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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい金型の本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-05837-0
コード C3034
発行月 2007年03月
ジャンル ビジネス 金属

内容

均質なモノを大量に生産するためには、金型は欠かせない。金型なくしては、一日としてモノづくりは成り立たなくなっている。それなのに金型について知っている人は少ない。本書は、そんな金型の基礎事項から金型を用いた生産まで網羅した金型の入門書。

吉田弘美  著者プロフィール

1939年 東京生まれ1966年 工学院大学機械工学科卒業。1959年 松原工業株式会社入社。品質管理、金型設計、生産管理、生産技術などの職務を歴任。同社を退職後、株式会社アマダを経て、1979年に吉田技術士研究所を設立、現在に至る。
主な著書「プレス金型の標準化」「金型加工技術」「金型のCAD/CAM」「よく分かる金型のできるまで」「プレス加工のトラブル対策」「金型設計基準マニュアル」「プレス金型設計・製作のトラブル対策」「絵ときプレス加工基礎のきそ」など多数。

目次

目次



第1章

いろいろな型と金型について



1 もしも金型がなかったら「現在の生活は金型があって成り立っている」

2 金型以外のいろいろな「型」「身の回りのさまざまな型とその種類」

3 金型とほかの型との違い「さまざまな型の材質とその用途」

4 型を使うのはなぜ?「モノづくりの進歩と型の関わり」

5 型と金型の歴史「古代文明の時代にも型はあった」

6 たったひとつの製品を作るための型「製品をひとつ作ったら、壊してしまう型がある」

7 金型で何ができるの?「金型は専門の工場で大活躍をしている」

8 日本で最初に作られた多量生産用の金型「お金(硬貨)の作り方は、明治時代に変わった」

9 製品素材の変化と金型「製品の材料が変わると型も変わる」



第2章

金型ってどういうもの?



10 金型はどこでどのように作っているの?「金型はいろいろな会社で作られている」

11 金型はどこで誰が使っているの?「部品を作る工場で、専用の機械に付けて使う」

12 金型なぜお店で売っていないの?「金型を店で買う人はなく、店では売れない」

13 金型を使うと精度の高いものができる「金型は製品の精度より高い精度で作る」

14 自動車は金型でできている「自動車の部品で金型を使わないものは、非常に少ない」

15 電器・電子機器と金型「使用する部品の変化が激しい」

16 厨房機器および食器と金型「台所にはプレス加工品が多い」

17 文房具、雑貨などと金型「なぜ百円ショップの製品は、こんなに安いの 」

18 船、鉄道車両、航空機などの輸送機と金型「航空機にも金型で作った製品が詰まっている」

19 金型の種類別の生産量と金額「金型は種類によって値段が大きく変わる」

20 金型製作者に必要な技術と技能「金型製作者はいろいろな専門の知識と経験が必要」



第3章

金型の種類と特徴



21 穴明けパンチを見ればプレス加工用金型が分かる「両方とも同じ原理と構造になっている」

22 ハンマーから進化した鍛造用金型「村の鍛冶屋は鍛造と鍛造型のルーツ」

23 鯛焼きとプラスチック成形型「鯛焼き用の型はプラスチック成形型に似ている」

24 ゴム風船と同じように膨らませて作る金型「入り口より奥が大きい容器を作る」

25 金型の経済性(金型を作ったほうが得かどうか)「金型を使う場合、金型製作費がかかる」

26 金型にはダイとモールドのグループがある「多くの工程と金型を使うダイと、一発成形のモールド」

27 プレス加工用金型の機能と構造「加工以外にもさまざまな役割がある」

28 プレス加工用金型の種類と特徴「プレス加工法には五種類の方法と金型がある」

29 プレス金型を使った製品の生産「プレス機械その他との共同作業で生産をする」

30 鍛造用金型の構造と特徴「鍛造用金型は、強くて頑丈」

31 プラスチック成形用金型の機能と構造「溶かした材料を金型の中に押し込んで成形する」

32 プラスチックの射出成形と金型「射出成形機と金型の共同作業で製品を作る」

33 ダイカストとダイカスト型「低い温度で溶ける金属材料を鋳造する」

34 ゴムの成形と金型「剛性ゴムを作るための装置と金型との役割」



第4章

金型の製作工程



35 金型ができるまでの工程「金型はそのつど設計し、多くの工程を経て作られる」

36 金型に使われている材料「金型に使われる材料は特殊鋼が多い」

37 金型を作るための機械「「機械を作る機械」と言われる工作機械で加工をする」

38 市販されている金型用の部品「金型部品には購入して使うものが多くある」

39 金型を作るためのコンピュータシステム「設計にも機械加工にもコンピュータが使われている」



第5章

金型設計



40 金型の仕様の決定「金型は仕様に合わせて作られる」

41 金型設計の内容と手順「金型の種類とCADの使い方」

42 金型図面の書き方と見方「金型は投影法の三角法で書く」

43 コンピュータで図面を書く「CADを使えば、製図道具は必要ない」

44 CADで金型図面を書く例「設計のポイントは、データベースの活用」

45 組立図の作成「平面図と断面図の表現の方法」

46 プレス金型設計の事例「平面図、断面図および部品表」

47 プラスチック成形型の設計「製品形状と材料の通路の組み合わせが重要」

48 金型の機能を部品に展開する「金型全体の機能はそれぞれの部品が担当する」

49 金型部品の設計事例 「部品図は部品ごとに1枚ずつ作る」



第6章

金型部品の加工



50 加工方法と金型部品「使用する機械と刃物」

51 金型部品の熱処理「熱処理で鋼はたくましく変身する」

52 金型部品の切削加工「切削加工は刃物で少しずつ削る」

53 マシニングセンタでの金型部品の加工「マシニングセンタは金型加工の万能選手」

54 金型部品の研削加工「研削は砥石が刃物であり、これで削る」

55 放電加工による金型部品の加工「放電加工は小さな雷をくり返す」

56 金型部品の加工工程?(平板部品)「金型は平板の加工が多い」

57 金型部品の加工工程?(小物ブロック状部品)「小物部品は形状も加工内容もさまざま」

58 金型部品の加工工程?(円筒形の部品)「円筒形の部品は標準部品が多い」



第7章

金型の仕上げと組立、その他



59 経験と熟練の仕上げ作業「さまざまな作業の多くは手工具で行う」

60 宝石と金型はみがけば光る(みがき作業)「みがきで金型のできばえが大きく変わる」

61 金型の組立「組立は順序正しく、作業は正確に」

62 金型の組立に必要な工具「正規の工具を正しく使う」

63 組立中の調整および修正作業「調整と修正は最後の手段」

64 組み立てた金型の検査と確認 「試し加工ができることの確認」

65 試し加工「金型に問題がないことを保証する」

66 金型の検収と納品「金型の完成と引き渡し」



【コラム】

●まだまだ型はある

●金型は見えにくい

●金型は種類で大きく変わる

●金型作りは素晴らしい

●金型設計とアナログ情報の壁

●金型加工は道具で変わる

●金型の何でも屋さん

参考文献

索引

はじめに

はじめに



金型は現在の工業を支えている非常に重要なものです。本文でも詳しく述べてありますが、金型がなくては自動車も、テレビも作れません。

たとえ作れても値段は数十倍から数百倍になり、品質も不安定になると思われます。このように重要な金型ですが、一般の人が金型を知る機会は少なく、見たことがない人も大勢いると思います。学校でもほとんど教えておらず勉強をした人もほとんどいないでしょう。パソコンなどのように専門書は一般の本屋さんでも見かけず、個人で勉強をすることもないでしょう。

金型製作技術の向上には世界中の国々が力を入れていますが、日本は国や学校があまり熱心ではありません。このため日本の金型技術は大部分が中小企業を中心とする、企業の中で努力をして進歩をし、世界のトップレベルを維持してきています。

金型は需要先の産業を支えるだけでなく、金型とその技術も輸出されており、海外に指導に行っている人も大勢います。逆に日本に金型の勉強に来ている人もいます。

これまでの金型製作は、企業ごとのノウハウが多く、人も多くの経験と熟練を必要としていました。しかし現在はコンピュータを使った設計方法(CAD)や熟練した腕がなくても容易に加工できるNC(数値制御)工作機械およびCAM(コンピュータによる製造)があります。これらを活用することで、コンピュータゲームやパソコンを使うのと同じように、金型の設計や加工ができるようになりました。もちろん女性の金型設計者や金型製作者も増えています。

金型の製作は一人ひとりの創造性を生かせること、モノづくりの面白さが溢れていること、これからも発展の余地が大きいこと、世界的に職業として優遇されていることなどさまざまな魅力があります。金型はこれからもさらに製品の高精度・高品質化、小型化と高性能化などのニーズに応えるように進歩と発展を続けることと思われます。

これを機会にぜひ金型に興味を持ってください。身の回りには金型で作ったものが溢れていると思います。



2007年1月

吉田 弘美

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