 ロボット,トランスファー加工でのトラブル対策

第13章 プレス機械とトラブル対策

13.1 下死点の変化

13.1.1 変化の影響

13.1.2 時間とともに下死点が変化する

13.1.3 spmによる変化

13.1.4 ストロークごとのばらつきが大きい

13.2 プレス機械によって金型の寿命が変わる

13.2.1 プレス機械の精度と加工精度のバランス

13.2.2 高精度加工とプレス機械

13.2.3 プレス機械の能力と加工



索引

はじめに

序文

トラブル対策は技術の中でも非常に重要であり,難しいもののひとつですが,自動化や高速化といった技術に比べて地味であり,本来あってはならない後ろ向きの技術のように考えがちです。

しかし,トラブルは現状を打破し,新しい可能性にチャレンジするときに生じる必然的なものだともいえ,トラブルを必要以上に恐れたり,避けていたのでは進歩も発展も期待できません。とはいえ,トラブルは起こさないで済めばそれに越したことはなく,そのための技術と努力はこれまた欠かせず,事前の心がけが大切です。

トラブル対策の難しさは机上の空論や設備投資では解決できず,専門的な知識と合わせて実務上の知識や経験,時には勘やひらめきのようなものが必要なことです。しかし,多様なトラブルの解決にすべて経験で対処するのは不可能であり,その必要もありません。

トラブル対策をはじめ世の中の大部分の技術は,大勢の人の経験や工夫が積み重ねられた土台の上に成り立っており,次の世代はこれを踏み台としてさらに新しい経験や工夫を重ねて進歩し,今日に至っているのです。

本書は多くのトラブル対策の一部を紹介したに過ぎませんが,これを踏み台としてさらに新しい技術を積み重ねてそれぞれの企業の固有技術としてほしいと思います。

トラブル対策の内容とその対応は,それぞれの企業での製品の種類と品質,金型,プレス加工システム,技術および管理レベルなどによってさまざまであり,企業固有の問題も多くあります。しかし,多くの企業のさまざまな事例に接し,共通事項が多く,同じようなトラブルで悩んでいる例が多いということも実感しています。

始めは個々に対応していたトラブルも数多く接していると共通事項が見えてきて,偶然と思えたことも必然性があり,理論的に体系づけられることも多くあることに気づき,できるだけ実際の対応だけでなく,理論的な裏付けを心がけてまとめました。

今後ますます要求は厳しくなり,新しいトラブルも発生すると思いますが,基礎を身につけ,感性を磨くことによって道は必ず開けるものと確信しています。

終わりに本書の刊行にあたり,企画の段階から懇切なるアドバイスと協力をいただいた,日刊工業新聞社技術雑誌「プレス技術」編集部ならびに同社の書籍編集部の方々に深く感謝し,厚くお礼申しあげます。



昭和62年8月

吉田 弘美



第3版の刊行にあたって

プレス加工におけるトラブルの発生とその対策の必要性は,昔も,今も変わらず,将来も続く永遠のテーマです。しかし,プレス加工で作る製品と要求される品質などは時代とともに変わり,生産に必要なプレス機械,金型および加工技術なども進歩します。

しかし例外を除く大部分のトラブル対策は,過去の技術の上に積み上げられたものであり,発生のメカニズム,対策の基本的な考え方には普遍性の高いものが多くあります。

個々の企業で発生している,全く別と思われるトラブルも,それらを集めて整理すると共通項が多くあります。本書を参考に個々の現象に応用していただけることを期待しています。

時代が変わっても,道具が変わっても変わらない基本的な要素技術の上に,新しい時代の応用技術を組み合わせて第3版の改訂をいたしました。製品,金型およびプレス機械と加工事例などは最新のものにし,次の時代に対応できるよう心がけました。

時代の最先端を行く製品および加工内容であっても,基本中の基本であるバリの発生その他のトラブルがあっては量産化はできず,プレス加工の長所も生かせません。他のトラブルも同様です。

この意味で,トラブル対策は最も高度な技術のひとつであると言えます。従来製品の生産の合理化はもとより新しい課題に挑戦する場合にも参考になれば幸いです。

終わりに,第3版への改訂にあたり,企画段階からご尽力とアドバイスをいただいた日刊工業新聞社出版局の野崎伸一氏に深く感謝をいたします。



2009年3月

吉田 弘美

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