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図解力・製図力 おちゃのこさいさい
<図面って、どない描くねん! LEVEL 0>

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ B5判
ページ数 220頁
ISBNコード 978-4-526-06013-7
コード C3053
発行月 2008年02月
ジャンル 機械

内容

「図面って、どない描くねん!LEVEL0」にあたる「図解力と製図力を身につけることを目的とした」ドリル形式の入門書。「図解力が乏しいということは設計力が弱いことを意味する」と主張する著者による世界一やさしい製図本。従来の製図書にはなかった設計の基本的な計算問題にも対応している。

山田 学  著者プロフィール

S38年生まれ、兵庫県出身。(株)ラブノ−ツ 代表取締役。
カヤバ工業(株)(現、KYB(株))自動車技術研究所にて電動パワーステアリングとその応用製品(電動後輪操舵E-HICAS など)の研究開発に従事。
グローリー工業(株)(現、グローリー(株))設計部にて銀行向け紙幣処理機の設計や、設計の立場で海外展開製品における品質保証活動に従事。
兵庫県技能検定委員として技能検定(機械・プラント製図)の検定試験運営、受験指導、採点などに関わる。
平成18年4月 技術者教育を専門とする六自由度技術士事務所として独立。
平成19年1月 技術者教育を支援するため�ラブノーツを設立。(http://www.labnotes.jp)
著書として、『図面って、どない描くねん!』、『設計の英語って、どない使うねん!』、『めっちゃ使える! 機械便利帳』、『図面って、どない描くねん! LEVEL2』、共著として『CADってどない使うねん!』(山田学・一色桂 著)、『技術士第一次試験「機械部門」専門科目 過去問題 解答と解説(第2版)』、『技術士第二次試験「機械部門」完全対策&キーワード100』『技術論文作成のための機械分野キーワード100[解説集]』(Net-P.E.Jp編著)などがある。

目次

はじめに  〜製品開発の中における図面の役割〜

第1章 立体と平面の図解力
1-1. 立体図形
1-2. 立体と平面の投影法
1-3. 立体から第三角法への展開
1-4. 第三角法から等角投影図への展開
1-5. 板金部品の展開形状
第2章 JIS製図の決まりごと
2-1. 図面様式
2-2. 図面の折り方
2-3. 線種の使い分け
2-4. 文字と尺度
2-5. 特殊な図示法
2-6. 機械要素の表し方
第3章 寸法記入と最適な投影図
3-1. 寸法線
3-2. 寸法基本要素
3-3. 寸法記入の考え方
3-4. 寸法の配置
3-5. 普通許容差
3-6. 寸法公差の記入法
3-7. 寸法配置によるばらつきの違い
3-8. 寸法記入原則
第4章 組合せ部品の公差設定
4-1. 組合せ部品の公差の考え方
4-2. 累積公差
4-3. はめあい
4-4. 寸法公差は位置決めのためのツール
4-5. 設計と製図の関係
4-6. 表面性状
第5章 設計に必要な設計知識と計算
5-1. 単位
5-2. 機械設計の基本公式(初級レベル)
5-3. 材料記号
5-4. 材料力学(初級レベル)
5-5. 材料物性
5-6. 表面処理記号
5-7. 重量計算
5-8. 収縮締結
5-9. ボルトの強度計算
5-10. キーの強度計算
第6章 Workshop 解答解説
おわりに

はじめに

製品開発の中における図面の役割

 設計者以外に、研究や生産、部品手配、営業などにかかわる人も図面を用いて作業することがあります。図面は描くだけのものではなく、それを後工程の人が見て生産活動を行うのです。機械製図というと、設計した部品を加工するために寸法を記入する作業、つまり寸法もれさえなければよいと考えている人がたくさんいます。
 ところが、基準も決めずにいいかげんな寸法記入をしてしまうと、累積する公差によって欲しい形状や位置に対してばらつきの大きな部品が出来上がってしまいます。
 一品モノの試作部品などでは、その違いがわかりませんが、大量生産する部品では、このばらつきによって組めない、干渉する、機能が出ないなどの不具合がよく発生します。
 図面が製品開発の中でどのように使われているのか、その重要性も含めて少し説明します。

企業と製品開発の流れ
 学生から新入社員として会社に入ると、設計の進め方から製図の作法、自社製品のノウハウなど、先輩や上司から丁寧に教えてもらえると期待しますが、現実は先輩たちは目の前の業務をこなすことが精一杯で、新人に構っている暇はありません。
 設計業務とは、ISO9000シリーズによる業務体系の中で、
 設計INPUTとして、与えられた企画情報を元に、構想設計→詳細設計→試作評価を経て、
 設計OUTPUTとして、生産図面や技術資料を後工程の部門に引き渡すことです。

 以前の設計現場では、右図に示す設計の流れの中で、要所要所に課長が膝を突き合わせ、若手が設計した内容をチェックし、指導してくれたものです。
 しかし、近年では開発の短納期化のためにさまざまな開発手法や管理ツールが取り入れられ、さらに関連部門である製造や品質保証、営業、保守部門が開発初期からかかわり、意見をいうようになりました。そのため、設計上位者が手取り足取り技術的な内容を部下に指導できる時間的な余裕がなくなっています。 
 上司から真剣に相手にしてもらえないため、若い担当者は製品仕様や品質基準、開発の背景、目的なども十分理解せず、与えられたスペースに必要機能を盛り込むだけの「やっつけ設計」に陥ってしまうのです。
 いい加減な設計をしたうえに、上位者のチェックも甘ければどうなるでしょうか? 
 そう、担当者任せの図面が製造現場に流出してしまうのです。

 製品を開発するには様々な関連する部門の技術者が存在します。
 何も設計者だけが、図面を見て仕事をしているわけではありません。一つの製品を開発する一般的な大きな流れを下図に示します。
 設計者にとって、図面を作るためには、まず頭の中のアイデアを具現化するために図解力が必要です。
 様々なアイデアをレイアウトに落とし込み、形状を工夫して描いた計画図(組立図)を描くためにも図解力が必要です。
 設計意図通りの部品を製作する図面を作成するために製図力が必要です。 
 また、設計者以外の関連する部門の技術者は、設計者が描いた図面を理解する図解力が必要なのです。
 このように、製品開発の流れの中で、設計者の描いた図面を中心にモノづくりが行われ、次世代の製品開発へつながっていくのです。
 設計の思考力を向上させるためには、次の2つの力が必要不可欠です。
 つまり、図解力と製図力は機械設計の基本であるといえます。「基本とは、物事が成り立つためのよりどころとなるおおもと」と定義されます。
 そう、図解力と製図力の基礎をしっかりと学習すれば、自ずと設計するためのよりどころとなり、技術者としての思考力も向上するのです。

2008年2月                                               
        山田 学

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