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ナットク現場改善シリーズ
よくわかる「プル生産とプッシュ生産」の本

定価(税込)  1,944円

著者
サイズ A5判
ページ数 152頁
ISBNコード 978-4-526-06123-3
コード C3034
発行月 2008年09月
ジャンル 生産管理

内容

モノづくりをする場合、製造物や生産設備の種類に関わらずプル生産かプッシュ生産のどちらかで作られている。それだけにプル生産とプッシュ生産は、生産方式の基本といえる。本書はそれらをわかりやすく解説した生産方式の入門書。

目次

目 次

はじめに

第1章 プル生産って何?

1―1 プルとプッシュはどう違う?

1―2 生産におけるプルとプッシュとは何か?

1―3 お客様は常にプル

1―4 主体が最終工程だったらどうなるか

1―5 回転寿司はプルかプッシュか

1―6 プル生産とは何か

1―7 スーパーマーケットがプルの原点

1―8 作れば売れる時代は遠い過去

1―9 JIT生産はお客さま志向のプル生産

1―10 プル生産は後工程引取り

1―11 プル生産の道具(かんばん)

1―12 発注点方式もプル

1―13 プル生産のメリットとデメリット

1―14 プル生産の条件

1―15 プル生産のすすめ方



第2章 プッシュ生産って何?

2―1 パック寿司はプルか?

2―2 見えない顧客

2―3 作れば売れる時代はどんどん作ればよかった

2―4 鎖は引けばピンと張るが、押したらグニュグニュになる

2―5 プッシュ生産はものと情報の流れが同じ方向

2―6 プッシュは中央制御(末梢神経のプルに比べ異常に弱い)

2―7 こんなときはプッシュでもいい

2―8 プッシュ生産のメリットとデメリット

2―9 プッシュ生産の条件



第3章 プルとプッシュは何が違うの?

3―1 プル生産とプッシュ生産の違い

3―2 AとBの関係

3―3 メインとサブの関係

3―4 プルにするための工夫

3―5 制約をはずせば、道は開ける

3―6 プルの種類はどのようにして決めるのか(基本的な考え方)

3―7 プルの種類はどのようにして決めるのか(具体的な手順)

3―8 生産パターンと生産方式



第4章 プル生産・プルシステムの事例

4―1 日常の事例

4―2 企業の事例



第5章 プッシュ生産・プッシュシステムの事例

5―1 日常の事例

5―2 企業の事例



第6章 プル生産・プッシュ生産 Q&A

在庫金額と材料単価/倉庫とストア/水すましはムダか/協力会社の指導、育成/後補充方式導入の優先順位/配送費(多頻度納入)/海外調達/大口対応と臨時かんばん/まとめ作りと業者の育成/平準化のレベル/ストアの配置はどうすればよいか/通い箱/納入便とリードタイム/加工と組立の関係/製番方式/外注への部品支給/かんばんにすると入出庫が増える/?類の平準化/かんばん1枚の個数



第7章 プル生産・プッシュ生産に関連する用語

7―1 JIT

7―2 平準化

7―3 自働化

7―4 標準作業

7―5 応受援

7―6 フルワーク

7―7 預託生産

7―8 製品の標準化

7―9 部品の標準化

7―10 コンカレントエンジニアリング

7―11 多能工化

7―12 設備改善



第8章 モノづくりの心技体

8―1 モノづくりとは何か

8―2 お客さまに感動を与えるモノづくり

8―3 世界に発信された「もったいない」

8―4 モノづくりの心

8―5 モノづくりの技

8―6 モノづくりの体

8―7 改善でモノづくりの心技体を鍛える

8―8 押すと引く

8―9 生産方式は百社百様



索 引

はじめに

はじめに

今日は金曜。仕事帰りに仲間と居酒屋に繰り出す。まずは「とりあえずビール」である。さすがに早い。すぐに乾杯。さてつまみは何にしようか。そうだ、この店は頼んでもなかなか出てこないのだった。しかも今日は月末の金曜、いつもより混んでいる。先にたくさん注文しておかないと……。

ということで、一度にたくさんオーダーした。ところが、驚いたことに、オーダーした品物がすべて、すぐに運ばれてきたのである。何だ、これは……。机に載りきらないほどのお皿、お皿……。一度にこんなに食べきれないよ! でも確かにオーダーしたし、いつ持ってきてくれとも言ってない。

そうこうしているうちに温かいもつ鍋もさめてきた。冷たい奴もぬるくなってきた。

せっかくの料理もこれじゃ台無しだ。せっかくのビールも食べ物に圧倒されてすすまない。

このような経験はないだろうか。逆に本当になかなか注文の品物が来なくていらいらすることもある。

中華料理屋で、ラーメンと餃子を一緒に頼んだのに、ラーメンが先に出てきて、食べ終わってもまだ餃子が来ないこともある。まさか肉を買いにいってるのでは……と勘ぐりたくもなる。

前者のようにオーダーをしたものが、一度にたくさん来ても、後者のようにオーダーをしてもなかなか品物が来ないのも困る。どちらもオーダーを出したのだからプルといえば確かにプルである。しかし前者は、お客は、少しずつ品物が出てくることを期待しているのにすべて一度に出てきたので、ある面プッシュともいえるのである。

プルとプッシュと聞いて、即座に「生産」と連想された方は、かなり生産方式に精通されている人だろう。しかし、プル生産(後工程引取り)とプッシュ生産(前工程押し出し)ということばは、聞いたことはあっても、あるいは自社(自工場)でどちらかの生産方式を導入していても、正しく理解している人は極めて少ない。

本書では、生産に関わる方が、たとえ初心者であっても、プル生産とプッシュ生産とはどういうことなのかを理解してもらう目的で執筆した。自社の現在(あるいは将来)の生産方式がどのようなものかも知らずに、仕事や改善を楽しむことなどできない。ルールも知らずにテニスの試合をするようなものだ。現場改善をする場合でも、生産方式を知っているか否かでは、改善の方向性や中身も大きく変わってくる。もちろんライン全体の改善やお客様や協力会社を含んだしくみの改善を実施する際は、自社の生産方式を知っていることが必要条件である。本書が、生産に関わる方々に少しでもお役に立ち、また楽しく充実した仕事をするための一助になれば、大変幸せである。ぜひプルとプッシュの生産方式を理解し、毎日楽しい仕事、楽しい改善を実施していただきたい。



2008年7月 著者

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