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よくわかる金型の原価管理とコストダウン
―実践的査定テーブルの作り方―

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ A5判
ページ数 168頁
ISBNコード 978-4-526-06166-0
コード C3053
発行月 2008年11月
ジャンル 機械

内容

日本のモノづくりを支えている金型。この金型の原価管理は一筋縄ではいかない。これまで経験と勘、業者間の力関係で決めていた価格を、査定テーブルを活用することで原価管理を容易にしているのが本書。査定テーブルの作成から使い方、メンテナンスをわかりやすく解説している。

目次

目 次



第1章 金型産業の実態と査定テーブルのあり方

―金型の特徴について学ぶ―

1―1 日本の金型産業の実態

1―2 金型費の原価構成

1―3 金型費のあるべき姿を追求する



第2章 製品設計段階で金型費を算定する必要性

―製品図面から重要な情報を抽出するポイント―

2―1 上流段階でのコスト把握の重要性

2―2 CADからコストを見積るには

2―3 製品図面から金型費を読むには



第3章 査定テーブルを作るための急所

―査定テーブルについての基礎知識を理解する―

3―1 原価見積にはどんな種類があるか

3―2 金型費を見積る原価の単位とは

3―3 2つある金型査定テーブルの作成方法

3―4 査定テーブル作成に欠かせない分析方法

3―5 特急料金を査定テーブルに反映させるべきか



第4章 使える査定テーブルを作るための段取り

―精度の高い査定テーブル作成ポイント―

Point1 使用頻度の多いタイプより作成する

Point2 金型費を見積る単位の設定を明確に

Point3 グループ分けの基本をマスターする

Point4 査定テーブルを作るグルーピング分析

Point5 査定テーブルの管理レベルを明確に



第5章 精度の高い査定テーブル作成からメンテナンスまで

―最適算式を作成し、実務活用レベルへの展開―

Step1 金型費を左右する要因を製品図面より分析

Step2 要因のデータ収集

Step3 主変動要因で行う回帰分析

Step4 算式の精度アップの進め方

Step5 実務に即した査定テーブルのレベル決定

Step6 事前にコストダウン金額を算定

Step7 手間のかからないメンテナンス



第6章 査定テーブルを使った購買部門での管理

―指標を使った販売管理とは―

6―1 金型費を管理するしくみとは

6―2 金型を安く買うための対応策

6―3 購買効率管理の具体例

6―4 金型外注の格付評価の考え方

6―5 狭域購買から広域購買へ



第7章 価格交渉の進め方と金型改善によるコストダウン

―技術購買と今後の査定テーブルのあり方―

7―1 金型費の価格交渉における3つの進め方

7―2 金型費の2種類あるコストダウンのやり方

7―3 金型費に含まれるムダを見つける方法

7―4 ランニングコストを考えた査定テーブルとは

7―5 査定テーブル作成にあたって

7―6 今後の査定テーブルのあり方

はじめに

はじめに

金型の原価(コスト)管理は、金型を購入する側、提供する側にとって難しい問題である。原価管理を推進するにあたり、両者に共通して大切なことは、金型費を大きく左右するポイントを明確にし、日々管理をしていくことである。その一つの方法として金型費の“査定(コスト)テーブル”という考え方がある。本書では金型を購入する側に焦点をあて、“査定(コスト)テーブル”の作成から使い方・メンテナンスまでを捉え、コストダウンに繋げる方法を解説する。

“査定テーブル”ということばは、広く企業に浸透している。しかし、金型費に限っては、「金型費はコストがあってないようなものだ」「世間相場で左右されるからなかなか基準なんて作っても」「自社で金型を作っていないから中身がよくわからない」……などの理由から実態にあった査定テーブルを作るのが難しいと言われているのが現状である。とは言え、このような環境下で、金型を購入する購買部門の担当者、実務で製品設計・金型設計を行っている技術者においては、適正な金型費の追求とコストダウンは避けて通れない問題である。本書では、数々の金型査定テーブルを作成してきた経験をもとに、金型を購入する側として、どのような観点で査定テーブルを作成して、金型費を管理すべきかを解説する。完成した査定テーブルの位置づけは、金型図面の査定テーブルではなく、“製品図面から直接金型費を算定する査定テーブル”を目指すことを特徴としている。

金型を購入する側が購買のコストダウン活動において、「エイヤー」の気合でどんどん金型費を下げられれば、わざわざ査定テーブルなどというものを作る必要はない。しかし、このような手段ではいずれ頭打ちになり通用しなくなる。したがって、これらの対応手段として、金型費を左右する技術的根拠を査定テーブルへ反映させ、少しでも提供する側の理解を得ることを重視している。また、製品図面と金型費の関係を明確し査定テーブルを作ることは、購買部門が行う外注見積りに対する査定に対して、理論武装が簡易的になおかつ迅速に行えるメリットがある。さらに、上流の製品設計段階においては、製品図面作成時に、製品と金型費の関連を明確化することが可能になり、製品設計段階における事前の金型費のコストダウン検討も大きなメリットの一つとなる。

本書の構成の概要は以下のようになっている。

第1章では、日本の金型産業の実態と査定テーブルのあるべき姿について述べている。第2章では、上流段階である製品設計段階に作成された製品図面から、査定テーブル作成にあたっての重要な情報を抽出するポイントについて述べている。第3章では、原価見積と見積の粗さ、また査定テーブル作成の分析方法などの基礎知識について述べている。第4章では、精度の高い査定テーブルを作るにあたり、どのような単位で査定テーブルをまとめていくかというグループ分けの考え方を中心にポイントを述べている。第5章では、第1章から第4章までの知識・作成ポイントを踏まえ、査定テーブルを作成するステップについて述べている。第6章では、作成された査定テーブルを実際に使っていく購買部門の実践的な管理の進め方について述べている。第7章では、作成した査定テーブルを活用した交渉の進め方と金型の技術的な改善、今後の査定テーブルのあり方について述べている。

本書を通してみなさんが自社の最適な査定テーブルを作成し、製品図面から金型費のコストを左右するポイントを理解され、適正な査定とコストダウンの実践ができ、一流の購買担当者・製品設計者・金型設計者になることを願っている。

最後に出版にあたり、ご協力をいただいた日刊工業新聞社の野崎伸一編集委員に心より感謝します。



2008年 10月 大塚 泰雄

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