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目で見てわかる治具・取付具の使い方

定価(税込)  1,728円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06254-4
コード C3053
発行月 2009年04月
ジャンル 機械

内容

現場のノウハウが凝集されている治具・取付具は、機械加工現場では欠くことのできない技術である。本書は、手作業~汎用工作機械の周辺にある治具・取付具の使い方を写真やイラストを多用し、やさしく解説する。

目次

はじめに

第1章 治工具とジグ

1-1 治工具の目的…工作物を固定する

1-2 基準となる面や位置・寸法を決めるために

1-3 自由度6と拘束条件

1-4 締め付け力を考える

1-5 熱膨張も考える

1-6 加工効率を上げるための治工具

1-7 友削り:1回限りのジグもある

1-8 自作ジグのすすめ

第2章 タップ作業を見ながら治工具を考える

2-1 基本的なタップ作業

2-2 円筒部にタップを立てる

第3章 卓上ボール盤による穴加工

3-1 卓上ボール盤の特徴

3-2 穴加工を考える

3-3 卓上ボール盤のバイス

3-4 治工具的発想による簡単な穴加工

第4章 旋盤加工での治工具

4-1 加工の特徴

4-2 旋盤にはどんな固定工具があるか

4-3 チャックの機能を助ける治工具

4-4 フランジ加工専用のジグ…摩擦板と押し板

4-5 摩擦板の応用:疑似面盤

4-6 友削りのジグ…ワッシャの加工

4-7 薄肉円筒の加工を助けるジグ

4-8 総合的なジグ

第5章 フライス盤加工での治工具

5-1 フライス盤の座標系

5-2 工作物とフライス盤との座標を合わせるツール

5-3 ミーリングバイス

5-4 クランプシステム

5-5 そのほかの固定工具

5-6 手作りのジグ

ひとくちコラム

旋盤の黎明期

ほんとに心が出せるのは四つ爪チャック

工作機械で使われているテーパの規格

索引

はじめに

はじめに

ジグ、治具、冶具???…いったい、どれが正しいのでしょうか?冶具は「冶金から派生した誤字」と書いてある技術書もあります。それじゃあ治具が正しいかと言えば、実は英語のjigが語源。工作物を固定する…つまり「治める道具」という意味で「治具」ならば納得ですね。

工作機械には工作物を固定するためのさまざまな工具が用意されています。これらの工具も、もともとはジグとして考案され汎用化されたものもあるでしょう。自動車工場のエンジン部品加工などで使われている大がかりな装置はジグの王様ですが、加工現場で使われる小道具をジグの考え方から見ると、どのような工夫がされているかがわかってきます。

機械工作の現場では、これらのジグを上手に使うことによって、加工精度や効率を大きく向上できます。汎用工具では加工できない部品も、工具の特性を知った上でもうひと工夫することにより加工できるようになる。まさに知恵と知恵のコラボレーションというわけです。

「モノづくり」は新たな時代を迎えています。最近は工業高校、高等専門学校、大学などの部活動を中心に、さまざまなコンテストが開催されています。ロボット相撲や二本足歩行ロボットの格闘競技など、マイクロコンピュータを駆使した制御技術の進歩には目を見張るものがあります。このような夢を育む競技会も花盛りといったところで、多くの若者がモノづくりの面白さと奥深さに挑戦する姿はとても頼もしいものです。しかし、これらの競技会の舞台裏では汎用工作機械による工作が必要です。汎用旋盤、汎用フライス、ボール盤などを使った基本的な機械工作は自由度が大きく、取り扱いも比較的容易なため、試作品的な加工を行うときには最も頼りになります。

ところが、工作物がちょっと複雑になると汎用工具だけでは思うような加工ができません。ここに機械工作における最初の大きな関門、ジグの問題が隠れているのです。ジグの基本は三次元空間における物体(工作物)の自由度6をどのように拘束するか(拘束条件)という問題に尽きます。これらの問題を厳密に解説した良書は数多くあります。しかし、モノづくり初心者にとってこれらの解説書を読み解くには機械に関するある程度の知識が必要で、目の前の問題に答えてくれるとは限りません。

本書は「モノづくり」に初めて挑戦するみなさんが機械加工の現場で最初に遭遇する具体的な問題を例題として、ジグにつながる概念を一緒に考えてもらおうという構成にしてあります。なにはともあれ、工作機械を使ってモノづくりを始めたとき、あれ?これ、どうやって固定するんだろう…と思ったらぜひ本書を見てください。モノづくり現場のノウハウの中にきっとヒントになることがあると思います。本書をきっかけに、若者が一人でもおおく機械工作の道に進んでくれれば嬉しい限りです。

最後に、執筆の機会を与えていただき、いろいろとご支援いただきました日刊工業新聞社出版局の奥村功部長、筆が遅くかつ整理されていない記述内容を分かりやすくまとめていただいた新日本編集企画の飯嶋光雄氏はじめ編集の皆さまには大変お世話になりました。感謝申し上げます。また本書執筆にあたり、執筆内容で行き詰っているときにアドバイスをいただきました職業能力開発総合大学校の澤武一先生に心より感謝申し上げます。

終わりに、世界の大学や研究所の技術者と一緒に仕事をできるような機会を与えていただいた多くの先生方や一緒に仕事をした多くの仲間に感謝します。

河合利秀

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