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ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で「即戦力」

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 228頁
ISBNコード 978-4-526-06069-4
コード C3053
発行月 2008年05月
ジャンル 機械

内容

機械設計における頻度の高い加工法だけにフォーカスし、図面を描く前の低コスト化設計を「即戦力」へと導く本。イラストでは大工の厳さんがポイントに突っ込んでくれる「図面って、どない描くねん!」の江戸っ子版。現場の加工知識と設計見積り能力アップで低コスト化設計を身につけよう。

國井良昌  著者プロフィール

(くにい よしまさ)

技術士(機械部門:機械設計/設計工学)
日本技術士会 機械部会 幹事
埼玉県技術士会 幹事
日本設計工学会 会員
横浜国立大学 大学院工学研究院 非常勤講師
首都大学東京 大学院理工学研究科 非常勤講師

1978年、横浜国立大学 工学部 機械工学科卒業。日立および、富士ゼロックスの高速レーザプリンタの設計に従事。富士ゼロックスでは、設計プロセス改革や設計審査長も務めた。1999年より、國井技術士設計事務所として、設計コンサルタント、セミナー講師、大学非常勤講師としても活躍中。
以下の著書が日刊工業新聞社から発行されている。
・ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で『即戦力』
・ついてきなぁ!『設計書ワザ』で勝負する技術者となれ!

URL:
國井技術士設計事務所
http://adf.web.infoseek.co.jp/

システム工学設計法講座
http://a-design-office.com/

目次

目 次



はじめに:「10年かけて一人前」では遅すぎる!



第1章 即戦力のための低コスト化設計とは

1-1 設計のお客様は次工程である加工現場

1-2 加工法の得手不得手だけ理解すれば良い

1-3 低コスト設計の基本は公差設計だった

1-4 見積りができれば低コスト化設計ができる

1-5 電子機器のコスト分析による即戦力

1-6 板金加工における即戦力

1-7 樹脂加工における即戦力

1-8 切削加工における即戦力

1-9 溶接における即戦力





第2章 公差計算は低コスト化設計の基本

2-1 いきなり公差計算の演習で即戦力

2-2 公差計算の方法

2-3 簡単!エクセル計算ソフト

2-4 公差計算の落とし穴

2-5 納得!低コスト化設計ができなかった理由





第3章 板金加工編

3-1 お客様の道具(加工法)を知る

3-2 打ち抜き/曲げ/絞り/溶接だけ理解すれば良い

3-3 材料選択と入手性が基本

3-4 加工限界を知る

3-5 お客様の特徴を知る

3-6 部品コスト/型代の見積り方法

3-7 見積り演習で実力アップ





第4章 樹脂加工編

4-1 お客様の道具(加工法)を知る

4-2 射出成形だけ理解すれば良い

4-3 材料選択と入手性が基本

4-4 加工限界を知る

4-5 お客様の特徴を知る

4-6 部品コスト/型代の見積り方法

4-7 見積り演習で実力アップ





第5章 切削加工編

5-1 お客様の道具(加工法)を知る

5-2 研削/フライス/旋盤だけ理解すれば良い

5-3 材料選択と入手性が基本

5-4 加工限界を知る

5-5 お客様の特徴を知る

5-6 部品コストの見積り方法

5-7 見積り演習で実力アップ





おわりに:「お客様は次工程」

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はじめに

はじめに



「10年かけて一人前」では遅すぎる!



機械設計者は「10年かけて一人前」になれると言われます……が、今は、そのようなのんきな時代ではありません!「即戦力」が求められています。しかし、即戦力と言っても、一体、何から学べば即戦力となるのか。意外にも、設計の現場ではまるで理解されていないのです。

例えば、受験における英単語の学習に関して、試験に出ない単語や訳語まで辞書のように総花的に学ぶのか。それとも試験に出る英単語を分析し、出題頻度の高い順に学べば良いのか、に似ています。

このように悩んでいるうちに何もせず、ついには自分で設計した部品の「コスト見積りもできない状態」になっていませんか?



その一方で、現在の開発現場を見てみますと、多くの設計者が3次元CADを使用しています。大変便利な設計ツールですが、その画面の中ではどの部品も簡単に具現化されています。加工法を全く知らなくても、コンピュータが自由な形状にモデリング(造形)してくれるのです。

また、多くの企業で「低コスト化」という経営方針が打ち出されています。自分のアイデアや設計した部品がいくらなのか分からないと張り合いがないばかりか、活性化や継続性に繋がりません。

若手技術者たちは、これらの要因と短期開発の忙しさにかまけ、自分の設計した部品が高いか安いかどころか、製造できるか否かさえ、何の疑問も抱かずに出図してしまうのです。



製造できるか否かの部品が、安いはずがありません。これで、低コスト化設計と加工法の関連性がうっすらと見えてきたかと思います。

しかし今ひとつ、「低コスト化設計のために必要な加工知識」と言うと、何をどのようにして設計側へ盛り込むかが明確になっていません。混沌としているのです。

その主な原因は、

1.加工側からの一方的な情報が多い反面、設計側からの情報が少ない。

2.加工法の知識が、加工機の構造の紹介や加工側での注意点の羅列が多い。

3.知識が断片的であり、後輩に伝授できるほど「体系化」していない。



そこで、本書は機械設計における頻度の高い加工法だけにフォーカスし、以下に示すコンセプトから、図面を描く前の低コスト化設計を「即戦力」へと導きます。

1.使用頻度の高い加工法の、「得手不得手」を知る。

2.使用頻度の高い加工法の、加工限界を知る。

3.自分で設計した部品費と型代を見積る力を付ける。

これらが、設計の現場で求められているのです。



次に、本書の利用対象を以下に示します。

1.若手技術者の実用書

2.企業の技術教育部門

3.工業高校、工業高専、工業専門学校、大学工学部の副読本

などの方々で、いずれも機械系の技術者にお勧めいたします。



本書は初心者向けであり万能書ではありません。特に、加工限界やコスト見積りに関して、レーダー、タンカー、航空機などの月産数台の大型特殊機器や、ベアリング、電子部品などの超大量生産の商品には、本書のままのデータでは適用できないと思います。自分なりに補正を加えて調整してみてください。





量産効果の著しい変化が見られるのは、「100台/月以上10万台以下」であるため、本書では、ここに属する機械系の量産品にフォーカスしています。

また、加工側とのコスト交渉には使えません。何故なら、変動の激しい材料価格、加工側の工賃や加工設備などでバラツキが生じるためです。



コスト設定には、大変困った文化があります。それは、「政治的価格」というもので、「誰でも半額!」とか、「どこよりもお安い0(ゼロ)円です!」がその代表例です。

本書の見積り方法は、あくまで「設計見積り用」であり、良い設計と良い図面を目指すために、高いか安いかの相対値を設計的に判断するツールです。

一方、加工法に関する情報ですが、従来は、この類の書籍やセミナーは加工側からの一方的な情報であったのに対し、初めて設計側から情報を発信し体系化を実現したと自負しています。



長年に渡る設計コンサルタントの経験から、各種加工の加工限界データや、同、見積りデータに基づき、自分で設計した部品のコスト見積りができることで、真の「低コスト化設計」の実践へと導く足がかりになると確信いたします。

また、近年、図面の描き方の書籍が充実してきましたが、その図面を描く一歩手前の設計プロセスとして、本書を活用していただければ幸いです。



2008年4月

筆者:國井 良昌

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