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目指せ!プロフェッショナルエンジニア
われら高専パワー全開

定価(税込)  1,728円

編者
サイズ A5判
ページ数 224頁
ISBNコード 978-4-526-06045-8
コード C3050
発行月 2008年03月
ジャンル その他

内容

専門分野に特化した勉強スタイル、そして寮生活に代表される独自の人間形成教育など、高専の独特の教育スタイルは、多分野に何人もの英才を送り込んできた。そこでこの本では、各界で活躍する高専の卒業生10分野・93人を取り上げ、モノづくりの神髄を面白く読みやすく取り上げる。

目次

高専の魅力『目指せ!プロフェッショナルエンジニア われら高専パワー全開』の発刊にあたって 河野 伊一郎

高専への期待 庄山 悦彦

高専卒業生の活躍にその凄さを再認識 木村 孟

◆モノづくり(設計・品質管理)
二輪・四輪エンジンなどで数々の画期的な新製品を開発
「なぜ? どうして?」という気持ちを持ち続けることの大切さ
沼津工業高等専門学校機械工学科卒 長谷川 浩之

50機種以上のエンジンの設計開発と海外指導を手がける高性能エンジンの開発に取り組み続けてきた37年
鹿児島工業高等専門学校機械工学科卒 日高 義明

車載用の「ハプティック・コマンダ」を開発
スイッチの統合により自動車の操作を革新させる
仙台電波工業高等専門学校電波通信学科卒 水田 謙

荏原製作所の設計子会社で代表取締役を務める
『住まいと遊びは室蘭、仕事は東京,世界中へ』ソフト・パワーで挑戦
旭川工業高等専門学校機械工学科卒 村上 孝志

自動車開発・製造に必要な多くの計測装置を生み出す
先端分野の技術開発は製造ではなく創造だ!
東京工業高等専門学校機械工学科卒 青木 邦章

多種多様な面を高速検査できる全自動磁粉探傷装置の開発
ロボットの基礎から応用までを学び検査装置の自動運転を実現
茨城工業高等専門学校機械工学科卒 バンズラグチ バトサイハン

自動車開発プロセス刷新プログラムの制作
トヨタの車づくりを変えたプロジェクト
豊田工業高等専門学校機械工学科卒 根岸 孝年

国産初の産業用インクジェットプリンタを開発
企業での新製品開発は未知の世界の連続だ
高知工業高等専門学校電気工学科卒 松岡 愼二

世界最大の原子力発電用軸材を開発した
製鋼から廃棄物処理まですべての基礎を高専で学んだ
函館工業高等専門学校機械工学科卒 池田 保美


◆製造技術・生産管理
アルミ形材のアール曲げ加工で黄綬褒章を受賞した現代の名工
モノづくり技術にゴールはない。大切なのは粘り強く考え続けること
富山工業高等専門学校機械工学科 木下 茂

アメリカ、カナダ、日本からさまざまな専門家が参画
アメリカで自動車工場の企画から建設、生産に携わって
北九州工業高等専門学校化学工学科卒 斉藤 尋昭

半導体製造装置の販売最前線で活躍
技術立国日本を支える精鋭の一人となってほしい
熊本電波工業高等専門学校電波通信学科卒 阪本 甚三郎

高専の後輩たちは、まさにダイヤモンドの原石
目指せ、世界で活躍する「スーパーエンジニア」
富山工業高等専門学校電気工学科卒 塩田 成夫

作業用手袋の商品開発と現地生産化を担当
すべてを任される責任者その重圧と醍醐味を知る
久留米工業高等専門学校工業化学科卒 土持 由希子

トラックボディの設計・製造会社を起業
知識ゼロからのスタートだが自信さえあれば何でもできる
大島商船高等専門学校電子機械工学科卒 Boey Kok Leng
(梅 国凌)

有限会社からスタートし、社員600人のメーカーの社長に
人が人を錬磨し成長させる。それを学んだのは高専時代だった
北九州工業高等専門学校化学工学科卒 水口 真

速度制御を可能にした非円形歯車の研究開発
中小企業の熱意と粘りが新しい歯車をつくった
長岡工業高等専門学校機械工学科卒 山崎 隆

品質管理技術からスタートし今日も自動車産業に貢献
海外進出、新会社設立││トヨタの成長とともに歩んで
苫小牧工業高等専門学校機械工学科卒 吉田 誠一

次世代型経営技術の新原理New JITの研究
「ジャストインタイム」方式をさらに発展させて世界に貢献する
八戸工業高等専門学校機械工学科卒 天坂 格郎

FAサーボシステムの開発から事業経営までを担う
最先端の研究開発を経験し事業部門の立て直しにも尽力する
和歌山工業高等専門学校電気工学科卒 田 和幸

企業勤務と技術業の経験を生かして次世代技術者を育成
沖縄高専で/からものづくりの技と心を伝える
鹿児島工業高等専門学校機械工学科卒 吉永 文雄


◆宇宙
超高精度電波望遠鏡を支える「現代の匠」
ローテク優先、現場がすべての「職人の生き方」を貫く
明石工業高等専門学校機械工学科卒 福寿 喜寿郎

母校での研究成果「宇宙GHTA溶接法」「宇宙DL溶接法」の開発
世界の宇宙開発に貢献できる日本独自の宇宙溶接法を開発
高松工業高等専門学校機械工学科卒 吹田 義一

種子島宇宙センターで国家プロジェクトに取り組む
「宇宙に一番近い島」からロケットを大空へ送り出す
有明工業高等専門学校機械工学科卒 園田 昭眞

技術試験衛星・型(ETS│・)の開発に携わる
技術者としてやりがいが大きい宇宙への挑戦は続く
大分工業高等専門学校機械工学科卒 辻畑 昭夫

日本版GPS「準天頂衛星プロジェクト」を推進
「東京タワーを日本の真上に」素人発想が間もなく現実のものに
米子工業高等専門学校機械工学科卒 吉田 富治


◆材料・ナノテク
セラミックレーザー研究開発の第一人者
「技術の常識」を覆して欧米の国際会議にも招かれる
久留米工業高等専門学校金属工学科(現、材料工学科)卒 池末 明生

パソコン、携帯、自動車にも使われるリチウムイオン電池
環境とも共存できる電池を開発していく
奈良工業高等専門学校化学工学科卒 生駒 宗久

薄膜コーティング技術を核に大学発ベンチャー設立
若い人もぜひ創業に挑戦を。その達成感は極めて大きい
長岡工業高等専門学校工業化学科卒 時田 修二

単層カーボンナノチューブの合成法を開発
失敗と思った実験から先端ナノテク材料が誕生
小山工業高等専門学校機械工学科卒 丸山 茂夫

鋼に匹敵する優れた特性を鋳鉄に持たせる技術開発
産官学による共同研究で鋳造所から先端技術を世界へ
鶴岡工業高等専門学校機械工学科卒 渡辺 利隆

リチウムイオン二次電池用材料の研究開発
材料開発を通じて実感する「電池は小さな化学工場である」
和歌山工業高等専門学校工業化学科卒 宇恵 誠

国立大学系で初のベンチャー企業を設立
失敗を経験し、自分で実践するその繰り返しが価値となる
八代工業高等専門学校機械電気工学科卒 田 篤


◆情報通信(IT)・ソフト開発
学生時代に起業してシステム開発に携わる
高専時代の留学生との交流が海外への目を開かせてくれた
熊本電波工業高等専門学校電子制御工学科卒 入江 英也

IT技術者を経て、現在は書籍の翻訳・監修を手がける
海外の良書の紹介を通じて技術のおもしろさを伝えたい
徳山工業高等専門学校情報電子工学科卒 宇野 俊夫

独自のLSI設計技術が幅広く採用
「匠エンジニア」の育成を使命とし、30年後の1兆円企業を目指す
宇部工業高等専門学校電気工学科卒 梅田 芳直

ソフトウェア開発の会社を設立して20年
「夢の提供」を経営理念に終りのない挑戦は続く
一関工業高等専門学校機械工学科卒 折居 正広

パソコン「PC8001」などの開発リーダーを務めて
基礎をじっくり学んだ対応力がNEC初の8ビットPCを生む
鈴鹿工業高等専門学校電気工学科卒 後藤 富雄

エージェント技術で「共生コンピューティング」を提案する
人間と機械が助け合う情報環境を構築する
福島工業高等専門学校卒業 白鳥 則郎

半導体・液晶パネルの外観検査装置を開発
世界最高の検査機を提供する会社を目指す
秋田工業高等専門学校土木工学科卒 菅原 雅史

埋もれた技術を発掘し、市場にマッチングさせる
写メールを最初に開発携帯電話の発展に挑み続ける
佐世保工業高等専門学校電気工学科卒 尾 慶二

IT先端分野で独立起業し活躍中
楽しいと思える仕事なら辛いことも乗り越えられる
津山工業高等専門学校機械工学科卒 谷口 里美

海外向け携帯電話の開発に携わる
自分のアイデアで、世界で使われる携帯電話が作動している
仙台電波工業高等専門学校情報工学科卒 中村 文

時代の流れにも乗りITベンチャーを成功
商船高専で1年間世界を航海その経験が今も自分を支えている
富山商船高等専門学校機関学科卒 鳴海 鼓大

放送と通信を融合する技術が強みのベンチャー企業
新しい分野の技術開発は高専出身の人材が担っている
函館工業高等専門学校電気工学科卒 林 英一

組み込みソフト開発と開発環境に深く関わる
自らの成果を世界に公開し、オープンソースの発展に貢献する
宮城工業高等専門学校電気工学科卒 引地 信之

ケータイアプリの速さにとことんこだわる
世界中で喜ばれる便利なソフトを提供する
福井工業高等専門学校電子情報工学科卒 福野 泰介

「その手があったか」の声が響く会社づくり
技術者のための「場」をつくりたかった
新居浜工業高等専門学校電気工学科卒 平田 利實

電子ドキュメントPDF関連のソフトウェア開発
社員20人で250万ユーザ獲得PDF関連ソフトウェアでトップを目指す
岐阜工業高等専門学校電気工学科卒     森 真一

音声と映像のコンピュータ処理技術を開発
爆発的な携帯電話の通信需要増に多様な技術を駆使して対応する
奈良工業高等専門学校電気工学科卒 和田 良一

「ポケットモンスター」を生み出したゲームデザイナー
世界中でファンを獲得今もその人気は衰えを知らず
東京工業高等専門学校電気工学科卒 田尻 智

国際電気標準会議(IEC)で国際議長として活躍
技術法規に関わって32年日本を代表して国際舞台で交渉
米子工業高等専門学校電気工学科卒 佐々木 宏

手ブレ補正技術の基本特許で全国発明表彰
ブレない画像を実現する基本技術を生み出す
舞鶴工業高等専門学校機械工学科卒 伊崎 正高

技術も内容も発展著しい家庭用ゲームソフトの開発
極上のエンタテインメントを世界に向けて送り出す
石川工業高等専門学校電子情報工学科卒 稲葉 敦志

◆知財・マスコミ・教育・社会
国際的技術競争の最前線で
知的財産を通して見えてくるもの
茨城工業高等専門学校電気工学科卒     牛久 健司

国際競争力の重視で注目される弁理士の仕事
世界の最先端のアイデアに日々接することができる
福島工業高等専門学校工業化学科卒 佐藤 辰彦

特許や商標を扱う技術者の「縁の下の力持ち」
最先端の技術の話を発明者から直接聞ける仕事
群馬工業高等専門学校環境工学専攻科卒 中村 希望

世界レベルの科学技術者やリーダーを育成
教育改革の最先端を行く学舎の経営
八戸工業高等専門学校工業化学科卒 福士 英実

二度のオセロ世界チャンピオンに輝く
自由な校風のなかで「夢中になること」を学んだ
津山工業高等専門学校機械工学科卒 井上 博

国際規格や基準の認証取得を支援するプロとして活躍
あらゆる産業のベースとなる、製品の「安全・安心」を支える仕事
鈴鹿工業高等専門学校金属工学科卒 上島 憲

科学技術者育成のための教材開発と学校運営
教育を革新し100億人の科学技術者を育成する
呉工業高等専門学校機械工学科卒 答島 一成

新聞記者として34年余り、一面コラムにも健筆を振るう
今、学校教育に必要なのは伸びやかさを取り戻すことだ
有明工業高等専門学校電気工学科卒 池田 知隆

◆数学・数理科学
非線形方程式における可積分性の研究及びその応用
津波から光通信にも適用されるソリトンの研究
大分工業高等専門学校電気工学科卒 児玉 裕治

世界に先駆けて証明した新しい数学理論
「中尾の方法」を活用することで高等数学が現実に役立つ日が来る
佐世保工業高等専門学校機械工学科卒 中尾 充宏

◆ライフサイエンス
理論化学計算で新しいモノづくりを
高専で学んだことは世界と戦う基礎となる
宇部工業高等専門学校工業化学科(現、物質工学科)卒 西野 繁栄

人工遺伝子の創製と次世代バイオ技術の創出
人工DNAにより新たな遺伝子操作技術をつくり出す
沼津工業高等専門学校工業化学科卒 平尾 一郎

CTスキャナーとの長く深い付き合い
医療診断を大きく変える画期的な機器開発を続ける
鶴岡工業高等専門学校電気工学科 八幡 満

◆運輸
物流における包装の進化に挑戦する
高専での5年間の経験が社会へと踏み出す足がかりに
広島商船高等専門学校流通情報工学科卒 藤原 考輝

35年間の船員生活を経て現在は陸上で活躍中
船に乗って世界を回った豊富な経験が今も役立つ
大島商船高等専門学校機関学科卒 今岡 博

世界の海をつなげる職業「航海士」として
3年前まで男性しかいなかった外航貨物船の船橋に立つ
鳥羽商船高等専門学校卒 小西 智子

客船飛鳥・を世に送り出すプロジェクトを担当
船の専門家の活躍の場は世界中へと広がっている
広島商船高等専門学校機関学科卒 瀧口 龍雄

日本における客船運航事業の礎を築く
クルーズに魅せられクルーズ社会を拓く
鳥羽商船高等学校航海科卒 田中 三郎

潜水調査船の支援母船に乗り、技術者としてバックアップ
まだまだ未知の部分が多い海洋研究をサポートする
富山商船高等専門学校航海学科卒 橋本 菊夫

国際航路の客船で船長として17年間勤務
冷静沈着な対応が求められる世界の海の案内人として
弓削商船高等学校航海科卒 渡辺 輝夫

国連の専門家会議に日本代表委員として23年間出席
危険物の国際的な輸送ルールづくりに尽力
弓削商船高等学校航海科卒 八十川 欣勇

◆環境・エネルギー
社員10名余りの会社から世界に環境浄化設備を輸出
石炭灰の振動造粒機からスタートし、ごみ飛灰処理対策の切り札に
阿南工業高等専門学校機械工学科卒 阿部 兼美

天然ガス及び石油処理設備の設計・建設
温暖化対策を施した天然ガス輸送プラント
一関工業高等専門学校化学工学科卒 伊藤 文博

自動車の安全確保技術からハイブリッド車の研究へ
自ら提案した手法が製品化され世界優秀発明100選を受賞した
福井工業高等専門学校電気工学科卒 梅野 孝治

特高圧・高圧の受電・配電設備の開発・設計・製作
工場やビルの機能を陰で支える大切な仕事
詫間電波工業高等専門学校電子制御工学科卒 大西 宏明

現地の風土に基づいた砂漠緑化研究
砂漠緑化と食糧生産が飢餓撲滅へとつながる
松江工業高等専門学校土木工学科卒 高橋 悟

工学的な手法による水処理システムを開発
パワーエレクトロニクスを専門外だった環境修復に活用
釧路工業高等専門学校電気工学科卒 田中 俊彦

原子炉から半導体製造装置、ハイブリッド自動車……
新分野への挑戦を続ける技術のわらしべ長者
高知工業高等専門学校電気工学科卒 恒石 淳哉

世界中で使われる光触媒ブランド「サガンコート」
環境問題の解決に貢献する酸化チタンの製品化に成功した
新居浜工業高等専門学校工業化学科卒 藤井 隆治

プラント設計・調達・建設で世界を飛び回る
リーダーシップを発揮する基礎を培った高専時代
高松工業高等専門学校機械工学科卒 森本 省治

21世紀の持続可能な地域社会をつくるために
政策提案と評価研究、教育、学会活動、行政機関への貢献など多忙な日々を送る
阿南工業高等専門学校土木工学科卒 近藤 光男

◆社会基盤(土木・建築)
市街地の再開発事業を指揮するコーディネーター
地域にふさわしい個性的で魅力ある街づくりを目指して
小山工業高等専門学校建築学科卒 大塚 正宏

若くして独立し住宅設計でグッドデザイン賞に輝く
子供の頃の基地づくりが今も住宅設計の原点に
都城工業高等専門学校建築学科卒 蒲牟田 健作

国内外で高い評価を得た古民家再生の活動
人々の記憶に残る建築を目指して
明石工業高等専門学校建築学科卒 神家 昭雄

地域再生プロジェクトに挑戦する
「箱ではない建築」を目指して
釧路工業高等専門学校建築学科卒 柴田 直樹

日本初のドーム建築を可能にした構造設計
直径200メートルの東京ドームはまさに「夢のプロジェクト」だった
宮城工業高等専門学校建築学科卒 丹野 吉雄

「トンネル工事の女性監督」として注目
国土交通省の道路技術者として道路づくりに32年間従事
岐阜工業高等専門学校土木工学科卒 所 靖子

海外赴任で挑む橋梁の設計・建設
日本と世界をつなぐ橋を設計し建設するおもしろさ
木更津工業高等専門学校土木工学科(現、環境都市工学科) 難波 浩

建物を調査・診断し、歴史的建造物を修復する
日本の歴史的建造物や世界遺産を後世に遺す
豊田工業高等専門学校建築学科卒 長谷川 哲也

暮らしやすく活気のある街をデザインする
街づくりを中心にNPOなど幅広く活動する
長野工業高等専門学校土木工学科卒 宮入 賢一郎

小学校の設計で公共建築賞や環境建築賞を受賞
既成概念を覆した小学校の校舎を設計
石川工業高等専門学校建築科卒 若林 亮

資料編

編集後記

産学連携・地域連携委員会

コラム
   プロコン【プログラミング・コンテスト】
   沖縄工業高等専門学校が目指す技術者教育と学生への期待
   デザコン【デザイン・コンペディション】
   プレコン【英語プレゼンテーション・コンテスト】
   高専体育大会
   ロボコン【ロボット・コンテスト】│1
   ロボコン【ロボット・コンテスト】│2

はじめに

『目指せ!プロフェッショナルエンジニア
われら高専パワー全開』の発刊にあたって

 私が大学から高専(国立高等専門学校)に移るとき、高等教育機関としての高専とはどのような学校かとたずねたところ、「大学を百貨店とすれば、高専は全国にネットワークを持つブティック」と話してくれた人がいた。高専の一員となった今、なる程、的を射た説明だったと感心している。

 高等専門学校が一九六二年(昭和三十七年)に創設されてから早くも四十六年目に入り、卒業生も約三十五万人を数える。二〇〇四年四月、国立高専五五校は一つの独立行政法人となり国立高専機構が設置された。その結果、国立高専は総学生数五万人余、教職員数六千人余となり、日本で最大級の規模をもつ高等教育機関となった。それによって全国各地に強い連携を持つ高専が分布し、それらがネットワークとして機能するユニークな人材育成機関となっている。

 高専教育の魅力はどこにあるのか、その根源は「教える者(教員)と学ぶ者(学生)との強い信頼関係の上に教育が実施されていること」にあると私は感じている。教育においては、それが学校教育であれ、家庭教育、社会教育であれ、この教える者と学ぶ者の信頼関係がベースにあることこそが非常に重要であると考えている。

 高専の最大の使命は「創造性のある実践的技術者の育成」にあり、学生達は一五才の入学当初より勉学の目的意識を明確に持っており、勉学意欲が旺盛である。五年間の準学士課程を終えると約六〇%の学生は就職するが、さらに高度の技術者あるいは研究者を目指す者のために、すべての高専に二年間の専攻科が準備されており、また大学、大学院の進学も盛んである。

 高専生に対する社会からの期待の大きさは、就職時の求人倍率が常に一〇倍を越えており、専攻科卒業生にあっては現在二〇倍を超えていることからも理解することができる。さらに有力大学、大学院からの編入の要請も高く、またこれまでの卒業生の各分野での活躍状況からも社会に貢献している実状を知ることができる。

 しかしながら、高専卒業生の社会での卓越した活躍にもかかわらず関係者以外にはあまり知られていないのが現状である。そこで卒業生の活躍状況および高専制度について広く一般にも知っていただくため、高専機構「産学連携・地域連携委員会」において検討を重ね、本書を企画したところである。

 本書で取り上げた人たちは、技術者、経営者、研究者、起業家、クリエーターなど、幅広い分野で活躍し、一番若い方は二十三歳、一方、高専創設の一九六二年入学の第一期卒業生は六十一歳で、この年代の方はいわゆる団塊の世代にあたる。これらの方々が、科学技術創造立国として我が国を支え、さらに新しい創造力を生み出してきたことを感じていただけると思う。

 なお、本誌の作成にあたっては、各国立高専から卒業生を推薦していただくなどの協力も得て、卒業生から寄稿していただき編集した。最後に、ご尽力いただいた産学連携・地域連携委員会の編集委員の方々、また、ご協力いただいた関係各位に、この場を借りて感謝を申し上げます。

二〇〇八年三月
独立行政法人国立高等専門学校機構理事長 河野 伊一郎




高専への期待

株式会社 日立製作所
取締役会長 庄山悦彦

 これからの日本が世界に貢献していくために大切なキーワードは、「科学技術」と「モノづくり」だと思っています。両者は、「科学技術」が「モノづくり」の進展をささえ、「モノづくり」が「科学技術」の発展をささえるという相互補完の関係にあります。とくに「モノづくり」は、いわゆる「物」を作る、製造するという狭い意味ではなく、社会や顧客の要望を的確に把握して商品の価値を高めるところから、開発、設計、生産準備、調達、製造、品質保証、物流、販売、サービスにいたるまでの一連の流れとして、また「科学技術」に裏付けされた研究開発も含めて、広い意味でとらえています。そのさまざまな段階に、多様なエンジニアが必要となります。

 それも、その分野に通じたプロフェッショナルとしてのエンジニアが必要なのです。プロフェッショナルエンジニアには、もちろん技術力、すなわち、みずからの専門領域についての能力とその実行力や、技術分野全般を見渡す広い視野と幅広い知識、的確な問題発見能力・洞察力、技術を組み合わせ統合して問題を素早く解決する能力などが求められますが、それだけではなく、一人ひとりの人間として、勤勉、執念、チームワークの精神が、エンジニアの基盤となることを忘れてはなりません。日本がここまで発展することができたのは、先輩たちがこれらの力、精神を発揮してきたからこそだと思っています。

 高専は、そのようなプロフェッショナルエンジニア人材を生み出す宝庫です。若いうちから専門知識や実践的なモノづくりの基本と応用を学ぶとともに、先生方の熱心な指導や絶えざる指導方法の改善、さまざまな工夫をこらした創成教育、地元企業・機関との熱心な共同研究開発、総力を結集した高専祭、全員必修のインターンシップ、あらん限りの知恵を出しつくしたロボコン、集団生活のよさが発揮される寮制度などが、技術力のみならず、勤勉、執念、チームワークの精神を生み出す源泉となっているのでしょう。各分野で活躍している多数の高専卒業生を見ると嬉しくなります。

 「科学技術」と「モノづくり」をベースに、高専が日本の将来をささえる一翼としてますますその力を発揮することを願ってやみません。



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