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わかりやすい
アナログ・デジタル混在回路のノイズ対策実務入門

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ B5判
ページ数 168頁
ISBNコード 978-4-526-05858-5
コード C3054
発行月 2007年03月
ジャンル 電気・電子

内容

アナログ回路とデジタル回路が混在している回路の設計を中心に、ノイズに関する業務に従事する技術者向けに執筆された実務書。本書の特徴は、ノイズ発生のメカニズムを明らかにして、その原理、技術的対策の基本的な考え方を示しているところ。高周波対策設計の専門書で人気の著者の最新刊。

鈴木茂夫  著者プロフィール

鈴木 茂夫(すずき しげお)
1976年 東京理科大学 工学部 電気工学科卒業
フジノン(株)を経て(有)イーエスティー代表取締役、技術士(電気・電子/総合技術監理部門)、関東職業能力開発大学校客員教授
【業務】
・電子映像技術(CCD応用)、高周波技術、EMC技術等の支援、技術者教育(高度ポリテクセンター外部講師)
・上記技術の企業内セミナー
・品質ISO9001/環境ISO14001/労働安全OHSAS18001/マネジメント構築支援業務
・ISO統合マネジメントシステム(品質・環境、品質・環境・安全)の構築業務及び企業内セミナー
【ISO関連資格】
JRCA品質マネジメントシステム主任審査員
CEAR環境マネジメントシステム主任審査員
JAB認定環境審査員研修コース主任講師
IRCA (QMS、EMS、OHS)プリンシパルAuditor
Eメール rd5s―szk@asahi―net.or.jp
ホームページ:http://www.ne.jp/asahi/est/szk
【著書】
EMCと基礎技術(工学図書)、主要EC指令とCEマーキング(工学図書)、実践Q&A EMCと基礎技術(工学図書)、CCDと応用技術(工学図書)、技術士合格解答例(電気・電子・情報)(共著、テクノ)、環境影響評価と環境マネジメントシステムの構築(工学図書)、実践ISO14000審査登録のすすめ(共著、同有館)、技術者のためのISO14001―環境適合性設計システムの構築(工学図書)、実践Q&A環境マネジメントシステム困った時の120例(共著、アーバンプロジュース)、ISO総合マネジメントシステム構築の進め方―ISO9001/ISO14001/OHSA18001(日刊工業新聞社)、電子技術者のための高周波設計の基礎と勘どころ(日刊工業新聞社)、電子技術者のためのノイズ対策の基礎と勘どころ(日刊工業新聞社、台湾全華科技図書翻訳出版)、わかりやすいリスクの見方・分析の実際(日刊工業新聞社)、わかりやすい高周波技術入門(日刊工業新聞社、台湾建興文化事業有限公司翻訳出版)、わかりやすいCCD/CMOSカメラ信号処理技術入門(日刊工業新聞社)、わかりやすい高周波技術実務入門(日刊工業新聞社)


目次

はじめに  

第1章 電子回路基板内で起こっている現象、そのメカニズムを明らかにする
(電磁放射のメカニズムとS/N劣化のメカニズム)
 1.1 電子回路基板内で起こっている現象とそのメカニズムの概要  
 1.2 信号電流とICを動作させるための電源電流はノーマルモード  
 1.3 ノーマルモードノイズからコモンモードノイズへの変換  
 1.4 コモンモードノイズが伝搬する経路  
 1.5 コモンモードノイズからノーマルモードノイズへの変換  
 1.6 S/Nの劣化と誤動作は変換されたノーマルモードノイズ電圧による  
 1.7 ノイズを放射するアンテナ  

第2章 ノーマルモードノイズのエネルギーとその低減対策
 2.1 デジタル信号の特徴とその周波数スペクトラムの大きさ  
 2.2 デジタル信号は不要な周波数スペクトラムを多く含む  
 2.3 スイッチングノイズの特徴とその周波数スペクトラムの大きさ  
 2.4 デジタル信号のエネルギー(周波数スペクトラム)を下げるための対策は
 2.5 スイッチングノイズを低減させるための対策は  

第3章 ノーマルモードからコモンモードへの変換のメカニズム
 3.1 打ち消されないノーマルモードノイズ電流からコモンモードノイズ電圧が発生する  
 3.2 インダクタンスLに発生したコモンモードノイズ電圧とコモンモードノイズ電流を伝搬するコンデンサC  
 3.3 コモンモードノイズ電圧と流れるコモンモードノイズ電流  
 3.4 変換を最小にするための考え方  
 3.5 ノーマルモードノイズ電流とコモンモードノイズ電流による放射レベルの比較  

第4章 ノーマルモードノイズからコモンモードノイズへの変換を最小にする技術
 4.1 ノーマルモードノイズ電流の打消しを最大にする(信号とリターンを確保して、接近させる具体例)  
 4.2 インピーダンスマッチング(信号の反射を防ぐ)  
 4.3 信号の反射のメカニズムとそのノイズ放射  
 4.4 インピーダンスマッチングの差による電磁波の放射(実測値)  
 4.5 平衡化技術(信号とそのリターンの打ち消し効率の最大化:差動伝送技術)  

第5章 コモンモードノイズの伝搬と外部への放射メカニズム
 5.1 電磁波の速度と波長の関係  
 5.2 電界と磁界の発生  
 5.3 プリント基板からの電磁波の放射  
 5.4 プリント基板に接続されたケーブルからの放射  
 5.5 伝搬媒体となるインダクタンスLとコンデンサC  

第6章 コモンモードノイズがノーマルモードノイズに変換されるメカニズム
 6.1 伝搬したコモンモードノイズ電流がノーマルモードノイズ電圧に変換されるメカニズム  
 6.2 不平衡回路によってコモンモードノイズ電流がノーマルモードノイズ電圧に変換される  
 6.3 平衡回路によって変換されたノーマルモードノイズ電圧の低減  
 6.4 コモンモードノイズ電流がアナログ回路のS/Nを低下させる  
 6.5 コモンモードノイズからノーマルモードノイズへの変換を最小にする設計  
 6.6 電子回路の誤動作、部品の破壊、S/N劣化はこうして起こる  
 6.7 電子機器システム接続によるS/N劣化や誤動作  
 6.8 性能の悪い電子回路基板は外部に放射されるノイズが多い理由  
 6.9 エミッションとイミュニティーは同じ技術か  

第7章 アナログ回路とデジタル回路の混在
 7.1 デジタル回路とアナログ回路の分離(ノーマルモードノイズ対策)  
 7.2 デジタル回路とアナログ回路を分離したときのコモンモードノイズ電流の流れる経路  
 7.3 分離されたGND(スリット)を流れる電流  
 7.4 デジタルGNDとアナログGNDは分離しないほうが電磁放射に対しては有利になる(GND共通がよい)  
 7.5 アナログ回路でコモンモードノイズ電流がノーマルモードノイズ電圧に変換されるメカニズムと変換を最小にするための回路設計  
 7.6 アナログ・デジタル混在回路基板の実際  

第8章 電子機器システムにおけるノイズメカニズムと電磁環境適合設計
 8.1 電子制御システム機器の構成例  
 8.2 コモンモードノイズ電圧の発生とコモンモードノイズ電流が流れる経路
 8.3 ノイズメカニズムに合わせた電磁環境適合設計のためのチェックリスト
 8.4 電磁環境設計のためのマネジメント  
 8.5 ノイズの問題は環境問題であり電磁環境設計は安全技術である。リスクマネジメントの考え方  

巻末資料  
参考文献  
索  引  

はじめに

 近年、電子機器や携帯電話などの通信機器が目覚しく進歩、普及し、電子機器自体の高度化、高機能化、高集積化、処理速度の大幅向上のためにデジタル回路で取り扱うクロックの周波数が非常に高くなっています。また、デジタル信号を増幅して負荷を駆動させるパワー回路などにおいてもその高調波が電磁波となって外部に放射されことや、信号レベルの低いデジタル回路を誤動作させる現象が生じます。

 アナログ信号とデジタル信号を扱う(アナログ・デジタル混在回路や混在システム)電子回路基板や電子機器においてもデジタル回路のクロックから発生した高調波が外部に電磁波となって放射されたり、デジタル回路から発生したコモンモードノイズがノーマルモードノイズに変換されてアナログ回路のS/Nを低下させる現象(ノイズ混入、誤動作、誤情報など)が起こります。最も優先に取組む内容はデジタル回路から発生するノイズエネルギーをいかに低減させ、伝搬しにくくするかとなります。次の手段として影響を受けやすい回路(アナログ・デジタル問わず低いレベルの信号を扱っている回路)の防御対策を施すといった順序になります。そのため、本書の特徴は次のような点にあります。
・電子回路基板や電子機器システムにおけるノイズの放射とS/N劣化(アナログ信号や低レベルのデジタル信号を含む)のメカニズムを明らかにしています。
・このメカニズムに基づいて、その原理、技術的対策の基本的な考え方を示しています。
・ノーマルモードノイズからコモンモードノイズへの変換、コモンモードからノーマルモードノイズへの変換のメカニズムとその着目すべき技術的なポイントを示しています。
・アナログGNDとデジタルGNDについてノーマルモードノイズに対する対策とコモンモードノイズ対策について明確な考え方を示しています。
・電磁環境適合設計とそのマネジメントの考え方を示しています。

 これらの特徴を実現するために、以下のような内容としました。
 第1章では電子回路基板内部で起こっている電磁放射のメカニズムとS/N劣化のメカニズムについて概要を述べています。
 第2章ではデジタル回路の信号であるノーマルモードノイズのエネルギーを低減するための方法を述べています。
 第3章ではデジタル回路から発生したノーマルモードノイズがコモンモードノイズに変換されるメカニズムを述べています。
 第4章ではノーマルモードノイズがコモンモードノイズに変換されるメカニズムに基づいて、その変換を最小にする方法について述べています。
 第5章では変換されたコモンモードノイズがどのようにして回路内(回路間)を伝搬して、外部に放射されるメカニズムについて述べています。
 第6章では伝搬したコモンモードノイズがノーマルモードノイズに変換されるメカニズムについて述べています。
 第7章ではコモンモードノイズからノーマルモードノイズへの変換を最小にするアナログ回路の防御対策について述べています。
 第8章では電子機器システムにおけるノイズメカニズムの考え方と電磁環境適合設計についてのマネジメントの方法について述べています。

 アナログ回路とデジタル回路が混在している回路の設計や電子機器システムの設計業務、ノイズ関連の設計やノイズ対策等に関する業務に従事、製造現場でのノイズによる機器のトラブルなどに従事、またこれらの業務にこれから従事しようとしている人に向いています。読者の皆様方に本書が少しでもお役に立てれば幸いであると願っております。

 最後に本書をまとめるにあたり、原稿の校正、注意点等有益なご指導をいただきました出版局書籍編集部の副部長 鈴木 徹氏に心から感謝いたします。

 平成19年2月 著  者 

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