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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい発光ダイオードの本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-05990-2
コード C3034
発行月 2008年01月
ジャンル ビジネス 電気・電子

内容

照明、信号、ディスプレイなど、応用範囲の幅が広がっている発光ダイオード。青色、白色などの素子そのものはもちろん、自動車産業や電気産業を中心にした応用面でも注目度が高い。本書は、その話題の素子について、電気的な基礎から仕組みの面白さまでを解説する。

谷腰欣司  著者プロフィール

谷腰欣司(たにこし きんじ)
1944年 長野県に生まれる
現在 科学評論家
技術コンサルタント
(株)開発技術研究所 技術顧問

●主な著書
『トコトンやさしい電気回路の本』(日刊工業新聞社)
『トコトンやさしい超音波の本』(日刊工業新聞社)
『電気とからだ』(日刊工業新聞社)
『トコトンやさしい水の本』(日刊工業新聞社)
『トコトンやさしいモータの本』(日刊工業新聞社)
『トコトンやさしい電波の本』(日刊工業新聞社)
『トコトンやさしい光の本』(日刊工業新聞社)
『トコトンやさしいミネラルの本』(日刊工業新聞社)
『トコトンやさしい電気の本』(日刊工業新聞社)
『超音波とその使い方』(日刊工業新聞社)
『磁石とその使い方』(日刊工業新聞社)
『ビギナーのための電子回路集』(日刊工業新聞社)
『ビギナーのための小型モータ回路集』(日刊工業新聞社)
『ビギナーのためのセンサ回路集』(日刊工業新聞社)
『光センサとその使い方』(日刊工業新聞社)
『小型モータとその使い方』(日刊工業新聞社)
『DCモータ活用の実践ノウハウ』(CQ出版社)
『レーザー技術入門講座』(電波新聞社)
『小型モータのしくみ』(電波新聞社)
『図解レーザーのはなし』(電波新聞社)
『図解電波のしくみ』(日本実業出版社)
『図解モータのしくみ』(日本実業出版社)
『図解ミネラルのはなし』(日本実業出版社)
その他多数

◎技術指導(有料)、技術講演のお問い合わせはFAXでお願いします。
FAX 0285(24)3902(谷腰コンサルタント事務所)

目次

第1章 光とは何か
1 光とは何だろう「光の物理的性質は波動であり、粒子である」
2 明かりの歴史「炎から発光ダイオードまでの明かりの変遷」
3 色度図と発光色の関係「光の色の違いが定量的にわかる」
4 光の三原色とは「光の三原色で白色光ができる」
5 光はなぜ明るく感じるのか「電磁波が人間の視細胞を刺激する」
6 視感度曲線とは「人間の目は緑色に対して最も感度が高い」
7 太陽エネルギーとスペクトル分布「厖大な太陽エネルギーによって人類は生かされている」
8 白色光は七色の光で作られる「太陽光には七色の光が混合されている」
9 赤外線と紫外線の違い「目では見えない赤外線、紫外線」
10 光を光のまま蓄えることができるか「光を光のまま蓄えるフォトニック・フラクタル」

第2章 光をもっと理解する
11 レーザー光と自然光の違い「レーザー光は拡散せず鋭い指向性をもつ」
12 放電による発光のしくみ「放電で紫外線を発生、これを蛍光体で可視光に」
13 可干渉性(コヒーレント)とは何か「レーザ発光ダイオードはコヒーレントな光を出す」
14 フォトダイオードのしくみ「光を電気に変えるダイオード」
15 レーザ発光ダイオードの特性「電気の等価回路からレーザダイオードを理解する」
16 レーザ光は指向性が強い「レーザビームは一点に集中する」
17 発光ダイオードといろいろな光源の比較「いろいろな光源の特性を比べてみると」
18 HIDランプとは「高輝度放電ランプとは」
19 レーザ光の安全基準「安全基準はIECで決められている」
20 カンデラ、ルックス、ルーメンどこが違う「明るさは光度、照度、光束などで表される」

第3章 発光ダイオードとは
21 そもそもダイオードとは何か「ダイオードとは、どのような物を言うのか」
22 発光ダイオードは誰が発明したか「多くの科学者に支えられた発光ダイオードの歴史」
23 発光ダイオードのしくみ「電子とホールが再結合するとき放射する自然発光」
24 発光するダイオードと発光しないダイオード「半導体のバンド構造のしくみ」
25 発光ダイオードの特徴「発光ダイオードは高速点灯、小型軽量、丈夫で長持ち」
26 白熱電球と発光ダイオードを比べると「白熱電球と発光ダイオードどちらが優れている」
27 ハロゲンランプと発光ダイオードの違い「ハロゲンランプと発光ダイオードを比較すると」
28 生物も発光する「光る生物ルシフェリン」

第4章 発光ダイオードをもっと理解する
29 レーザ発光ダイオードの原理「数十万時間以上の長寿命のしくみ」
30 白色光ダイオードのしくみ「白色光ダイオードには蛍光体方式とRGB方式がある」
31 発光ダイオードの指向特性とは「発光ダイオードには光の方向性がある」
32 発光ダイオードの明るさを自由に変える「発光ダイオードの明るさを変える方法」
33 発光ダイオードで、大照度の照明は可能か「発光ダイオードで広範囲、大照度の照明を実現する」
34 EL(エレクトロルミネッセンス)と発光ダイオード「ええエレクトロルミネッセンスと発光ダイオードの違い」
35 カラーディスプレイは何が一番良いか「プラズマ、液晶、発光ダイオード、有機ELどれが一番優れているか」
36 青色発光ダイオードを使うと「記録容量が倍増する青色発光ダイオード」
37 半導体発光と金属発光の違い「ダイオードの発光とフィラメントの発光」

第5章 暮らしの中の発光ダイオード
38 レーザ発光ダイオードによる光通信「高速・多チャンネル化時代を担う」
39 発光ダイオードで照明と光通信のコラボレーション「可視光ダイオードを照明と光通信に兼用する」
40 CDのピックアップとレーザ発光ダイオード「非接触で音質の劣化がない」
41 発光ダイオードを使った液晶のバックライト「液晶のバックライトに白色光ダイオードアレーを使う」
42 バーコードリーダとは「バーコードリーダに発光ダイオードが活躍」
43 レーザプリンタとは「レーザビームで高品質のプリンタができる」
44 リモコンに赤外線ダイオード「リモコンの通信手段に赤外線が使われている」
45 フォトカプラには発光ダイオード「赤外線ダイオードは信号の伝送に使われている」
46 エンコーダに発光ダイオード「回転角の検出に発光ダイオードが活躍する」
47 赤外線発光ダイオードの光で暗闇も明るく見える「赤外線カメラを使えば暗闇も明るく見える」
48 フォトインタラプタで通過物体を監視する「フォトインタラプタで通過物体や距離を測る」
49 発光ダイオードで透明物体を検出する「透明物体を検出するセンサ」
50 発光ダイオードで植物を栽培する「発光ダイオードが農業を支える」

第6章 作って学ぶ発光ダイオード
51 発光ダイオードの基本回路「発光ダイオードを光らせる」
52 発光ダイオードのいろいろな接続法「発光ダイオードの直列接続と並列接続どちらが得か」
53 赤緑青の発光ダイオードで純白色を作る「LEDで白色光を作るならRGB方式が理想である」
54 AC100Vで発光ダイオードを点灯する「ハイパワーLEDで明るい照明灯を作る」
55 乾電池1個で発光ダイオードを点灯「発光ダイオードと光センサを使った自動照明装置」
56 暗くなると点灯するLED照明装置「発光ダイオードと光センサを使った自動照明装置」
57 簡単な防犯装置を作ろう「ドアが開くと発光ダイオードが点灯する」
58 発光ダイオードを点滅させる「発光ダイオードは高速で点滅できる」
59 磁石のN、S極を発光ダイオードで表示する「磁極の判別に発光ダイオードを使う」
60 発光ダイオードを使って簡単な光リモコンを作る「フォトICと発光ダイオードを使った光リモコン」
61 2個の発光ダイオードを交互に点灯する「街路灯、夜間工事などで点滅灯にに応用」

第7章 発光ダイオードと光の雑学
62 原子と量子力学「光の微視的物理系は量子力学で説明できる」
63 波長が短いほど光のエネルギーは大きい「波動数が高いほど光のエネルギーが大きい」
64 大出力の紫外線発光ダイオードができれば水銀灯は無くなる?「紫外線発光ダイオードと水銀灯どちらが得か」
65 レーザビームを目に照射してはいけない「レーザビームは眼球を突き抜ける」
66 青色発光ダイオードで網膜はく離の治療「発光ダイオードの光は眼球内の治療にも使われる」
67 フロンガスがオゾン層を破壊する「紫外線発光ダイオードは化学的、生物学的作用がある」
68 高触媒で汚れと悪臭を取り除く「紫外線発光ダイオードで汚れと悪臭を取り除く」

【コラム】
光源にはそれ特有の色温度がある
私たちはすばらしいセンサを持っている
レーザ発光ダイオードの歴史
人間も光を出している?
発光ダイオードの光は文明の光
放射線も光(電磁波)の仲間である

参考文献
付録 光に関する単位と用語

はじめに

 大空に輝く太陽は遠い昔から私たちとともにあり、四季の移り変わりや自然の美しさを教えてくれています。また、その光は老若男女、貧富の差もなく、いつもやさしく照らしてくれています。また、その一方では人類が発明した白熱電球や放電を利用した蛍光灯などの照明が、私たちの生活に潤いを与えています。
 たとえばイベント会場の照明や、オフィス、工場そのほか一般家庭の照明として、電灯が幅広く使われています。また、その側面では、赤、緑、青の三色揃った発光ダイオードの出現により、都会の夜を彩るいろいろなディスプレイの様子が一変しました。特に白色ダイオードの発明により、小型の照明灯、街路灯、防犯灯の光源が次々と発光ダイオードに置き換わり、さらにカラフルな野外テレビも登場してきました。このように三色揃った発光ダイオードは、まさに21世紀の光明ともいえます。
 さて、人類に新しい光をもたらしたのは発光ダイオードですが、それでは改めて“発光ダイオードとは何か」とたずねても、明快な答えが返ってくることは意外と少ないものです。たとえば、ある人は光を発する特殊なダイオードだと言い、ある人は電子とホールの再結合による発光体だと言います。また、ある人は励起された原子が基底状態に落ちつくときに放出する電磁波などと難しいことを言います。これらは、いずれも正しく、いずれも十分な答えとは言えません。
 ところで初心者が発光ダイオードを学ぶ場合、それなりの難しさがあります。しかし、一見むずかしく見える発光ダイオードも、いくつかの基礎知識を身につけてしまえば、後はその応用で、だいたいわかるものです。つまり、基本がわかれば、後はそれほど難しいものではないということです。そこで、発光ダイオードに関する、わかりやすい本をまとめてみることにしました。題して「トコTンやさしい発光ダイオードの本」です。
 なお、発光ダイオードの世界は広く複雑です。このため、本書で、そのすべてを紹介することはできません。そこで、本書では比較的身近な製品への応用や、発光のしくみについて的を絞り、図や写真を交えてやさしく解説しました。また、これまで発光ダイオードのことを勉強しようと思っても、初心者にはそれなりの難しさはありましたので、そのような状況を踏まえ、本書では数式はできるだけ避け、専門用語には解説を加え、一般の方々に何とか発光ダイオードの面白さを理解していただけるよう、筆者流の説明を展開しました。このため、やや厳密さを欠く部分もありますが総じて、発光ダイオードがわかるよう配慮されています。これを機会にできるだけ多くの方々に、発光ダイオードの素晴しさ、おもしろさについて興味をもっていただければ幸いです。なお、本書の執筆に際し、多くの文献および技術資料を利用させていただいたことを、ここに厚く御礼申し上げます。また、本書の出版に際し、何かとご配慮いただいた日刊工業新聞社出版局の方々、ならびに関係各位に心から感謝します。

2008年1月
谷腰 欣司

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