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読むだけで力がつく 有機化学 再入門

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 200頁
ISBNコード 978-4-526-06054-0
コード C3043
発行月 2008年03月
ジャンル 化学

内容

化学系以外の技術者や学生の間でも化学をもう一度勉強してみたいという要求が強い。中でも、私たちの身の回りにある製品の多くが有機化合物であるため、本書では有機化学の基礎と有機化合物を化学系以外の技術者、学生にもよくわかるように解説する。

東田 卓  著者プロフィール

1986年 関西学院大学理学部卒業
1988年 大阪教育大学大学院修了
1988年 大阪府立工業高等専門学校工業化学科 助手
1992年 同学科 講師
1998年 同学科 助教授
1999年 工学博士
2005年 大阪府立工業高等専門学校総合工学システム学科 助教授
 (06年より准教授)
専門:有機化学、光触媒、色素増感型太陽電池、理科教育
主な著書:「基礎有機化学」(共著)(サイエンス社)
「基礎有機化学演習」(共著)(サイエンス社)

目次

はじめに

入門編  化学の基礎

第1章 化学とは 
 1.1 身の回りの化学 
 1.2 有機化学の歴史 
 1.3 有機化合物と無機化合物 

第2章 化学結合 
 2.1 共有結合とイオン結合 
 2.2 σ結合とπ結合 

基礎編  有機化合物の種類と働き

第3章 炭化水素 
 3.1 アルカン 
  3.1.1 アルカンとは 
  3.1.2 アルカンの命名法 
  3.1.3 アルカンの性質 
 3.2 アルケン 
  3.2.1 アルケンとは 
  3.2.2 アルケンの命名法と構造 
  3.2.3 アルケンの性質と合成 
 3.3 アルキン 
 3.4 芳香族化合物 
  3.4.1 芳香族化合物とは 
  3.4.2 芳香族化合物の命名法 
  3.4.3 芳香族化合物の性質と反応 
  3.4.4 構造式の簡略化した表記法 

第4章 ハロゲン化アルキル 
 4.1 ハロゲン化アルキルとは 
 4.2 ハロゲン化アルキルの命名法 
 4.3 ハロゲン化アルキルの性質 
 4.4 ハロゲン化アルキルの合成と反応 

第5章 アルコールとエーテル 
 5.1 アルコール 
  5.1.1 アルコールとは 
  5.1.2 アルコールの命名法 
  5.1.3 アルコールの性質 
  5.1.4 アルコールの合成 
  5.1.5 アルコールの利用用途 
 5.2 エーテル 
  5.2.1 エーテルとは 
  5.2.2 エーテルの命名法 
  5.2.3 エーテルの性質 
  5.2.4 エーテルの合成 
  5.2.5 エーテルの利用用途 

第6章 アルデヒドとケトン 
 6.1 アルデヒド 
  6.1.1 アルデヒドとは 
  6.1.2 アルデヒドの命名法 
  6.1.3 アルデヒドの性質 
  6.1.4 アルデヒドの合成と反応 
 6.2 ケトン 
  6.2.1 ケトンとは 
  6.2.2 ケトンの命名法 
  6.2.3 ケトンの合成と反応 

第7章 カルボン酸とその誘導体 
 7.1 カルボン酸 
  7.1.1 カルボン酸とは 
  7.1.2 カルボン酸の命名法 
  7.1.3 カルボン酸の性質 
  7.1.3 カルボン酸の合成 
 7.2 カルボン酸誘導体 
  7.2.1 カルボン酸誘導体とは 
  7.2.2 カルボン酸誘導体の命名法と構造 
  7.2.3 カルボン酸誘導体の性質 
  7.2.4 カルボン酸誘導体の合成と反応 

第8章 アミン
 8.1 アミンとは 
 8.2 アミンの命名法 
 8.3 アミンの性質 
 8.4 アミンの合成と反応 

応用編  有機化合物の応用例

第9章 アミノ酸とタンパク質 
 9.1 アミノ酸 
  9.1.1 アミノ酸とは 
  9.1.2 アミノ酸の立体配置 
  9.1.3 アミノ酸の分類 
  9.1.4 アミノ酸の性質 
  9.1.5 アミノ酸の合成 
  9.1.6 アミノ酸の反応 
 9.2 タンパク質 
  9.2.1 タンパク質とは 
  9.2.2 ペプチドの性質 
  9.2.3 タンパク質の構造 
  9.2.4 タンパク質の分析と合成 

第10章 糖質 
 10.1 糖質とは 
 10.2 糖質の分類 
 10.3 糖質の反応 
 10.4 糖質の構造 
 10.5 二糖類 
 10.6 多糖類 

第11章 脂質 
 11.1 脂質とは 
 11.2 油脂の構造 
 11.3 油脂の反応 
 11.4 ろう 
 11.5 複合脂質 
 11.6 ステロイド 
 11.7 テルペン 
 11.8 プロスタグランジン 

第12章 核酸 
 12.1 核酸とは 
 12.2 核酸の構造 
 12.3 DNAの構造 
 12.4 RNAの構造
 12.5 遺伝子の暗号 
 12.6 タンパク質の合成 
 12.7 ウイルスRNA 
 12.8 遺伝子工学 

第13章 有機化学材料 
 13.1 有機化学材料とは 
 13.2 フラーレン 
 13.3 カーボンナノチューブ 
 13.4 色素材料 
 13.5 感光色素 
 13.6 太陽電池用材料 
 13.7 ディスプレイ用材料 
 13.8 有機電導性化合物 
 13.9 包摂化合物 

第14章 高分子 
 14.1 高分子とは 
 14.2 高分子の構造 
 14.3 高分子の分類 
 14.4 高分子のリサイクル 

〈付録〉 有機化合物の分析装置
―有機化合物の正体を覗き込む―
Ⅰ.ガスクロマトグラフィー 
Ⅱ.高速液体クロマトグラフィー 
Ⅲ.赤外線吸収スペクトル 
Ⅳ.NMR 
Ⅴ.可視・紫外吸収スペクトル 
Ⅵ.マススペクトル 

索引 

はじめに

 「化学」と聞くと、どうお感じになりますか。難しい、興味がない、卒業以来まったく縁がないなど、実生活から見て遠いイメージをもたれる方や、臭い、汚い、毒性がある、環境に悪いなど、大変マイナスのイメージをおもちの方もおられると思います。
 本書は、「身の回りのものほとんどすべてが有機化合物である」をコンセプトに、身の回りの衣食住に関係するすべて、また、ものづくりに必要な材料の大多数が有機化学に関係していることを理解し、これまで化学を学んだことがない方でも抵抗なく、より身近に接することができるように、再入門書の形で執筆しました。
 本書は、基礎の有機化学を学習する読者に限らず、広く機械、電気、建設など、ものづくりに関わる技術者や学生さんなど幅広い分野を対象にしています。化学は高校や大学で学んだきりで忘れてしまったが、「今使っているこの材料は何でできているのだろう」と自然に湧き出てくる疑問が解決できる再入門書という位置づけになります。もちろん、高校生でも理解できる内容になっていますので、化学を専門とする学校に入学する前の入門書にもなります。
 本書は入門編、基礎編、応用編の3部構成になっています。
 入門編は、高校生の化学の復習レベルとして、化学の基礎と、有機化合物と無機化合物の違いや、化合物を構成している化学結合について説明します。具体的には、無機化合物がイオン結合や金属結合により成り立っているのに対し、有機化合物は共有結合が中心となっており、4本の手をもつ炭素がこの結合の中心となっていることが説明されています。
 基礎編は、有機化合物の分類として炭化水素やアルコールなど化合物の種類を“官能基”といわれる機能別に分けて、それぞれの有機化合物の特徴について分かりやすく説明します。
 応用編は、基礎編で学んだ有機化合物の基になっている「官能基」が複数結合した化合物のうち、特に我々の衣食住に必要不可欠な「糖質」、「タンパク質」、「脂質」、「高分子」などを取り上げてわかりやすく説明しています。
 各章には、解説付きの例題を取り入れて、自分で学べるように工夫しています。
 また、付録として、これら有機化合物を測定する機器と測定方法が紹介されています。特に技術者の方が「この物質の構造や性質を調べるにはどうしたら良いのだろう」と悩まれたときに利用する機器を調べるきっかけになればと思います。
 ガスクロマトグラフィー(GC)を使えば、その液体や気体が何であるか、また何種類のものが混ざり合っているかなどが分かります。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いれば、ガス化しない高沸点の液体や固体、また天然物から抽出された不安定物質も測定可能です。赤外線吸収スペクトル(IR)を使えば、その物質がどのような「官能基」をもっているかがわかり、その物質の性質を知る上において大変重要な情報が得られます。分光光度計を用いて可視・紫外吸収スペクトルを測定すれば、その溶液がどのような光(可視光・紫外光)を吸収するかがわかり、その溶液中に含まれる色素などの推察ができます。核磁気共鳴(NMR)を用いることにより、その「分子の構造」が何であるかがわかります。また、それ以外の機器についても関連した各章ごとに触れられています。
 本書を読み終え、みなさんに「有機化学は身の回りにあるもの、役に立つもの」と感じてくれることを願って止みません。
 最後に本書を執筆するにあたり日刊工業新聞社の森山郁也様にお世話になりました。心より感謝致します。

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