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絵とき「レーザ加工」基礎のきそ

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 184頁
ISBNコード 978-4-526-05890-5
コード C3053
発行月 2007年06月
ジャンル 金属 機械

内容

レーザ加工は、材料を正確に切断したり、微小な穴をあけたり、小さな部品を溶接することができるなどの特徴から、多くの現場で活躍している。本書は、レーザ光の特徴と種類、各種レーザ加工のメカニズムなどをやさしく解説する。

新井武二  著者プロフィール

新井 武二(あらい たけじ)
 中央大学研究開発機構 教授
 1945年生まれ。東京教育大学(現 筑波大学)大学院修士課程修了、中央大学 大学院博士課程(単位取得)満了。
 同 理工学部専任講師、ファナック基礎技術研究所主任研究員、アマダレーザ応用技術研究所長を経て現職。その間、電子技術総合研究所(流動研究員)、産業技術総合研究所(客員研究員)を歴任。2007年1月現在、レーザ協会会長を務める。
 工学博士、農学博士。

●主な著書
・「レーザ加工の基礎工学」丸善発行、2007年1月
・「高出力レーザープロセス技術」マシニスト出版発行、2004年9月
・「はじめてのレーザプロセス」工業調査会発行、2004年6月
 その他多数

目次

はじめに

第1章 レーザとは何だろう
 1-1 レーザとは
 1-2 レーザ光の性質
 1-3 レーザの種類
 1-4 レーザの生い立ち
 1-5 主な加工用レーザ

第2章 どうやってレーザ光をつくり出す
 2-1 レーザ光の取り出し
 2-2 レーザ光の発生
 2-3 発振のしくみ
 2-4 レーザ発振
 2-5 レーザ共振器

第3章 レーザ加工の装置とは
 3-1 加工機の構造
 3-2 光の伝送と集光
 3-3 加工ヘッド
 3-4 実際の加工機
 3-5 レーザの発振形態

第4章 レーザ光を材料にあてたらどうなる
 4-1 光の吸収
 4-2 光の反射
 4-3 熱の発生
 4-4 材料の変化
 4-5 加工の基本要素
 4-6 パワー密度と照射時間
 4-7 時間の概念

第5章 主なレーザ加工は
 5-1 レーザ加工の種類
 5-2 切断・穴あけ加工
 5-3 溶接・接合加工
 5-4 表面処理・改質加工
 5-5 レーザ医療
 5-6 レーザ加工の移り変わり


第6章 これからのレーザ加工は
 6-1 従来技術の性能向上
 6-2 特殊レーザ加工
 6-3 新しいレーザ加工
 6-4 新しい産業への応用
 6-5 レーザ工芸
 6-6 レーザによる微細加工
 6-7 レーザアブレーション加工
 6-8 今後期待される産業応用

 おわりに
 索  引

はじめに

レーザ光線という文字がひんぱんに新聞や雑誌を賑わすようになりました。レーザといえば、ミュージックライブやレーザショウなどでレーザ光線の色と動きを視覚的に楽しめるレザリアムがお馴染みですが、宇宙戦争における光線銃であるとか、あるいはスターウォーズのレーザブレードなどのイメージをお持ちのかたがたも多いと思います。また身近には、レーザプリンタやパソコンのDVDやCDプレーヤなどの読取り装置として、私たちの日常生活の中でもよく利用されるようになりました。
 
さらに産業界に目を転じれば、機械工業、金属加工業、電子工業、鉄鋼業、自動車製造業などほとんどの分野でレーザ加工機は生産手段として広く用いられるようになり、いまや欠かせないモノづくりの主要設備となっています。しかし、これだけ身近な存在になっても、実際はレーザに関してあまりにも上辺しか知らない場合が多いことに気づきます。レーザは光ですが、もともと自然界には存在しません。すなわち、人工的に創りだされた科学(量子)の光なのです。レーザが難しく感じられるのは、このように普段の生活から掛け離れた「光」だからだと思います。

しかし、レーザをよくひも解いてみると大変おもしろい自然のしくみが見てとれます。また、従来とまったく異なるレーザ光は本書で述べるように多くの産業技術に変化と発展をもたらしました。何となくでもレーザを分かってみると、大自然の営みと科学の不思議さを感じていただけると思います。

では、本書のタイトルにある「レーザ加工」とはなんでしょうか?加工とは機械などで材料を切ったり、削ったり、曲げたり、くっ付けたりして新しい付加機能を与えることですが、それをレーザという「特殊な光」で行うのです。つまりレーザで材料を切断したり、溶接したりするのがレーザ加工です。何が特殊なのかは、追って文中でお話します。また、実生活の中で何となくイメージできるレーザと、工業的なレーザ加工とは直接結びつかないかもしれません。 その理由は、レーザには多くの種類があり、性質がそれぞれ少しずつ違うからなのです。太古の昔、人間が石や鉄の道具を手にしてから生活様式が大きく変わったように、20世紀後半から現在まで、レーザ加工は従来のモノづくりに活力と夢を与え、大きな変革をもたらしました。

この本は“科学の光”であるレーザを容易に説明し、生産手段として工業的に使う方法をやさしく“絵とき”するのが目的です。もともと難しい原理をやさしく説明するのは、ときにはかえって困難を伴うものです。なかには説明しても馴染めない言葉もあるかも知れませんが、意味を外さない範囲でなるべく噛み砕いて説明しようと思います。これにより「光で加工する」という意味のレーザ加工が理解できると思います。読めばなっとく、見ればガッテンとなるはずです。そしてレーザ加工が「よく分からない」から「なるほど何となく分かった」に変わるとともに、新しい技術を知る楽しみを感じていただき、つぎの学習のステップに結びつけてくれれば、本書が目的とした以上のものであると思っています。

最後に、日頃この新しい技術の普及に努力してきた者として、このようにまったくの初心者のための本を書く機会を与えていただいた日刊工業新聞社出版局書籍編集部の方々に感謝いたします。

2007年6月
新井武二

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