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目で見てわかる手仕上げ作業

定価(税込)  1,728円

著者
サイズ A5判
ページ数 128頁
ISBNコード 978-4-526-05989-6
コード C3053
発行月 2008年01月
ジャンル 機械

内容

機械加工の現場では、多くの場合、最終段階として手作業による「仕上げ作業」が行われる。この「手仕上げ作業」こそが、加工品の優劣を決めるポイントとなることも少なくない。本書では、やすり、ラップ、磨きなどの手仕上げ作業の要点を写真を多用し、解説する。

平田宏一  著者プロフィール

1967年 東京生まれ
1992年 埼玉大学大学院理工学研究科機械工学専攻修了
1992年 運輸省 船舶技術研究所 機関動力部 研究官
1998年 埼玉大学大学院理工学研究科より博士(工学)取得
現  在 (独)海上技術安全研究所 次世代動力システムセンター センター長
 学生時代から模型スターリングエンジンなどの実験装置の製作をはじめる。現在、同研究所において、スターリングエンジンやディーゼルエンジンの研究・開発に従事。主に機械設計と熱機関を専門分野とし、様々な実験装置の設計・試作を行っている。

主な著書
「模型スターリングエンジン」(共著)、山海堂、1997年
「スターリングエンジンの理論と設計」(共著)、山海堂、1999年
「はじめて学ぶ熱力学」(共著)、オーム社、 2002年
「マイコン搭載ロボット製作入門 ―AVRで魚型ロボットのメカを動かす―」CQ出版、2005年
「絵とき 機械加工 基礎のきそ」日刊工業新聞社、2006年
「絵とき 機械設計 基礎のきそ」日刊工業新聞社、2006年
「絵とき 機械用語事典【作業編】」(共著)、日刊工業新聞社、2007年
「絵とき 機械用語事典【設計編】」(共著)、日刊工業新聞社、2007年

ホームページ
http://www.nmri.go.jp/energy/khirata/index_j.html

目次

 目で見てわかる「手仕上げ作業」目次

はじめに

第1章 手仕上げ作業とは
1-1 機械加工と手仕上げ作業
1-2 さまざまな手仕上げ作業

第2章 やすり作業
2-1 やすりの種類
2-2 やすり作業の基本操作
2-3 やすりによるばり取り
2-4 やすりによる部品仕上げ
2-5 特別なやすり

第3章 けがき作業
3-1 けがき作業とは
3-2 ブロックを使ったけがき作業
3-3 けがき作業とポンチ
3-4 けがき用コンパス
3-5 けがき作業と基準面

第4章 磨き作業
4-1 紙やすり/布やすり
4-2 ベルト研磨機
4-3 ディスクグラインダ
4-4 バフ仕上げ
4-5 卓上グラインダによる切削工具の研磨
4-6 リュータ
4-7 油砥石
4-8 きさげ作業

第5章 ねじ切り作業
5-1 ねじ切り作業
5-2 タップによるめねじの加工
5-3 ダイスによるおねじの加工
5-4 特殊なねじ切り

第6章 のこ引き作業
6-1 弓のこ
6-2 弓のこによる材料の切断
6-3 のこ引き作業のための電動工具

第7章 ボール盤と穴あけ作業
7-1 卓上ボール盤
7-2 ドリル
7-3 さまざまなボール盤
7-4 電動ハンドドリル
7-5 リーマ加工
7-6 ポンチ穴

第8章 機械の分解・組立
8-1 ねじの締め付け
8-2 ねじを緩める
8-3 部品の圧入
8-4 シール装置の取り扱い

第9章 その他の手作業
9-1 板金作業
9-2 配管作業
9-3 はんだ付け
9-4 圧着端子

ひとくちコラム
その他のばり取り工具
目づまりしたやすりの掃除
ディスクグラインダの活用

索引
参考文献

はじめに

 手仕上げ作業とは、機械加工で製作された部品や材料を加工者の「手」によって何らかの加工を行い、最終的な形状・寸法に仕上げていく作業のことです。主な手仕上げ作業には、やすり作業や磨き作業、ねじ切り作業などがあります。また、材料の表面に線を引くけがき作業は加工の準備作業といえますが、手仕上げ作業の1つとして取り扱われます。これらの手仕上げ作業は、特に単品の試作品や製品をつくるときにとても重要になる技術・技能です。
 これらの作業は、手先の器用さや幅広い知識ばかりでなく、経験に基づくものづくりのセンスが必要となるため、簡単に身につけられるわけではありません。まずは、手仕上げ作業の目的、すなわち「なぜその作業が必要なのか」を理解することが重要かと思われます。
 筆者は多くの学生と接する機会があります。そのほとんどは機械系大学の学生ですが、彼らのものづくりや手作業の経験の少なさに驚かされることがあります。これは学生がものづくりに興味を持っていないためではなく、周囲でものづくりをしている様子を見たり、ものづくりに触れる機会が少ないことが原因かと思います。ものづくりは見よう見まねから始まります。そのようなことから、本書では作業の様子を表した多くの写真を掲載しています。
 一昔前までのものづくりの現場では、旋盤やフライス盤で機械加工を行う機械工と、手仕上げ作業や機械を精密に組み立てる作業を行う仕上げ工に分かれていました。仕上げ工は、手先の感覚だけで、1/100mmあるいは1/1000mmもの高い精度で部品を仕上げていました。まさに「匠」という言葉がふさわしい専門職です。それに対して、ものづくり初心者を対象とした本書の手仕上げ作業にもの足りなさを感じるかもしれません。本書はものづくりの初心者を対象としています。そして、「加工者の手先で行う作業」をできるだけ広く考え、内容があまり専門的にならないように配慮して、それぞれの項目を考えました。すなわち、本書で扱う手仕上げ作業は、機械加工を行う加工者を含めて、ものづくりに携わるすべての機械技術者の共通認識になると考えています。

 この紙面をお借りして、執筆の機会を与えていただき、終始ご支援をいただいた日刊工業新聞社の奥村功氏並びに新日本編集企画の飯嶋光雄氏に厚くお礼申し上げます。また、本書の内容に貴重なご助言をいただき、写真撮影にもご協力をいただいた当研究所非常勤職員の川田正國氏並びに塩見建和氏、当研究所主任研究員の岸武行氏、株式会社eスターの坂口諭氏に厚くお礼申し上げます。

2008年1月月
平田 宏一

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