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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいセラミックスの本

定価(税込)  1,540円

編者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06270-4
コード C3034
発行月 2009年05月
ジャンル ビジネス 化学

内容

セラミックスは多彩な材料特性から、機械・環境・エレクトロニクス・医療など多くの産業分野で利用され、今後の資源・環境エネルギー技
術のブレークスルーも握る材料である。本書はセラミックスの基礎特性や作成法、産業製品への応用原理、将来展望までを初学者にもわかり
やすく紹介した。一番やさしい入門書。

目次

目次



第1章 セラミックスって何だろう?

1 セラミックスって何だろう?「時代に対応した科学的セラミックスの定義」

2 産業としてのセラミックス「産業規模と発展するセラミックス」

3 セラミックスの多様な性質「構成元素と原子の結びつき、並び方などが鍵」

4 色々なセラミックスの形態「単結晶、多結晶、非晶質のセラミックス」

5 材料の特性を生かして使おう「セラミックスの特徴と他材料との比較」

6 資源が豊富で環境にやさしい「環境・資源・エネルギーから見たセラミックス」

7 進化するセラミックス「焼物から先端材料としてのセラミックス」



第2章 セラミックスの歴史

8 石器から土器へ「焼物の発見」

9 陶磁器と伝統セラミックス「近代焼物の成立」

10 ガラスの歴史「それは浜辺の炊事から始まった」

11 セメントと耐火物「ガラスと並ぶ窯業の代表選手」

12 ファインセラミックス「現代生活と高度情報社会を支える多機能材料」



第3章 セラミックスができるまで

13 セラミックスの製造のプロセス「セラミックスには多様な作り方がある」

14 粉体原料の作り方「粉にするから粉を作るへ」

15 粉末の混合方法「複数の原料からなるセラミックスでは混合が重要」

16 セラミックスの形の作り方「成形により形を決めてから焼結する」

17 粉末を焼き固める「成形体を焼くことで硬く焼き締まる」

18 2段に分けた焼結法「工夫した焼き固め方」

19 溶液からセラミックスを作るには「環境にやさしい製造法を目指す」

20 大きな単結晶を育てる「単結晶の育成方法」

21 ガスから作る「高純度・高密度のセラミックスを作る方法」

22 気相法の分類「PVDとCVD」

23 膜と被膜「気相法の応用例」



第4章 セラミックスの性質

24 固くて脆いセラミックス!「機械的性質」

25 様々な光学的機能を持つ「光学的性質」

26 セラミックスは高温で使える「熱的性質」

27 セラミックスは有用な電気的性質を持つ「電気的性質」

28 磁性材料と磁性の起源「磁気的性質」

29 セラミックスって腐りにくい?「化学的性質」

30 セラミックスに対する生体組織の反応「生体親和性」



第5章 身近なセラミックス

31 金属では実現できない高い温度でも超電導「材料特性の向上で広がる応用分野」

32 高電圧を遮断する碍子(がいし)「電気を通さないセラミックス」

33 電気を貯める優れもの!「積層セラミックコンデンサー」

34 電池にも使われる「乾電池、二次電池の正極材料」

35 薄型テレビに使われている「透明電極材料、薄型テレビ用ガラス材料」

36 光るセラミックス「発光ダイオードや薄型ディスプレーで省エネルギーに貢献」

37 大容量の光通信をになう光ファイバー「ガラスの電話線」

38 異常電圧から回路を守るバリスター「結晶粒界の効果でユニークな電気特性が出現」

39 電気を流すと発熱する「セラミックヒーター」

40 磁石になる「モーターやスピーカーに使われる」

41 加速度センサーでエンジンの異常燃焼を防ぐ「圧電セラミックスが加速度や角速度を検出」

42 必要な電波をとり出す「混信を防ぐ重要な部品―SAWフィルター」

43 シリコン半導体で用いられる「電子回路の微細なスイッチ―トランジスター用ゲート絶縁膜―」

44 インクジェットプリンターのインクを飛ばす「電気で伸び縮みする圧電セラミックス」

45 電気を切ってもデーターが消えないメモリー「強誘電体メモリー(FeRAM)」

46 熱を電気に変える「利用されていない熱を直接電気に変換」

47 光を電気に変える「太陽光で電気を作る」

48 効率をよくする 環境をきれいにする「触媒は身近なところに」

49 燃料電池のにない手「オールセラミックスの燃料電池」

50 廃棄物処理で活躍「廃棄物や産業副産物の処理、リサイクルに」

51 人工宝石はどうやって作るの?「人工宝石は電子部品にもなる」

52 汚れを光で分解し、浄化「光触媒と光で、悪臭、汚れを分解」

53 脱臭・乾燥にも一役をかう「水や匂いを吸い取るセラミックス」

54 美肌を彩る化粧粉体「光の挙動を操る微粒子」

55 暮らしを守るセンサー「ガスや赤外線を感覚する」

56 台所で活躍中「食器、土鍋、包丁にも」

57 体の修復に使われる「骨や歯の治療、人工心臓などに」

58 抗菌加工を普及させた立役者「生活を変えたセラミックス系抗菌剤」

59 建物や道路を支える「セメントとコンクリートの正体」

60 熱を遮断する耐火耐熱材料「断熱煉瓦、タイル、ガラス、繊維、モルタルなど」

61 高強度・高弾性材料を編む「セラミックス繊維」

62 極限環境で使用する「宇宙用途のセラミックス」

63 新しい窓ガラス「安全かつ光や熱を調節するガラス」



第6章 セラミックスの未来

64 宇宙に学ぶ「ダイアモンドの合成を例にして」

65 月で作る「宇宙開発を支えるセラミックス」

66 再生医療に使うセラミック「細胞の足場材料」

67 未来のIT材料はセラミックス「電子から光子のITへ」

68 炭素社会から水素社会へ「太陽光と水から水素を作る」



【コラム】

電子顕微鏡の世界

磁器へのあこがれ―柿右衛門とマイセン―

色がとりもつガラスとセラミックの関係!?

セラミックス博物館

ダイヤモンドの話し

こんにゃく石

参考文献

索引

はじめに

はじめに



セラミックスは人類の始まりから現在に至る、古くて新しい材料です。石器・土器の時代には土器として作られ、文明の進歩に従って美術工芸品の焼物として各国の文明を支えてきました。近代工業が始まると耐熱性、耐摩耗性、耐電圧性、耐薬品性などの優れた材料特性を有する材料として日本の近代工業を支えてきました。さらに多くの機能性が付加された現在のセラミックスは、多くの場面でなくてはならない工業材料となっています。

現在セラミックスは鉄などの金属材料、プラスチックスなどの有機材料と並んで必須の工業材料となっています。イオン結合や共有結合の多様な化学結合性を持つセラミックスは、他の材料とは異なった性質を発揮する先端材料として未来の発展と開発には大きな期待があります。しかし先端材料としての歴史が浅いために、工業製品としての安定性と信頼性に解決すべき問題があります。

近代文明で今世紀に解決しなければならない3重要課題、即ち環境、エネルギー・資源、医療の全ての分野においてセラミックスは優れた材料としての期待が大きく、それに応じられるように働き始めています。セラミックスの高機能材料として機能性の発現には、化学結合性に着目した研究・開発、広い禁制帯巾に着目した研究・開発、結晶構造に着目した研究・開発、結晶粒界に着目した研究・開発、多結晶体の微細構造に着目した研究・開発など多くの可能性がある先端材料です。

セラミックスの製造プロセスは野焼きに始まり、窯や炉を用いて加熱処理を必要とする作り方で、最近まで発展してきました。窯業の窯の字は羊を穴に入れて火で焼くという意味からきています。それ程高温での熱処理が窯業にとって大切だったのです。つまり、高温での熱処理によって焼結(後述)させて多結晶体を作ることは窯業、セラミックスにとって中心技術でした。最近ではセラミックスの製造プロセスも発展して、高温の熱処理を必ずしも必要としなくなりました。窯業から新しいセラミックスに発展して、ゾル・ゲル法、プラズマ法、スパッター法、イオンビーム法、レーザ法などの新しいプロセスが続々と開発され、高機能セラミックスができています。従来の窯業のエネルギー多消費型産業からエネルギーや環境にフレンドリーな高機能材料のセラミックス産業に発展しています。

本書はセラミックスって何だろう? 面白そうだなと思う方々が増え、セラミックスが世間で広く理解され、出来ればセラミックスを研究する人、新製品を開発する人、セラミックスを生業とする人が増えるのに寄与できればと願い、まとめられました。本書により興味を抱かれた方々がさらに専門書を読んでくださり、勉強を始められるきっかけになるように望みます。そのような方々と先端材料セラミックスを普及させて行くことによって人類の為になればこの上もない喜びです。



平成21年5月

社)日本セラミックス協会「トコトンやさしいセラミックスの本」編集委員会

委員長 木島 弌倫

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