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波に乗れ にっぽんの太陽電池
―温暖化のリスクをチャンスに変えるシナリオ―

定価(税込)  1,944円

著者
サイズ A5判
ページ数 152頁
ISBNコード 978-4-526-06218-6
コード C3034
発行月 2009年02月
ジャンル ビジネス

内容

 世界で爆発的な成長を遂げる太陽電池。日本の太陽電池は05年までは技術力・生産量・市場ともに世界一位の座にあったが、ここ数年でドイツなど他国の猛追に遭い、その座を逆転されてしまう。さらに日本の太陽電池市場は縮小の危機に面している。本書は太陽電池の技術と発電効果、産業への波及効果、躍進する他国の現状を検証し、温暖化時代に日本が太陽電池でどの一手を打つべきか提言した。今後の太陽電池のキーテーマがわかる。

目次

第1章 再生可能エネルギーの役割
1.1 温暖化対策のホンネ
1.1.1 環境保護と経済成長
1.1.2 2者を両立させる「再生可能エネルギー」
1.2 再生可能エネルギーのポテンシャル
1.3 科学的な捉え方
1.3.1 IPCCによる評価結果
1.4 経済的な捉え方
1.4.1 枯渇性燃料のリスク
1.4.2 地球温暖化問題と枯渇性燃料の経済的リスクの関係
1.4.3 「不確実だが実在するリスク」に対処する
1.4.4 リスクはチャンスでもある
1.5 温暖化対策と経済成長は両立する
コラム IPCC第4次評価報告書
1.6 国として活用するにはどうするか
コラム 私たちの原動力

第2章 太陽光発電の力
2.1 太陽光発電の特徴
2.1.1 クリーンで無尽蔵
2.1.2 エネルギー源確保と温暖化対策を兼ねる
2.2 技術の概要と動向
2.2.1 太陽電池の種類
2.2.2 技術的課題と用途
2.2.3 系統側の課題
2.3 コストの見通し
2.3.1 量産するほど安くなる
2.3.2 グリッドパリティの実現で加速する
2.4 各国の動向と将来予測
2.4.1 主要各国の導入ペース
2.4.2 世界の主要エネルギー源へと成長する
2.5 他の技術との棲み分け
2.5.1 太陽熱
2.5.2 風力発電
2.5.3 地熱発電
2.5.4 バイオマス発電
2.5.5 水力発電
2.5.6 海洋エネルギー
2.5.7 枯渇性エネルギー
2.6 頼れるポテンシャル
コラム 性能の指標

第3章 ドイツの成功と各国の状況
3.1 再生可能エネルギーの助成の意味
3.2 助成制度の種類と採用状況
3.3 ドイツ
3.3.1 太陽光・風力・バイオマスで快進撃
3.3.2 積極的な普及策への転換
3.3.3 EEGの特徴
3.4 スペイン
3.4.1 急速な導入が進む市場
3.4.2 独自色に富む普及策
3.4.3 過熱した太陽光発電の要因
3.5 アメリカ
3.5.1 転機を迎えるエネルギー消費大国
3.5.2 国家と州による助成体制
コラム 技術開発から量産化までにかかる時間
3.6 日本
3.6.1 世界一の座からの転落
3.6.2 日本の普及策に見られる問題
コラム 情報化時代の心得

第4章 フィードインタリフの導入法と効果
4.1 FIT制度の基礎
4.1.1 助成制度の要件
4.1.2 FITの特徴
4.1.3 FITのしくみ
4.1.4 FITのリスク
4.2 FITの様々なオプション
4.3 他制度に対する魅力
4.4 運用上の留意点
コラム 温暖化対策を支える蓄電技術
4.5 太陽光発電との相性
コラム 太陽電池はどこまで安くできるのか

第5章 日本を動かす太陽光発電
5.1 日本での導入の動機
5.1.1 日本が抱える環境・エネルギー問題
5.2 日本特有の検討事項
5.2.1 現行制度の効果を上げるには
5.3 太陽光発電にはFIT
5.3.1 類似制度との違い
5.3.2 日本での有効なオプション
5.4 太陽光発電導入の簡易シミュレーション
コラム インフラの更新にかかる時間
5.5 FITは温暖化時代の政策の基礎
コラム 世界に拡がる太陽電池

あとがき
参考資料1:単位換算表
参考資料2:再生可能エネルギーの性能値の出典
参考資料3:発展的学習のために
参考文献
索引

はじめに

 最近、ニュースで「温暖化」と言う言葉を聞かない日はないだろうと思います。暖かくなる?けっこうですね、なんて方もおられるかもしれません。でも、ビジネスやエネルギー供給、さらに私たちの日常生活にはどう関係してくるんでしょう?…と問われて、すぐにイメージの湧く方は少ないのではないでしょうか。

 本書は、そのような方に向けて書かれています。太陽光発電という1つの技術が持つ特性、力、課題、そしてそれを取り巻く状況について、技術側から情報提供を試みています。

 技術的なことはなるべくかみ砕いて、要約して書いています。それがどう役に立つか、ほんとに使えそうなのか。そして、どのぐらい電力事情や生活に関係しそうで、どの程度大きなビジネスになりそうなのかを紹介します。ここで金額だけ書いておきますと、日本企業のシェアだけで毎年数兆円から十数兆円のオーダーのお話になります。大きな風呂敷ですが、技術的にわかっていることから予測できる数字でもあります。それも解説しています。

 その上で、太陽光発電と言う技術をどう扱っていけば良さそうか、というお話をします。これが本書の主題です。技術の側から見て、たぶんこう使うと一番役に立つだろう、と言う提案です。太陽光発電を経済やエネルギー供給の面で役立てると、環境保護の効果もついてきます。このため太陽光発電は経済成長と環境保護を両立させる強力な手段になります。そんな力のある技術を最も経済的に利用する制度として、“フィードインタリフ”の特徴や使い方を紹介していきます。

ここで、先に断っておきます。凄い額のお金がかかるはずです。競争も激しいです。10年単位の計画になります。影響範囲も広いです。いろいろと面倒くさいです。急ぎます。

 でも、それでも―いや、むしろ―、役に立つのではないかと思います。

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