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ディープWebを浮上させろ!

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-05999-5
コード C3034
発行月 2008年01月
ジャンル ビジネス コンピュータ・情報

内容

商品や情報を載せた各種のWebは、検索で出てこなければ、ユーザにとって存在しないも同じであり、そんなインターネットの海に沈んでいるWebは無数にある。本書はこのディープWebを浮上させ、いかに見える形にするかがWebビジネス成功の鍵と解く。

木村幹夫  著者プロフィール

木村 幹夫(きむら みきお)

㈱トーラス代表取締役。1966年福岡県生まれ、慶応大学卒。都市銀行のIT部門でWeb系システムの企画・構築。2003年にトーラス社を設立してWebのコンサルティング、開発。
「サイト静的化のカリスマ」の異名を取る。2006年にサイトの自動静的化ロボット「見える化くん」を開発(国際特許出願中)して、第六回MITビジネスプラン・コンテスト・イン・ジャパンでファイナリスト入賞。共著に『会議のマネジメント―成果に結びつく実践会議術』社会経済生産性本部、2007年。

目次

第1章 短期間でアクセス数を10倍にした実在サイト!
いったいどんな方法を使ったのか?
月間ページ・ビューを9万から100万アクセスに成長させたサイトがある!
アクセスが激増すれば、大きな3つのメリットが得られる!
アクセス10倍増の秘密はディープWeb浮上にあり!?

第2章 アマゾン成功の真の秘密は
ディープWeb浮上にあった!
自分の会社のサイトパフォーマンスを採点できるツールがある!
毎日のサイト来訪者はアマゾン・ジャパン26万人、紀伊国屋1.2万人、八重洲ブックセンターはなんと120人?
ネット検索をするとほとんど必ずアマゾンの本が出てきてしまうのはなぜだろう?
アマゾンが大成功したのはディープWebを浮上させたから!?
インデックス率1.0を目指して、水面下に沈むディープWebを浮上させよう

第3章 検索エンジンで、表示されないWebはこの世に存在しないも同じこと!?
インターネット検索で見えないサイトは膨大にあるが、その存在は誰にも気づかれることはない-それがディープWeb
ディープWebを浮上させなければ、インターネットの世界では永遠に日の目を見ることはない!
ディープWebを浮上させるため、まずは検索エンジンの仕組みを軽くおさらいしよう
収蔵する情報が多くなると、どうしてもデータベース型サイトにならざるを得ない。これがディープWebになってしまうのだ

第4章 ディープWebを浮上させれば情報発信量は500倍になる
世界に無数に存在するディープWebを数え上げた男たち
Webの氷山:水面上:深度を考える
ディープWebとはデータベース型サイトのこと。世界中に60万サイト超、日本でも15万サイトを越えた!?
世界中にこれだけあるディープWeb、でもこのままでは検索エンジンに補足されないのだ
検索エンジンは、すべての情報を収蔵したい!だからディープWebの浮上を待っているのだ
検索クローラーは動的ページを読みたがらない! その理由は3つある
検索エンジンに捕捉されるためには、あなたのサイトを「グーグラブル」にする必要がある

第5章 ディープWeb浮上がまき起こす、検索革命とは?
ディープWebのままだと、7回以上もクリックしないと欲しい情報が出てこない
ディープWebが浮上すると、必要な情報への到達クリック数がわずか“2”になる
そして、ディープWebの浮上から、真のロングテールが始まる
ディープWebが本格的に浮上してくれば、“小規模サイトが勝者”は幻想となる?
ディープWebを浮上させて、アクセス数が5割増えれば利益は2倍になる

第6章 ディープWebを浮上させればネット・ビジネスは劇的に変る!
Web2.0とはディープWebの浮上のことだった
ディープWebを浮上させてアクセス・マーケット・シェアを上昇させる
EC化率が30%を超えると、ディープWebを浮上させることが当然となる
ディープWeb浮上による経済効果は軽く50兆円を超え、さらにその後伸びていく
携帯電話にも押し寄せるディープWebの大波

第7章 いよいよはじまったディープWeb浮上競争にどうやって勝ち残っていくか
一部のIT専門家、ネット・マーケターは前から知っていた、ディープWeb浮上の利点と実施方法
ディープWeはこうすれば浮上させられる
各手法のメリットとデメリットを5つの観点から比較してみよう

■参考資料
検索連動広告は3つの機能で大幅に売上を伸ばしてきているが、その影も問題になってきている-その1
検索連動広告は3つの機能で大幅に売上を伸ばしてきているが、その影も問題になってきている-その2
SEOが変わる! そして検索リストの上位争いとリスティング広告単価の際限なき上昇が終焉する-その1
SEOが変わる! そして検索リストの上位争いとリスティング広告単価の際限なき上昇が終焉する-その2
グーグルが世に出たビジネスプラン・コンテストとは

はじめに

 検索エンジンのテクノロジーはネットビジネスの世界を大きく塗り替えた。今や書籍や化粧品のような小物から、自動車や不動産のような高額商品まで、ネットで検索し購入することができようになった。我々は欲しいものがあるとき、知りたいことがあるとき、まず検索エンジンで調べようとする。検索エンジンは便利なツールだ。しかしあまりにも便利なため、我々はつい「検索エンジンを利用すれば、欲しい知識は何でも手に入る」と思ってしまう。しかし実は「検索エンジンがカバーしている情報は、ネット世界全体にある情報のほんの一部でしかない」のであり、このことはあまり認識されていない。

 言い方を変えれば、検索エンジンを使ってアクセスできる世界というのは、海面上に出ている氷山の一角に過ぎず、水面下には膨大な「見えない深層部分」があるのだ。だがネットユーザにとっては「検索できない」ものは「存在しない」ことと同義である。その事に気づくにせよ、気づかないにせよ、我々は「知の地平線」の内側でしか活動できない。
つまり、ネットワークの社会は、まだそのポテンシャルを生かし切っているとは言い難いのである。

 インターネットが普及し始めたのが1995年、ビジネスとしての活用が本格化し始めたのが、楽天が上場を果たした2000年とみられる。この時期にネット接続料の定額化が進んだこともあり、ユーザ層が一挙に厚くなった。そして「Web2.0」という言葉が生まれたのが2005年である。この十余年でネットのユーザ数もビジネスの規模も爆発的に増えてきている。ミクロのレベルで個別企業のネット・ビジネスの実態をウォッチすると、競争はますます熾烈となり、顧客の奪い合いが激しくなっている。

 そして、そのネット・ビジネスを成功に導くキーファクターは二つと言われている。サイトへの集客とコンバージョン率だ。この両方が揃ってはじめて、ネット・ビジネスの売上は増加に転じる。このうちネット・ビジネスの強みは集客性の良さにある(と言われてきた)。だが実際には放っておいても顧客が来るわけではなく、様々なテコ入れが必要となる。そしてそのためのコストは企業にとって頭痛のタネだ。それを証明するかのように、ネット広告のマーケットは日本だけでも既に一千億円にまで急成長しており、検索ビジネスのグローバルリーダーであるGoogleの時価総額にいたっては23兆円と言われている(執筆時現在)。ご存知の通りGoogleの収益源のほとんどは広告フィーである。

 だが、このようなネット広告ブームの中で成されてきたことと言えば、Webサイトの「トップページ」(あるいはその周辺)への集客であった。SEO(検索エンジン最適化)もまた然りであって、主眼はトップページのランキングアップに置かれている。しかし、これらはいわば玄関口までの集客にすぎず、現状では、せっかく高いコストで顧客を連れてきても、その大半は玄関口で帰ってしまっている。

 つまるところ、ネット企業は依然としてブランドイメージ向上に投資しているような状況であり、「ロングテール」のメリットを十分に発揮しているとは言い難い。Web2.0というコンセプトが声高に叫ばれるがイメージ先行の面が強く、多くの企業は実際のところWeb1.0の世界でもがいている。
 本書はこのWeb1.0とWeb2.0の間に起きる「ねじれ」現象に着目し、それがなぜ起きるのか、解決するにはどのような手段があるのかについて分かりやすく解説を行っている。

 その為に本書では、これまで日本では焦点が当てられることがほとんど無かった「ディープWeb」という概念を積極的に採用した。また北米における最新の調査結果を紹介しつつ、「ディープWeb」がインターネット世界で最重要概念として取り上げられて来ている状況を報告している。加えて、ディープWebへの対策が行われた場合の、ネット・ビジネス全体への影響についても考察を行った。流行語のように使われてきた「Web2.0」や「ロングテール」などについても私なりの見方を示したつもりである。読者は「ディープWebが浮上するまではWeb2.0もロングテールも本格的には始まらない」という私の分析への判断が迫られる。

 本書はWebを使ったビジネスに取り組まれている方々のために書かれている。ただし、ITなどの専門部門の方だけでなく、マーケティングや経営幹部の方にも読んでいただけることを願って書いた。そこで専門用語は脚注で解説してある。ただし、7章は技術的な内容としたので、ここでの用語解説はあえてしていない。

 本書を執筆するにあたり、日刊工業新聞社の藤井浩氏には種々のご助言を戴いた。心から御礼申し上げたい。

2008年1月
木村 幹夫

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