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CMMI モデルではじめる
プロセス改善実践ガイド

定価(税込)  2,700円

著者
著者
サイズ A5判
ページ数 256頁
ISBNコード 978-4-526-05939-1
コード C3034
発行月 2007年09月
ジャンル コンピュータ・情報

内容

CMMIモデルを利用することで、組織やプロジェクトが抱えるソフトウェア開発上の諸問題点を効率的に解決できる。本書は、具体例をまじえながら実際のプロセス改善活動の進め方、ノウハウをわかりやすく解説する。

臼井孝雄  著者プロフィール

臼井 孝雄(うすい たかお)
日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社 エンベデッドシステム事業部チーフコンサルタント
SEI認定CMMI入門コースインストラクタ/SCAMPIリードアプレイザ
病院システム、携帯電話システム、電子マネーシステムなどのアプリケーション開発のほか、機械翻訳システムパッケージ開発を経験。現在、組込みソフト開発企業に対して、CMMIによるプロセス改善コンサルテーション、CMMI成熟度レベルアプレイザル(評定)を多数実施。

橋本隆成  著者プロフィール

橋本 隆成(はしもと たかなり)
Hashimoto Software Consulting
SEIパートナー/SEI認定CMMI入門コースインストラクタ
先進開発方法論および開発環境を駆使したソフトウェア開発のコンサルテーションを展開している。書籍、雑誌記事の執筆、講演多数。
主な著書:「図解 はじめてのCMMIとプロセス改善」「図解 ソフトウェア・ジャストインタイム」(以上、日刊工業新聞社)、「組込みソフトウェア開発 基礎講座」「決定版 プロジェクト管理成功するソフトウェア開発の最新スタイル」(以上、翔泳社)、他。
Hashimoto@hsc-i.com

目次

はじめに

第1章 CMMIを用いたプロセス改善活動
1.CMMIによるプロセス改善とは何か?
(1)CMMIによる改善活動の概要を理解しよう
(2)CMMIの改善活動は従来の品質管理活動と何が異なるのか
(3)CMMIの改善活動の狙い
(4)CMMIによる改善活動の本質とは?
(5)CMMIによるプロセス改善の考え方と活動の進め方
2.成功するプロセス改善の実践方法
(1)プロセス改善業務は組織改革である
(2)従来型の改善活動の限界
(3)改善活動間の衝突の回避
3.改善活動を成功させるために
(1)改善活動に対して給与評価体系を再考する
(2)尊敬を集める有能な現場リーダーを巻き込む
(3)組織の長が自ら改善活動のリーダーであることを示す
(4)情報を常に組織で共有し、改善活動は社員の活動であることを実感させる
(5)人材教育に投資する
4.CMMIの誤解
(1)CMMI改善活動への誤解の払拭

第2章 プロセス改善活動計画と活動
1.プロセス改善活動計画
(1)プロセス改善活動計画とは何か
(2)改善活動計画の内容
(3)改善活動は組織横断的な活動
2.改善活動のライフサイクル
(1)改善活動のプロセスモデル
(2)改善活動は“反復型”のライフサイクル
(3)CMMIの改善活動のストーリー
(4)【開始】フェーズ
(5)【診断】フェーズ
(6)【確立】フェーズ
(7)【行動】フェーズ
(8)【学習】フェーズ
3.プロセス改善活動計画書の書き方
(1)「プロセス改善活動計画書」の構成

第3章 ソフトウェア開発上の問題点
1 プロジェクト管理における問題点と対応
1.1 進捗管理
1.2 プロジェクト計画
1.3 外注管理
1.4 リスク管理
2 設計・製造・テストにおける問題点と対応
2.1 要件の定義
2.2 要件の変更
2.3 複数の選択肢
2.4 統合テスト
2.5 検 証
2.6 妥当性確認
3 開発支援インフラにおける問題点と対応
3.1 ソースコードのベースライン
3.2 プロセスQA
3.3 測定目的
3.4 意思決定
4 組織的なプロセス管理における問題点と対応
4.1 プロセス資産
4.2 トレーニング

第4章 プロセス改善を段階的に進めるために
1 プロセス改善活動の体制作り
2 組織の開発プロセスの現状把握
3 プロセス改善活動計画の作成
4 プロセス改善の実行
5 改善効果の評価

第5章 プロセス改善がうまく回っているか
1 アプレイザルとは何か
1.1 準備活動
1.2 オンサイト活動
2 アプレイザルの準備活動
2.1 アプレイザルの目標と狙い
2.2 アプレイザル計画の作成
2.3 アプレイザルチームの編成
2.4 チームトレーニングの実施
2.5 PIIDs(プラクティス実装指標)の収集
2.6 客観的証拠の初期分析
2.7 準備状況レビュー
3 アプレイザルのオンサイト活動
3.1 PIIDs確認
3.2 インタビューはどのように行うのか
3.3 プロジェクトごとのプラクティスの評価方法
3.4 レベル判定
3.5 成熟度レベル達成の判定
3.6 判定結果を組織に伝える
3.7 スポンサーとの打合せ
3.8 アプレイザル活動のまとめ
3.9 リードアプレイザがSEIへ報告する

付録
1 CMMI V1.1とV1.2のモデル変更点
2 CMMI for Development V1.2プロセス領域
3 問題点と兆候の一覧表

参考文献

はじめに

 本書は、著者らのプロセス改善活動の経験、資格(CMMI○R入門インストラクタ、SCAPMPIRSMリードアプレイザ)を元に、米国のカーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所(CMU/SEI)が提供しているCMMIによるプロセス改善活動の手引書となるように執筆されました。

 CMMI○Rに限らずプロセス改善活動では、プロセス改善活動を実施する企業組織のプロセス改善活動戦略や文化、開発する製品を考慮してプロセス改善活動の戦略、活動計画、手順を決定していく必要があります。つまり、プロセス改善活動は、各組織に最もフィットするように「テーラリング」することが大切になるのです。そして、このプロセス改善活動の「テーラリング」は、それぞれの組織が自ら実施していくことになります。

 本書は、プロセス改善活動を実施する組織が、プロセス改善活動の「テーラリング」を自ら実施できるようにガイドする書籍として執筆しました。そのため、原則としてCMMIモデル自体の解説は割愛しています。書籍の紙面の関係上、CMMIの説明も加えると相当なボリュームになるためです。CMMIについてまだ馴染みがない方は、本書の前書に当たる「図解 はじめてのCMMIとプロセス改善」(橋本隆成著、日刊工業新聞社)を参照ください。

 本書は、読者に効果的にプロセス改善活動を理解してもらうために、大きく2つのブロックで構成されています。

 第1章と第2章は、プロセス改善活動の概要からプロセス活動特有の戦略、活動計画、手順について「トップダウン的な解説」になっています。第1章と第2章でプロセス改善活動について、その全体像をとらえ、「どのような点に注意すればいいのか?」「何がポイントになるのか?」「どのような活動体制でどのように進めたらいいのか?」を理解していただきます。プロセス改善活動について、マクロ的な視点から徐々に具体的な内容へと、読者のみなさんの理解を深めてもらうことを意図しています。

 第3章から第5章は、さまざまな組織のコンサルティング経験を通じて得られた、プロセス改善活動の中でよく直面する疑問点、問題点、ポイントとなる点を具体的な活動項目を取り上げて解説していきます。第1章、第2章のトップダウン的な解説に対して、ここでは「ボトムアップ的な解説」というアプローチになっています。CMMIによるプロセス改善活動は、書籍を通じて、あるいは公開セミナーの場で学習をして、理解したつもりでいても、実際には日々のプロセス改善活動の中で、疑問点、問題点など戸惑うことに数多く直面します。このことから、第3章では「CMMIモデルの逆引き的なアプローチ」を用いて、よくある問題点や兆候を会話形式で取り上げ、その解決策を示しました。また、第4章では「プロセス改善活動を進める際の問題点」を取り上げ、その解決策を示しました。第5章は「実際の評定(SCAMPIアプレイザル)の方法」を理解してもらえるように、具体的にその手順を解説しました。

 CMMIによるプロセス改善活動はCMMIの理解から始まり、プロセス改善活動の進め方、組織成熟度の評定の内容など、相当のボリュームの内容を理解する必要があります。プロセス改善活動を実践する読者の方にとって、プロセス改善活動の中で間違えやすい点、CMMIの書籍や公開セミナーでは解説されない知識やノウハウについても、対話形式によりわかりやすく解説しました。なお、本書で取り上げたCMMI、SCAMPIは2006年8月に改定された最新のVer1.2に基づいています。
 最後になりますが、本書の出版にあたり日刊工業新聞社の奥村功さんに大変お世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。

2007年9月
臼井孝雄
橋本隆成

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