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目で見てわかる機械現場のべからず集
―旋盤作業編―

定価(税込)  1,728円

著者
サイズ A5判
ページ数 112頁
ISBNコード 978-4-526-05986-5
コード C3053
発行月 2007年12月
ジャンル 機械

内容

機械現場で行われている何気ない行動、作業が大きなトラブルに発展することがある。本書は、機械現場(旋盤作業)において「やってはいけないこと」を取り上げ、どこにトラブルの要因があり、どのようにすれば防げるか、そのポイントを写真を多用して解説する。

澤 武一  著者プロフィール

澤 武一(さわ たけかず)
博士(工学)、1級技能士(機械加工職種、機械保全職種)
職業訓練指導員(機械科、メカトロニクス科ほか)
1977年3月 滋賀県生まれ
2005年4月 職業能力開発総合大学校 精密機械システム工学科 助手
2005年6月 富士フイルムグループ フジノン佐野株式会社6ヶ月実務研修
カメラ鏡筒部品の切削加工、レンズ金型の超精密加工を学ぶ
2005年〜 中央職業能力開発協会技能検定委員[仕上げ職種]
2006年〜 若年者ものづくり競技大会「フライス盤」競技委員
2007年〜 技能グランプリ「フライス盤」競技委員
2008年4月 同校 助教
2010年4月 東京電機大学工学部機械工学科准教授


精密工学会会員   超砥粒ホイールの研削性能に関する研究専門委員
砥粒加工学会会員  学会誌編集委員副幹事
          次世代ものづくり技術研究会運営委員

専門分野
砥粒加工、切削加工、超精密加工

著 書
「絵とき 旋盤加工 基礎のきそ」(日刊工業新聞社)
「絵とき フライス加工 基礎のきそ」(日刊工業新聞社)
「目で見てわかる旋盤作業」(日刊工業新聞社)
「目で見てわかる機械現場のべからず集(フライス盤作業編)」
(日刊工業新聞社)

目次

はじめに

第1章 安全作業のためのべからず
1 だらしない服装で旋盤作業を行うべからず
2 作業服の袖ボタンを空けるべからず
3 作業服の腕まくりはいい加減にするべからず
4 冬服はファスナーを開けるべからず
5 タオルは首から掛けるべからず
6 ハンドタオルはポケットから出すべからず
7 ポケットに手を入れるべからず
8 スリッパ、スニーカーで実習場(作業場)に入るベからす

第2章 旋盤を安全に使うためのべからず
1 ブレーカー(旋盤本体電源)の操作は左手で行うべからず
2 軍手など手袋を使用するべからず
3 チャックハンドルをチャックに取り付けたまま作業するべからず
4 切りくずは素手で触るべからず
5 安全靴の靴底に刺さった切りくずは素手で取るべからず
6 機上で測定を行う時には、主軸高速・低速ギア変換レバーを入れたままにするべからず
7 主軸台の上に物を置くべからず
8 トースカンは針先を上にするべからず
9 心押台を勢いよく移動するべからず
10 バイトを取り付けたまま刃物台旋回固定ねじの締め付け、緩め作業を行うべからず
11 主電源ONの状態で工作物の取り付け、取り外し作業を行うべからず
12 チャッキング(工作物の取り付け)をいい加減に行うべからず
13 主軸を回転させたまま、バイトを取り付け、取り外しを行うべからず
14 バイトを取り付けたまま、工作物の取り付け、取り外しを行うべからず
15 加工中に「ながら作業」を行うべからず
16 工作物に絡んだ切りくずを素手で触るべからず
17 加工中は工作物やバイトに手を出すべからず
18 回転中の工作物をウエスで拭くべからず
19 フットブレーキのみで主軸を停止するべからず
20 保護メガネを掛けずにエアガンを使用するべからず
21 通常のメガネで安心するべからず
22 むやみに目を擦るべからず

第3章 旋盤を正しく使うためのべからず
1 心押軸を出しすぎるべからず
2 チャックハンドルをベッド滑り面に引っ掛けるべからず
3 チャックハンドルをハンマーで叩くべからず
4 未加工面をショックレスハンマーで叩くべからず
5 仕上げ面を片手ハンマー(鉄ハンマー)で叩くべからず
6 刃物台縦方向送り台の「きさげ面」を見せるべからず
7 チップ(バイト)が工作物に接触した状態で主軸を回転、停止するべからず
8 主軸回転中は主軸台の変換レバーを操作するべからず
9 加工中はハンドルのレバーを握るべからず
10 汚れたセンタやドリルを心押軸に取り付けるべからず
11 油の種類を確認せずに給油・注油をするべからず

第4章 測定器を正しく使うためのべからず
1 ダイヤルゲージはスピンドルを上、横に向けるべからず
2 測定器を切削工具や作業工具などと一緒に置くべからず
3 未加工面(黒皮)をダイヤルゲージで「心出し」するべからず
4 ダイヤルゲージに衝撃を与えるべからず
5 25mmのマイクロメータは、収納時にアンビルとスピンドルを接触させるべからず
6 マイクロメータのフレームを握るべからず
7 マイクロメータはシンブルを持ってクルクル回すべからず
8 測定器の目盛りは斜めから読むべからず
9 ノギスで外径を測定する時は、ジョウの先端部で測定するべからず
10 マイクロメータはシンブルの回転のみで測定を行うべからず
11 ノギスのディプスバーを使用するときは、ディプスバーの方向を間違えるべからず

第5章 掃除をきちんと行うためのべからず
1 電源を入れたまま掃除するべからず
2 主軸回転中に段取り、清掃作業を行うべからず
3 掃除にエアガンを使用するべからず
4 作業終了後、往復台をベッドの中央に置くべからず

ひとくちメモ
刃物台縦方向送り台と心押台の衝突に注意!!
加工中は、ハンドル全体を手で覆うように握ります
工作物の段差(隅)がR形状になる理由

あとがき
索引

はじめに

現在、高度熟練技能者の高齢化と若年者のものづくり離れに伴い、日本の「ものづくり」が弱体化の危機を迎えています。一部の大手企業では、ものづくり教室や道場を設置し、若年者の技能教育に力を注いでいますが、多くの企業では、人材育成には多大な時間と費用が掛かることから、十分な技能教育、技能伝承は行われていません。また、ものづくり教育の最も基礎である工業高校や高等専門学校でも、バブル期に生じた技能軽視の風潮にも影響され、技能教育に費やす時間が少なくなっています。このような中、限られた時間と費用で、如何に効果的にものづくり教育を行うかが課題であると考えます。

従来の一般的な技能教育は、指導者の経験や知識に基づき、その技能を学生に教えるという方法でしたが、より有意義な技能教育を行うためには、学生自身が技能向上に必要な「勘どころ」に気づき、自ら改善することが必要だと考えます。すなわち、「教える教育」と「気づきによる教育」です。そして、学生に「気づき」を促すためには、単純に「目で見てわからせること」が大切です。その方法として、言葉や文字に加え、写真や映像を活用することが重要であり、さらに、指導者が「勘どころ」となる点を的確に伝えることが肝要だと思います。

このような見地のもと、本書は、「目で見てわかる機械現場のべからず集 旋盤作業編」と題して、旋盤作業でよく見られる「べからず(やってはいけないこと)」を写真にまとめました。そして、各ページには、「なぜ、べからずなのか(なぜ、やってはいけないか)」を説明しています。

「人のふり見て我がふり直せ」という名言があります。この言葉は、「他人の性行(せいこう)の善悪を見て、自分の性行を改めよ」という意味です。これから旋盤作業を始める方には、本書を見て、やってはいけないことを学んで頂き、すでに旋盤作業を行っている方には、日頃自身が行っている作業と見比べ、改善すべき点、改める点に気づいてほしいと思います。いずれにしても、安全に正しく旋盤作業を行い、旋盤加工の技能向上に頑張ってほしいと思います。

澤 武一

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