買い物かごへ

よくわかるプリント板実装の高速・高周波対策

定価(税込)  2,052円

著者
サイズ A5判
ページ数 170頁
ISBNコード 978-4-526-06267-4
コード C3054
発行月 2009年05月
ジャンル 電気・電子

内容

プリント板実装の高速・高周波対策について豊富な図面と共に解説した本。部品選びからベアチップ実装、LSIパッケージ、チップ部品の実
装まで、高速対策および高周波対策について丁寧にわかりやすく紹介している。

目次

目次



まえがき



第1章 どうして、「高速・高周波化」なのか

1-1 アナログとデジタル

1-2 高速・高周波の必要性

第2章 プリント配線板の役目

2-1 プリント配線板を使わない配線

2-2 高周波信号は導体より誘電体を通りたがる

2-3 プリント配線板がなかったら携帯電話は車より高価に?

2-4 回路図に表れない技術

第3章 高速・高周波対策は設計前の部品選定に始まる

性能を決める部品選定と実装

3-1 キャパシタは端子形状が重要

3-2 アナログ回路でのキャパシタ

≪セラコンを選ぶべきか、マイラコンを選ぶべきか≫

3-3 デジタル回路でのキャパシタ

3-4 インダクタの選び方

3-5 インダクタには巻きはじめと巻き終わりがある

3-6 抵抗器の選び方

3-7 IC、LSIの各種パッケージ

3-8 アナログ回路のパッケージ

3-9 デジタル回路のパッケージ

第4章 プリント配線板の信号伝搬

4-1 信号の伝送路

4-2 伝送路の中を波はどのように伝わるか

4-3 伝送路の分布定数回路表示

4-4 伝送路の特性インピーダンスと伝搬定数

4-5 信号伝搬と整合

4-6 受端マッチングと送端マッチング

終端とは 送り側にあっても終端とはこれ如何に

4-7 グラウンドの重要性

4-8 部品とグラウンドプレーンの関係

4-9 半導体チップと伝送路の相性



第5章 配線パターン設計

5-1 信号パターン設計

5-1-1 伝送路の均一性確保(グラウンド電極と信号電極の両方を均一に)

5-1-2 理想グラウンドについて

5-1-3 基板材料の選定

5-1-4 導体材料とその形状および表面処理の影響

5-2 電源パターン設計

5-2-1 アナログ回路の電源配線

5-2-2 デジタル回路の電源配線

5-2-3 平行平板構造の電源特性解析

5-2-4 導体2層モデル解析、実測との併用

5-3 部品と配線構造

5-3-1 フラットパッケージ部品の配線パターン

5-3-2 チップ部品の配線パターンその1(カップリング回路)

5-3-3 チップ部品の配線パターンその2(デカップリング回路)

5-3-4 チップ部品の配線パターンその3(インダクタ)

5-4 層構成と層間接続

5-4-1 ビアとスルーホール

5-4-2 厚い基板か薄い基板かそれが問題だ

5-4-3 短い伝送路では薄型化が有効

5-4-4 高速LSI実装基板で有効な極薄基板

5-4-5 薄型基板の電源特性



おわりに

索引

はじめに

まえがき



高速・高周波と聞くと何を連想するだろうか? 身近なインターネットの光通信やパソコンのCPUや科学技術計算に用いるスーパーコンピュータ、あるいは、放送、レーダー、衛星通信といった電波を応用した通信機器が挙げられるだろう。

もっとも身近にある放送におけるこの50年間の変遷は、高速・高周波化の進展をもっともよく現している。AMラジオ放送の時代からTV放送が始まり、カラーテレビ放送、FMラジオ放送が登場してきた。その後にコンピュータが開発され、インターネットなどの整備がなされ、携帯電話が普及するなどの変化が起きる中、放送においても情報量の増大に答える衛星放送、そして地上波デジタル放送が開始された。

誤解を恐れずひとことで表現するなら、「より高い周波数になる」ということは「よりたくさんの情報を短時間で送れる」、そして「より高速になる」ということは「よりたくさんの情報を短時間で処理できる」ということである。

電子機器の「高速・高周波化」は、人間の根幹的な欲求を満たしてくれる。きれいな画像を見たい、本物の色や動きを見たい、世界で起きていることをリアルタイムで知りたいという知識への欲求、あるいは、未来の事象をより短時間で計算、予測し、未来に起きるかもしれない不安から逃れたいという、人間が生物として生き永らえたいというより生存への欲求など、どれも「高速・高周波化」が満たしてくれる。

しかし、一方で、この「高速・高周波化」は電磁的な現象を伴い、アナログ的でとても難しい側面をもっている。高い周波数ほど、他への影響を及ぼしやすく、他からも影響されやすい。でも、だから、この対策こそが電子機器の高性能化の関門であり、コストにも影響を与える。もし、あなたが運を天に任せ、問題になりそうなことを先送りしたとしても、最終的な到達点が「高速・高周波化」である限り、どの道を進もうとも、その先に関門が待ち構えているのである。

本書はプリント配線板を用いた実装で、いかに高速・高周波動作を実現するのか、具体的な対策の≪かんどころ≫をまとめた。設計だけを取り上げた書ではない。実装は泥臭いもので、理路整然としたものではない。この対策は高速・高周波動作するデジタル回路の動作保証のみならず、デジタル回路が発生するノイズの被害者になりやすいアナログ回路の動作保証をいかに行うかが、本書のテーマである。

伝送路の基礎を理解するには専門的な電気の知識が必要となる。わかりやすさを重視して数式を省略することも考えたが、実装という観点から書かれた伝送路工学の書が少ないため、既刊の理論書との橋渡しの意味も含めて記載することとした。

本書は、プリント配線板を使うべきかどうかという根本的な選択に始まり、回路の種類によって異なる部品選定、部品に合ったプリント配線板の選定、配線設計時の要点、ものづくりとの関係など、実用ハンドブックになるようにまとめた。

LSIや半導体など、いわゆる電子部品開発者、趣味で自作を楽しんでおられるアマチュア無線家やオーディオマニア、そして携帯電話やゲーム機の実装設計者など、高性能化で悩んだとき、それぞれの場面で目次を紐解いてもらえれば、きっと解決の糸口が見えてくるだろう。悩んだときに「そうだこれをやって見よう」と思ってもらえたらと願っている。

買い物かごへ