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ナットク現場改善シリーズ
よくわかる「かんばんと目で見る管理」の本

定価(税込)  1,944円

著者
サイズ A5判
ページ数 164頁
ISBNコード 978-4-526-06287-2
コード C3034
発行月 2009年06月
ジャンル 生産管理

内容

「かんばん」は、トヨタ生産方式の主要アイテムのひとつで、在庫を圧縮してムダをなくすためには欠かせない存在となっている。本書は、そのかんばんを糸口に目で見る管理をわかりやすく解説したトヨタ生産方式を知るための入門書。

目次

目次



はじめに

第1章 かんばんの基礎知識

1―1 かんばん方式とは

1―2 かんばん方式の目的・手段体系

1―3 2つの生産方式―プッシュ生産とプル生産

1―4 情報を伝えるかんばんの種類と機能

1―5 生産かんばんに書かれていることと使い方

1―6 信号かんばんに書かれていることと使い方

1―7 材料かんばんはどのように使うのか?

1―8 引き取りかんばんに書かれていることと使い方

1―9 外注引き取りかんばんに書かれていることと使い方

1―10 企業間におけるかんばんの動きはどうなっているか?



第2章 かんばん運用の実務知識

2―1 最終製品在庫について

2―2 需要の変動係数の決め方は?

2―3 初期部品在庫数について

2―4 定期引き取り方式の場合の、初期部品在庫はいくらあればよいか?

2―5 外注引き取りかんばんを使う場合、初期在庫数とかんばん枚数はいくらか?

2―6 ストアの初期完成品在庫量と生産かんばん枚数はいくらか?

2―7 信号かんばんのロット数と発注点の決め方

2―8 ロット生産工程の前がライン生産工程であるとき、ライン生産工程では平準化が可能か?

2―9 運搬工の作業はどのように行われるか?

2―10 着工管理板とは何か?

2―11 ロット生産工程の“つるべ方式”とは?

2―12 かんばんの運用ルール

2―13 生産量と在庫

2―14 後工程における生産の平準化について

2―15 運搬ロットサイズと生産時間の関係は?

2―16 タクトタイムとサイクルタイム

2―17 工数低減をコストダウンにつなげるには?

2―18 “乱流”ラインと“整流化”ライン

2―19 作業改善の優先順位はどのように決めるのか?

2―20 かんばん方式と改善活動はどんな関係があるのか?



第3章 目で見る管理の基礎知識

3―1 そもそも目で見る管理の“管理”とは何か?

3―2 管理のサイクルと目で見る管理

3―3 管理が見えないとどうなるか?

3―4 目で見る管理の適用範囲

3―5 プリンターを活用してきれいに表示

3―6 デジカメとビデオは目で見る管理の強力なツール



第4章 目で見る管理の実際

4―1 PLANの見える化

4―2 DOの見える化

4―3 CHECKの見える化

4―4 問題解決プロセスと目で見る管理

4―5 ACTの見える化:異常処置ルート掲示板

4―6 用語の見える化

4―7 プロジェクターでミーティングを見える化

4―8 手書きの演習資料をその場でデジカメ、即発表

4―9 デジカメでカンタン議事録

4―10 グーグルアースで会社周りを見える化



第5章 かんばんと目で見る管理の体系的な進め方

5―1 業務プロセス体系の見える化

5―2 業務プロセスフローの見える化

5―3 業務プロセスの管理方法の見える化

5―4 業務プロセスへの目で見る管理の適用

5―5 目で見る管理を進める“場”の設置

5―6 目で見る管理の推進者の存在

5―7 かんばん方式の進め方

5―8 かんばん方式推進リーダーによる事前研究

5―9 かんばん方式改善プロジェクトチームの編成

5―10 かんばん方式導入の基本目標の確認

5―11 かんばん方式導入マスタープランの作成

5―12 かんばん方式マスタープランの実行と水平展開

はじめに

はじめに

「かんばん」と「目で見る管理」は、日本製造業の優れた生産方式を代表する2大用語です。この2つの言葉を理解できれば、製造現場のあるべき姿に向かっての改善テーマが次々に浮かんできます。日々、製造現場でコストダウンや納期改善を求められている管理・監督者の強い味方となる必須知識です。

「かんばん方式」は、あらゆる生産管理の究極の目的である、“必要なモノを、必要な時に、必要な量だけ生産する”ムダのない生産を実現するジャスト・イン・タイム生産方式として、長年に渡ってトヨタ自動車で開発されてきました。最終製品のメーカーは市場で売れた分だけを補充して生産し、使った部品は使った量だけ部品メーカーから引き取ります。部品メーカーも親企業が使った部品を使っただけ再生産すればよいので、見込み生産によるムダな在庫が最小化できます。かんばんは、この流れの中で、引き取りを指示したり、生産を指示するために使われてきました。

実際にかんばんをうまく使いこなしている企業をみると、極めてシンプルで簡単そうに見えます。結果は、シンプルですが、シンプルにするためのプロセスはそう簡単ではありません。本書では、最初は、かんばんの分類や使い方の現象面から説明してゆきますが、その後、かんばんを導入するうえで重要なさまざまな前提条件や概念について触れてゆきます。本書はかんばん方式を理解するための入門書として、重要なキーワードを中心に説明しています。かんばん方式を導入するためには、在庫管理や作業方法の改善が必要なことがわかってくると思います。かんばん方式の話になると「ウチは自動車会社じゃないし、大企業でもないから、かんばん方式は使えない」という反応をよく耳にします。しかし、たとえかんばんを使わないとしても、かんばんを使うための前提としての考え方や改善テーマはどこの企業にも有用なはずです。

「目で見る管理」は、製造現場のモノや活動が、正常か、異常かが一目でわかるようにするために広く適用されてきました。戦後の企業の改善活動の中心は標準化でした。作業方法、在庫の管理方法、品質管理方法などの標準化が進み標準書の整備も進みました。しかしいくら標準書の上でルールを決めても、それが確実に、該当者に伝わり、実行されなくては意味がありません。目で見る管理は、ルールを目で見えるようにし、ルール違反があればすぐ発見できるようにするために、さまざまな局面で考案されてきました。目で見る管理を上手に適用すれば、モノが決められた場所に置いてあるか、部品在庫が最低基準を割ってないかなど、瞬時に判断でき、もしルールに反していれば即、対応することが可能になります。このように、目で見る管理は、製造現場の正常・異常を判断するチェックのための手法として発展してきましたが、いまでは管理のサイクルである、PLAN、DO、CHECK、ACTのすべての段階に応用されています。また、モノだけでなくシステムやプロセス、情報といった本来、物理的に見えないものへも、目で見る管理の対象としてさまざまな工夫がなされています。本書では、目で見る管理をPLAN、DO、CHECK、ACTのさまざまな局面で応用した事例を紹介します。

「かんばん方式」と「目で見る管理」も深い関係があります。かんばんには、今何を運搬すればよいのか、今何を作ればよいのかを目で見てわからせる機能があります。すなわち、かんばん方式はジャスト・イン・タイム生産方式を支える目で見る管理のツールだといえます。

本書が、読者の方々の、「かんばん」や「目で見る管理」の理解と実践のために少しでもお役にたてば幸いです。



2009年3月 著者

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