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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい太陽の本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-05935-3
コード C3034
発行月 2007年09月
ジャンル ビジネス 環境

内容

太陽とは何かを考え、太陽内部のエネルギー、太陽から地球への恩恵、そして、太陽系から宇宙の果て、などについて、豊富な科学技術資料と、図面、夢のある写真などで紹介した本。後半では、太陽光のエネルギー利用、人工太陽の開発、そして太陽の未来についても、順にやさしく述べている。

山崎耕造  著者プロフィール

山崎  耕造(やまざき・こうぞう)
1949年(昭和24年) 富山県生まれ。
1972年(昭和47年)東京大学工学部原子力工学科 卒業。
1977年(昭和52年)東京大学大学院工学系研究科原子力工学専攻博士課程 修了(専門はプラズマ物理・核融合工学)。
名古屋大学プラズマ研究所 助手、助教授、名古屋大学核融合研究所(仮称)創設準備室 助教授、核融合科学研究所助教授、教授(総合研究大学院大学教授)を経て、名古屋大学教授。
現在、名古屋大学大学院 工学研究科 エネルギー理工学専攻 教授。工学博士。

目次

第1章
太陽とは?
1 太陽は父なる星か?母なる星か?「神話から現代社会まで」
2 神々の中心には太陽神がいた「世界各地の太陽神崇拝」
3 太陽の中身と大きさは?「アナクサゴラスの「燃える石」説」
4 地動説は古代ギリシャにあった「アリスタルコスの太陽中心の地動説」
5 中世に体系化された天動説「アリストテレスからプトレマイオスへ」
6 近代の地動説の苦悩「ガリレオの宗教裁判と名誉回復」
7 夜空に輝くギリシャの神々「太陽の道にある黄道12宮」
8 太陽系惑星の発見「チチウス・ボーデの法則」
9 冥王星を惑星と呼べない理由「TNO(海王星以遠)天体」
10 星の明るさと年齢「HR図(ヘルツシュプルング・ラッセル図)」
11 宇宙の「凡人」としての太陽「主系列の星」
12 宇宙の「ものさし」としての太陽「太陽質量と天文単位」

第2章
太陽内部はエネルギーの宝庫
13 太陽の内部はどのように調べるのか?「太陽の地震学=日震学」
14 太陽の中心は圧力釜「重力によるプラズマの閉じ込め」
15 エネルギーは太陽の中心から「太陽は巨大な核融合炉」
16 太陽の光はどこからくるのか?「放射層は光を閉じ込める」
17 対流層からの太陽の鼓動「不透明な対流層と5分振動」
18 光球と放射温度の関係「黒体放射の法則」
19 太陽の光は白色の連続光か?「フラウンホーファーの暗線」
20 太陽磁場はどうしてできる?「太陽の中の発電機(太陽ダイナモ)」
21 太陽のあばた=黒点「バタフライ・ダイアグラム」
22 真っ赤な輪郭=彩層「皆既日食の紅色」
23 コロナはなぜ高温か?「太陽コロナ加熱問題」
24 太陽のための観測衛星「「ようこう」から「ひので」へ」

第3章
太陽から地球への贈り物
25 太陽光と日食「太陽での4つの力」
26 光を曲げる太陽の重力の威力「一般相対性理論の検証」
27 太陽はプラズマの風をつくる「超音速の太陽風」
28 美しいカーテンオーロラがゆれる「太陽風と地球地場」
29 太陽面爆発のエネルギーは磁気再結合から「フレアとマイクロフレア」
30 太陽からの宇宙線とは?「太陽宇宙線と銀河宇宙線」
31 太陽ニュートリノの謎を解く「ニュートリノ振動」
32 宇宙天気予報とは?「地球と宇宙の安全」
33 地球寒冷化と地球温暖化「自然の影響と人工の影響」
34 太陽活動と長期気温変動「ミランコビッチサイクル」

第4章
太陽系の広がりと宇宙の果て
35 地球と太陽系と宇宙の大構造「グレートウォールとクエーサー」
36 太陽系はどのように誕生したのか? 「原始太陽と原始惑星」
37 太陽系は何でできている?「水素とヘリウムで99%以上 」
38 地球型惑星は石の惑星「水星、金星、地球、火星」
39 小惑星は大小さまざま「小惑星の雄「セレス」とミニ小惑星「イトカワ」」
40 木星型惑星は巨大なガス惑星「木星、土星、天王星、海王星」
41 地球以外で生物は生存可能か?「ハビタブル・ゾーン」
42 短い周期の彗星のゆりかご「エッジワース・カイパー・ベルト天体(EKBO)」
43 太陽の重力圏と長周期彗星の源「オールトの雲」
44 我が太陽系と銀河系「天の川銀河」
45 局部超銀河団とは?「おとめ座超銀河団」
46 宇宙に果てはあるのか?「137億年のかなた」

第5章
太陽エネルギーの利用
47 太陽定数は定数か?!「太陽エネルギーの変動」
48 太陽熱をさまざまに利用する「光から熱エネルギーへ」
49 太陽光発電の現状は?「光から電気エネルギーへ」
50 太陽電池の原理は?「宇宙での活躍」
51 光合成は高効率か?「光から化学エネルギー」
52 宇宙太陽光発電(SSPS)とは?「マイクロ波送電と安全性」
53 レーザー宇宙太陽光発電と水素生成「近赤外レーザーの利用」
54 太陽光帆船(ソーラーセイル)と光子ロケット「夢の恒星間旅行船」

第6章
人工の太陽を創る
55 人工太陽の研究開発の歴史「水素爆弾」
56 自然の太陽と人工太陽の違いは?「重力、磁力、慣性力の利用」
57 核融合の原理「エネルギーと質量は等価」
58 ミニ太陽のいくつかの方法「磁場核融合と慣性核融合」
59 核融合エネルギーの生成の実証実験「重水素・三重水素核反応実験」
60 人工太陽ITERは燃えるか?「国際熱核融合実験炉」
61 太陽から月への贈り物「エネルギー資源としてのヘリウム3」

第7章
太陽と宇宙の未来
62 人類の未来は?「人口爆発と宇宙移住計画」
63 地球の未来は?「大陸移動の予測とNEOの脅威」
64 太陽の未来は?「老年期は白色矮星として」
65 銀河系の未来は?「棒渦巻銀河から楕円銀河へ」
66 宇宙の未来は?「膨張加速する平坦な宇宙」
67 太陽とともに「自然の太陽と人工の太陽」

【コラム】
芸術・文化・社会に見る太陽(1)
音楽:「ユア・マイ・サンシャイン」と「オ・ソレ・ミヨ」
芸術・文化・社会に見る太陽(2)
映画:「太陽がいっぱい」と「サンシャイン2057」
芸術・文化・社会に見る太陽(3)
文学、絵画、建築:「太陽の季節」、「ひまわり」、「太陽の塔」
芸術・文化・社会に見る太陽(4)
天文暦:太陽暦と曜日の名前
芸術・文化・社会に見る太陽(5)
国旗:日の丸と世界の太陽旗
芸術・文化・社会に見る太陽(6)
政治:太陽政策、太陽党

参考文献
索引

はじめに

 空を見上げると、そこにはいつも輝く「太陽」がありました。太陽誕生から46億年の間、膨大なエネルギーを出し続けています。その太陽のエネルギーのおかげで生命が誕生し、この地球上で様々な生物が生育・発展してきました。古代の人々にとっては、夜の闇と寒さの恐怖から逃れるために、朝日の出るのを首を長くして待ち望んだことと思います。
 古来、太陽は神であり、神聖なものでした。その太陽も完全無欠の星ではなく黒点のようなシミがあり、その太陽の周りを宇宙の中心である私たちの地球が回っていることを理解するには、かなりの年月と犠牲が必要となりました。太陽も宇宙に無数に輝く星の1つであり、「凡人」の星に過ぎないのです。
 太陽の内を覗くと、そこでは核融合反応により膨大なエネルギーが生み出されています。太陽は自然の巨大なプラズマでできた核融合炉なのです。この自然の核融合炉からニュートリノはおよそ8分で地球に到達しますが、私たちの生活に無くてはならない光と熱は太陽内部から、なんと数十万年を経て、ようやく地球に届くことになります。
 太陽から地球へは色々な贈り物が届きます。特に、太陽からの超音速のプラズマの風は、電波障害や宇宙飛行への悪影響など、多大な影響を及ぼします。逆に、太陽風が銀河宇宙線を蹴散らしたり、オーロラ観光を促進したリの良い面もあります。この太陽風の観測を中心とした「宇宙天気予報」は、今や欠かすことはできなくなってきています。
 太陽から外を眺めると、太陽の「家族」としての惑星の他に、多くの恒星、彗星が見られます。天の川の「源流」や彗星の「ゆりかご」を探して、更には、銀河系、局部銀河群、超銀河団などを見つめることで、宇宙の大構造が見えてきます。宇宙は本当に広く、しかも、まだまだ膨らみ続けているのです。
 この太陽光のエネルギーの利用は、地球温暖化対策の切り札となっています。太陽光発電の世界一の座は、残念ながら、つい最近になってドイツに奪われてしまいましたが、世界の太陽電池の生産量の半分は、依然として日本が製造しています。
 もうひとつの地球温暖化対策の切り札は、人工太陽としての核融合発電です。国際協力としてのITER(国際熱核融合実験炉)の建設が始まりつつあります。月資源としてのヘリウム3を用いた先進的な核融合炉にも、夢と期待が集まっています。
 人類の未来、地球の未来、太陽の未来、そして、宇宙の未来はどのようになるのでしょうか? 地球は灼熱地獄か、氷の世界か? 宇宙はビッグクランチか、熱的な死か? 科学技術による輝かしい未来の展望と開拓に期待したいものです。
 それでは、太陽とは何かを考え、太陽内部のエネルギー、太陽から地球へ、そして、太陽系から宇宙の果てへ、を考えます。さらに、太陽光の利用、人工太陽の開発、そして、太陽の未来について、順にやさしく述べていきましょう。

    2007年9月
                                  山崎耕造

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