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わかりやすい生産現場のノイズ対策技術入門

定価(税込)  2,052円

著者
サイズ B5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06137-0
コード C3054
発行月 2008年09月
ジャンル 電気・電子

内容

生産現場の設備や電子機器がノイズで誤動作する、故障する、製品の品質に影響するなどの現象が頻発している。そこで本書は、生産現場において、どのようなメカニズムでノイズが侵入して誤動作を引き起こすのか、その対策や測定方法はどうしたらよいか、などを丁寧に解説する。

目次

はじめに



第1章 生産現場で起こる誤動作・故障・S/N劣化がどのようなメカニズムで発生するか明らかにする

1.1 誤動作・故障などの原因となるノイズ源は離れたところにある(メカニズムとノイズ対策の優先順位)

1.2 ノイズ源の大きさとノイズを伝搬する伝搬経路、ノイズを受ける部分の特徴

1.3 仕事をさせるための回路の特徴と不要なノイズの発生

1.4 逆方向に流れる電流の経路を接近させてインダクタンスLを小さくする

1.5 信号電流が筐体に流れてコモンモードノイズ電圧が発生する

1.6 システム1の信号電流がシステム2の回路に影響を及ぼすメカニズム

1.7 ノイズは影響を受けやすいところに伝搬し、到達する

1.8 筐体はなぜ接地するか

1.9 ノイズの影響を受けやすい回路で起こっている現象は

1.10 同じ方向に流れる電流の経路を接近させてインダクタンスLを大きくする(コモンモードノイズフィルターの形成)



第2章 生産現場、産業機器、電子機器で発生しているノイズによる誤動作の概要

2.1 生産現場で使用されている産業機器の概要

2.2 インバータ機器からのノイズで誤動作する

2.3 モータ駆動回路からのノイズで誤作動する

2.4 デジタル回路からのノイズによってアナログ回路のS/Nが低下する

2.5 静電気が発生して、それによる影響で誤動作する

2.6 高電圧パルス生成部からのノイズによって誤動作が起こる

2.7 異なる機器(システム)を接続することによって誤動作が起こる

2.8 製品にノイズ電圧が加わり製品の加工・検査に影響する

2.9 AC電源ラインからノイズが侵入して機器内部で誤動作が発生する

2.10 誤動作に共通するノイズ対策のポイント



第3章 誤動作・故障・S/N劣化のメカニズムを基にしたノイズ源の対策

3.1 誤動作・故障・S/N劣化を引き起こすノイズ源とは

3.2 信号源のエネルギーを低減させるための対策はどのようにすべきか

3.3 筐体と回路間に発生するコモンモードノイズ電圧とその大きさを測定する

3.4 コモンモードノイズ源Vnの発生を最小にする方法(信号からノイズへの変換効率を最小にする)

3.5 電位差があると外部に電磁波が放射される

3.6 コモンモードノイズ源Vnのエネルギーを低減させるために何をすればよいか



第4章 ノイズが伝搬する経路への対策

4.1 ケーブルは信号を伝送するとともにノイズ電流が流れる経路

4.2 伝搬経路(ケーブル)の対策

4.3 AC電源ラインへの対策

4.4 ケーブルは外部にノイズを放射しやすく、外部からのノイズを受け入れやすい(外部から流れるノイズおよび放射されるノイズに対して強くするには)

4.5 隣接したケーブルの干渉(ケーブル間を流れるノイズ電流)

4.6 ケーブルを筐体に接近させて配線する



第5章 誤動作を受けやすいシステム(ユニット)をノイズに対して強くする

5.1 誤動作を起こしたシステムの内部の特定とその対策の流れ

5.2 誤動作が起こるメカニズム(コモンモードノイズ電流がノーマルモードノイズ電圧に変換されるメカニズム)

5.3 GNDは誤動作にどのような影響を与えるか

5.4 不平衡な回路によって誤動作が起こる、誤動作の発生を最小にするためには

5.5 差動回路と平衡回路(バランス回路)によって誤動作を防ぐ

第6章 外部機器から侵入するノイズに対して誤動作を防ぐ(イミュニティー)

6.1 外部から侵入するノイズにはどんなものがあるか

6.2 ノイズの誤動作と、その特定方法

6.3 放射ノイズが機器内部に侵入して、誤動作を引き起こす

6.4 静電気ノイズが機器内部に侵入して、誤動作を引き起こす

6.5 電源ラインを通して侵入したノイズが誤動作を引き起こす

6.6 筐体のすき間はどのように内部の回路に影響を与えるか



第7章 誤動作が発生したときのノイズ対策の具体的な進め方

7.1 モデルの概要

7.2 誤動作の状況

7.3 ノイズ源は離れたところにある(ノイズ源と考えられるもの)

7.4 ノイズ源の特定方法

7.5 特定したノイズ源に対する技術的対策(優先順位:ノイズ源の対策、伝搬経路の対策、受信側)

7.6 ケーブルの処理の基本的考え方

7.7 コモンモードノイズ源の大きさを測定する方法



参考文献

索 引

はじめに

はじめに

近年、生産現場では生産効率の向上、生産コストの削減などを背景として最先端のエレクトロニクス技術、メカトロニクス技術、センサー技術を駆使した生産設備、生産機器、制御機器、電子機器などが導入されています。これらの機器は大電力を取り扱うもの(加工などに使用)から最先端のデジタルテクノロジー技術を使用したものまで広範囲であり、その機能には高度化、高機能化。高集積化、処理速度の大幅向上といったことが特徴となっています。

しかしながらこれらの生産機器はデジタルテクノロジーを駆使しているために、機器から電磁波が放射され、他の機器へ障害を与えることや、機器内で大きな電力のエネルギーが他の内部機能に影響を与えて誤動作・故障を引き起こすことや、機器内のデジタル回路からのノイズが別の機能の回路に影響を与えて誤動作・故障などを引き起こします。また他の生産機器からの影響を受けて誤動作・故障も発生します。

これらの誤動作・故障には再現しないものや一時的に再現するもの、常時再現するものなどさまざまです。現象が常時再現すると対策も立てやすくなりますが、一時的な再現では対策方法が難しい場合もあります。このように生産機器がノイズの影響を受けて誤動作や故障が発生すれば生産が一時的に停止し生産効率に悪影響を及ぼします。本書はこうした状況を考慮して生産現場で主としてノイズ対策の業務に従事される方のために少しでもお役に立つことができるようまとめたもので次のような内容になっています。

・生産現場で起こっている誤動作・故障、S/N劣化がどのようなメカニズムで発生するかを明らかにしています。そのメカニズムの基本はノイズ源があり、ノイズ源からノイズが伝搬し、影響を受けやすい機能に到達して誤動作が発生します

・生産現場、産業機器、電子機器で発生しているノイズによる誤動作の概要

・これらのメカニズムをもとにノイズ源のエネルギーを少なくするための対策

・ノイズが伝搬する経路の対策

・誤動作を受けやすいシステム(ユニット)をノイズに対して強くします

・外部から侵入するノイズに対して誤動作をどのように防ぐかです

・あるモデルを設定して誤動作が発生したときのノイズの特定の方法とノイズ対策の具体的な進め方について述べています。

生産設備管理・保全業務、生産設備設計業務、生産機器・電子機器設計業務、生産現場でのノイズによる機器のトラブルなどに従事、またこれらの業務にこれから従事しようとしている人に向いています。

読者の皆様方に本書が少しでもお役に立てれば幸いであると願っております。

最後に本書をまとめるにあたり、全体の方向性、注意点等有益なご指導をいただきました

出版局書籍編集部の副部長 鈴木 徹氏に心から感謝いたします。



平成20年9月著 者

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